自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第4話『信用しない、諦めない、めげない』
主人公名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
(ひえぇぇぇっ! これはヤバい! ヤバいが過ぎるぞ!)
切原を見た途端、頭の中が一瞬真っ白になるもすぐに逃げ出してしまった遥は嫌でも期待の2年生エースに落ちてしまったのだと自覚する。
やはり昨日の顔面目がけて来る打球から守ってくれたのが原因だろう。普段はあんなにおちゃらけて調子乗りなのに軽々と返す姿に釘付けになってしまったのだから。
熱くなる頬を押さえながら、こんな簡単に好きな人が出来るとは思ってもみなかった遥はもしかしてこれは運命なのでは!? と考える。
こうなれば運命に従って赤也と仲良くなるべきだよね! うん! と自分に言い聞かせながらテニスコートへと戻って来た遥。
どうやらほとんどのメンバーが走り込みを終えたようで最後にゴールをしたのは1年生の新入部員達である。
すでにヘロヘロで座り込む者もいればフラフラした足取りをし、縺れて転ぶ部員もいた。その現場を目撃した遥は慌てて下級生の元へと駆け寄る。
「き、君、大丈夫っ?」
「う、うううっ……さすが立海でヤンス~……朝練からハードで目が回るでヤンス~……」
俯せに倒れる少年に声をかけると、どうやら意識はあるようなので遥はそのまましゃがみ込み、1年生の手を引いて立ち上がらせた。
「気をしっかり持つのだ新入生! 君達は3年生より10周も少ないのだ! これくらいで根を上げてはいけないぞ!」
「ひ、ひええぇぇぇ~~……」
どうやらその事実を知って本当に目を回してしまったようだ。
現実を突きつけてしまったかな……なんて思うも、それで辞めてしまうくらいなら多分この恐ろしいほど厳しいテニス部には合わないだろう。
彼は新入生だから今ならまだ引き返せるし、新しい部活にも入りやすいので早々に退部を決意してもいいはずだ。
「まぁ、無理せずにね! 特にここは一番厳しいらしいし、合わなかったら他の部活に移っちゃってもいいからさ!」
肩をポンポンと叩きながらも慰めつつ、他の部に移籍することを提案しながら後輩の顔をよく見ると、その特徴的な髪型と丸く色づく頬に目が行き、どこかで見たことあるなぁと既視感を抱いた。
「いんや、オイラはこげなことで簡単には辞めないでヤンス!」
「あっ」
先ほどから彼の口から出る独特的な話し方にも聞き覚えがあると思ったところで遥は昨日の朝のことを思い出す。
間違えて教えられた時間を集合時間だと勘違いし、遅刻しそうだと思ってダッシュしたのが災いとなり転んだ遥を心配してくれた少年ということを。
「君、昨日会ったよね!」
「え? あ、はいっ。そうでヤンス~! 全然気づかなかったでヤンスか~?」
「うん! いや~まさか恥ずかしい姿を見られたのがテニス部員だとは思わなかったよ~」
「オイラもまさか派手にコケた人が新しく入ったマネージャーだとは夢にも思わなかったでヤンス~」
「出来ればその時の記憶を抹消してほしいんだけどね! ところで新入生くんの名前はなんて言うの?」
「オイラ、浦山しい太でヤンス!」
「ふむふむ、しい太だね。よろしくっ! 知ってるかもだけど西成遥さんだよっ」
「知ってるでヤンス~」
軽く自己紹介をした二人ではあるが、すぐに副部長である真田が招集をかけるので遥と浦山は慌てて集合しに向かった。
立海の名物とも言える厳しい朝練を終えると遥はすぐに麻美へ絡みに行こうとするが、すでに彼女は着替えもすませて先に教室に向かったようだ。
後片付けに手間取っていたのと、柳生による突如始まったテニスクイズを出題されたのが敗因である。
そのため更衣室には着替え途中の秋しかいなかった。
「くっ、出現率が低いモンスターかな、麻美ってば」
「ごめんね、私も赤宮さんを捕まえようと思ったんだけど、何もかもが早くて……」
「ふむ、それは仕方ない。逃げることメタルスライムの如し、だからね」
「メタルスライム……?」
「すぐ逃げるんだよっ! メタルスライム!」
「……?」
簡単に説明をしてもどうやら理解を得られなかったようなので遥は秋にゲームで例えるのは難しいということを学習した。
「あのね、遥。私、決めたんだけど、例え赤宮さんが私達を何度拒絶しようとしても諦めないことにしたの。友達は無理でも少しは話の出来る知り合いくらいにはなりたくて。もちろん、不愉快にさせない範囲ではあるけど」
すると何か決意をしたような表情でそう語る秋に遥はうんうんと嬉しそうに頷きながらも「すでに不愉快にさせてると思うんだけどね~」と思ったのはここだけの話である。
「いい心構えだと思うよ! こっちはあたしと秋の二人で向こうは一人! 数で言えばこちらの方が有利だし、地獄の果てまで追いかけようぞ!」
「地獄の果てまではちょっと危ない気もするけど……うん、頑張ろうね。赤宮さんは悪い人じゃないって真田くんも言ってたし」
「へー? 真田が? どっちかと言うと敵対しそうな二人なのにねー」
「二人は幼馴染みらしいよ」
「えっ!? そうなの!? 意外~っ!」
友人が多く、色んな噂や情報を知っている遥でもその話は初耳だった。
「私も驚いたんだけど、真田くんなりに赤宮さんのことを気にしてるみたいで彼女のことを任されたの。だから少しは赤宮さんの心許せる相手になりたいなぁって」
「あの二人がねぇ……どっちかって言うと真田が麻美を叱り飛ばして、麻美が真田を鬱陶しがってそうな感じなのに。まぁ、顰めっ面な所は似てるよね! よぉし、じゃあ昼休みに麻美んとこに突撃しよ!」
「うんっ」
かくして、遥と秋による麻美と仲良くなる作戦はまだまだ続行となるのであった。
切原を見た途端、頭の中が一瞬真っ白になるもすぐに逃げ出してしまった遥は嫌でも期待の2年生エースに落ちてしまったのだと自覚する。
やはり昨日の顔面目がけて来る打球から守ってくれたのが原因だろう。普段はあんなにおちゃらけて調子乗りなのに軽々と返す姿に釘付けになってしまったのだから。
熱くなる頬を押さえながら、こんな簡単に好きな人が出来るとは思ってもみなかった遥はもしかしてこれは運命なのでは!? と考える。
こうなれば運命に従って赤也と仲良くなるべきだよね! うん! と自分に言い聞かせながらテニスコートへと戻って来た遥。
どうやらほとんどのメンバーが走り込みを終えたようで最後にゴールをしたのは1年生の新入部員達である。
すでにヘロヘロで座り込む者もいればフラフラした足取りをし、縺れて転ぶ部員もいた。その現場を目撃した遥は慌てて下級生の元へと駆け寄る。
「き、君、大丈夫っ?」
「う、うううっ……さすが立海でヤンス~……朝練からハードで目が回るでヤンス~……」
俯せに倒れる少年に声をかけると、どうやら意識はあるようなので遥はそのまましゃがみ込み、1年生の手を引いて立ち上がらせた。
「気をしっかり持つのだ新入生! 君達は3年生より10周も少ないのだ! これくらいで根を上げてはいけないぞ!」
「ひ、ひええぇぇぇ~~……」
どうやらその事実を知って本当に目を回してしまったようだ。
現実を突きつけてしまったかな……なんて思うも、それで辞めてしまうくらいなら多分この恐ろしいほど厳しいテニス部には合わないだろう。
彼は新入生だから今ならまだ引き返せるし、新しい部活にも入りやすいので早々に退部を決意してもいいはずだ。
「まぁ、無理せずにね! 特にここは一番厳しいらしいし、合わなかったら他の部活に移っちゃってもいいからさ!」
肩をポンポンと叩きながらも慰めつつ、他の部に移籍することを提案しながら後輩の顔をよく見ると、その特徴的な髪型と丸く色づく頬に目が行き、どこかで見たことあるなぁと既視感を抱いた。
「いんや、オイラはこげなことで簡単には辞めないでヤンス!」
「あっ」
先ほどから彼の口から出る独特的な話し方にも聞き覚えがあると思ったところで遥は昨日の朝のことを思い出す。
間違えて教えられた時間を集合時間だと勘違いし、遅刻しそうだと思ってダッシュしたのが災いとなり転んだ遥を心配してくれた少年ということを。
「君、昨日会ったよね!」
「え? あ、はいっ。そうでヤンス~! 全然気づかなかったでヤンスか~?」
「うん! いや~まさか恥ずかしい姿を見られたのがテニス部員だとは思わなかったよ~」
「オイラもまさか派手にコケた人が新しく入ったマネージャーだとは夢にも思わなかったでヤンス~」
「出来ればその時の記憶を抹消してほしいんだけどね! ところで新入生くんの名前はなんて言うの?」
「オイラ、浦山しい太でヤンス!」
「ふむふむ、しい太だね。よろしくっ! 知ってるかもだけど西成遥さんだよっ」
「知ってるでヤンス~」
軽く自己紹介をした二人ではあるが、すぐに副部長である真田が招集をかけるので遥と浦山は慌てて集合しに向かった。
立海の名物とも言える厳しい朝練を終えると遥はすぐに麻美へ絡みに行こうとするが、すでに彼女は着替えもすませて先に教室に向かったようだ。
後片付けに手間取っていたのと、柳生による突如始まったテニスクイズを出題されたのが敗因である。
そのため更衣室には着替え途中の秋しかいなかった。
「くっ、出現率が低いモンスターかな、麻美ってば」
「ごめんね、私も赤宮さんを捕まえようと思ったんだけど、何もかもが早くて……」
「ふむ、それは仕方ない。逃げることメタルスライムの如し、だからね」
「メタルスライム……?」
「すぐ逃げるんだよっ! メタルスライム!」
「……?」
簡単に説明をしてもどうやら理解を得られなかったようなので遥は秋にゲームで例えるのは難しいということを学習した。
「あのね、遥。私、決めたんだけど、例え赤宮さんが私達を何度拒絶しようとしても諦めないことにしたの。友達は無理でも少しは話の出来る知り合いくらいにはなりたくて。もちろん、不愉快にさせない範囲ではあるけど」
すると何か決意をしたような表情でそう語る秋に遥はうんうんと嬉しそうに頷きながらも「すでに不愉快にさせてると思うんだけどね~」と思ったのはここだけの話である。
「いい心構えだと思うよ! こっちはあたしと秋の二人で向こうは一人! 数で言えばこちらの方が有利だし、地獄の果てまで追いかけようぞ!」
「地獄の果てまではちょっと危ない気もするけど……うん、頑張ろうね。赤宮さんは悪い人じゃないって真田くんも言ってたし」
「へー? 真田が? どっちかと言うと敵対しそうな二人なのにねー」
「二人は幼馴染みらしいよ」
「えっ!? そうなの!? 意外~っ!」
友人が多く、色んな噂や情報を知っている遥でもその話は初耳だった。
「私も驚いたんだけど、真田くんなりに赤宮さんのことを気にしてるみたいで彼女のことを任されたの。だから少しは赤宮さんの心許せる相手になりたいなぁって」
「あの二人がねぇ……どっちかって言うと真田が麻美を叱り飛ばして、麻美が真田を鬱陶しがってそうな感じなのに。まぁ、顰めっ面な所は似てるよね! よぉし、じゃあ昼休みに麻美んとこに突撃しよ!」
「うんっ」
かくして、遥と秋による麻美と仲良くなる作戦はまだまだ続行となるのであった。