自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第3話『逃げたり、追ったり、躊躇ったり』
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「麻美ってば逃げてばっかで全然話すら出来ないんだよね~」
お昼休み。昼食を秋と共に食べようと一緒のテーブルで学食である立海カレーを食べる遥は秋にこれまでの出来事を話していた。
休み時間の度に麻美を追って何かと友情を育んでみようとしたが、断られ、逃げられる始末。しかも追いかけても追いつかない。相手は手強いのだと。
秋は持参した弁当を食べながらうんうんと頷いて彼女の話に耳を傾けていた。
「お昼ご飯も誘いたかったのにすばしっこい一匹狼だよ」
スプーンを口に加えながらどうしようかと唸る遥に秋は困ったように笑いながら優しい口調で自身の考えを述べる。
「そこまで避けるってことはやっぱりそっとしておいてほしいのかもしれないよ。赤宮さんは一人の方が気楽なんだよ、きっと」
だからもう諦めた方がいいんじゃないかな。そう告げる秋だが、遥は納得している様子はなかった。
「一人が好きな子っているけどね、もし助けが欲しい時に頼る相手がいないと大変だよ。だからさ、その一人になるくらいは許されると思うんだよねっ! だってここは学校。友達を作るのも大事な学びってことさ!」
「……」
ドンッ! と胸を叩き、麻美の友人になるつもり満々の遥。秋はそんな遥の言葉を聞いてそういう考え方もあるんだと彼女の視野が少し広がった。
「そう、だね。人間関係を築き上げるのも学生のうちに学び、身につけるものだもんね。……凄いね、遥。そこまで考えていたんだ」
「ふふんっ。まぁ、あたしは友達作りが大好きなのだよ」
秋に褒められて鼻高々な様子を見せる遥は続けて「お昼食べたあとにまた麻美の所に行ってみるよ」と、この後の予定を伝える。
「それじゃあ、今度は私も赤宮さんの所へ一緒に行こうかな」
「おお! ほんと? 二人で挟み撃ちしちゃおう! 秋がいてくれたら麻美も捕まえられるかもっ」
今度は秋も参戦する聞き、遥は嬉しげな反応をする。
そうとなれば早く食べて麻美の所へ行かねば! そう考えた遥は勢いよくカレーを掻っ込むと、二人のいる席へ近づく生徒が二人いた。
「随分とやる気があるようじゃのぅ」
「赤宮さんとの仲を深めようとするその心意気、とても良いと思います」
「あ、仁王に柳生っ」
遥のクラスメイトである仁王にマネージャーとして勧誘した際に共にいた柳生の登場に遥が反応した。
「二人ともテニス部のレギュラーの人達だよね?」
「そうじゃき。そういや俺らは挨拶せんかったのぅ」
「えぇ、そうですね。では、改めまして。私は柳生比呂士です」
「仁王雅治じゃ」
「柳生くんに仁王くん、だね。よろしくお願いします。そういえば仁王くんはこの前幸村くんの病室に来てたよね?」
忘れもしないマネージャーを志願した日。全ては幸村の作戦だったことを知らない秋ではあるが、仁王が病室に飛び込んで来たことをよく覚えていた。
「おぉ、そうやの。いやぁ、お前さんがいてくれて助かったぜよ」
「あんら、お二人は顔見知りだったのね。でも秋、気をつけるんだよ。この者……何考えてるか分からんからね」
「少しは声を潜めるくらいしときんしゃい」
秋に耳打ちしようとする仕草を見せる遥だったが、そのボリュームは変わらなかったので本人に丸聞こえであった。
「だって仁王ってばこの前パッチンガムを仕掛けてきたんだもんっ」
「パッチンガム……? それってあれだよね? いたずらグッズの指を挟んじゃうおもちゃの……」
「えぇ、その通りです。仁王くんはそういう物を使って人をからかうのがお好きなようで……」
「そう! だから仁王は要注意だからね! パチン! ってやられるから!」
「その節はいい反応をどーも」
「好きで君好みの反応をしてるわけじゃないやい!」
一気に騒々しくなる場ではあるが、仲が良さげな雰囲気は感じ取れるので秋は思わずふふっと笑みがこぼれた。
「仁王くん、もうそのくらいにしときたまえ。私の用事が終わらなくなるでしょう?」
「プリッ」
「柳生くん、何か用事があって来たの?」
「えぇ。主に西成さんへの用事です」
「えっ! あたし!?」
「はい。テニスについて詳しく勉強をしていただこうと思いまして。幸村くんからの指示ではありますが、僭越ながら私がご指導させていただくことになりました」
「べ、勉強っ!?」
「事前に伺っていましたが、テニスの知識が全くないとのことでしたので。ちょうどお昼も食べ終えたようなので余った時間を使ってぜひ覚えていただこうと思います」
「あわわわわ……秋はっ? 秋も一緒だよね!?」
友達を作ることも大事な学びだと豪語していた遥だったが、勉強と聞くと身体が拒絶反応を起こす。せめて秋がいてくれたら! という気持ちで勢いよく彼女に尋ねてみた。
「え? あ、遥が不安なら私も同席するよ?」
「ほんと━━」
「おっと、それはなしぜよ。なんてったって九条はすでにテニスについて予習してきたという熱心な子でのぅ。どっかの誰かさんと大違いじゃ。それにマンツーマンの方が一番効率的じゃからなぁ?」
「な、なななななっ!」
「っちゅーことじゃ。邪魔者は退散するぜよ」
「えっ? あ、ええっ!?」
にんまりと笑った仁王は食べ終えた秋の弁当箱の包みとその持ち主の手を取り、混乱する秋をよそにその場から走り出した。
残された遥は「ずるーーーーいっ!!」と叫ぶものの、柳生がいたため逃げることは叶わず、観念して次の授業までの間、紳士とマンツーマンでテニスの勉強をすることになった。
お昼休み。昼食を秋と共に食べようと一緒のテーブルで学食である立海カレーを食べる遥は秋にこれまでの出来事を話していた。
休み時間の度に麻美を追って何かと友情を育んでみようとしたが、断られ、逃げられる始末。しかも追いかけても追いつかない。相手は手強いのだと。
秋は持参した弁当を食べながらうんうんと頷いて彼女の話に耳を傾けていた。
「お昼ご飯も誘いたかったのにすばしっこい一匹狼だよ」
スプーンを口に加えながらどうしようかと唸る遥に秋は困ったように笑いながら優しい口調で自身の考えを述べる。
「そこまで避けるってことはやっぱりそっとしておいてほしいのかもしれないよ。赤宮さんは一人の方が気楽なんだよ、きっと」
だからもう諦めた方がいいんじゃないかな。そう告げる秋だが、遥は納得している様子はなかった。
「一人が好きな子っているけどね、もし助けが欲しい時に頼る相手がいないと大変だよ。だからさ、その一人になるくらいは許されると思うんだよねっ! だってここは学校。友達を作るのも大事な学びってことさ!」
「……」
ドンッ! と胸を叩き、麻美の友人になるつもり満々の遥。秋はそんな遥の言葉を聞いてそういう考え方もあるんだと彼女の視野が少し広がった。
「そう、だね。人間関係を築き上げるのも学生のうちに学び、身につけるものだもんね。……凄いね、遥。そこまで考えていたんだ」
「ふふんっ。まぁ、あたしは友達作りが大好きなのだよ」
秋に褒められて鼻高々な様子を見せる遥は続けて「お昼食べたあとにまた麻美の所に行ってみるよ」と、この後の予定を伝える。
「それじゃあ、今度は私も赤宮さんの所へ一緒に行こうかな」
「おお! ほんと? 二人で挟み撃ちしちゃおう! 秋がいてくれたら麻美も捕まえられるかもっ」
今度は秋も参戦する聞き、遥は嬉しげな反応をする。
そうとなれば早く食べて麻美の所へ行かねば! そう考えた遥は勢いよくカレーを掻っ込むと、二人のいる席へ近づく生徒が二人いた。
「随分とやる気があるようじゃのぅ」
「赤宮さんとの仲を深めようとするその心意気、とても良いと思います」
「あ、仁王に柳生っ」
遥のクラスメイトである仁王にマネージャーとして勧誘した際に共にいた柳生の登場に遥が反応した。
「二人ともテニス部のレギュラーの人達だよね?」
「そうじゃき。そういや俺らは挨拶せんかったのぅ」
「えぇ、そうですね。では、改めまして。私は柳生比呂士です」
「仁王雅治じゃ」
「柳生くんに仁王くん、だね。よろしくお願いします。そういえば仁王くんはこの前幸村くんの病室に来てたよね?」
忘れもしないマネージャーを志願した日。全ては幸村の作戦だったことを知らない秋ではあるが、仁王が病室に飛び込んで来たことをよく覚えていた。
「おぉ、そうやの。いやぁ、お前さんがいてくれて助かったぜよ」
「あんら、お二人は顔見知りだったのね。でも秋、気をつけるんだよ。この者……何考えてるか分からんからね」
「少しは声を潜めるくらいしときんしゃい」
秋に耳打ちしようとする仕草を見せる遥だったが、そのボリュームは変わらなかったので本人に丸聞こえであった。
「だって仁王ってばこの前パッチンガムを仕掛けてきたんだもんっ」
「パッチンガム……? それってあれだよね? いたずらグッズの指を挟んじゃうおもちゃの……」
「えぇ、その通りです。仁王くんはそういう物を使って人をからかうのがお好きなようで……」
「そう! だから仁王は要注意だからね! パチン! ってやられるから!」
「その節はいい反応をどーも」
「好きで君好みの反応をしてるわけじゃないやい!」
一気に騒々しくなる場ではあるが、仲が良さげな雰囲気は感じ取れるので秋は思わずふふっと笑みがこぼれた。
「仁王くん、もうそのくらいにしときたまえ。私の用事が終わらなくなるでしょう?」
「プリッ」
「柳生くん、何か用事があって来たの?」
「えぇ。主に西成さんへの用事です」
「えっ! あたし!?」
「はい。テニスについて詳しく勉強をしていただこうと思いまして。幸村くんからの指示ではありますが、僭越ながら私がご指導させていただくことになりました」
「べ、勉強っ!?」
「事前に伺っていましたが、テニスの知識が全くないとのことでしたので。ちょうどお昼も食べ終えたようなので余った時間を使ってぜひ覚えていただこうと思います」
「あわわわわ……秋はっ? 秋も一緒だよね!?」
友達を作ることも大事な学びだと豪語していた遥だったが、勉強と聞くと身体が拒絶反応を起こす。せめて秋がいてくれたら! という気持ちで勢いよく彼女に尋ねてみた。
「え? あ、遥が不安なら私も同席するよ?」
「ほんと━━」
「おっと、それはなしぜよ。なんてったって九条はすでにテニスについて予習してきたという熱心な子でのぅ。どっかの誰かさんと大違いじゃ。それにマンツーマンの方が一番効率的じゃからなぁ?」
「な、なななななっ!」
「っちゅーことじゃ。邪魔者は退散するぜよ」
「えっ? あ、ええっ!?」
にんまりと笑った仁王は食べ終えた秋の弁当箱の包みとその持ち主の手を取り、混乱する秋をよそにその場から走り出した。
残された遥は「ずるーーーーいっ!!」と叫ぶものの、柳生がいたため逃げることは叶わず、観念して次の授業までの間、紳士とマンツーマンでテニスの勉強をすることになった。