自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第3話『逃げたり、追ったり、躊躇ったり』
主人公名前変換
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「赤宮くーん! あっそびましょー!」
秋と遥の連絡先を断った麻美がいつも通り一人で学校生活を送っていた……のだが、1限目終わりの休み時間に3年I組になんと赤宮麻美を呼ぶ声が響いた。
あの赤宮麻美を呼ぶ生徒なんて存在したのかというような驚きにざわめくクラス。
「……」
廊下から呼びかけるその声を麻美は無視するのだが、訪問者はそれを気にすることなくズカズカと教室に入り、麻美の元へと向かう。
「もー。聞こえてるのに無視するなんて酷いじゃーん!」
「何の用だ?」
キッと睨みを利かせると遥は「おぉ」と声を上げる。その声色に怯えはない。
「遊ぼうって言ったのだよ!」
「誰が遊ぶか」
「じゃあ、お昼ご飯一緒に食べようっ」
「食べない」
「そんじゃあ、あたしとお話しようぜっ」
麻美の前の席を勝手に座り、トークモードに入ろうとするが、麻美は勢いよく立ち上がって自分の席から離れていった。
「あれっ? どこ行くの!?」
「あんたのいない所だ」
「えー? 待ってってばー!」
教室から出て行く麻美を捕まえようと遥も急いで彼女の後を追った。
そんな様子を一部始終見ていた桑原は小さな嵐が来て一瞬にして去ったような感じだなと思ったそうだ。
「くそっ! あいつまだ追ってくるのかっ」
教室を飛び出して遥から逃げる麻美は途中で撒いたかと思って後ろを振り返るが、まだ追いかけている姿が見えたので思わず舌打ちをする。
足はそこまで速くなさそうなので捕まることはないが、どうやって嗅ぎ付けてるのか撒くことが出来ない。
そもそも麻美は逃げ回るなんて性に合わなかった。喧嘩を売るのなら買うのだが、残念ながら喧嘩ではない。
興味本位なのかは知らないが関わりを持ちたくないタイプの相手に言い寄られるのが嫌なだけだった。
どうやって撒くかと考えながら近くの教室の扉を開けて飛び込んだ。
どうやらそこは家庭科室だったようでどこか隠れようかと辺りを見回した麻美は見知った人物がいることに気づき、その相手と目が合う。
「赤宮……?」
家庭科室にはたった一人、丸井がいた。彼は昼休みに家庭科室を借りて得意なケーキ作りに勤しむため、休み時間を利用して少しずつ準備を始めていた。
そこでまさか麻美が飛び込んで来るとは思わず、丸井は目を丸くして麻美を見つめる。
麻美は急いで丸井の元へと駆け寄ると、彼の立つ調理台に隠れるようにその身を屈ませた。
「匿え」
「えっ!?」
いきなりなんだよ! そう口にしようとしたら家庭科室の扉がまたガラッと開いた。
「あっ、丸井ではないか! ここに麻美来てたでしょっ!?」
「は? 西成?」
今度はお前かよ! 何なんだ一体! そう思っていたが、麻美の突き刺さる視線を下から受けた丸井は彼女の言っていた言葉を思い出し、それに従わないと大変な目に合いそうなので彼女の望みを聞くことにした。
「あー……赤宮ならすぐにそっちの扉から出てったぜ」
遥の入った扉とは逆の扉に指を差すと「マジで!?」と驚いた遥はすぐに丸井の言葉を信じた。
「目くらましだったか! ありがと、丸井! ……麻美ーー!!」
家庭科室から出て行く遥は次第にバタバタと廊下を走る音と麻美を呼ぶ声が遠ざかっていった。
しばらく静まり返った家庭科室だったが、その空気を先に壊したのは麻美の舌打ちである。
「っち、勝手に名前で呼びやがって……」
縮こませた身体を起こした麻美は面倒くさいと言わんばかりの溜め息をこぼした。
「一体どうしたってんだよ。なんでお前が西成から逃げてんだ?」
「好きで逃げてるわけじゃない。あいつが鬱陶しいから関わりたくないだけだ」
サラッと髪を耳に掻き上げた麻美は不服そうな表情を丸井に見せる。
丸井はというと、麻美が誰かから逃げ隠れするとは思ってもいなかったので奇妙な感じだった。
「ぶっ飛ばさねぇんだな」
「理由がないだろ」
「え?」
「あ?」
思いもよらぬ返事に丸井は一瞬自分の耳が悪くなったのかと錯覚してしまう。
麻美といえば気に入らないことがあればすぐに手を出すと聞いていたから、さっきのように麻美にまとわりつく遥を気に入らないと言って殴っても不思議ではないと思ったいた。
「……あいつから逃げてんのに?」
「それだけの理由でぶん殴ってたらあんたはすでにボコボコになってるだろ」
「マジかよ……」
それはさすがに知らなかったし、ぶん殴られなくすんでいるなら良かったぜと冷たい汗を拭う。
「あいつももうどっかに消えただろうし、そろそろ出るか。邪魔したな」
「お、おう」
家庭科室の扉を開けて遥がいないかしっかりと廊下を確認をすると、麻美は丸井に簡単に詫びを入れて教室を後にした。
まさか詫びまで入れてくるとは思っていなかったので丸井は多少混乱しながらも噂に聞いていた麻美とのイメージが少し違っていたため、思っていたほど悪い奴じゃねぇのか? と彼女への印象が大きくとまではいかないが変わったのだった。
秋と遥の連絡先を断った麻美がいつも通り一人で学校生活を送っていた……のだが、1限目終わりの休み時間に3年I組になんと赤宮麻美を呼ぶ声が響いた。
あの赤宮麻美を呼ぶ生徒なんて存在したのかというような驚きにざわめくクラス。
「……」
廊下から呼びかけるその声を麻美は無視するのだが、訪問者はそれを気にすることなくズカズカと教室に入り、麻美の元へと向かう。
「もー。聞こえてるのに無視するなんて酷いじゃーん!」
「何の用だ?」
キッと睨みを利かせると遥は「おぉ」と声を上げる。その声色に怯えはない。
「遊ぼうって言ったのだよ!」
「誰が遊ぶか」
「じゃあ、お昼ご飯一緒に食べようっ」
「食べない」
「そんじゃあ、あたしとお話しようぜっ」
麻美の前の席を勝手に座り、トークモードに入ろうとするが、麻美は勢いよく立ち上がって自分の席から離れていった。
「あれっ? どこ行くの!?」
「あんたのいない所だ」
「えー? 待ってってばー!」
教室から出て行く麻美を捕まえようと遥も急いで彼女の後を追った。
そんな様子を一部始終見ていた桑原は小さな嵐が来て一瞬にして去ったような感じだなと思ったそうだ。
「くそっ! あいつまだ追ってくるのかっ」
教室を飛び出して遥から逃げる麻美は途中で撒いたかと思って後ろを振り返るが、まだ追いかけている姿が見えたので思わず舌打ちをする。
足はそこまで速くなさそうなので捕まることはないが、どうやって嗅ぎ付けてるのか撒くことが出来ない。
そもそも麻美は逃げ回るなんて性に合わなかった。喧嘩を売るのなら買うのだが、残念ながら喧嘩ではない。
興味本位なのかは知らないが関わりを持ちたくないタイプの相手に言い寄られるのが嫌なだけだった。
どうやって撒くかと考えながら近くの教室の扉を開けて飛び込んだ。
どうやらそこは家庭科室だったようでどこか隠れようかと辺りを見回した麻美は見知った人物がいることに気づき、その相手と目が合う。
「赤宮……?」
家庭科室にはたった一人、丸井がいた。彼は昼休みに家庭科室を借りて得意なケーキ作りに勤しむため、休み時間を利用して少しずつ準備を始めていた。
そこでまさか麻美が飛び込んで来るとは思わず、丸井は目を丸くして麻美を見つめる。
麻美は急いで丸井の元へと駆け寄ると、彼の立つ調理台に隠れるようにその身を屈ませた。
「匿え」
「えっ!?」
いきなりなんだよ! そう口にしようとしたら家庭科室の扉がまたガラッと開いた。
「あっ、丸井ではないか! ここに麻美来てたでしょっ!?」
「は? 西成?」
今度はお前かよ! 何なんだ一体! そう思っていたが、麻美の突き刺さる視線を下から受けた丸井は彼女の言っていた言葉を思い出し、それに従わないと大変な目に合いそうなので彼女の望みを聞くことにした。
「あー……赤宮ならすぐにそっちの扉から出てったぜ」
遥の入った扉とは逆の扉に指を差すと「マジで!?」と驚いた遥はすぐに丸井の言葉を信じた。
「目くらましだったか! ありがと、丸井! ……麻美ーー!!」
家庭科室から出て行く遥は次第にバタバタと廊下を走る音と麻美を呼ぶ声が遠ざかっていった。
しばらく静まり返った家庭科室だったが、その空気を先に壊したのは麻美の舌打ちである。
「っち、勝手に名前で呼びやがって……」
縮こませた身体を起こした麻美は面倒くさいと言わんばかりの溜め息をこぼした。
「一体どうしたってんだよ。なんでお前が西成から逃げてんだ?」
「好きで逃げてるわけじゃない。あいつが鬱陶しいから関わりたくないだけだ」
サラッと髪を耳に掻き上げた麻美は不服そうな表情を丸井に見せる。
丸井はというと、麻美が誰かから逃げ隠れするとは思ってもいなかったので奇妙な感じだった。
「ぶっ飛ばさねぇんだな」
「理由がないだろ」
「え?」
「あ?」
思いもよらぬ返事に丸井は一瞬自分の耳が悪くなったのかと錯覚してしまう。
麻美といえば気に入らないことがあればすぐに手を出すと聞いていたから、さっきのように麻美にまとわりつく遥を気に入らないと言って殴っても不思議ではないと思ったいた。
「……あいつから逃げてんのに?」
「それだけの理由でぶん殴ってたらあんたはすでにボコボコになってるだろ」
「マジかよ……」
それはさすがに知らなかったし、ぶん殴られなくすんでいるなら良かったぜと冷たい汗を拭う。
「あいつももうどっかに消えただろうし、そろそろ出るか。邪魔したな」
「お、おう」
家庭科室の扉を開けて遥がいないかしっかりと廊下を確認をすると、麻美は丸井に簡単に詫びを入れて教室を後にした。
まさか詫びまで入れてくるとは思っていなかったので丸井は多少混乱しながらも噂に聞いていた麻美とのイメージが少し違っていたため、思っていたほど悪い奴じゃねぇのか? と彼女への印象が大きくとまではいかないが変わったのだった。