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第15話『過去を乗り越える都大会決勝』
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五位決定戦の結果、ルドルフの敗北。氷帝が五位の座を射止めた。正直観月と跡部の試合が始まってからそうなるだろうなという気はしてきた麻美だったので特に驚くような結果ではなかった。
不二裕太と芥川慈郎の試合もそう時間はかかることはなく終わってしまったが、観月と跡部も同様である。以前遥を弄んでいた時とは違って瞬殺だった。
ルドルフが負けてしまったことにより彼らの夏はここで終止符を打つ。秋は試合が終わってからすぐに遥の元へと向かった。彼女が心配だからと告げて。
しかし麻美だけはまだルドルフ側に残っていた。さすがの従姉弟も悔しいだろうなと思って労いの言葉をかけようとした彼女は赤澤に声をかける。
「吉郎、残念だったな」
「ははっ。仕方ねぇよ! こればかりはな」
「……思ったより元気そうだな」
悔しくて泣いたりしてるんじゃないか? こいつの泣き顔を見る機会なんてないから見てやるか、なんて考えていたのに本人はあっけらかんとしている。せっかく気にかけてやったのに……と思うも、それはそれで奴らしいとも思った麻美は軽く溜め息を吐き捨てる。
「まぁ、終わっちまったもんは仕方ないだろ? あとは後輩達に託して来年に賭けるぜ」
「切り替え早い奴だな……あそこで荒れてる奴とは違って」
そう言う麻美の視線の先には「くそっ! またしても僕が負けるなんて!」と声を荒らげているルドルフのマネージャーの姿が目に入る。
「あいつが代わりに悔しがってくれてるから切り替えられるってもんだ」
「……」
確かにずっと悔しがっても仕方ないのだろうけど、そう簡単に気持ちが切り替えることだって難しいものじゃないのかと麻美は思う。思い入れがないのならともかく、従姉弟はそんな冷めた気持ちでテニスをしてたわけじゃないだろう。
意外にも周りを見て自分をコントロールをしているのかもしれない。先週だって頭に溜まったものを吐き出すために雄叫びを上げたくらいだ。不器用だなとは思うが効果はあったのだから。
「なんであんたが部長になれたのかよく分かった気がする」
「お? そうか? 俺も俺なりに頑張ってただろ?」
「そうだな。あとは後輩の指導に専念するだろうけど、ひとまずお疲れ」
ポンと背中を叩いてやれば赤澤は「おう!」と嬉しそうに笑みを向けた。敗退というのに全く湿っぽくはないが、尾を引くよりかはマシだなと思いながら麻美は決勝戦を見に行くため、赤澤に軽く挨拶をしてから秋と遥の元へと移動した。
「……なんだこれは」
山吹の応援陣地に来てみれば麻美は呆れ気味に秋に尋ねた。どうやらすでに決勝戦は終わったようで青学が優勝を果たし、山吹は敗北したのだがどうやらそれどころではない様子である。
「うーん……何だかよく分からないけどわだかまりがなくなったみたいだね」
そんな二人の前に繰り広げられるのは遥と千石による攻防であった。逃げられないように遥を後ろから羽交い締めする千石とギャーギャー騒ぐ遥。一体何があったんだとは思わずにはいられない。
「あ! 助けて麻美! 秋! こやつが離してくれないんだ!」
「麻美ちゃん、秋ちゃん、ちょうど良かったよ! 俺がどれだけ紳士的か遥に教えてほしいんだ! 遥ってば勘違いして逃げようとするからさぁ!」
「どこが紳士的!? これのどこが!?」
「確かに今回ばかりは遥の言う通りだな」
「麻美、さすがにそう断言するのは……」
秋がフォローに回るも効果はない。それどころか試合が終わったならもういいだろと、これ以上面倒なものに関わりたくないため麻美は先に帰ることにした。「置いてかないでー!」と叫ぶ遥を残し、都大会は幕を閉じる。
余談ではあるが最終的に遥は秋の助力により開放されたのだった。
不二裕太と芥川慈郎の試合もそう時間はかかることはなく終わってしまったが、観月と跡部も同様である。以前遥を弄んでいた時とは違って瞬殺だった。
ルドルフが負けてしまったことにより彼らの夏はここで終止符を打つ。秋は試合が終わってからすぐに遥の元へと向かった。彼女が心配だからと告げて。
しかし麻美だけはまだルドルフ側に残っていた。さすがの従姉弟も悔しいだろうなと思って労いの言葉をかけようとした彼女は赤澤に声をかける。
「吉郎、残念だったな」
「ははっ。仕方ねぇよ! こればかりはな」
「……思ったより元気そうだな」
悔しくて泣いたりしてるんじゃないか? こいつの泣き顔を見る機会なんてないから見てやるか、なんて考えていたのに本人はあっけらかんとしている。せっかく気にかけてやったのに……と思うも、それはそれで奴らしいとも思った麻美は軽く溜め息を吐き捨てる。
「まぁ、終わっちまったもんは仕方ないだろ? あとは後輩達に託して来年に賭けるぜ」
「切り替え早い奴だな……あそこで荒れてる奴とは違って」
そう言う麻美の視線の先には「くそっ! またしても僕が負けるなんて!」と声を荒らげているルドルフのマネージャーの姿が目に入る。
「あいつが代わりに悔しがってくれてるから切り替えられるってもんだ」
「……」
確かにずっと悔しがっても仕方ないのだろうけど、そう簡単に気持ちが切り替えることだって難しいものじゃないのかと麻美は思う。思い入れがないのならともかく、従姉弟はそんな冷めた気持ちでテニスをしてたわけじゃないだろう。
意外にも周りを見て自分をコントロールをしているのかもしれない。先週だって頭に溜まったものを吐き出すために雄叫びを上げたくらいだ。不器用だなとは思うが効果はあったのだから。
「なんであんたが部長になれたのかよく分かった気がする」
「お? そうか? 俺も俺なりに頑張ってただろ?」
「そうだな。あとは後輩の指導に専念するだろうけど、ひとまずお疲れ」
ポンと背中を叩いてやれば赤澤は「おう!」と嬉しそうに笑みを向けた。敗退というのに全く湿っぽくはないが、尾を引くよりかはマシだなと思いながら麻美は決勝戦を見に行くため、赤澤に軽く挨拶をしてから秋と遥の元へと移動した。
「……なんだこれは」
山吹の応援陣地に来てみれば麻美は呆れ気味に秋に尋ねた。どうやらすでに決勝戦は終わったようで青学が優勝を果たし、山吹は敗北したのだがどうやらそれどころではない様子である。
「うーん……何だかよく分からないけどわだかまりがなくなったみたいだね」
そんな二人の前に繰り広げられるのは遥と千石による攻防であった。逃げられないように遥を後ろから羽交い締めする千石とギャーギャー騒ぐ遥。一体何があったんだとは思わずにはいられない。
「あ! 助けて麻美! 秋! こやつが離してくれないんだ!」
「麻美ちゃん、秋ちゃん、ちょうど良かったよ! 俺がどれだけ紳士的か遥に教えてほしいんだ! 遥ってば勘違いして逃げようとするからさぁ!」
「どこが紳士的!? これのどこが!?」
「確かに今回ばかりは遥の言う通りだな」
「麻美、さすがにそう断言するのは……」
秋がフォローに回るも効果はない。それどころか試合が終わったならもういいだろと、これ以上面倒なものに関わりたくないため麻美は先に帰ることにした。「置いてかないでー!」と叫ぶ遥を残し、都大会は幕を閉じる。
余談ではあるが最終的に遥は秋の助力により開放されたのだった。
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