自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第2話『新米マネージャー達は入部初日を迎える』
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やばいやばいやばい!! 遥は心の中で叫びながら全速力で学校に向かっていた。それもそのはず、マネージャー業初日にして寝坊をしてしまったのだ。
さすがに1日目から遅刻はよろしくない。むしろ怒られるのが目に見えている。ただでさえ厳しいであろう立海大附属中の男子テニス部なのだから怒鳴られる未来しか見えない。
「うわああああ! あと5分もない! 絶対遅刻だーー!!」
あと数分でテニス部に到着は絶対に無理。そもそも着替えする時間もないので遅刻は確定となる。
それでも足掻こうと走るのだが、途中で足が縺れて派手に前へと転んでしまった。
「ぶべっ!」
ベチャッ! と倒れ込んだ遥はそのまま動かなくなった。気絶してるわけではない。ただ、もうどうにでもなれ、というやけくそ気味になっていた。
(どうせ間に合わないし、怒られるならもうサボろっかな……。そんでやっぱマネージャーは無理だった~って仁王に話して辞退するのもアリかも……)
ぼんやりとそう考えていた時だった。倒れる遥の前にバタバタと駆け寄る足音が聞こえる。
「だ、大丈夫でヤンスか!?」
慌てるような少年の声。まずい。これでは大事になってしまう。そう思った遥は勢いよくガバッと起き上がった。
「大丈夫! ちょっと投げやりになってて地球と対話してたところだから!」
「(地球……?)ほ、ほんとでヤンス? ぴくりとも動かなかったんで心配したでヤンス~!」
まるで小さなソフトクリームのように髪に渦が巻かれている少年の服は立海の制服であった。声も高く、身長も低いため、おそらく1年生と思われる。
「いやぁ、びっくりさせちゃってごめんよ~。急いでたらこけちゃってね」
「そんなに急ぐなんて危ないでヤンス~! あ、ほら! 膝もこげに擦りむいてるでヤンスよ!」
あわあわした様子で擦りむいた膝を指差す少年。遥も膝を確認してみると確かに両膝の小僧に擦れ傷が広がっていた。
「あー。まぁ、これは勲章みたいなものだし……って、やっば! あたし急がなきゃ!」
ハッとした表情でさっきまではサボろうかなと考えていた遥だったが、やはりそれはいけないとどこかで思っていたのか、今からでも遅くはないと言わんばかりにすぐに走り出した。どう抗っても遅いのだが。
「え、あ、言ってるそばからでヤンスかーー!?」
走ったから転んで怪我をしたというのにまた走り出す遥に少年こと浦山しい太は戸惑いながら叫ぶも彼女には届かなかった。
しかし、遥は気づかなかった。その少年の手にテニスラケットケースがあることに。そのためテニス部の部員ということにも気づかなかったのだ。
「ああああぁぁっ!! 完っ全に遅刻だぁぁぁぁ!!」
さらに走る遥。立海まであと数分だけど、予定時間はすでに過ぎている。挽回など不可能だった。
そして前方には一人の立海生と思わしき生徒が一人で歩いている。少し躊躇うがあの人を抜かさないと。
「ちょっとごめんよ! あたし急いでるのっ!」
前を歩く男子生徒を追い越す際に声をかけた……が、そんな遥の足が何かに引っかかり、また派手に転んでしまった。
今度は足が縺れたとかではなく、明らかに何かに躓いたのだ。もっと詳しく言えばまるで横から足を引っ掛けられたような。
「べふぅ!」
「そんな慌ててどないしたんじゃ? 急ぐと転ぶぜよ」
「たった今転んでますがね!? って、仁王じゃん!」
特徴的な喋り方を聞いた遥は上半身を起こし、座り込んだ状態で相手を見上げた。
どうやら追い越そうとした相手はクラスメイトの仁王。まさかここで遭遇すると思わなかった遥は瞬きをしながら自身が転ぶきっかけを思い出す。
「ハッ……! もしかしてあたしの前に足を出したのは君!?」
「さぁ、どうかのぅ」
いけしゃあしゃあととぼけた物言いをするが、その口元はどこか緩んでいる。もちろんそんな態度をされては遥も「そっかー」と騙されて終わるわけにはいかない。
「よくそんなこと言えるよね! もっと悪びれてっ!」
「俺の長い足がすまんかったな」
「棒読みっ!」
プンスコしながら仁王に食ってかかる遥だったが、そこでハッと気づく。テニス部員の仁王がなぜまったりと登校してるのかと。
「あれ? なんで仁王はそんな余裕そうなの? 部活の遅刻が確定したから開き直ったとか?」
「遅刻じゃないからまったりしとるんじゃよ」
「はい?」
こやつは何を言ってるのか。怪訝な表情で仁王を見つめれば仁王はさらりと言葉を続けた。
「朝練は7時からなんでな」
「えっ。7時?」
それはおかしい。遥がそう思うのも無理はなかった。
だって遥に告げられた朝練の時間は6時30分なのだ。現時間6時36分。もし本当に7時開始ならば今ここで普通に歩いても時間内に間に合うし、着替えも余裕である。
「なーんだ。7時からなら確かに超余裕じゃん!」
「じゃろ? だからそんなに急ぐことはないぜよ」
「だねっ。……って、6時30分開始って言ったの仁王だよね?」
そう。遥が朝練時間を間違えたのではなく、元から違った時間を仁王から教えられていたのだ。それに気づいた彼女はジト目で仁王を睨む。
「よく覚えちょるの」
「そりゃあね! それくらいはね!?」
「お前のさんのことじゃからマネージャー就任早々遅刻すると思ってな」
「いらない気遣い!」
「じゃが、遅刻だと思っちょったろ?」
「ぐぬぬ、否定出来ないのが辛い……」
小さく唸り声を上げる遥は悔しげに眉を寄せるも、仁王に「いつまでも座っとらんとはよ歩きんしゃい。今度こそ本当に遅刻するぜよ」と言われてしまい、騙されたもやもやを抱えながらも仁王と共に朝練へと向かった。
さすがに1日目から遅刻はよろしくない。むしろ怒られるのが目に見えている。ただでさえ厳しいであろう立海大附属中の男子テニス部なのだから怒鳴られる未来しか見えない。
「うわああああ! あと5分もない! 絶対遅刻だーー!!」
あと数分でテニス部に到着は絶対に無理。そもそも着替えする時間もないので遅刻は確定となる。
それでも足掻こうと走るのだが、途中で足が縺れて派手に前へと転んでしまった。
「ぶべっ!」
ベチャッ! と倒れ込んだ遥はそのまま動かなくなった。気絶してるわけではない。ただ、もうどうにでもなれ、というやけくそ気味になっていた。
(どうせ間に合わないし、怒られるならもうサボろっかな……。そんでやっぱマネージャーは無理だった~って仁王に話して辞退するのもアリかも……)
ぼんやりとそう考えていた時だった。倒れる遥の前にバタバタと駆け寄る足音が聞こえる。
「だ、大丈夫でヤンスか!?」
慌てるような少年の声。まずい。これでは大事になってしまう。そう思った遥は勢いよくガバッと起き上がった。
「大丈夫! ちょっと投げやりになってて地球と対話してたところだから!」
「(地球……?)ほ、ほんとでヤンス? ぴくりとも動かなかったんで心配したでヤンス~!」
まるで小さなソフトクリームのように髪に渦が巻かれている少年の服は立海の制服であった。声も高く、身長も低いため、おそらく1年生と思われる。
「いやぁ、びっくりさせちゃってごめんよ~。急いでたらこけちゃってね」
「そんなに急ぐなんて危ないでヤンス~! あ、ほら! 膝もこげに擦りむいてるでヤンスよ!」
あわあわした様子で擦りむいた膝を指差す少年。遥も膝を確認してみると確かに両膝の小僧に擦れ傷が広がっていた。
「あー。まぁ、これは勲章みたいなものだし……って、やっば! あたし急がなきゃ!」
ハッとした表情でさっきまではサボろうかなと考えていた遥だったが、やはりそれはいけないとどこかで思っていたのか、今からでも遅くはないと言わんばかりにすぐに走り出した。どう抗っても遅いのだが。
「え、あ、言ってるそばからでヤンスかーー!?」
走ったから転んで怪我をしたというのにまた走り出す遥に少年こと浦山しい太は戸惑いながら叫ぶも彼女には届かなかった。
しかし、遥は気づかなかった。その少年の手にテニスラケットケースがあることに。そのためテニス部の部員ということにも気づかなかったのだ。
「ああああぁぁっ!! 完っ全に遅刻だぁぁぁぁ!!」
さらに走る遥。立海まであと数分だけど、予定時間はすでに過ぎている。挽回など不可能だった。
そして前方には一人の立海生と思わしき生徒が一人で歩いている。少し躊躇うがあの人を抜かさないと。
「ちょっとごめんよ! あたし急いでるのっ!」
前を歩く男子生徒を追い越す際に声をかけた……が、そんな遥の足が何かに引っかかり、また派手に転んでしまった。
今度は足が縺れたとかではなく、明らかに何かに躓いたのだ。もっと詳しく言えばまるで横から足を引っ掛けられたような。
「べふぅ!」
「そんな慌ててどないしたんじゃ? 急ぐと転ぶぜよ」
「たった今転んでますがね!? って、仁王じゃん!」
特徴的な喋り方を聞いた遥は上半身を起こし、座り込んだ状態で相手を見上げた。
どうやら追い越そうとした相手はクラスメイトの仁王。まさかここで遭遇すると思わなかった遥は瞬きをしながら自身が転ぶきっかけを思い出す。
「ハッ……! もしかしてあたしの前に足を出したのは君!?」
「さぁ、どうかのぅ」
いけしゃあしゃあととぼけた物言いをするが、その口元はどこか緩んでいる。もちろんそんな態度をされては遥も「そっかー」と騙されて終わるわけにはいかない。
「よくそんなこと言えるよね! もっと悪びれてっ!」
「俺の長い足がすまんかったな」
「棒読みっ!」
プンスコしながら仁王に食ってかかる遥だったが、そこでハッと気づく。テニス部員の仁王がなぜまったりと登校してるのかと。
「あれ? なんで仁王はそんな余裕そうなの? 部活の遅刻が確定したから開き直ったとか?」
「遅刻じゃないからまったりしとるんじゃよ」
「はい?」
こやつは何を言ってるのか。怪訝な表情で仁王を見つめれば仁王はさらりと言葉を続けた。
「朝練は7時からなんでな」
「えっ。7時?」
それはおかしい。遥がそう思うのも無理はなかった。
だって遥に告げられた朝練の時間は6時30分なのだ。現時間6時36分。もし本当に7時開始ならば今ここで普通に歩いても時間内に間に合うし、着替えも余裕である。
「なーんだ。7時からなら確かに超余裕じゃん!」
「じゃろ? だからそんなに急ぐことはないぜよ」
「だねっ。……って、6時30分開始って言ったの仁王だよね?」
そう。遥が朝練時間を間違えたのではなく、元から違った時間を仁王から教えられていたのだ。それに気づいた彼女はジト目で仁王を睨む。
「よく覚えちょるの」
「そりゃあね! それくらいはね!?」
「お前のさんのことじゃからマネージャー就任早々遅刻すると思ってな」
「いらない気遣い!」
「じゃが、遅刻だと思っちょったろ?」
「ぐぬぬ、否定出来ないのが辛い……」
小さく唸り声を上げる遥は悔しげに眉を寄せるも、仁王に「いつまでも座っとらんとはよ歩きんしゃい。今度こそ本当に遅刻するぜよ」と言われてしまい、騙されたもやもやを抱えながらも仁王と共に朝練へと向かった。