自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
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鳳長太郎×赤宮麻美(『今日の氷帝学園』設定より)
部活のないその日、俺は学校近くの書店に足を運んで目当ての本がないか探していた。グルメ関係の所にあるかなと思って。本棚に入っている物から積み上げられている物まで目を向ける。
予想では雑誌だと思うんだけど、想像したものが見つからない。俺の探し方が悪いのかな。それとももっと大型書店とかで探した方が確実かもしれない。
なかったらネットで取り寄せも視野に入れるべきだけど、早く手に入れたいし今からそちらに向かうべきか悩み始めるとふと視界に入る見知った人と目が合った。
「あ……。赤宮さんっ」
まさか先輩も書店に来ていたなんて思ってなかったので一瞬言葉を失ってしまった。
「何をそんな難しい顔してんだ」
それは赤宮さんの方なんじゃ……と思ったけどその言葉を飲み込む。だってその顔がいつもの彼女の表情なのだから。
無表情とは言わない。どちらかといえばいつも不機嫌な様子である。でもそんな彼女が時折見せる笑みが俺は好きだ。悪い方の笑みじゃなく、自然と笑った方のが特に。
「あ、いえ、欲しい本が見つからなくて場所を変えようか、ネットで探そうかと考えてたんです」
「なんだそんなことか。だったら一緒に探してやる。なんて本だ?」
「えっ、いいんですか?」
赤宮さんが探してくれると申し出てくれた。申し訳ない気持ちもあるけどそれよりも嬉しいという気持ちが勝ってしまう。
「いいから言ってんだ。早く言え」
「あ、あの、タイトルは分からないんですけど……回転寿司のルールが分かる本ってどの辺りにあると思います?」
「……何?」
「回転寿司のルールが載ってる本です」
しっかりとはっきりと答えつもりだが、赤宮さんは片手で頭を抱えてしまった。なんかまずいことでも言ってしまったのかと焦ってしまう。
「あの、赤宮さん……?」
「……なんで回転寿司のルールが知りたいんだよ?」
「え……? あ、この間向日さん達と回転寿司を連れて行ってもらったんですけど、俺初めてだったんで何も分からなくて色々と怒られてしまったんで勉強してリベンジしたいんです」
怒られたことを話すのは少し気が引けるけど、嘘をつくわけにもいかないので正直に話すと赤宮さんは顔を背けて震え始めた。
「えっ! 赤宮さんどうしたんですかっ?」
もしかして俺が情けなさすぎて怒りに震えてる? それとも怒りを通り越して泣いて……る?
わたわたしながら赤宮さんに理由を尋ねて顔を覗き込むと、意外にも彼女は口元を抑えながら笑いこらえている様子だった。
「赤宮さん……?」
「フッ……ははっ、真面目かよ」
ついにこらえきれず小さく吹き出すように笑った彼女に思わずドキッとする。俺の好きな顔がそこにあったから。
固い蕾がようやく咲き誇るような美しく気高い花みたいだったから。
「言っとくがそんな本探しても見つからないと思うけど?」
「そ、そうなんですかっ!?」
一呼吸置いてからスッといつもの表情に戻った先輩。思わず見とれてしまったのがバレたのか焦ってしまったがそうではないようだ。
いや、それよりも俺の探してる本がないという事実の方が衝撃的で書店にいることも忘れた俺は大きな声を出してしまい、慌てて口を押える。
「そりゃそうだろ。ルールブックにするほどのものじゃないし」
「そんな……それじゃあ、俺はどうやって勉強すれば……?」
「回転寿司ごときで……。そんな大層なもんじゃない。何度か行きゃ慣れる」
「俺には敷居が高いです……」
「回らない寿司の方が敷居高いだろ」
「そっちの方が慣れてます……」
「……これだからボンボンは」
はぁ、と溜め息をつかれてしまった。うぅ、やっぱり情けないって思われたのかも。でも初めて行った時は興奮していたこともあってあまり覚えてないのも事実だからそう思われても仕方ない。
「じゃあ、今度私が一緒に行ってやる。それで完璧にマスターすりゃリベンジ出来るだろ?」
「はい……え、ええっ!?」
何も考えずに覇気のない声で「はい」と答えたあと、赤宮さんの言葉をようやく理解した俺は驚きの声を上げる。
いや、だってそんな、赤宮さんが回転寿司に付き合ってくれるなんて……!
「嫌ならいいけど」
「いえっ! そんなことないですっ。むしろ光栄ですし、その、めちゃくちゃ嬉しいですっ」
「どうせ一人で行けやしないだろ。めそめそされても困るし、それくらいなら付き合ってやる」
「ありがとうございます! ご指導のほどよろしくお願いしますっ」
「指導するほどでもないけどな。気が済んだなら帰るぞ」
「はいっ」
書店を出ようとする赤宮さんの後に続き、行く日を相談しながら途中まで先輩と帰り道をご一緒させてもらった。
こんな形で赤宮さんと時間を過ごせるなんて思ってなかったし、回転寿司にも付き合ってもらえるし、今から当日が待ち遠しくて仕方なかった俺は自室のカレンダーにしっかりと予定を書き込んだ。
部活のないその日、俺は学校近くの書店に足を運んで目当ての本がないか探していた。グルメ関係の所にあるかなと思って。本棚に入っている物から積み上げられている物まで目を向ける。
予想では雑誌だと思うんだけど、想像したものが見つからない。俺の探し方が悪いのかな。それとももっと大型書店とかで探した方が確実かもしれない。
なかったらネットで取り寄せも視野に入れるべきだけど、早く手に入れたいし今からそちらに向かうべきか悩み始めるとふと視界に入る見知った人と目が合った。
「あ……。赤宮さんっ」
まさか先輩も書店に来ていたなんて思ってなかったので一瞬言葉を失ってしまった。
「何をそんな難しい顔してんだ」
それは赤宮さんの方なんじゃ……と思ったけどその言葉を飲み込む。だってその顔がいつもの彼女の表情なのだから。
無表情とは言わない。どちらかといえばいつも不機嫌な様子である。でもそんな彼女が時折見せる笑みが俺は好きだ。悪い方の笑みじゃなく、自然と笑った方のが特に。
「あ、いえ、欲しい本が見つからなくて場所を変えようか、ネットで探そうかと考えてたんです」
「なんだそんなことか。だったら一緒に探してやる。なんて本だ?」
「えっ、いいんですか?」
赤宮さんが探してくれると申し出てくれた。申し訳ない気持ちもあるけどそれよりも嬉しいという気持ちが勝ってしまう。
「いいから言ってんだ。早く言え」
「あ、あの、タイトルは分からないんですけど……回転寿司のルールが分かる本ってどの辺りにあると思います?」
「……何?」
「回転寿司のルールが載ってる本です」
しっかりとはっきりと答えつもりだが、赤宮さんは片手で頭を抱えてしまった。なんかまずいことでも言ってしまったのかと焦ってしまう。
「あの、赤宮さん……?」
「……なんで回転寿司のルールが知りたいんだよ?」
「え……? あ、この間向日さん達と回転寿司を連れて行ってもらったんですけど、俺初めてだったんで何も分からなくて色々と怒られてしまったんで勉強してリベンジしたいんです」
怒られたことを話すのは少し気が引けるけど、嘘をつくわけにもいかないので正直に話すと赤宮さんは顔を背けて震え始めた。
「えっ! 赤宮さんどうしたんですかっ?」
もしかして俺が情けなさすぎて怒りに震えてる? それとも怒りを通り越して泣いて……る?
わたわたしながら赤宮さんに理由を尋ねて顔を覗き込むと、意外にも彼女は口元を抑えながら笑いこらえている様子だった。
「赤宮さん……?」
「フッ……ははっ、真面目かよ」
ついにこらえきれず小さく吹き出すように笑った彼女に思わずドキッとする。俺の好きな顔がそこにあったから。
固い蕾がようやく咲き誇るような美しく気高い花みたいだったから。
「言っとくがそんな本探しても見つからないと思うけど?」
「そ、そうなんですかっ!?」
一呼吸置いてからスッといつもの表情に戻った先輩。思わず見とれてしまったのがバレたのか焦ってしまったがそうではないようだ。
いや、それよりも俺の探してる本がないという事実の方が衝撃的で書店にいることも忘れた俺は大きな声を出してしまい、慌てて口を押える。
「そりゃそうだろ。ルールブックにするほどのものじゃないし」
「そんな……それじゃあ、俺はどうやって勉強すれば……?」
「回転寿司ごときで……。そんな大層なもんじゃない。何度か行きゃ慣れる」
「俺には敷居が高いです……」
「回らない寿司の方が敷居高いだろ」
「そっちの方が慣れてます……」
「……これだからボンボンは」
はぁ、と溜め息をつかれてしまった。うぅ、やっぱり情けないって思われたのかも。でも初めて行った時は興奮していたこともあってあまり覚えてないのも事実だからそう思われても仕方ない。
「じゃあ、今度私が一緒に行ってやる。それで完璧にマスターすりゃリベンジ出来るだろ?」
「はい……え、ええっ!?」
何も考えずに覇気のない声で「はい」と答えたあと、赤宮さんの言葉をようやく理解した俺は驚きの声を上げる。
いや、だってそんな、赤宮さんが回転寿司に付き合ってくれるなんて……!
「嫌ならいいけど」
「いえっ! そんなことないですっ。むしろ光栄ですし、その、めちゃくちゃ嬉しいですっ」
「どうせ一人で行けやしないだろ。めそめそされても困るし、それくらいなら付き合ってやる」
「ありがとうございます! ご指導のほどよろしくお願いしますっ」
「指導するほどでもないけどな。気が済んだなら帰るぞ」
「はいっ」
書店を出ようとする赤宮さんの後に続き、行く日を相談しながら途中まで先輩と帰り道をご一緒させてもらった。
こんな形で赤宮さんと時間を過ごせるなんて思ってなかったし、回転寿司にも付き合ってもらえるし、今から当日が待ち遠しくて仕方なかった俺は自室のカレンダーにしっかりと予定を書き込んだ。