自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
小話
主人公名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
乾貞治×西成遥(『今日の青春学園』設定より)
「……まったく、何をやってるんだお前は」
本日は西成遥がテニス部の敷地に入り取材が許される数少ない日……なのだが、その記者が目の前で派手に転んだ。それこそバナナの皮でも踏んだのかというくらい綺麗に。
念の為に確認したがバナナの皮どころか何もない所で転んだのである。どうしてそうなったのか、俺でさえも分からない。
仰向けに転んだ彼女の元へ近づき見下ろすと、相手は転んだことで嫌気が差したのか起き上がろうとせず遠い目をしていた。
「……乾。あたし、今日死ぬのかもしれない。こんな何もない所で転ぶほどのドジっ子属性を得てしまったんだ。おそらく今日の帰りはトラックに轢かれて異世界転生するかもしれないのであたしが死んだら異世界での無事を願ってほしい……」
「何を言ってるんだお前は。おかしな冗談を言う余裕があるなら頭を打った様子はないな。早く起きることをオススメするよ」
「……動きたくない、起こして乾」
これは驚いた。こんな素直に助けを求めてくるとは思わなかったな。それともよほど転んだことがショックだったのか、何もしたくないのかもしれない。
「世話の焼ける奴だ。ほら」
西成の目の前で手を差し出せば彼女はゆっくり手を伸ばし、俺の手を掴む。ゆっくり腕を引っ張ってやれば力ない動きでその身体を起こした。とはいえ、まだ座り込んだ状態のままである。
「立てるか?」
「うむ……」
声に覇気がないのでいつもの元気もないようだ。そんな様子だったが、ようやく立ち上がったところで彼女は衣服の汚れをはたいた。
「それにしても盛大な転び具合だったな」
「……」
「いつもの元気はどこいったんだ? 転んだだけで落ち込むことか?」
「三回目なのだよ……」
「どういうことだ?」
「転んだのが三回。一回目はモップがけした廊下で。二回目はテニスボールに足を取られて。そして三回目が何もない所で。……今日は厄日なんだ! 絶対本日の占いであたしの星座が最下位だったに違いない!」
元気がないと思ったが、どうやらそうでもなさそうだな。強く嘆く元気があるなら心配はなさそうだ。
「それは厄日というよりただの注意力散漫だ。ちゃんと前見て歩いてないんだろう」
「何もない所で転んだりしたのに!?」
「だからこそだろう。そんなに転ぶということは下半身の筋肉に衰えがあるのかもしれないな。そうだ、お前も少しは筋力を上げた方がいい。そのままでは歩くのも覚束なくなりそうだからな」
「い・や・だ!」
「我儘な奴だな」
「だってそこはもっと労るところでしょ!? なんで筋力を上げろって話になるの!?」
「お前のために対策としての案を出したというのに文句ばかり言うな」
持っているノートで西成の頭を軽く叩けば相手はムスッとした表情で俺を睨む。少しずつ調子を取り戻しつつあるようだな。それでこそお前だよ。元気をなくすなんてらしくない。
「そのノートでポンポンしないでくれたまえ! あたしは子どもでもなければ君の生徒でもないからね!?」
「だったら子どもみたいにすぐに落ち込むんじゃない」
「おーちーこーんーでーまーせーんー!」
ムキーッと腕を上げて怒った西成を見て思わずフッと笑ってしまったため口元を押さえる。それを見た彼女はさらに怒りを俺にぶつけてきた。
「そこ笑うとこ!?」
「立ち直りの早い奴だなと思ってな」
「だからって笑うの酷くないっ!?」
「ははは」
「何なの君はっ!」
「いや、やっぱり西成はそうしている方がいいよ。元気な方が俺としても好きだからね」
「い、乾、もしかしてあたしを元気づけて……?」
「落ち込んでるとからかいがいがないからな」
「ほんとそういうとこ!!」
ダンッ! と地団駄を踏むように悔しげな表情をする西成を見ると、改めてこいつをからかうのは楽しいなと思わずにはいられなかった。
我ながら気になる相手にこのような接し方をするのもどうかと思うが今さらやめられないので、当分このままの確率85%だろう。
個人的にはもう少し意識してもらいたいのだが、どうもこの関係が抜けられなくて難儀である。
優しく格好いい所を見せてやりたいがついつい憎まれ口を叩いてしまうのは俺の悪い癖だろう。
結局、好きになった方が負け、ということではあるが、それはそれで悔しい気もする。どうすれば西成が俺を意識してくれるかもっとデータを取らねばならないだろう。
「……」
(な、なんで突然黙ったままジッと見てるの? ちょっと怖いのだがっ)
「……まったく、何をやってるんだお前は」
本日は西成遥がテニス部の敷地に入り取材が許される数少ない日……なのだが、その記者が目の前で派手に転んだ。それこそバナナの皮でも踏んだのかというくらい綺麗に。
念の為に確認したがバナナの皮どころか何もない所で転んだのである。どうしてそうなったのか、俺でさえも分からない。
仰向けに転んだ彼女の元へ近づき見下ろすと、相手は転んだことで嫌気が差したのか起き上がろうとせず遠い目をしていた。
「……乾。あたし、今日死ぬのかもしれない。こんな何もない所で転ぶほどのドジっ子属性を得てしまったんだ。おそらく今日の帰りはトラックに轢かれて異世界転生するかもしれないのであたしが死んだら異世界での無事を願ってほしい……」
「何を言ってるんだお前は。おかしな冗談を言う余裕があるなら頭を打った様子はないな。早く起きることをオススメするよ」
「……動きたくない、起こして乾」
これは驚いた。こんな素直に助けを求めてくるとは思わなかったな。それともよほど転んだことがショックだったのか、何もしたくないのかもしれない。
「世話の焼ける奴だ。ほら」
西成の目の前で手を差し出せば彼女はゆっくり手を伸ばし、俺の手を掴む。ゆっくり腕を引っ張ってやれば力ない動きでその身体を起こした。とはいえ、まだ座り込んだ状態のままである。
「立てるか?」
「うむ……」
声に覇気がないのでいつもの元気もないようだ。そんな様子だったが、ようやく立ち上がったところで彼女は衣服の汚れをはたいた。
「それにしても盛大な転び具合だったな」
「……」
「いつもの元気はどこいったんだ? 転んだだけで落ち込むことか?」
「三回目なのだよ……」
「どういうことだ?」
「転んだのが三回。一回目はモップがけした廊下で。二回目はテニスボールに足を取られて。そして三回目が何もない所で。……今日は厄日なんだ! 絶対本日の占いであたしの星座が最下位だったに違いない!」
元気がないと思ったが、どうやらそうでもなさそうだな。強く嘆く元気があるなら心配はなさそうだ。
「それは厄日というよりただの注意力散漫だ。ちゃんと前見て歩いてないんだろう」
「何もない所で転んだりしたのに!?」
「だからこそだろう。そんなに転ぶということは下半身の筋肉に衰えがあるのかもしれないな。そうだ、お前も少しは筋力を上げた方がいい。そのままでは歩くのも覚束なくなりそうだからな」
「い・や・だ!」
「我儘な奴だな」
「だってそこはもっと労るところでしょ!? なんで筋力を上げろって話になるの!?」
「お前のために対策としての案を出したというのに文句ばかり言うな」
持っているノートで西成の頭を軽く叩けば相手はムスッとした表情で俺を睨む。少しずつ調子を取り戻しつつあるようだな。それでこそお前だよ。元気をなくすなんてらしくない。
「そのノートでポンポンしないでくれたまえ! あたしは子どもでもなければ君の生徒でもないからね!?」
「だったら子どもみたいにすぐに落ち込むんじゃない」
「おーちーこーんーでーまーせーんー!」
ムキーッと腕を上げて怒った西成を見て思わずフッと笑ってしまったため口元を押さえる。それを見た彼女はさらに怒りを俺にぶつけてきた。
「そこ笑うとこ!?」
「立ち直りの早い奴だなと思ってな」
「だからって笑うの酷くないっ!?」
「ははは」
「何なの君はっ!」
「いや、やっぱり西成はそうしている方がいいよ。元気な方が俺としても好きだからね」
「い、乾、もしかしてあたしを元気づけて……?」
「落ち込んでるとからかいがいがないからな」
「ほんとそういうとこ!!」
ダンッ! と地団駄を踏むように悔しげな表情をする西成を見ると、改めてこいつをからかうのは楽しいなと思わずにはいられなかった。
我ながら気になる相手にこのような接し方をするのもどうかと思うが今さらやめられないので、当分このままの確率85%だろう。
個人的にはもう少し意識してもらいたいのだが、どうもこの関係が抜けられなくて難儀である。
優しく格好いい所を見せてやりたいがついつい憎まれ口を叩いてしまうのは俺の悪い癖だろう。
結局、好きになった方が負け、ということではあるが、それはそれで悔しい気もする。どうすれば西成が俺を意識してくれるかもっとデータを取らねばならないだろう。
「……」
(な、なんで突然黙ったままジッと見てるの? ちょっと怖いのだがっ)