自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
小話
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河村隆×九条秋(『今日の青春学園』設定より)
「ごめんね、九条さん。こんなことさせちゃって」
「これくらい平気だよ。それよりも河村くんは大丈夫?」
「あぁ、これくらいはへっちゃらだからね」
部活中に怪我をしたのはつい先ほどのこと。怪我っていうほどの大袈裟なものじゃなくて、ちょっと擦りむいた程度だ。
練習試合に桃のボールを返そうと少し無茶してダイブをしたから。大会も近いのにランキング戦でもない試合に本気を出しすぎるなって思われちゃうかもしれないけどつい熱くなっちゃったんだよなぁ。
そのせいで擦りむいた膝。これくらいは日常茶飯事だし、そのまま放っておくつもりだったけど乾が「保健室に行くほどでもないが消毒くらいはしておけ。せっかくマネージャーもいるんだからこういう時にしっかり頼っておかないとな」と言って九条さんを呼んでくるものだからこっちは申し訳ない気持ちでいっぱいである。
そんな気持ちでベンチに座り、九条さんから手当てを受けている状況だ。
「河村くん、何だか元気なさそうだけどやっぱり痛かった?」
「へ? あ、いや、そうじゃないんだ。九条さんの手を煩わせてしまったのが申し訳なくて……」
「? そんなことないよ。むしろこれが仕事のひとつだし、役に立ててるなら嬉しいからね」
優しく笑いかける彼女に思わずドキリとしてしまう。文句言わずにマネージャーとしての業務を行う九条さんは本当に優しいし真面目だ。
とはいえ、彼女は人当たりもいいし、仕事もよくこなすので男子テニス部のたった一人のマネージャーとしてはとても重宝されているのも事実。
つまりみんなに人気だし、引っ張りだこである。それなのに俺なんかが独占してるみたいで気も引ける気持ちもあった。でも、だからこそ思うことがある。
……九条さんがマネージャーになる前から彼女と知り合いだったのに、マネージャーになったことでさらにその存在を知られて人気になる彼女が少し遠く感じた。
「でも……九条さんを独り占めしてるみたいでみんなに悪くてさ。九条さんはただでさえみんなから必要とされてるし、やることも多いはずだから忙しいのに」
「独り占めだなんて大袈裟だよ。それに河村くんの怪我の方が最優先だから」
「それこそ大袈裟じゃないかな?」
「怪我の大小なんて関係ないよ。大事な友人が怪我をしたなんて聞いたらいつだって駆けつけるもの」
「九条さんは相変わらず優しいね」
「河村くんだってそうだよ?」
「俺のは……ただ事を荒立てたくないっていう気持ちもあるし、優しくしたら返ってくるんじゃないかなって下心もあるからなぁ」
「荒立てたくないから折れることが出来るってことだよね? それは凄いことだと思うよ。自制心が高いってことだろうし」
凄いのは九条さんのことだと思うんだよな。上手く褒めて肯定してくれたりとかさ。俺じゃそこまで出来ないと思う。
「それに下心があるなら私もそうだよ。こうして河村くんとお話が出来るから」
「え?」
「河村くんと話すと安心出来るの」
「安心……?」
「今は少し慣れたけど、最初は色々不安だったし、緊張もしたから河村くんが近くにいるだけで気持ちが軽くなってね……余計なプレッシャーを抱えなくてすんだんだよ」
少し照れくさそうに笑う九条さんの言葉。俺がいるだけでちょっとでも彼女の支えになれたなんて信じられなかった。
「マネージャーになる前から親しくしてもらってる河村くんがいるからマネージャー業も頑張れるの。だから独り占めだなんて思わないで周りに気を遣いすぎずにいつも通りに接してほしいかな」
「あ、う、うん。ありがとう。九条さん」
すでに怪我の手当ては終わっているのにテニス部のマネージャーとしての彼女の顔は今だけ俺の友達である九条さんの顔になっていた。
少し遠かった彼女がいつの間にか近くにいて、いつもと変わらずに接してくれる。
二人でいる時は部員とマネージャーという関係でなく、友人という関係。今はそれで満足だ。高望みはしちゃいけないかなって思うし。
それでも他のみんなとは違うここだけの小さな繋がりちょっとだけ優越感に浸ってしまうのだからやっぱり俺は九条さんほどの優しい人間じゃないと改めて気づかされた。
「ごめんね、九条さん。こんなことさせちゃって」
「これくらい平気だよ。それよりも河村くんは大丈夫?」
「あぁ、これくらいはへっちゃらだからね」
部活中に怪我をしたのはつい先ほどのこと。怪我っていうほどの大袈裟なものじゃなくて、ちょっと擦りむいた程度だ。
練習試合に桃のボールを返そうと少し無茶してダイブをしたから。大会も近いのにランキング戦でもない試合に本気を出しすぎるなって思われちゃうかもしれないけどつい熱くなっちゃったんだよなぁ。
そのせいで擦りむいた膝。これくらいは日常茶飯事だし、そのまま放っておくつもりだったけど乾が「保健室に行くほどでもないが消毒くらいはしておけ。せっかくマネージャーもいるんだからこういう時にしっかり頼っておかないとな」と言って九条さんを呼んでくるものだからこっちは申し訳ない気持ちでいっぱいである。
そんな気持ちでベンチに座り、九条さんから手当てを受けている状況だ。
「河村くん、何だか元気なさそうだけどやっぱり痛かった?」
「へ? あ、いや、そうじゃないんだ。九条さんの手を煩わせてしまったのが申し訳なくて……」
「? そんなことないよ。むしろこれが仕事のひとつだし、役に立ててるなら嬉しいからね」
優しく笑いかける彼女に思わずドキリとしてしまう。文句言わずにマネージャーとしての業務を行う九条さんは本当に優しいし真面目だ。
とはいえ、彼女は人当たりもいいし、仕事もよくこなすので男子テニス部のたった一人のマネージャーとしてはとても重宝されているのも事実。
つまりみんなに人気だし、引っ張りだこである。それなのに俺なんかが独占してるみたいで気も引ける気持ちもあった。でも、だからこそ思うことがある。
……九条さんがマネージャーになる前から彼女と知り合いだったのに、マネージャーになったことでさらにその存在を知られて人気になる彼女が少し遠く感じた。
「でも……九条さんを独り占めしてるみたいでみんなに悪くてさ。九条さんはただでさえみんなから必要とされてるし、やることも多いはずだから忙しいのに」
「独り占めだなんて大袈裟だよ。それに河村くんの怪我の方が最優先だから」
「それこそ大袈裟じゃないかな?」
「怪我の大小なんて関係ないよ。大事な友人が怪我をしたなんて聞いたらいつだって駆けつけるもの」
「九条さんは相変わらず優しいね」
「河村くんだってそうだよ?」
「俺のは……ただ事を荒立てたくないっていう気持ちもあるし、優しくしたら返ってくるんじゃないかなって下心もあるからなぁ」
「荒立てたくないから折れることが出来るってことだよね? それは凄いことだと思うよ。自制心が高いってことだろうし」
凄いのは九条さんのことだと思うんだよな。上手く褒めて肯定してくれたりとかさ。俺じゃそこまで出来ないと思う。
「それに下心があるなら私もそうだよ。こうして河村くんとお話が出来るから」
「え?」
「河村くんと話すと安心出来るの」
「安心……?」
「今は少し慣れたけど、最初は色々不安だったし、緊張もしたから河村くんが近くにいるだけで気持ちが軽くなってね……余計なプレッシャーを抱えなくてすんだんだよ」
少し照れくさそうに笑う九条さんの言葉。俺がいるだけでちょっとでも彼女の支えになれたなんて信じられなかった。
「マネージャーになる前から親しくしてもらってる河村くんがいるからマネージャー業も頑張れるの。だから独り占めだなんて思わないで周りに気を遣いすぎずにいつも通りに接してほしいかな」
「あ、う、うん。ありがとう。九条さん」
すでに怪我の手当ては終わっているのにテニス部のマネージャーとしての彼女の顔は今だけ俺の友達である九条さんの顔になっていた。
少し遠かった彼女がいつの間にか近くにいて、いつもと変わらずに接してくれる。
二人でいる時は部員とマネージャーという関係でなく、友人という関係。今はそれで満足だ。高望みはしちゃいけないかなって思うし。
それでも他のみんなとは違うここだけの小さな繋がりちょっとだけ優越感に浸ってしまうのだからやっぱり俺は九条さんほどの優しい人間じゃないと改めて気づかされた。