自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
小話
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向日岳人+西成遥(『今日の氷帝学園』設定より)
冬の慌ただしいクリスマスを終え、年を明かし、正月も終え、とうとう冬休みも終わってしまった。
あぁ、冬休みはなんでこうも儚いのか。遥はそう思わずにはいられなかった。冬のイベントを一気に詰め込んだとはいえ、過ぎてしまえばあっという間である。
年末年始の部活がないことを良いことに怠惰な生活を送っていた。そのせいで冬休み明けの学校は肩が重くて仕方ない。ずっと休んでいたかったのに世間は、世界は彼女にそうさせてはくれない。
「気が重い……こんなに足取りが重いのはきっと霊に取り憑かれてるからなんだ。あたしはやはり休むべき……」
そう口にはするものの、同じことを家で言えば呆れた顔で両親に追い出されたため、トボトボと学校へ向かうしかなかった。
「うわっ、辛気くせーの」
そんな登校の最中、自分に向けられたと思われる声を聞いて遥は失礼な発言をする相手へとジト目を向ける。悪友である向日岳人であった。
「辛気臭いとは失礼だなっ」
「だってそうだろ」
「むしろなんで君はそんな普通なの? 学校が始まったって言うのにさ!」
「まぁ、いつものことじゃん? 初めての冬休み明けじゃねーし」
そうだけどさぁ……と唇を尖らせる。頭では分かってはいるが、それでも彼女はやる気が湧かないのだ。
「身体が重い。寒いし」
「……お前、もしかして太ったのか?」
その言葉を聞いた遥は身体が石化するように固まった。暫くして勢いよく向日へと詰め寄る。不機嫌いっぱいの様子で。
「い、いいい今なんてっ!? あたしに太ったって!?」
「身体重いっつーならそうなんだろ?」
鼻で笑う向日に遥はワナワナとその身を震わせた。大きな声で違うよ! と言い返したいのは山々ではあったが、残念ながら悪友の言う通りなのである。
クリスマスのご馳走。そして食っちゃ寝の正月。部活のない少しの期間とはいえ体重が増加するには十分であった。そんな遥の様子を見て向日はニヤついた笑みを向ける。
「図星だな」
「ちっ、ちちち違うし!」
「見え見えの嘘つくなっつーの」
う、嘘じゃないもんっ。と説得力のない動揺を見せながら否定するので相手は信じない。
「どうせお前のことだ。部活がねぇからって食っちゃ寝してたんだろ」
ぎくぎく、と更に図星を突いてくる。エスパーか? と思わずにはいられなかったけど、遥もただ言われるばかりではいられない。
「ふ、ふんっ! それ、岳人がしてたことでしょ! お餅を沢山食べて体重増えたんじゃないのっ!?」
「は、はぁぁぁーー!? ちげーし! それに俺は太っても成長期だから身長に変えられるし、代謝だっていいんだっつーの!」
「それは身長が伸びてから言ってくんないっ? それにその理屈がまかり通るならあたしにも言えることだし!」
「いーや、お前はぜってー贅肉になってる! 何なら侑士に確認してもらってもいいぜ!」
「はいっ? なんでそこであやつの名が出るわけ!?」
唐突の忍足の名前に遥は条件反射でびくりと身体を跳ねさせる。予想をしていなかっただけに。
「あいつはな、見ただけでセンチ単位で身体の変化を理解出来る。お前限定で」
「ひぃっ……! 何それめっちゃ怖いのだが!」
むしろそんな特技知りたくなかった。しかも自分限定と知り更なる恐怖が芽生える。
「しかも目標はミリ単位の変化を目視出来るようにしたいんだってよ」
「無理無理無理無理っ! 嫌だよあたしは!」
何故そんな高みを目指すのか。せめてテニスに活用してほしい。心底そう思ったが、それどころではない。本当にセンチ単位で体型の変化が分かるなら怠惰な年末年始を過ごしたことが悪友にバレてしまう。
「ていうか数センチくらいの変化なんて誤差だよっ! 誤差!」
「自分で言うな」
「誤差だからすぐに元に戻るもーん!」
「認めたな、太ったことに」
「うるさいやい! どうせ部活だの何だのでこれ以上は太らないから大丈夫だし、お昼もちょっと減らすし!」
「ふ~ん? 今日の学食は特別メニューだけどそれを捨てるのかぁ」
「えっ」
その言葉を聞いて間抜けな声が出たが遥はすぐに思い出した。新学期一日目はお餅を使った特別メニューが提供されるということに。それもあるため新学期は何がなんでも行かなければということも。
「可哀想になぁ。特別メニューを食わないなんてよ」
にやにやと笑う向日を見てムッとする。そして身体を震わせながら遥は口にした。
「食べるよっ!! バーカ! バーカ!」
「馬鹿はお前だろーが!」
このままでは更に馬鹿にされかねない。そう思った遥は向日から振り切るように走り出したのだ。少しでもカロリーを落とすためにも。
冬の慌ただしいクリスマスを終え、年を明かし、正月も終え、とうとう冬休みも終わってしまった。
あぁ、冬休みはなんでこうも儚いのか。遥はそう思わずにはいられなかった。冬のイベントを一気に詰め込んだとはいえ、過ぎてしまえばあっという間である。
年末年始の部活がないことを良いことに怠惰な生活を送っていた。そのせいで冬休み明けの学校は肩が重くて仕方ない。ずっと休んでいたかったのに世間は、世界は彼女にそうさせてはくれない。
「気が重い……こんなに足取りが重いのはきっと霊に取り憑かれてるからなんだ。あたしはやはり休むべき……」
そう口にはするものの、同じことを家で言えば呆れた顔で両親に追い出されたため、トボトボと学校へ向かうしかなかった。
「うわっ、辛気くせーの」
そんな登校の最中、自分に向けられたと思われる声を聞いて遥は失礼な発言をする相手へとジト目を向ける。悪友である向日岳人であった。
「辛気臭いとは失礼だなっ」
「だってそうだろ」
「むしろなんで君はそんな普通なの? 学校が始まったって言うのにさ!」
「まぁ、いつものことじゃん? 初めての冬休み明けじゃねーし」
そうだけどさぁ……と唇を尖らせる。頭では分かってはいるが、それでも彼女はやる気が湧かないのだ。
「身体が重い。寒いし」
「……お前、もしかして太ったのか?」
その言葉を聞いた遥は身体が石化するように固まった。暫くして勢いよく向日へと詰め寄る。不機嫌いっぱいの様子で。
「い、いいい今なんてっ!? あたしに太ったって!?」
「身体重いっつーならそうなんだろ?」
鼻で笑う向日に遥はワナワナとその身を震わせた。大きな声で違うよ! と言い返したいのは山々ではあったが、残念ながら悪友の言う通りなのである。
クリスマスのご馳走。そして食っちゃ寝の正月。部活のない少しの期間とはいえ体重が増加するには十分であった。そんな遥の様子を見て向日はニヤついた笑みを向ける。
「図星だな」
「ちっ、ちちち違うし!」
「見え見えの嘘つくなっつーの」
う、嘘じゃないもんっ。と説得力のない動揺を見せながら否定するので相手は信じない。
「どうせお前のことだ。部活がねぇからって食っちゃ寝してたんだろ」
ぎくぎく、と更に図星を突いてくる。エスパーか? と思わずにはいられなかったけど、遥もただ言われるばかりではいられない。
「ふ、ふんっ! それ、岳人がしてたことでしょ! お餅を沢山食べて体重増えたんじゃないのっ!?」
「は、はぁぁぁーー!? ちげーし! それに俺は太っても成長期だから身長に変えられるし、代謝だっていいんだっつーの!」
「それは身長が伸びてから言ってくんないっ? それにその理屈がまかり通るならあたしにも言えることだし!」
「いーや、お前はぜってー贅肉になってる! 何なら侑士に確認してもらってもいいぜ!」
「はいっ? なんでそこであやつの名が出るわけ!?」
唐突の忍足の名前に遥は条件反射でびくりと身体を跳ねさせる。予想をしていなかっただけに。
「あいつはな、見ただけでセンチ単位で身体の変化を理解出来る。お前限定で」
「ひぃっ……! 何それめっちゃ怖いのだが!」
むしろそんな特技知りたくなかった。しかも自分限定と知り更なる恐怖が芽生える。
「しかも目標はミリ単位の変化を目視出来るようにしたいんだってよ」
「無理無理無理無理っ! 嫌だよあたしは!」
何故そんな高みを目指すのか。せめてテニスに活用してほしい。心底そう思ったが、それどころではない。本当にセンチ単位で体型の変化が分かるなら怠惰な年末年始を過ごしたことが悪友にバレてしまう。
「ていうか数センチくらいの変化なんて誤差だよっ! 誤差!」
「自分で言うな」
「誤差だからすぐに元に戻るもーん!」
「認めたな、太ったことに」
「うるさいやい! どうせ部活だの何だのでこれ以上は太らないから大丈夫だし、お昼もちょっと減らすし!」
「ふ~ん? 今日の学食は特別メニューだけどそれを捨てるのかぁ」
「えっ」
その言葉を聞いて間抜けな声が出たが遥はすぐに思い出した。新学期一日目はお餅を使った特別メニューが提供されるということに。それもあるため新学期は何がなんでも行かなければということも。
「可哀想になぁ。特別メニューを食わないなんてよ」
にやにやと笑う向日を見てムッとする。そして身体を震わせながら遥は口にした。
「食べるよっ!! バーカ! バーカ!」
「馬鹿はお前だろーが!」
このままでは更に馬鹿にされかねない。そう思った遥は向日から振り切るように走り出したのだ。少しでもカロリーを落とすためにも。
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