自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
小話
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大石秀一郎×西成遥(『今日の青春学園』設定より)
「今日はいい推しの日なのでいつもより大石を応援したいと思います!」
「えっ、うん?」
部活前に見かけた西成さんに声をかけた時のこと。腕章がないため、今日は新聞部の部活ではない彼女はテニス部の敷地には入れない。そのためフェンス越しでの会話となる。
部活がないときにも西成さんの姿が見えるのはとても嬉しくてつい声をかけてしまったけど、彼女の邪魔にならなかったかなと思った矢先。唐突とも言える彼女の発言に戸惑ってしまった。
「11月4日はいい推しの日なので、あたしの推しである大石を推しまくろうと思ってね」
どこか自慢げな様子。西成さんは何故か俺を推してくれている。いまいちその理由があまり明瞭ではないが、詳しく尋ねるには失礼かと思って今に至るのだけど……。
「えっと、具体的には?」
「大石への応援を積極的に! これを使って!」
そう言って彼女が取り出したのは二本のうちわだった。いや、ただのうちわじゃない。アイドルのコンサートで使うような文字が書かれたもの。一枚は『大石』もう一枚は『頑張って』と。何だか気恥ずかしいが嫌ではない。むしろ嬉しいくらい。
……でも竜崎先生に没収されたりしないかな。後で俺から先生に説得してみるか。
「あはは、応援してくれるのは嬉しいよ。推し、って言われるのはちょっと照れくさいけど」
「だってほんとのことだからねっ」
曇りなき眼に疑う余地はない。嬉しい反面、ちょっと気がかりなのもある。……そこは手塚じゃなくていいのかなって。西成さんは手塚に想いを寄せてるのだからそこはあいつに向ける方がいい気がする。
やっぱりあれなのだろうか? いつも言い合いをするから素直になれない、的な? 彼女は素直な方だけど手塚に対しては意地を張ってるようだし。ここは少し協力するのが優しさなんじゃないだろうか?
「俺はいいとして……手塚じゃなくていいのかい?」
「……へ?」
「ほら、やっぱり青学を導いてるのは部長でもある手塚だし、あいつも応援してもらえると絶対嬉しいはずだから」
「いや、それは絶対ないよ」
……即答だった。
「い、いや、絶対ないなんてことは━━」
「ないんだよなぁ。あたしの応援なんてむしろ迷惑がる光景しか浮かばないし。というか、あやつは別の子の応援が欲しいだろうしね」
九条さんのことを言ってるんだろうな。相変わらず二人の仲を裂くつもりはないみたいだけど……やっぱり俺としては西成さんにも幸せになってほしい。
せめて俺に向けてくれたら……なんて考えてしまったところで慌てて頭を振る。駄目だ駄目だ、自分にとって都合のいいことを考えるのは良くない。西成さんの想いを無視した想像なんて妄想もいいところだ。
「大石、なんか難しい顔してどしたの?」
その言葉にハッとし、慌てて何でもないよっ、と誤魔化す。
「そう? あたしで良かったら相談に乗るから小船に乗ったつもりでいてね。むしろ何か出来ることあったら言って! 大石に比べたら出来ることなんて限られちゃうだろうけど!」
大船、だよな……おそらく。胸にドンと拳を当てて頼りになることを告げてくれるのに、俺は嘘をついて誤魔化すだけ。なんて情けない男なんだ大石秀一郎!
「あ、ありがとう。むしろ心強いよ。……えっと、それじゃあ沢山応援してくれると、その、嬉しいかなぁ……なんて」
西成さんは元々応援するつもりなのに何言ってんだか俺は……と、心の中で口にした言葉に後悔しつつ、ははっ、と自虐的な笑いをこぼしてしまう。
「もちろん! 大石が喜んでくれるならめちゃくちゃ応援するっ!」
フェンス越しだと言うのにぐいっと身を寄せて頷いてくれる彼女の瞳は星のように綺麗で輝かしかった。思わずドキリとしてしまう。こんな目で見つめられたら誰だってそうなるんじゃないか? 絶対俺だけじゃないはずだ。
「大石が頑張ってるとあたしも嬉しいし、格好いい所も沢山見たいからいっぱい決めちゃってね!」
「あはは、そう言われたら頑張らないわけにはいかないよな」
照れくさいけど、純粋な応援ほど胸に響くものはない。気になる相手からならば特にだ。
そんな感じですでに西成さんからエールを貰った俺はコートへ向かうと、一部始終を見ていた英二から「あいつ、まるで大会並の応援するよなぁ」と口にするものだから、それだけ本気で応援してることが嬉しくてつい口元が緩んでしまった。
「今日はいい推しの日なのでいつもより大石を応援したいと思います!」
「えっ、うん?」
部活前に見かけた西成さんに声をかけた時のこと。腕章がないため、今日は新聞部の部活ではない彼女はテニス部の敷地には入れない。そのためフェンス越しでの会話となる。
部活がないときにも西成さんの姿が見えるのはとても嬉しくてつい声をかけてしまったけど、彼女の邪魔にならなかったかなと思った矢先。唐突とも言える彼女の発言に戸惑ってしまった。
「11月4日はいい推しの日なので、あたしの推しである大石を推しまくろうと思ってね」
どこか自慢げな様子。西成さんは何故か俺を推してくれている。いまいちその理由があまり明瞭ではないが、詳しく尋ねるには失礼かと思って今に至るのだけど……。
「えっと、具体的には?」
「大石への応援を積極的に! これを使って!」
そう言って彼女が取り出したのは二本のうちわだった。いや、ただのうちわじゃない。アイドルのコンサートで使うような文字が書かれたもの。一枚は『大石』もう一枚は『頑張って』と。何だか気恥ずかしいが嫌ではない。むしろ嬉しいくらい。
……でも竜崎先生に没収されたりしないかな。後で俺から先生に説得してみるか。
「あはは、応援してくれるのは嬉しいよ。推し、って言われるのはちょっと照れくさいけど」
「だってほんとのことだからねっ」
曇りなき眼に疑う余地はない。嬉しい反面、ちょっと気がかりなのもある。……そこは手塚じゃなくていいのかなって。西成さんは手塚に想いを寄せてるのだからそこはあいつに向ける方がいい気がする。
やっぱりあれなのだろうか? いつも言い合いをするから素直になれない、的な? 彼女は素直な方だけど手塚に対しては意地を張ってるようだし。ここは少し協力するのが優しさなんじゃないだろうか?
「俺はいいとして……手塚じゃなくていいのかい?」
「……へ?」
「ほら、やっぱり青学を導いてるのは部長でもある手塚だし、あいつも応援してもらえると絶対嬉しいはずだから」
「いや、それは絶対ないよ」
……即答だった。
「い、いや、絶対ないなんてことは━━」
「ないんだよなぁ。あたしの応援なんてむしろ迷惑がる光景しか浮かばないし。というか、あやつは別の子の応援が欲しいだろうしね」
九条さんのことを言ってるんだろうな。相変わらず二人の仲を裂くつもりはないみたいだけど……やっぱり俺としては西成さんにも幸せになってほしい。
せめて俺に向けてくれたら……なんて考えてしまったところで慌てて頭を振る。駄目だ駄目だ、自分にとって都合のいいことを考えるのは良くない。西成さんの想いを無視した想像なんて妄想もいいところだ。
「大石、なんか難しい顔してどしたの?」
その言葉にハッとし、慌てて何でもないよっ、と誤魔化す。
「そう? あたしで良かったら相談に乗るから小船に乗ったつもりでいてね。むしろ何か出来ることあったら言って! 大石に比べたら出来ることなんて限られちゃうだろうけど!」
大船、だよな……おそらく。胸にドンと拳を当てて頼りになることを告げてくれるのに、俺は嘘をついて誤魔化すだけ。なんて情けない男なんだ大石秀一郎!
「あ、ありがとう。むしろ心強いよ。……えっと、それじゃあ沢山応援してくれると、その、嬉しいかなぁ……なんて」
西成さんは元々応援するつもりなのに何言ってんだか俺は……と、心の中で口にした言葉に後悔しつつ、ははっ、と自虐的な笑いをこぼしてしまう。
「もちろん! 大石が喜んでくれるならめちゃくちゃ応援するっ!」
フェンス越しだと言うのにぐいっと身を寄せて頷いてくれる彼女の瞳は星のように綺麗で輝かしかった。思わずドキリとしてしまう。こんな目で見つめられたら誰だってそうなるんじゃないか? 絶対俺だけじゃないはずだ。
「大石が頑張ってるとあたしも嬉しいし、格好いい所も沢山見たいからいっぱい決めちゃってね!」
「あはは、そう言われたら頑張らないわけにはいかないよな」
照れくさいけど、純粋な応援ほど胸に響くものはない。気になる相手からならば特にだ。
そんな感じですでに西成さんからエールを貰った俺はコートへ向かうと、一部始終を見ていた英二から「あいつ、まるで大会並の応援するよなぁ」と口にするものだから、それだけ本気で応援してることが嬉しくてつい口元が緩んでしまった。