自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
小話
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河村隆×九条秋(『今日の青春学園』設定より)
「あれ? 河村君?」
昼間の近所のスーパー内にて声をかけられた。聞き覚えのある水のように透き通った声。すぐに誰かなのかと気づいた俺は飛び跳ねた心臓を押さえながら彼女の方へと向く。
「九条さんっ」
俺と同じく買い物かごを手にした九条さんがいた。いつものように落ち着いて陽だまりのような笑みをこちらに向けて。
「こんにちは、河村君」
「あぁ、こんにちは。九条さんは買い出しかな?」
「うん、夕飯の方の買い出しだよ。河村君は?」
「俺も同じ」
「一緒だね。今日の夕飯は何かな……。河村君のお家はもう決まってるの?」
「あ、うん。決まってるっていうか、今日は俺が振る舞う予定なんだ」
少し照れくさいけれど、彼女にそう伝えたら九条さんは驚いた様子を見せてすぐに「凄いねっ」と口にしてくれた。
「そっか、河村君はお寿司の修行をしてるから他の料理も作れるんだ。きっと親御さんも嬉しいよね」
「あはは。でも作るのはちらし寿司なんだけどね。まだそんな大したものは出来ないし」
「ちらし寿司でも十分だよ。お祝いみたいに華やかでいいしね」
「確かにお祝いと言えばお祝いかな。ほら、今日はいい夫婦の日ってやつだから」
11月22日。世間ではいい夫婦の日という設定をされているので、俺は親父とお袋を祝うつもりで今夜の夕飯を用意することに決めていた。何だか結婚記念日みたいだなって思ったけど。
彼女にそう説明すると、なるほどという顔で頷いてくれた。
「親御さん想いで河村君らしいね」
「そ、そうかな? ただの自己満みたいなものだよ。きっと親父は職人目線でダメ出しとかするだろうし」
「それだけ河村君に期待してるからだと思うよ。河村君もそれを理解して提供するってことは、今の自分のレベルを見てもらいたいんじゃないかな?」
……まさしくその通りだ。よく分かったなぁって苦笑いをしてしまう。
「さすが九条さんだよ。そこまで分かっちゃうんだ」
「河村君ならそうかなって思っただけだよ。褒めてもらえるといいね」
「それはどうかなぁ。親父は厳しいし」
むしろ今から何を言われるかヒヤヒヤではある。それでも親父を一度でも唸らせる何かがあればいいなとは思うけど。
「ふふっ。今度その結果を教えてね。……あ、河村君。せっかくだから一緒に買い物しない? どんな物を買うか見てみたくて」
思ってもみなかった九条さんからの誘いに、えっ!? と心の声が出てしまいそうだった。願ってもないことだ。
「も、もちろんっ。でも、俺の買う物はそんなにないんだ。ちらし寿司の具材は店の余り物を使うから実際にはお吸い物の材料なんだけどね。だから主に九条さんの買い物に付き合う感じになるけどいいかな?」
「あ、そうなんだね。河村君の方が先に買い物を終えるのに付き合わせるのは申し訳ない気がするけど……」
「全然っ。むしろ九条さんと話出来るから楽しいくらいだし!」
「本当? そう言ってくれると嬉しいよ。じゃあお願いしてもいいかな?」
「うん、こちらこそ」
それじゃあって別れずに終わって良かったと一人で胸を撫で下ろし、一緒に買い物を再開した。
とはいえ、俺のは豆腐とかお袋から「ついでに」と頼まれた品ばかり。九条さんはじゃがいも、人参、豚肉や牛肉をかごの中に入れていく。
彼女は夕飯がまだ何かは知らされていないようだったけど、この材料だとあれが浮かぶ。
「肉じゃがの材料みたいだね」
「私はシチューだと思っちゃった」
「あ、なるほど。そう思うとカレーにも出来るね」
「あとは味噌汁とか」
次々出てくる料理にお互いくすりと笑ってしまった。
「正解が分かったらまた知らせるね」
「うん。これでまた違う料理だったら驚いちゃうだろうけど」
「それはそれで面白いと思うよ。河村君もちらし寿司が出来たら写真を見せてほしいな」
「え? な、なんか恥ずかしいな。多分そんな凄いものじゃないし」
「そんなことないよ。河村君が一生懸命作ったものなんだから」
きっと彼女にとっては何気ない一言なんだけど、好きな子に言われたらそんな些細なことでも嬉しく思ってしまう俺は単純だ。
「じゃ、じゃあ、九条さんにだけ特別に……」
「本当? 特別って言われるとちょっと照れちゃうけど、河村君にそう言ってもらえて嬉しいよ」
先程くすりと笑ったばかりなのに今度はお互いに照れてしまって何だかむず痒くなってしまった。
「あれ? 河村君?」
昼間の近所のスーパー内にて声をかけられた。聞き覚えのある水のように透き通った声。すぐに誰かなのかと気づいた俺は飛び跳ねた心臓を押さえながら彼女の方へと向く。
「九条さんっ」
俺と同じく買い物かごを手にした九条さんがいた。いつものように落ち着いて陽だまりのような笑みをこちらに向けて。
「こんにちは、河村君」
「あぁ、こんにちは。九条さんは買い出しかな?」
「うん、夕飯の方の買い出しだよ。河村君は?」
「俺も同じ」
「一緒だね。今日の夕飯は何かな……。河村君のお家はもう決まってるの?」
「あ、うん。決まってるっていうか、今日は俺が振る舞う予定なんだ」
少し照れくさいけれど、彼女にそう伝えたら九条さんは驚いた様子を見せてすぐに「凄いねっ」と口にしてくれた。
「そっか、河村君はお寿司の修行をしてるから他の料理も作れるんだ。きっと親御さんも嬉しいよね」
「あはは。でも作るのはちらし寿司なんだけどね。まだそんな大したものは出来ないし」
「ちらし寿司でも十分だよ。お祝いみたいに華やかでいいしね」
「確かにお祝いと言えばお祝いかな。ほら、今日はいい夫婦の日ってやつだから」
11月22日。世間ではいい夫婦の日という設定をされているので、俺は親父とお袋を祝うつもりで今夜の夕飯を用意することに決めていた。何だか結婚記念日みたいだなって思ったけど。
彼女にそう説明すると、なるほどという顔で頷いてくれた。
「親御さん想いで河村君らしいね」
「そ、そうかな? ただの自己満みたいなものだよ。きっと親父は職人目線でダメ出しとかするだろうし」
「それだけ河村君に期待してるからだと思うよ。河村君もそれを理解して提供するってことは、今の自分のレベルを見てもらいたいんじゃないかな?」
……まさしくその通りだ。よく分かったなぁって苦笑いをしてしまう。
「さすが九条さんだよ。そこまで分かっちゃうんだ」
「河村君ならそうかなって思っただけだよ。褒めてもらえるといいね」
「それはどうかなぁ。親父は厳しいし」
むしろ今から何を言われるかヒヤヒヤではある。それでも親父を一度でも唸らせる何かがあればいいなとは思うけど。
「ふふっ。今度その結果を教えてね。……あ、河村君。せっかくだから一緒に買い物しない? どんな物を買うか見てみたくて」
思ってもみなかった九条さんからの誘いに、えっ!? と心の声が出てしまいそうだった。願ってもないことだ。
「も、もちろんっ。でも、俺の買う物はそんなにないんだ。ちらし寿司の具材は店の余り物を使うから実際にはお吸い物の材料なんだけどね。だから主に九条さんの買い物に付き合う感じになるけどいいかな?」
「あ、そうなんだね。河村君の方が先に買い物を終えるのに付き合わせるのは申し訳ない気がするけど……」
「全然っ。むしろ九条さんと話出来るから楽しいくらいだし!」
「本当? そう言ってくれると嬉しいよ。じゃあお願いしてもいいかな?」
「うん、こちらこそ」
それじゃあって別れずに終わって良かったと一人で胸を撫で下ろし、一緒に買い物を再開した。
とはいえ、俺のは豆腐とかお袋から「ついでに」と頼まれた品ばかり。九条さんはじゃがいも、人参、豚肉や牛肉をかごの中に入れていく。
彼女は夕飯がまだ何かは知らされていないようだったけど、この材料だとあれが浮かぶ。
「肉じゃがの材料みたいだね」
「私はシチューだと思っちゃった」
「あ、なるほど。そう思うとカレーにも出来るね」
「あとは味噌汁とか」
次々出てくる料理にお互いくすりと笑ってしまった。
「正解が分かったらまた知らせるね」
「うん。これでまた違う料理だったら驚いちゃうだろうけど」
「それはそれで面白いと思うよ。河村君もちらし寿司が出来たら写真を見せてほしいな」
「え? な、なんか恥ずかしいな。多分そんな凄いものじゃないし」
「そんなことないよ。河村君が一生懸命作ったものなんだから」
きっと彼女にとっては何気ない一言なんだけど、好きな子に言われたらそんな些細なことでも嬉しく思ってしまう俺は単純だ。
「じゃ、じゃあ、九条さんにだけ特別に……」
「本当? 特別って言われるとちょっと照れちゃうけど、河村君にそう言ってもらえて嬉しいよ」
先程くすりと笑ったばかりなのに今度はお互いに照れてしまって何だかむず痒くなってしまった。