自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
小話
主人公名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
丸井ブン太×赤宮麻美(『今日の立海大附属』設定より)
「ハロウィン用の菓子が買いたい」
唐突に赤宮がそう言ってきたのは今まさに部活を終えて着替えに部室へ行こうとしたときだった。あまりにも突然のことで、相手が何を言いたいかも分からなかった俺は「お、おう?」と返事するだけ。
でもそれだけで赤宮は何も言わねぇ。え、俺の言葉待ち? こっちとしてはお前の言葉待ちなんだけど。
「え。だから?」
「付き合え」
「ええっ!? なんで!?」
「あんた、そういうの詳しいだろ」
そりゃあ詳しいか詳しくないかっつーと詳しい部類に入るけどよ。別に俺に頼る必要なくね?
「ハロウィン用の菓子なんてそこらで売ってるから別に何でもいいんじゃね? スーパーでも手軽に手に入るんだし」
「そんな幼稚なもんはいらん」
「じゃあ、どういうのがお好みなわけ?」
溜め息混じりに尋ねる。ちゃんとした条件を提示してくれなきゃこっちだって答えようがない。
「……弦一郎が喜びそうな」
言いにくそうに口にしたその内容に「ん?」と思った。いや、なんでそこで真田が出てくるのか。真田とハロウィン菓子は結びつかねぇ。
「毎年、ハロウィンの夜には弦一郎の家にガキ共が菓子を強請るそうだ。いつもはおはぎを用意してたが日持ちするのがいいと言われて頭を悩ませている」
「へぇ」
「話を聞いて、そんなことで弦一郎の貴重な時間を費やすわけにはいかない。だから私に任せろと言った」
「あぁ……」
納得した。なるほどね。真田が悩んだからそれを肩代わりしたってわけか。赤宮らしいっつーか、相変わらず真田馬鹿っつーか。ま、口が裂けても言えねーけどよ。
「で、結局お前も何を用意したら分かんねーから俺に頼ってきたと?」
「得意な奴に聞く方が時間の無駄にはならないだろ」
ハロウィン菓子くらいでそこまで真剣に考えなくてもいいとは思うけどなぁ。それこそ俺に聞きに来る方が時間の無駄じゃね?
「まぁ、お前がそういうなら付き合うけどよ」
目的が甘い物ならそれはそれで俺としても楽しいしな。悪い誘いじゃねぇ。
「じゃあ、行くぞ」
「え。今日?」
「当たり前だろ」
俺からしてみたら当たり前じゃねーんだけどな!? まぁ、いいけどさ。どうせ寄り道するつもりだったし。
心の中ではぁっと大息をついて、俺は赤宮と共にハロウィン菓子の調達しに向かうことになった。
向かった先は近くの洋菓子店。時期的な物に力を入れてないわけのない業界だし、結構品揃えは多い方。もちろんショーケースに並ぶケーキも唸るほどの美味さ……だけど、今回はそっちが目当てじゃなく、棚に並ぶ季節の焼き菓子達。
「赤宮は真田が喜びそうなって言ったけどよ、一応渡す相手は子供なんだからそいつらが喜ぶ方が真田も喜ぶんだし、こういうのがいいと思うけどな」
ハロウィン用にオレンジと黒のリボンでラッピングされたクッキーやフィナンシェなどの詰め合わせ。ハロウィンに相応しいゴーストの絵も入った袋で値段もお手頃。
「ふぅん……」
手に取って見る赤宮。吟味してるようだけど、そんなに気になる所あるのか?
しばらくしてから赤宮は「よし」と呟き、いくつか抱え始めた。どうやら決めてくれたみてーだな。
「これにする」
「おー。お眼鏡にかなうなら何よりだぜ」
まぁ、ぶっちゃけおはぎ以外なら何でも良さげではあるけどな。普通に色んな菓子を詰め合わせた物でも問題ないと思うけど。
「もし上手くいかなかったら許さないからな」
「むしろこれで上手くいかないってどんな状況だよ……」
「……確かにこれで拒絶したらただのクソガキ共だな」
頼むから真田の家にトリックオアトリートしに来た子供は素直に喜んでほしい。俺にはそう願うしか出来なかった。
「んじゃあついでだし、俺はデザートのケーキでも買おっかな」
秋限定のハロウィン仕様のケーキを含め計8個。それを注文すると赤宮は若干引き気味に口を開く。
「そんなに食うのかよ……」
「弟達にも分けてやるんだよ。ま、食えるけど」
「食えるのかよ」
「赤宮は買わねぇの? そのまま真田んとこに行くなら手土産にもいいんじゃね?」
「……そうか」
どうやら俺の言うことに一理あると思ったのか赤宮はショーケースの中のケーキをジッと眺め始めた。
真田のために真剣に悩む姿は正直年相応に見えてしまう。そういうとこ可愛いんだよなこいつ。どんな奴でも恋をしたらそういう一面が見えるっていうことなんだろな。
「おはぎのホールケーキみたいなのはないのか?」
「っ、さすがにないだろぃ……」
こっちを見るからついドキッとしてしまったが、問われる内容は呆れるようなものだったのですぐに「もっとぴったりなやつがあるはずだって」と告げて一緒に選んでやった。
「ハロウィン用の菓子が買いたい」
唐突に赤宮がそう言ってきたのは今まさに部活を終えて着替えに部室へ行こうとしたときだった。あまりにも突然のことで、相手が何を言いたいかも分からなかった俺は「お、おう?」と返事するだけ。
でもそれだけで赤宮は何も言わねぇ。え、俺の言葉待ち? こっちとしてはお前の言葉待ちなんだけど。
「え。だから?」
「付き合え」
「ええっ!? なんで!?」
「あんた、そういうの詳しいだろ」
そりゃあ詳しいか詳しくないかっつーと詳しい部類に入るけどよ。別に俺に頼る必要なくね?
「ハロウィン用の菓子なんてそこらで売ってるから別に何でもいいんじゃね? スーパーでも手軽に手に入るんだし」
「そんな幼稚なもんはいらん」
「じゃあ、どういうのがお好みなわけ?」
溜め息混じりに尋ねる。ちゃんとした条件を提示してくれなきゃこっちだって答えようがない。
「……弦一郎が喜びそうな」
言いにくそうに口にしたその内容に「ん?」と思った。いや、なんでそこで真田が出てくるのか。真田とハロウィン菓子は結びつかねぇ。
「毎年、ハロウィンの夜には弦一郎の家にガキ共が菓子を強請るそうだ。いつもはおはぎを用意してたが日持ちするのがいいと言われて頭を悩ませている」
「へぇ」
「話を聞いて、そんなことで弦一郎の貴重な時間を費やすわけにはいかない。だから私に任せろと言った」
「あぁ……」
納得した。なるほどね。真田が悩んだからそれを肩代わりしたってわけか。赤宮らしいっつーか、相変わらず真田馬鹿っつーか。ま、口が裂けても言えねーけどよ。
「で、結局お前も何を用意したら分かんねーから俺に頼ってきたと?」
「得意な奴に聞く方が時間の無駄にはならないだろ」
ハロウィン菓子くらいでそこまで真剣に考えなくてもいいとは思うけどなぁ。それこそ俺に聞きに来る方が時間の無駄じゃね?
「まぁ、お前がそういうなら付き合うけどよ」
目的が甘い物ならそれはそれで俺としても楽しいしな。悪い誘いじゃねぇ。
「じゃあ、行くぞ」
「え。今日?」
「当たり前だろ」
俺からしてみたら当たり前じゃねーんだけどな!? まぁ、いいけどさ。どうせ寄り道するつもりだったし。
心の中ではぁっと大息をついて、俺は赤宮と共にハロウィン菓子の調達しに向かうことになった。
向かった先は近くの洋菓子店。時期的な物に力を入れてないわけのない業界だし、結構品揃えは多い方。もちろんショーケースに並ぶケーキも唸るほどの美味さ……だけど、今回はそっちが目当てじゃなく、棚に並ぶ季節の焼き菓子達。
「赤宮は真田が喜びそうなって言ったけどよ、一応渡す相手は子供なんだからそいつらが喜ぶ方が真田も喜ぶんだし、こういうのがいいと思うけどな」
ハロウィン用にオレンジと黒のリボンでラッピングされたクッキーやフィナンシェなどの詰め合わせ。ハロウィンに相応しいゴーストの絵も入った袋で値段もお手頃。
「ふぅん……」
手に取って見る赤宮。吟味してるようだけど、そんなに気になる所あるのか?
しばらくしてから赤宮は「よし」と呟き、いくつか抱え始めた。どうやら決めてくれたみてーだな。
「これにする」
「おー。お眼鏡にかなうなら何よりだぜ」
まぁ、ぶっちゃけおはぎ以外なら何でも良さげではあるけどな。普通に色んな菓子を詰め合わせた物でも問題ないと思うけど。
「もし上手くいかなかったら許さないからな」
「むしろこれで上手くいかないってどんな状況だよ……」
「……確かにこれで拒絶したらただのクソガキ共だな」
頼むから真田の家にトリックオアトリートしに来た子供は素直に喜んでほしい。俺にはそう願うしか出来なかった。
「んじゃあついでだし、俺はデザートのケーキでも買おっかな」
秋限定のハロウィン仕様のケーキを含め計8個。それを注文すると赤宮は若干引き気味に口を開く。
「そんなに食うのかよ……」
「弟達にも分けてやるんだよ。ま、食えるけど」
「食えるのかよ」
「赤宮は買わねぇの? そのまま真田んとこに行くなら手土産にもいいんじゃね?」
「……そうか」
どうやら俺の言うことに一理あると思ったのか赤宮はショーケースの中のケーキをジッと眺め始めた。
真田のために真剣に悩む姿は正直年相応に見えてしまう。そういうとこ可愛いんだよなこいつ。どんな奴でも恋をしたらそういう一面が見えるっていうことなんだろな。
「おはぎのホールケーキみたいなのはないのか?」
「っ、さすがにないだろぃ……」
こっちを見るからついドキッとしてしまったが、問われる内容は呆れるようなものだったのですぐに「もっとぴったりなやつがあるはずだって」と告げて一緒に選んでやった。