自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
小話
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樺地崇弘×西成遥(『今日の氷帝学園』設定より)
「お邪魔しまーす!」
その日、西成さんが我が家へ遊びに来た。以前から「かばっちの家に遊びに行きたいっ!」と言っていたので、そんなに面白いものはないからつまらないですと答えても「かばっちがいる!」と輝かしい目で言われてしまったらそれ以上何も言えなくなってしまい観念する。
人を家に招くのは別に初めてのことではないが、異性は初めてなので失礼のないようにしなければといつも以上に部屋の掃除を丹念にした。
そして彼女が家にやって来ると、すぐに部屋へと案内する。自室へと辿り着けば西成さんは部屋をぐるっと見回し、感嘆の溜め息をついていた。
「ふぁ~……かばっちの部屋綺麗~! あたしの部屋より整理整頓出来てるっ」
あたしも見習わなきゃいけないな……と呟く先輩の言葉を聞いて掃除をしすぎただろうかと余計な心配をしてしまう。……もう少し散らかっている方が年相応だったのだろうか。しかし先輩を自宅に招くというのにそんな失礼な状態には出来ない。
「あの、お茶を持ってきますので……待っててください」
「お構いなくー!」
テーブルと座布団を用意していたので先輩をそこへ座らせ、自分は客人のためにお茶の準備をする。そして昼前に仕上げた無花果のタルトを切り分けた。彼女の口に合うだろうか。それだけが気がかりでトレーに乗せて部屋へ戻る……が、なぜか西成さんが自分のベッドに体を横たわらせていたので思わぬ光景に固まってしまう。
「あ。かばっちおかえり~」
にへ~と笑う彼女を見てハッとした自分は持っていたトレーを一旦テーブルに置き、寝転がる西成さんの手を引いて「駄目です、そこは、駄目です」と慌てて退いてもらうようにお願いする。
そんな所で寝てはいけません。体調が悪いなら納得せざるを得ないが、元気そうなので離れてください。
「え~? なんで~? かばっちの匂いを堪能するー」
それが良くないと言っても理解してくれるだろうか。汗臭いかもしれないのにそう簡単に人のベッドに上がり込むのは良くない。
しかしどう説明したらいいのか分からずまごまごしていたら、しゅんとした彼女がベッドから降りる。
「……ごめんね、嫌だったね」
「いえ……自分より、西成さんが不快になっていないかが……」
ふるふると首を横に振ったのでとりあえず胸を撫で下ろす。逆に気を遣われてしまったらどうしようとも思うものの、どんよりと落ち込んでいる様子を見ればそれどころではないと気づき、せめてその気分を少しでも晴らすため彼女に声をかける。
「あの、ケーキを作ったのでよろしければどうぞ。……お口に合うかは、わかりませんが……」
甘い物が好きな西成さんなら反応してくれるだろうと思いドキドキしながら様子窺うと、彼女は瞬く間にキラキラした表情に変えて顔を上げた。
「かばっちの手作り!?」
「ウス」
「食べる!」
既製品の方が良かっただろうかとも考えた。けれど美味しそうな無花果が手に入ったので、せっかくだから西成さんにも味わってもらいたいと思いタルトにしたが、まだ食べる前だと言うのにここまで喜んでくれると胸が温かくなる。
いただきます! と声を上げてフォークを刺し、次々とタルトを頬張る様子はリスかハムスターのようで可愛いと思う反面、喉を詰まらせないか心配にもなる。
「おいしー! かばっち天才っ! こんな凄いのを作れるのさすがー!」
「ウス……ありがとう、ございます……」
美味しく食べてもらえるだけで嬉しいのにこうも褒められると些か照れてしまう。作って良かったと思える。
その後、綺麗に食べ終えた彼女は手を合わせて「ごちそーさまでしたっ」といい笑顔で口にする。
完食してもらえて安心し、皿を片付けようとしたが、西成さんの口元にタルトの食べ残しがついていることに気がついた。
「西成さん。失礼、します……」
「へ?」
彼女の頬につくタルト生地の欠片を指で摘んで取る。他には残ってないか、西成さんの顔を確認すると驚くほどに真っ赤な顔をしていたので狼狽えてしまった。
「あ、あはは! 食べカスがついてたんだね! てっきりキスされちゃうのかなって思ってたんだけど、さすがに違ったね!」
「……!」
そんなつもりはなかったのに、そう思われてしまうような行動をした自分が恥ずかしくなる。彼女と同じように顔が熱くなり、どうしたらいいか分からず「勘違い、させてしまって……すみません、でした……」と謝罪するしかなかった。
「お邪魔しまーす!」
その日、西成さんが我が家へ遊びに来た。以前から「かばっちの家に遊びに行きたいっ!」と言っていたので、そんなに面白いものはないからつまらないですと答えても「かばっちがいる!」と輝かしい目で言われてしまったらそれ以上何も言えなくなってしまい観念する。
人を家に招くのは別に初めてのことではないが、異性は初めてなので失礼のないようにしなければといつも以上に部屋の掃除を丹念にした。
そして彼女が家にやって来ると、すぐに部屋へと案内する。自室へと辿り着けば西成さんは部屋をぐるっと見回し、感嘆の溜め息をついていた。
「ふぁ~……かばっちの部屋綺麗~! あたしの部屋より整理整頓出来てるっ」
あたしも見習わなきゃいけないな……と呟く先輩の言葉を聞いて掃除をしすぎただろうかと余計な心配をしてしまう。……もう少し散らかっている方が年相応だったのだろうか。しかし先輩を自宅に招くというのにそんな失礼な状態には出来ない。
「あの、お茶を持ってきますので……待っててください」
「お構いなくー!」
テーブルと座布団を用意していたので先輩をそこへ座らせ、自分は客人のためにお茶の準備をする。そして昼前に仕上げた無花果のタルトを切り分けた。彼女の口に合うだろうか。それだけが気がかりでトレーに乗せて部屋へ戻る……が、なぜか西成さんが自分のベッドに体を横たわらせていたので思わぬ光景に固まってしまう。
「あ。かばっちおかえり~」
にへ~と笑う彼女を見てハッとした自分は持っていたトレーを一旦テーブルに置き、寝転がる西成さんの手を引いて「駄目です、そこは、駄目です」と慌てて退いてもらうようにお願いする。
そんな所で寝てはいけません。体調が悪いなら納得せざるを得ないが、元気そうなので離れてください。
「え~? なんで~? かばっちの匂いを堪能するー」
それが良くないと言っても理解してくれるだろうか。汗臭いかもしれないのにそう簡単に人のベッドに上がり込むのは良くない。
しかしどう説明したらいいのか分からずまごまごしていたら、しゅんとした彼女がベッドから降りる。
「……ごめんね、嫌だったね」
「いえ……自分より、西成さんが不快になっていないかが……」
ふるふると首を横に振ったのでとりあえず胸を撫で下ろす。逆に気を遣われてしまったらどうしようとも思うものの、どんよりと落ち込んでいる様子を見ればそれどころではないと気づき、せめてその気分を少しでも晴らすため彼女に声をかける。
「あの、ケーキを作ったのでよろしければどうぞ。……お口に合うかは、わかりませんが……」
甘い物が好きな西成さんなら反応してくれるだろうと思いドキドキしながら様子窺うと、彼女は瞬く間にキラキラした表情に変えて顔を上げた。
「かばっちの手作り!?」
「ウス」
「食べる!」
既製品の方が良かっただろうかとも考えた。けれど美味しそうな無花果が手に入ったので、せっかくだから西成さんにも味わってもらいたいと思いタルトにしたが、まだ食べる前だと言うのにここまで喜んでくれると胸が温かくなる。
いただきます! と声を上げてフォークを刺し、次々とタルトを頬張る様子はリスかハムスターのようで可愛いと思う反面、喉を詰まらせないか心配にもなる。
「おいしー! かばっち天才っ! こんな凄いのを作れるのさすがー!」
「ウス……ありがとう、ございます……」
美味しく食べてもらえるだけで嬉しいのにこうも褒められると些か照れてしまう。作って良かったと思える。
その後、綺麗に食べ終えた彼女は手を合わせて「ごちそーさまでしたっ」といい笑顔で口にする。
完食してもらえて安心し、皿を片付けようとしたが、西成さんの口元にタルトの食べ残しがついていることに気がついた。
「西成さん。失礼、します……」
「へ?」
彼女の頬につくタルト生地の欠片を指で摘んで取る。他には残ってないか、西成さんの顔を確認すると驚くほどに真っ赤な顔をしていたので狼狽えてしまった。
「あ、あはは! 食べカスがついてたんだね! てっきりキスされちゃうのかなって思ってたんだけど、さすがに違ったね!」
「……!」
そんなつもりはなかったのに、そう思われてしまうような行動をした自分が恥ずかしくなる。彼女と同じように顔が熱くなり、どうしたらいいか分からず「勘違い、させてしまって……すみません、でした……」と謝罪するしかなかった。