自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
小話
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手塚国光×九条秋(『今日の青春学園』設定より)
『今日、何時でも構わないので会えないだろうか? 時間は取らせない』
秋のスマートフォンに届いたメッセージは朝に届いたもの。送り主は彼女の想い人である手塚国光。彼からメッセージが送られてきただけでも嬉しいというのに会いたいという内容を見てさらに心が喜びに跳ねた。
すぐに『いつでも大丈夫だよ』と返事をする。その後、何度かやり取りを経て昼頃に駅近くの公園に落ち合うことになった。
夏休み中にも関わらず手塚君に会える。思ってもない彼との時間を過ごせることに秋はウキウキする気持ちが抑えられなかった。
けれど……と、ふと冷静になる。手塚にしては用件を何ひとつ伝えていないのでどのような理由で会いたいと文字を通して送ってきたのか分からず、急な不安に襲われた。
もしかして知らないうちに何かをやらかして怒られるのかもしれない。でもそれならばわざわざ顔を合わさずともそれこそメッセージで送れば済むことなのに、とも考える。
時間を取らせないと言うのだから簡単な用件のみのはず。けれど顔を合わせなければいけないということはそれだけ大事な用件とも言える。そう、別に遊びに誘われたわけではないので秋の喜びは一気に下降した。
そして待ち合わせ時間15分前。秋は手塚からの用件が気になって仕方なくなり、早めの行動に出た。
夏真っ只中の8月の快晴の下、公園の木々には蝉の大合唱。暑さを気にするよりも手塚から何を言われるのか気が気じゃない秋は不安ばかりが募る。
「九条、もう来ていたのか。すまない、待たせてしまっただろうか?」
それから5分経った頃の待ち合わせ時間10分前。落ち合う場所に手塚がやって来る。おそらく彼は一番に来るつもりだったのだろう。秋がいるとは思わずに少し驚くような表情が垣間見える。
「て、手塚君っ。ううん! ちょっと早く着きすぎただけだから全然待ってないよっ」
「そうか? しかし顔が少々赤いな。熱中症になったら大変だ。影のある所へ移動しよう」
そう告げると手塚は木の下へと場所を移す。木陰があるのとないのとでは全然違い、日差しの下よりも僅かにマシと思えた。
今のところ手塚に怒りのようなものは感じられない。元より彼の表情はあまり表に出さないこともあるので自分が気づいてないだけかなと思いながら秋は緊張に胸が張り裂けそうな気持ちで手塚に問いかける。
「ところで手塚君……その、用件って何かな?」
「あぁ……そうだな……」
手塚はそれ以上言葉を発することはなかった。いや、言葉を選んで悩んでいるように見える。そんな言葉選びをするほど気を遣うようなことなのだろうかと思うと秋の胸はざわついて仕方ない。
しかしここで続きを急かすわけにはいかなくて、秋はただただ言葉の続きを待った。
しばらくして、手塚はコホンとひとつ咳払いをすると、持っていた手提げ袋を秋に差し出す。唐突のことに秋は疑問符を浮かべた。
「今日はハッピーサマーバレンタインという日と聞いたのでお前に渡したかったんだ」
ハッピーサマーバレンタイン、とオウム返しで答える秋の記憶の中で確かにそんな日があったということを思い出す。
バレンタインデーのように女性から想いを伝える日でもなく、ホワイトデーのように男性が返事を伝える日でもない。感謝の日を伝えたり、男性からでも女性からでも告白が出来る日と言われてる。
そんな行事ごとに手塚が参加するとは思わない上にこうしてプレゼントもされるとは思っていなかった。秋は受け取りつつも今目の前で何が起こっているのか頭がついていかない状態である。けれど受け取ったのならばお礼を言うのが常識。すぐにハッとした彼女は慌てて口を開いた。
「あ、ありがとう、手塚君っ。わざわざ用意してくれたなんて……そんな気を遣わなくて良かったのに」
おそらく深い意味はない。マネージャーとして励む自分への感謝の気持ちとしてこのような贈り物を用意したのだろう。それでも嬉しいことには変わりなくて秋は愛おしげに受け取った物を見つめた。
「……やはり不二の言う通りだったか」
え? と返すと、手塚は真っ直ぐな視線を秋に向ける。
「それは俺の気持ちだ。九条のことを好きだと告げるために用意した」
「えっ……えぇっ? て、手塚君っ?」
深い意味はないと決めつけた途端の告白。実に簡潔で回りくどくない言い方だが、思ってもない展開に秋はボンッと顔を赤くした。
「待って、待って手塚君っ、その言い方ダメだよっ! 勘違いしちゃうから……!」
「勘違いじゃない。俺はお前に想いを告げているつもりだが、言葉が足りないのなら何度でも言おう。九条、俺はお前が好きだ。俺の気持ちも受け取ってはもらえないか?」
「っ!」
綺麗な顔が近づいて今まで以上に心臓が騒々しくなる。身体が熱いのは夏の暑さのせいじゃない。騒々しいのは蝉の大合唱のせいじゃない。全ては目の前の愛しい人物から与えられる言葉とそうさせた記念日のせい。
信じられない現実に夢かと疑わしくなったが、答えを待つ手塚に対して秋は真っ赤になった顔で頷いた。
『今日、何時でも構わないので会えないだろうか? 時間は取らせない』
秋のスマートフォンに届いたメッセージは朝に届いたもの。送り主は彼女の想い人である手塚国光。彼からメッセージが送られてきただけでも嬉しいというのに会いたいという内容を見てさらに心が喜びに跳ねた。
すぐに『いつでも大丈夫だよ』と返事をする。その後、何度かやり取りを経て昼頃に駅近くの公園に落ち合うことになった。
夏休み中にも関わらず手塚君に会える。思ってもない彼との時間を過ごせることに秋はウキウキする気持ちが抑えられなかった。
けれど……と、ふと冷静になる。手塚にしては用件を何ひとつ伝えていないのでどのような理由で会いたいと文字を通して送ってきたのか分からず、急な不安に襲われた。
もしかして知らないうちに何かをやらかして怒られるのかもしれない。でもそれならばわざわざ顔を合わさずともそれこそメッセージで送れば済むことなのに、とも考える。
時間を取らせないと言うのだから簡単な用件のみのはず。けれど顔を合わせなければいけないということはそれだけ大事な用件とも言える。そう、別に遊びに誘われたわけではないので秋の喜びは一気に下降した。
そして待ち合わせ時間15分前。秋は手塚からの用件が気になって仕方なくなり、早めの行動に出た。
夏真っ只中の8月の快晴の下、公園の木々には蝉の大合唱。暑さを気にするよりも手塚から何を言われるのか気が気じゃない秋は不安ばかりが募る。
「九条、もう来ていたのか。すまない、待たせてしまっただろうか?」
それから5分経った頃の待ち合わせ時間10分前。落ち合う場所に手塚がやって来る。おそらく彼は一番に来るつもりだったのだろう。秋がいるとは思わずに少し驚くような表情が垣間見える。
「て、手塚君っ。ううん! ちょっと早く着きすぎただけだから全然待ってないよっ」
「そうか? しかし顔が少々赤いな。熱中症になったら大変だ。影のある所へ移動しよう」
そう告げると手塚は木の下へと場所を移す。木陰があるのとないのとでは全然違い、日差しの下よりも僅かにマシと思えた。
今のところ手塚に怒りのようなものは感じられない。元より彼の表情はあまり表に出さないこともあるので自分が気づいてないだけかなと思いながら秋は緊張に胸が張り裂けそうな気持ちで手塚に問いかける。
「ところで手塚君……その、用件って何かな?」
「あぁ……そうだな……」
手塚はそれ以上言葉を発することはなかった。いや、言葉を選んで悩んでいるように見える。そんな言葉選びをするほど気を遣うようなことなのだろうかと思うと秋の胸はざわついて仕方ない。
しかしここで続きを急かすわけにはいかなくて、秋はただただ言葉の続きを待った。
しばらくして、手塚はコホンとひとつ咳払いをすると、持っていた手提げ袋を秋に差し出す。唐突のことに秋は疑問符を浮かべた。
「今日はハッピーサマーバレンタインという日と聞いたのでお前に渡したかったんだ」
ハッピーサマーバレンタイン、とオウム返しで答える秋の記憶の中で確かにそんな日があったということを思い出す。
バレンタインデーのように女性から想いを伝える日でもなく、ホワイトデーのように男性が返事を伝える日でもない。感謝の日を伝えたり、男性からでも女性からでも告白が出来る日と言われてる。
そんな行事ごとに手塚が参加するとは思わない上にこうしてプレゼントもされるとは思っていなかった。秋は受け取りつつも今目の前で何が起こっているのか頭がついていかない状態である。けれど受け取ったのならばお礼を言うのが常識。すぐにハッとした彼女は慌てて口を開いた。
「あ、ありがとう、手塚君っ。わざわざ用意してくれたなんて……そんな気を遣わなくて良かったのに」
おそらく深い意味はない。マネージャーとして励む自分への感謝の気持ちとしてこのような贈り物を用意したのだろう。それでも嬉しいことには変わりなくて秋は愛おしげに受け取った物を見つめた。
「……やはり不二の言う通りだったか」
え? と返すと、手塚は真っ直ぐな視線を秋に向ける。
「それは俺の気持ちだ。九条のことを好きだと告げるために用意した」
「えっ……えぇっ? て、手塚君っ?」
深い意味はないと決めつけた途端の告白。実に簡潔で回りくどくない言い方だが、思ってもない展開に秋はボンッと顔を赤くした。
「待って、待って手塚君っ、その言い方ダメだよっ! 勘違いしちゃうから……!」
「勘違いじゃない。俺はお前に想いを告げているつもりだが、言葉が足りないのなら何度でも言おう。九条、俺はお前が好きだ。俺の気持ちも受け取ってはもらえないか?」
「っ!」
綺麗な顔が近づいて今まで以上に心臓が騒々しくなる。身体が熱いのは夏の暑さのせいじゃない。騒々しいのは蝉の大合唱のせいじゃない。全ては目の前の愛しい人物から与えられる言葉とそうさせた記念日のせい。
信じられない現実に夢かと疑わしくなったが、答えを待つ手塚に対して秋は真っ赤になった顔で頷いた。