自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
小話
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海堂薫×九条秋(『今日の青春学園』設定より)
たまたまランニングコースを走ってたら九条先輩もダイエットの一環として走っていたらしく、休憩中の所でばったりと会ったのが始まりだ。
キリが良かったこともあり、俺も休憩がてら先輩と共に休むことにした。
河川敷の近くで桜を眺めながら先輩は「春だね」と天気の話題と同じくらいありがちな話のネタを口にする。
別に話す内容がなけりゃ無理にすることはないのに。ただ一緒にいるだけで充分だと思いつつもそれを話すなんて柄でもないので相槌を打つしか出来なかった。
「お花見の季節だからしたいなぁって思いつつもなかなかする機会がなくて、いつの間にか桜が散っちゃうんだよね。海堂くんは今年お花見はした?」
「いえ……」
「明日もここでランニングはする?」
「え? あぁ、はい。そうッスね」
突然繋がりのない質問を始めた九条先輩に戸惑いつつも答えると、先輩は微笑みながらさらに問いかけた。
「それなら明日ランニング後に一緒にお花見しない? お弁当とか用意してそれをお昼ご飯とかにして」
どうかな? と尋ねる先輩に一瞬何言ってんだと思ったが、どうやら本気らしいので悩んだ末に「……分かりました」と了承してしまった。
そして翌日、母に話すと弁当を用意すると張り切ってくれたので礼を言い、ランニング後に弁当を引き取ってから待ち合わせ場所へ向かった。
そして桜が咲き誇る河川敷の近くで弁当を食べることにして母から受け取った重箱を開ける。
「海堂くんのお弁当凄いね。美味しそう」
「……先輩はそれで足りるんスか?」
「私はこのくらいで大丈夫かな」
九条先輩は俺の半分くらいの量の弁当箱を開けていた。女子は大体みんなあのくらいのサイズの弁当箱だった気がするが、よくそれで腹が持つなといつも思う。
「でも本当に海堂くんのは凄いよ。おかずの色合いや詰め方もバランスいいし、卵焼きの焼き方も綺麗で羨ましいくらい。海堂くんのお母さんは料理上手だね」
そこまでベタ褒めされると母親のことであれ悪い気はしない。でも褒められっぱなしなのもあれだから九条先輩の弁当にもちらりと目を向けてみる。
「先輩のお母さんも上手じゃないスか」
「えっ、あ、これは……お母さんじゃなく私が……」
少し照れた様子で口ごもりながら自分が作ったと告げる先輩に思わず「へぇ」と呟く。
「先輩は自分で弁当を作るんですか」
「たまたまだよ。いつもはお母さんが作ってくれるんだけど、今日は時間があるから自分で……って思って。でもやっぱり私のお母さんや海堂くんのお母さんほどじゃないよ」
「そうは見えないッスね」
お世辞ではないつもりだ。九条先輩の弁当は彩りも食事バランスもいいと思える。
「そ、そうかな? そうだといいな。味はまだまだかもしれないけど」
「……それなら交換しません? 卵焼きを」
「え? で、でも私が作った物だから海堂くんの口に合うかどうかは……」
「それを確かめるためにはいいんじゃないスか。というか純粋に味が気になる」
「そ、う? じゃあお願いしようかな。私も海堂くんのお弁当の味気になるから」
互いの弁当を差し出してそれぞれの卵焼きを一切れ取る。俺のはだし巻き卵で九条先輩の卵焼きは甘い匂いがしたので砂糖が入ってるのだろう。
一口それを食べてみて寿司屋の卵焼きみたいな優しい甘さが口に広がる。これは蜂蜜が入ってると確信した。
「……うめぇ」
「ほ、ほんと? 海堂くんに褒められると凄く自信が持てるよ」
安堵の笑みを浮かべた先輩は俺の卵焼きにも口をつける。しっかりと味わうように食べた先輩はうんうんと何度も頷いた。
「海堂くんの卵焼きも凄く美味しいよ。今度だし巻きにも挑戦してみるねっ。それで私も海堂くんの家庭の味を再現出来たらいいなぁ……」
最後にぽつりと呟いた言葉が何だか意味深に聞こえなくもなくて無性に恥ずかしくなった気がした。
たまたまランニングコースを走ってたら九条先輩もダイエットの一環として走っていたらしく、休憩中の所でばったりと会ったのが始まりだ。
キリが良かったこともあり、俺も休憩がてら先輩と共に休むことにした。
河川敷の近くで桜を眺めながら先輩は「春だね」と天気の話題と同じくらいありがちな話のネタを口にする。
別に話す内容がなけりゃ無理にすることはないのに。ただ一緒にいるだけで充分だと思いつつもそれを話すなんて柄でもないので相槌を打つしか出来なかった。
「お花見の季節だからしたいなぁって思いつつもなかなかする機会がなくて、いつの間にか桜が散っちゃうんだよね。海堂くんは今年お花見はした?」
「いえ……」
「明日もここでランニングはする?」
「え? あぁ、はい。そうッスね」
突然繋がりのない質問を始めた九条先輩に戸惑いつつも答えると、先輩は微笑みながらさらに問いかけた。
「それなら明日ランニング後に一緒にお花見しない? お弁当とか用意してそれをお昼ご飯とかにして」
どうかな? と尋ねる先輩に一瞬何言ってんだと思ったが、どうやら本気らしいので悩んだ末に「……分かりました」と了承してしまった。
そして翌日、母に話すと弁当を用意すると張り切ってくれたので礼を言い、ランニング後に弁当を引き取ってから待ち合わせ場所へ向かった。
そして桜が咲き誇る河川敷の近くで弁当を食べることにして母から受け取った重箱を開ける。
「海堂くんのお弁当凄いね。美味しそう」
「……先輩はそれで足りるんスか?」
「私はこのくらいで大丈夫かな」
九条先輩は俺の半分くらいの量の弁当箱を開けていた。女子は大体みんなあのくらいのサイズの弁当箱だった気がするが、よくそれで腹が持つなといつも思う。
「でも本当に海堂くんのは凄いよ。おかずの色合いや詰め方もバランスいいし、卵焼きの焼き方も綺麗で羨ましいくらい。海堂くんのお母さんは料理上手だね」
そこまでベタ褒めされると母親のことであれ悪い気はしない。でも褒められっぱなしなのもあれだから九条先輩の弁当にもちらりと目を向けてみる。
「先輩のお母さんも上手じゃないスか」
「えっ、あ、これは……お母さんじゃなく私が……」
少し照れた様子で口ごもりながら自分が作ったと告げる先輩に思わず「へぇ」と呟く。
「先輩は自分で弁当を作るんですか」
「たまたまだよ。いつもはお母さんが作ってくれるんだけど、今日は時間があるから自分で……って思って。でもやっぱり私のお母さんや海堂くんのお母さんほどじゃないよ」
「そうは見えないッスね」
お世辞ではないつもりだ。九条先輩の弁当は彩りも食事バランスもいいと思える。
「そ、そうかな? そうだといいな。味はまだまだかもしれないけど」
「……それなら交換しません? 卵焼きを」
「え? で、でも私が作った物だから海堂くんの口に合うかどうかは……」
「それを確かめるためにはいいんじゃないスか。というか純粋に味が気になる」
「そ、う? じゃあお願いしようかな。私も海堂くんのお弁当の味気になるから」
互いの弁当を差し出してそれぞれの卵焼きを一切れ取る。俺のはだし巻き卵で九条先輩の卵焼きは甘い匂いがしたので砂糖が入ってるのだろう。
一口それを食べてみて寿司屋の卵焼きみたいな優しい甘さが口に広がる。これは蜂蜜が入ってると確信した。
「……うめぇ」
「ほ、ほんと? 海堂くんに褒められると凄く自信が持てるよ」
安堵の笑みを浮かべた先輩は俺の卵焼きにも口をつける。しっかりと味わうように食べた先輩はうんうんと何度も頷いた。
「海堂くんの卵焼きも凄く美味しいよ。今度だし巻きにも挑戦してみるねっ。それで私も海堂くんの家庭の味を再現出来たらいいなぁ……」
最後にぽつりと呟いた言葉が何だか意味深に聞こえなくもなくて無性に恥ずかしくなった気がした。