自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
小話
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不二周助×赤宮麻美(『今日の青春学園』設定より)
日中は暖かいが朝方はまだ少し肌寒いと感じる4月。桜の木には淡い桃色の花弁がひらりと舞い落ちる。
明日は雨が降って多くの桜の花が散るだろうというテレビの情報を聞き、それなら今日のうちに写真に撮っておこうかなと思った僕はカメラを手にして桜の咲く木を求めに歩き出した。
公園の桜は花見客でいっぱいなのであまり写真を撮るには向いていない。
それならば他にどこがあっただろうかと考えるもすぐに思い出した。通学路の通りにいくつか桜があったじゃないかと。
そして目当ての桜の木が並ぶ通りへ辿り着くと、そんなに人は多くないが僕と同じように写真に収めようという人はいるようだ。
このくらいなら人の邪魔にはならないだろうと早速カメラを構えて桜の通り道を何枚か撮っていく。
カシャリカシャリ。場所を変えて撮ったりしているとファインダー越しに見知った人物を捉えた。
「……赤宮さん?」
一度ファインダーから目を離して己の目で彼女を見る。桜が見せた幻想でもなければ僕の妄想でもない。
赤宮さんはただ立ち止まって桜を見上げていた。僕の存在には気づいていないようだ。
……それなら一枚くらいいいかな。そんな気持ちでカメラを構えてカシャリと桜と赤宮さんの姿をカメラの記憶に残す。
被写体の許可を取るべきなんだけど、彼女の場合許可してくれるはずなんてないし、僕だけの秘密にしておこう。
念の為にもう一枚撮っておこうかなと思い、再度ファインダーから彼女を覗くと、桜を見ていたはずの赤宮さんはこちらに鋭い目を向けていたので気づかれちゃったかと思いカメラを下ろす。
「……撮ったのか?」
不機嫌そうな表情で僕の方へ近づく赤宮さんにバレないようにといつもの笑みを向ける。
「撮ってないよ」
「嘘つくなよ」
「大丈夫、撮ってないから。むしろ撮らせてほしいな」
「お断りだ」
やっぱり。写真だろうとも彼女はそう簡単に許してくれるはずがない。だから内緒で撮っておいたデータは何がなんでも死守しないと。もし知られてしまったらすぐにデータを削除、またはカメラを破壊されかねない。
「残念。赤宮さんと桜だなんてなかなか撮る機会がないし、よく似合ってるから写真に残せないのは勿体ないな」
「相変わらず口は上手い奴だな」
「褒めてくれて嬉しいよ」
「褒めてない」
だろうね。と、笑いながら返す。そんな僕の態度が気に入らなかったのか、フンと鼻を鳴らした彼女は近くの桜の木を見上げる。
「赤宮さんは桜が好きなの?」
「好きとか嫌いとかで括るほどの興味はない。が、少ししか見られないから見てるだけだ」
「それは好きな部類に入るんじゃないの?」
「そこまでじゃない。すぐに散るからレアだと思ってるだけ」
珍しい程度で見上げるのも同じ理由だとは思うけど、赤宮さんがそう言うなら深くは突っ込まない。
「僕、桜を撮ってたんだけど、印刷したら赤宮さんも一枚どうかな?」
「は? なんで?」
「もちろん綺麗に撮れてるからだよ」
「随分と自信のある言い方だな」
「それなりには、かな」
「……まぁ、写真一枚くらいならいいけど」
ちょっと意外だった。赤宮さんは何でも拒絶するのでいらないと突っぱねると思っていたから。でも受け取ってくれるならそれは嬉しいものである。
「下手くそだったら承知しないから」
「あはは、分かったよ」
やっぱり桜は好きなんじゃないのかなと思うけど口にはしないでおこう。
日中は暖かいが朝方はまだ少し肌寒いと感じる4月。桜の木には淡い桃色の花弁がひらりと舞い落ちる。
明日は雨が降って多くの桜の花が散るだろうというテレビの情報を聞き、それなら今日のうちに写真に撮っておこうかなと思った僕はカメラを手にして桜の咲く木を求めに歩き出した。
公園の桜は花見客でいっぱいなのであまり写真を撮るには向いていない。
それならば他にどこがあっただろうかと考えるもすぐに思い出した。通学路の通りにいくつか桜があったじゃないかと。
そして目当ての桜の木が並ぶ通りへ辿り着くと、そんなに人は多くないが僕と同じように写真に収めようという人はいるようだ。
このくらいなら人の邪魔にはならないだろうと早速カメラを構えて桜の通り道を何枚か撮っていく。
カシャリカシャリ。場所を変えて撮ったりしているとファインダー越しに見知った人物を捉えた。
「……赤宮さん?」
一度ファインダーから目を離して己の目で彼女を見る。桜が見せた幻想でもなければ僕の妄想でもない。
赤宮さんはただ立ち止まって桜を見上げていた。僕の存在には気づいていないようだ。
……それなら一枚くらいいいかな。そんな気持ちでカメラを構えてカシャリと桜と赤宮さんの姿をカメラの記憶に残す。
被写体の許可を取るべきなんだけど、彼女の場合許可してくれるはずなんてないし、僕だけの秘密にしておこう。
念の為にもう一枚撮っておこうかなと思い、再度ファインダーから彼女を覗くと、桜を見ていたはずの赤宮さんはこちらに鋭い目を向けていたので気づかれちゃったかと思いカメラを下ろす。
「……撮ったのか?」
不機嫌そうな表情で僕の方へ近づく赤宮さんにバレないようにといつもの笑みを向ける。
「撮ってないよ」
「嘘つくなよ」
「大丈夫、撮ってないから。むしろ撮らせてほしいな」
「お断りだ」
やっぱり。写真だろうとも彼女はそう簡単に許してくれるはずがない。だから内緒で撮っておいたデータは何がなんでも死守しないと。もし知られてしまったらすぐにデータを削除、またはカメラを破壊されかねない。
「残念。赤宮さんと桜だなんてなかなか撮る機会がないし、よく似合ってるから写真に残せないのは勿体ないな」
「相変わらず口は上手い奴だな」
「褒めてくれて嬉しいよ」
「褒めてない」
だろうね。と、笑いながら返す。そんな僕の態度が気に入らなかったのか、フンと鼻を鳴らした彼女は近くの桜の木を見上げる。
「赤宮さんは桜が好きなの?」
「好きとか嫌いとかで括るほどの興味はない。が、少ししか見られないから見てるだけだ」
「それは好きな部類に入るんじゃないの?」
「そこまでじゃない。すぐに散るからレアだと思ってるだけ」
珍しい程度で見上げるのも同じ理由だとは思うけど、赤宮さんがそう言うなら深くは突っ込まない。
「僕、桜を撮ってたんだけど、印刷したら赤宮さんも一枚どうかな?」
「は? なんで?」
「もちろん綺麗に撮れてるからだよ」
「随分と自信のある言い方だな」
「それなりには、かな」
「……まぁ、写真一枚くらいならいいけど」
ちょっと意外だった。赤宮さんは何でも拒絶するのでいらないと突っぱねると思っていたから。でも受け取ってくれるならそれは嬉しいものである。
「下手くそだったら承知しないから」
「あはは、分かったよ」
やっぱり桜は好きなんじゃないのかなと思うけど口にはしないでおこう。