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小話
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手塚国光+九条秋(『今日の氷帝学園』設定より)
学校も終わり、家に帰るため教室を出るとなぜだか女子達が少しざわついていた。騒々しいというほどではないけど黄色い声があちこちから聞こえてくる。
氷帝学園に入ればそこまで珍しいことでもないし、また跡部関係かなとも思ったけど、跡部相手ならもっとその声は大きいはず。
校門に向かう途中でたまたま耳に入った情報を整理すると『校門の前にいる格好いい他校生が誰かを待っている』とのことらしい。
他校生が校門前にいるのも珍しいことではないので彼女達が騒ぐのだから相当な人物なのかもしれない。
どうりで女子生徒達は2階以上の校舎から窓を覗いていたんだね。そこから校門前に立つ噂の人を見ていたんだ。
校門を出ると他の女子達がおそらくいるであろう噂の他校生の顔をチラッと見て小さくきゃーっと騒ぎながら駆け出して行く様子が何度か見受けられた。
私も気にならないと言えば嘘になるけど、人をジロジロ見るのも良くないし、そのまま顔を向けることなく通り過ぎようとする━━けど。
「秋」
聞き覚えのある声。頻繁に聞いているかと言えばそうじゃないけど馴染み深くはある。呼び止める相手へと顔を向けると従兄妹の国光が立っていた。どうやら噂の他校生は彼だったようだ。
「国光っ? どうしたの氷帝まで?」
「お前に会いに来た」
「え?」
「バレンタインのお返しだ」
そう伝えると彼は包装された細く長い長方形の小さな箱を差し出した。
バレンタインの日に国光の家までチョコを届けたのでそのお返しの物だろう。毎年のことなのでお決まりの行事ごとではあるがそれは大体自宅か、彩菜叔母様を通じてのやり取りがほとんど。
だけど今回は国光がわざわざうちの学校まで足を運ぶとは思っていなくて驚いてしまった。
「わざわざ来てくれたの?」
「母が別の用事で預けられくてな」
「でも、家で私のお母さんにでも渡してくれた方が早かったんじゃない?」
「一応そうしたのだが、夕方の忙しい時間だったのだろう、留守のようだった」
あ、買い物に出かけたのかな。だからわざわざここまで……。
「それならまた後日とか、メッセージでも送ってくれたら待ち合わせするのに」
「お前も当日に贈ってくれるのだから俺もそうするべきだろう。あと連絡するとお前は急いでくるだろうし、控えておいた」
「気にしなくていいのに。国光は真面目だね」
「お前が言うのか」
ふぅ、と軽く息をつく国光だったけど、私よりも彼の方が真面目すぎると思うな。
「それじゃあ、麻美には渡した?」
国光個人とは別にお世話になってる男子テニス部の学校にも麻美と遥と連名でバレンタインの贈り物を届けさせてもらった。
きっと国光のことだから彼女達の分も用意してるのかもしれない。
「あぁ、うちのテニス部一同ということで先程手渡しさせてもらって。……かなり驚いていたようだが」
「いきなり国光が来たら驚くかもね……」
「そしてこっちがお前の分だ」
どうやら私の分もあったようで国光にはあまり似つかわしくないピンクの可愛らしい布袋で包装された物を取り出した。
「2個も?」
「俺個人の分とテニス部の分だからな」
「逆に気を遣わせちゃったかな」
「大したことじゃないから気にするな。そしてこれは……もう一人の怪奇現象の方に」
「怪奇現象」
遥のことである。なぜかは分からないけど、国光は遥を幽霊だとか妖怪の類いだと思って目を合わさないし、話をしないそうだ。
「存在しない者に渡すのもどうかと思うが部員達が渡して来いと……」
「遥はちゃんと存在するよ……」
「お前までそういうことを言うな」
「むしろ怪奇現象扱いするの国光だけだからね……」
仕方なく遥の分のお返しを受け取りながら国光の代わりに渡す役目を引き受けた。
「せっかくだから途中まで一緒に帰ろうよ」
「あぁ」
学校が違うから一緒に下校なんてそうそうないので途中まで国光と帰ることにした。
翌日、私が他校生と付き合っているという噂が流れることになるなんてこの時の私は思いもしなかったのだけど。
学校も終わり、家に帰るため教室を出るとなぜだか女子達が少しざわついていた。騒々しいというほどではないけど黄色い声があちこちから聞こえてくる。
氷帝学園に入ればそこまで珍しいことでもないし、また跡部関係かなとも思ったけど、跡部相手ならもっとその声は大きいはず。
校門に向かう途中でたまたま耳に入った情報を整理すると『校門の前にいる格好いい他校生が誰かを待っている』とのことらしい。
他校生が校門前にいるのも珍しいことではないので彼女達が騒ぐのだから相当な人物なのかもしれない。
どうりで女子生徒達は2階以上の校舎から窓を覗いていたんだね。そこから校門前に立つ噂の人を見ていたんだ。
校門を出ると他の女子達がおそらくいるであろう噂の他校生の顔をチラッと見て小さくきゃーっと騒ぎながら駆け出して行く様子が何度か見受けられた。
私も気にならないと言えば嘘になるけど、人をジロジロ見るのも良くないし、そのまま顔を向けることなく通り過ぎようとする━━けど。
「秋」
聞き覚えのある声。頻繁に聞いているかと言えばそうじゃないけど馴染み深くはある。呼び止める相手へと顔を向けると従兄妹の国光が立っていた。どうやら噂の他校生は彼だったようだ。
「国光っ? どうしたの氷帝まで?」
「お前に会いに来た」
「え?」
「バレンタインのお返しだ」
そう伝えると彼は包装された細く長い長方形の小さな箱を差し出した。
バレンタインの日に国光の家までチョコを届けたのでそのお返しの物だろう。毎年のことなのでお決まりの行事ごとではあるがそれは大体自宅か、彩菜叔母様を通じてのやり取りがほとんど。
だけど今回は国光がわざわざうちの学校まで足を運ぶとは思っていなくて驚いてしまった。
「わざわざ来てくれたの?」
「母が別の用事で預けられくてな」
「でも、家で私のお母さんにでも渡してくれた方が早かったんじゃない?」
「一応そうしたのだが、夕方の忙しい時間だったのだろう、留守のようだった」
あ、買い物に出かけたのかな。だからわざわざここまで……。
「それならまた後日とか、メッセージでも送ってくれたら待ち合わせするのに」
「お前も当日に贈ってくれるのだから俺もそうするべきだろう。あと連絡するとお前は急いでくるだろうし、控えておいた」
「気にしなくていいのに。国光は真面目だね」
「お前が言うのか」
ふぅ、と軽く息をつく国光だったけど、私よりも彼の方が真面目すぎると思うな。
「それじゃあ、麻美には渡した?」
国光個人とは別にお世話になってる男子テニス部の学校にも麻美と遥と連名でバレンタインの贈り物を届けさせてもらった。
きっと国光のことだから彼女達の分も用意してるのかもしれない。
「あぁ、うちのテニス部一同ということで先程手渡しさせてもらって。……かなり驚いていたようだが」
「いきなり国光が来たら驚くかもね……」
「そしてこっちがお前の分だ」
どうやら私の分もあったようで国光にはあまり似つかわしくないピンクの可愛らしい布袋で包装された物を取り出した。
「2個も?」
「俺個人の分とテニス部の分だからな」
「逆に気を遣わせちゃったかな」
「大したことじゃないから気にするな。そしてこれは……もう一人の怪奇現象の方に」
「怪奇現象」
遥のことである。なぜかは分からないけど、国光は遥を幽霊だとか妖怪の類いだと思って目を合わさないし、話をしないそうだ。
「存在しない者に渡すのもどうかと思うが部員達が渡して来いと……」
「遥はちゃんと存在するよ……」
「お前までそういうことを言うな」
「むしろ怪奇現象扱いするの国光だけだからね……」
仕方なく遥の分のお返しを受け取りながら国光の代わりに渡す役目を引き受けた。
「せっかくだから途中まで一緒に帰ろうよ」
「あぁ」
学校が違うから一緒に下校なんてそうそうないので途中まで国光と帰ることにした。
翌日、私が他校生と付き合っているという噂が流れることになるなんてこの時の私は思いもしなかったのだけど。