自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
小話
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幸村精市×九条秋(『今日の立海大附属』設定より)
「あ、幸村くん。あのね━━」
部活を終えた俺は一度誰もいない教室へと戻ってきた。それからすぐに九条さんが教室にやって来て、俺の席を見るや否や固まってしまった。
それもそのはず、俺の机や周りには沢山袋、袋、袋が置いていたから。
中身は全部チョコレート。そう、今日はバレンタインデーだ。これを引き取りにわざわざ教室に戻って来たわけである。ううん、持って帰れるかな、この量。
「やぁ、九条さん。驚かせてしまったみたいだね」
「うん、びっくりしちゃった……。全部バレンタインのプレゼントだよね?」
「あぁ、ありがたいことに、って言えばいいのかな。まさか今年はこんなに貰うとは思わなくて俺も驚いてるんだ」
「確かに朝からずっとチョコを貰ってる場面はよく見てたけど、さすが幸村くん。人気者だね」
「ははは。まぁ、完治おめでとうって意味合いもあるかもね。退院して結構経ってるのに律儀だよ」
「それだけじゃないと思うよ。幸村くんは女子の人気者だから」
くすっと笑う九条さんのその言葉を聞いて「じゃあ九条さんは?」と聞き返したくなったが、そこはぐっと堪えて笑みで返した。
返答に困るかもしれないし、俺も彼女を困らせたいわけじゃない。
「そういえば九条さん慌てて教室に来たみたいだけど忘れ物でもしたのかな?」
「あ、ううん。真田くんから幸村くんがどこにいるか聞いて来たんだけどね……えーと……」
言葉を濁すような彼女の様子は何かを言おうか言わないか悩んでいるようにも見える。
真田から聞いて来たっていうことは俺に用があることは間違いないのだろうけど、目的があるのならわざわざ言葉に詰まらせないはずだし。
「……もしかして俺にバレンタインのチョコを渡してくれるとか?」
「えっ!」
「でも、俺が沢山のチョコを貰ってるから荷物を増やしたくなくてどうしようか悩んでる、ってところかい?」
「……凄いね、幸村くん」
どうやら正解だったようだ。まぁ、今日の彼女を見ていれば分かることなんだけどね。
九条さんはこのような行事にもお世話になった人に、ということでチョコを贈っていたのは遠巻きから見ていた。テニス部員全員に渡していたみたいだけど部活時に渡すのは憚ると思ったのか、休み時間を利用して忙しなかった様子だ。
それに俺はまだ彼女からチョコを頂いていない。朝からそわそわしていたんだけど一向にその気配はないまま一日が終わろうとしていたから少し諦めかけていた。
でもよくよく考えたらテニス部員で俺だけ除け者にするなんて九条さんはしないはずだ。
「本当はね、早く渡したかったんだけど、幸村くん結構呼び出されてたし、私も他のみんなに配るのであちこち行っててなかなか渡せずじまいだったから部活が終わったあとに渡そうと思ったの」
でも、その量を見たら躊躇っちゃった……と申し訳なさそうにチョコレートを俺に渡す九条さん。迷惑だなんて思っていないし、むしろ嬉しい気持ちの俺としては喜んで彼女からチョコを受け取った。
「そんなこと気にしなくていいのに。俺は九条さんから貰えて嬉しいよ」
「ううん。幸村くんは人気者だって分かってたからもっと配慮するべきだったんだよ」
「配慮、なんてちょっと悲しいな。俺は純粋に九条さんからのバレンタインのプレゼントを楽しみにしてたんだから。もしかして俺にはくれないのかも、って少し不安だったくらいだし」
「そ、そんなことないよっ。幸村くんにはいつもお世話になってるし、だからその感謝を形にしたくて……」
「それじゃあさ、俺からのバレンタインチョコも受け取ってくれるかい? 俺も九条さんにはいつも世話になっているからね」
ようやく渡せる。そう思って机の中から取り出したバレンタイン用に包装されたチョコレートを九条さんの前に差し出す。
「え、えっ?」
慌てふためく彼女が少し可愛くてずっと見ていたいけど、今はこれを受け取ってもらう方が先だ。
「男から渡されるのは困るかな?」
「う、ううん! でも、そんな、いいのかな?」
「俺の気持ちだから」
そう伝えると受け取らないのも申し訳ないと感じたのか、九条さんはお礼を言って躊躇いながらも受け取ってくれた。それを見て少しだけホッとする。
「良かった、受け取ってくれて。俺がチョコを渡したのは君だけだからね」
「えっ!?」
特別だってことを分かって欲しくてそう告げると、九条さんは顔を赤くしてくれた。これは脈アリと思ってもいいのかな? と少しだけ自信を持つ俺はさらに言葉を続ける。
「ホワイトデー、楽しみにしてて。もちろん九条さんからのお返しも楽しみにしてるから」
さらに顔が赤くなったのは言うまでもない。
「あ、幸村くん。あのね━━」
部活を終えた俺は一度誰もいない教室へと戻ってきた。それからすぐに九条さんが教室にやって来て、俺の席を見るや否や固まってしまった。
それもそのはず、俺の机や周りには沢山袋、袋、袋が置いていたから。
中身は全部チョコレート。そう、今日はバレンタインデーだ。これを引き取りにわざわざ教室に戻って来たわけである。ううん、持って帰れるかな、この量。
「やぁ、九条さん。驚かせてしまったみたいだね」
「うん、びっくりしちゃった……。全部バレンタインのプレゼントだよね?」
「あぁ、ありがたいことに、って言えばいいのかな。まさか今年はこんなに貰うとは思わなくて俺も驚いてるんだ」
「確かに朝からずっとチョコを貰ってる場面はよく見てたけど、さすが幸村くん。人気者だね」
「ははは。まぁ、完治おめでとうって意味合いもあるかもね。退院して結構経ってるのに律儀だよ」
「それだけじゃないと思うよ。幸村くんは女子の人気者だから」
くすっと笑う九条さんのその言葉を聞いて「じゃあ九条さんは?」と聞き返したくなったが、そこはぐっと堪えて笑みで返した。
返答に困るかもしれないし、俺も彼女を困らせたいわけじゃない。
「そういえば九条さん慌てて教室に来たみたいだけど忘れ物でもしたのかな?」
「あ、ううん。真田くんから幸村くんがどこにいるか聞いて来たんだけどね……えーと……」
言葉を濁すような彼女の様子は何かを言おうか言わないか悩んでいるようにも見える。
真田から聞いて来たっていうことは俺に用があることは間違いないのだろうけど、目的があるのならわざわざ言葉に詰まらせないはずだし。
「……もしかして俺にバレンタインのチョコを渡してくれるとか?」
「えっ!」
「でも、俺が沢山のチョコを貰ってるから荷物を増やしたくなくてどうしようか悩んでる、ってところかい?」
「……凄いね、幸村くん」
どうやら正解だったようだ。まぁ、今日の彼女を見ていれば分かることなんだけどね。
九条さんはこのような行事にもお世話になった人に、ということでチョコを贈っていたのは遠巻きから見ていた。テニス部員全員に渡していたみたいだけど部活時に渡すのは憚ると思ったのか、休み時間を利用して忙しなかった様子だ。
それに俺はまだ彼女からチョコを頂いていない。朝からそわそわしていたんだけど一向にその気配はないまま一日が終わろうとしていたから少し諦めかけていた。
でもよくよく考えたらテニス部員で俺だけ除け者にするなんて九条さんはしないはずだ。
「本当はね、早く渡したかったんだけど、幸村くん結構呼び出されてたし、私も他のみんなに配るのであちこち行っててなかなか渡せずじまいだったから部活が終わったあとに渡そうと思ったの」
でも、その量を見たら躊躇っちゃった……と申し訳なさそうにチョコレートを俺に渡す九条さん。迷惑だなんて思っていないし、むしろ嬉しい気持ちの俺としては喜んで彼女からチョコを受け取った。
「そんなこと気にしなくていいのに。俺は九条さんから貰えて嬉しいよ」
「ううん。幸村くんは人気者だって分かってたからもっと配慮するべきだったんだよ」
「配慮、なんてちょっと悲しいな。俺は純粋に九条さんからのバレンタインのプレゼントを楽しみにしてたんだから。もしかして俺にはくれないのかも、って少し不安だったくらいだし」
「そ、そんなことないよっ。幸村くんにはいつもお世話になってるし、だからその感謝を形にしたくて……」
「それじゃあさ、俺からのバレンタインチョコも受け取ってくれるかい? 俺も九条さんにはいつも世話になっているからね」
ようやく渡せる。そう思って机の中から取り出したバレンタイン用に包装されたチョコレートを九条さんの前に差し出す。
「え、えっ?」
慌てふためく彼女が少し可愛くてずっと見ていたいけど、今はこれを受け取ってもらう方が先だ。
「男から渡されるのは困るかな?」
「う、ううん! でも、そんな、いいのかな?」
「俺の気持ちだから」
そう伝えると受け取らないのも申し訳ないと感じたのか、九条さんはお礼を言って躊躇いながらも受け取ってくれた。それを見て少しだけホッとする。
「良かった、受け取ってくれて。俺がチョコを渡したのは君だけだからね」
「えっ!?」
特別だってことを分かって欲しくてそう告げると、九条さんは顔を赤くしてくれた。これは脈アリと思ってもいいのかな? と少しだけ自信を持つ俺はさらに言葉を続ける。
「ホワイトデー、楽しみにしてて。もちろん九条さんからのお返しも楽しみにしてるから」
さらに顔が赤くなったのは言うまでもない。