自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
小話
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ジャッカル桑原×赤宮麻美(『今日の立海大附属』設定より)
部活も終わる直前のことだった。頭に冷たい感触がして頭を押さえながら空を見上げる。
空はどんよりとした曇り空。一瞬、雨か? と思ったが、頭に落ちたそれはポタッというよりヒラリと舞い落ちるようなものだったので雨ではないと考える。
しばらくしてヒラリ、ふわり、と白いふわふわしたものがひとつふたつ、いや、沢山降ってきた。
「雪かっ!」
思わず声が出た。降り始めの雪はそんなに量が多いわけではなさそうだけど、雪が降ったという事実が俺を興奮させる。
他の部員達も雪に気づいたようであちこち笑い声やらはしゃぐ声が聞こえた。やっぱ雪はテンション上がるよな、うん。
「……っち、雪かよ」
しかし皆が皆そうではなかったようだ。
「赤宮は雪が嫌いなのか?」
「好きじゃない」
嫌い、とまでは断言しないのは何かあるのだろうか。苦手とか? 嫌いと苦手は少し意味合いが違うからな。日本語は難しい。
「そうか。好きじゃない奴もいるんだな」
「当たり前だ」
「理由は聞いてもいいやつか?」
「……」
キッ。と睨まれた。触れてはいけないやつだったか。まぁ、分かりやすくていいんだけどな。適当に話を逸らすよりかは。
「……私が降らしたって言われるからだよ」
話してくれた。え? いや、てっきり触れちゃいけねー雰囲気だった気がするけど、話してくれるなら大丈夫と判断されたって思っていいのか? 赤宮の心情はいつまで経っても難しいな……。
てか、降らしたって雪をか? 赤宮が?
「? どういうことだ?」
「知るか。昔そう言われた。私が氷の女王だからとか何とかだ」
ふんっと不機嫌そうに鼻を鳴らすところを見ると、からかわれたことがあるから根に持ってるってことだろうか。
……まぁ、赤宮は冷たい印象があるからそういう意味で言われたのかもしれないな。
けどよ、別に本当に冷たい人間なのかって言われるとそうでもないんだよな。
俺も最初はそう思ったけど、言葉を交わす度に悪い奴じゃないって思える。勘違いされやすいタイプなんだなと感じた。
「……俺は別に氷の女王って悪くないと思うけどな」
「は? どういう意味?」
「だってよ、氷も雪も綺麗だろ?」
赤宮の髪に落ちた雪を手に取ってニッと笑う。雪はすぐに溶けて水滴に変わってしまったけど。
「ブラジルじゃなかなか見られないけどよ、雪が積もるのもすげーし、雪の結晶もさ、綺麗だけどすぐになくなっちまう儚さがあるし、そこがまた情緒、っていうのか? ある感じだろ。だから儚くて綺麗な女王って意味になるし、赤宮は褒められてるぜ」
「……都合のいい解釈だな。あと自分で言ってて恥ずかしくないわけ?」
「うっ、やっぱり恥ずかしいのか、これは……」
言葉にして薄々と感じてはいたが、やはり恥ずかしい部類の言葉になるのか。思ったことを言ったまでなんだけどよ。そう思うと照れくさくなっちまう。
すると、雪が俺の鼻の上に落ちてきた。またピンポイントな場所に降ってきたなと思っていたら赤宮の手が伸びて俺の鼻に落ちた雪を指先で拭ってきたもんだから驚きに固まってしまった。
「なっ!?」
「まぁ、あんたが私を褒めてるって思うのなら悪い気はしない。そういう意味なら雪も悪くない」
「え、あ、お、おう……?」
フッと笑う赤宮に真っ赤になりながらドギマギする。不愉快に思われてないなら安心ではあるが、まさか向こうから触れてくるなんて思ってなかったし、心臓が騒々しくなった。
「顔、赤いな。この寒さだ。早く帰らないと風邪引くぞ。まぁ、頭に雪を積もらせる桑原も見てみたいけど」
まるで見透かされているのかと言うような言動と共に赤宮は「じゃ」と告げて俺の前から去っていく━━はずだった。
「あ。そうだ、これやる」
「えっ? っと」
そう言って赤宮は何か小さな物を俺に向けて下から投げ飛ばした。一体何なんだと思いながら受け取ると一口チョコレートである。キャンディーみたいに包装されてるやつ。
「チョコ?」
「余ってたからやる」
そう言い残すと今度こそ赤宮は俺の前から去って行った。
……そういや、今日はバレンタインじゃんか。ってことはそういう意味の義理チョコってやつか? あまりにも普通に渡してきたから真意が分かんねぇ。
でも照れくさくなった俺は頭を掻きながら火照る身体を冷まそうと冬の空気と雪で体温を下げることに努めた。
「……ったく、分かってんだか分かってないんだか」
こういう行事には興味ない人間と思っていたから変に期待しちまうだろ。と心の中でボヤきながら溜め息と共に白い息が漏れた。
部活も終わる直前のことだった。頭に冷たい感触がして頭を押さえながら空を見上げる。
空はどんよりとした曇り空。一瞬、雨か? と思ったが、頭に落ちたそれはポタッというよりヒラリと舞い落ちるようなものだったので雨ではないと考える。
しばらくしてヒラリ、ふわり、と白いふわふわしたものがひとつふたつ、いや、沢山降ってきた。
「雪かっ!」
思わず声が出た。降り始めの雪はそんなに量が多いわけではなさそうだけど、雪が降ったという事実が俺を興奮させる。
他の部員達も雪に気づいたようであちこち笑い声やらはしゃぐ声が聞こえた。やっぱ雪はテンション上がるよな、うん。
「……っち、雪かよ」
しかし皆が皆そうではなかったようだ。
「赤宮は雪が嫌いなのか?」
「好きじゃない」
嫌い、とまでは断言しないのは何かあるのだろうか。苦手とか? 嫌いと苦手は少し意味合いが違うからな。日本語は難しい。
「そうか。好きじゃない奴もいるんだな」
「当たり前だ」
「理由は聞いてもいいやつか?」
「……」
キッ。と睨まれた。触れてはいけないやつだったか。まぁ、分かりやすくていいんだけどな。適当に話を逸らすよりかは。
「……私が降らしたって言われるからだよ」
話してくれた。え? いや、てっきり触れちゃいけねー雰囲気だった気がするけど、話してくれるなら大丈夫と判断されたって思っていいのか? 赤宮の心情はいつまで経っても難しいな……。
てか、降らしたって雪をか? 赤宮が?
「? どういうことだ?」
「知るか。昔そう言われた。私が氷の女王だからとか何とかだ」
ふんっと不機嫌そうに鼻を鳴らすところを見ると、からかわれたことがあるから根に持ってるってことだろうか。
……まぁ、赤宮は冷たい印象があるからそういう意味で言われたのかもしれないな。
けどよ、別に本当に冷たい人間なのかって言われるとそうでもないんだよな。
俺も最初はそう思ったけど、言葉を交わす度に悪い奴じゃないって思える。勘違いされやすいタイプなんだなと感じた。
「……俺は別に氷の女王って悪くないと思うけどな」
「は? どういう意味?」
「だってよ、氷も雪も綺麗だろ?」
赤宮の髪に落ちた雪を手に取ってニッと笑う。雪はすぐに溶けて水滴に変わってしまったけど。
「ブラジルじゃなかなか見られないけどよ、雪が積もるのもすげーし、雪の結晶もさ、綺麗だけどすぐになくなっちまう儚さがあるし、そこがまた情緒、っていうのか? ある感じだろ。だから儚くて綺麗な女王って意味になるし、赤宮は褒められてるぜ」
「……都合のいい解釈だな。あと自分で言ってて恥ずかしくないわけ?」
「うっ、やっぱり恥ずかしいのか、これは……」
言葉にして薄々と感じてはいたが、やはり恥ずかしい部類の言葉になるのか。思ったことを言ったまでなんだけどよ。そう思うと照れくさくなっちまう。
すると、雪が俺の鼻の上に落ちてきた。またピンポイントな場所に降ってきたなと思っていたら赤宮の手が伸びて俺の鼻に落ちた雪を指先で拭ってきたもんだから驚きに固まってしまった。
「なっ!?」
「まぁ、あんたが私を褒めてるって思うのなら悪い気はしない。そういう意味なら雪も悪くない」
「え、あ、お、おう……?」
フッと笑う赤宮に真っ赤になりながらドギマギする。不愉快に思われてないなら安心ではあるが、まさか向こうから触れてくるなんて思ってなかったし、心臓が騒々しくなった。
「顔、赤いな。この寒さだ。早く帰らないと風邪引くぞ。まぁ、頭に雪を積もらせる桑原も見てみたいけど」
まるで見透かされているのかと言うような言動と共に赤宮は「じゃ」と告げて俺の前から去っていく━━はずだった。
「あ。そうだ、これやる」
「えっ? っと」
そう言って赤宮は何か小さな物を俺に向けて下から投げ飛ばした。一体何なんだと思いながら受け取ると一口チョコレートである。キャンディーみたいに包装されてるやつ。
「チョコ?」
「余ってたからやる」
そう言い残すと今度こそ赤宮は俺の前から去って行った。
……そういや、今日はバレンタインじゃんか。ってことはそういう意味の義理チョコってやつか? あまりにも普通に渡してきたから真意が分かんねぇ。
でも照れくさくなった俺は頭を掻きながら火照る身体を冷まそうと冬の空気と雪で体温を下げることに努めた。
「……ったく、分かってんだか分かってないんだか」
こういう行事には興味ない人間と思っていたから変に期待しちまうだろ。と心の中でボヤきながら溜め息と共に白い息が漏れた。