自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
小話
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向日岳人×九条秋(『今日の氷帝学園』設定より)
「くそくそっ! なんで今年のサマバレは宍戸と長太郎なんだよ! 黄金ペアに対抗するなら俺と侑士だろっ!?」
今年の夏のバレンタインソングを担当する者が発表されてすぐのことだった。
今年はダブルスデュエットということで大石、菊丸ペアと宍戸、鳳ペアが担当する。それを知った向日は信じらんねぇと口にしながら地団駄を踏んでいた。
「忍足は去年歌ったからね」
秋の言う通り、忍足はすでに去年シングルを出したばかり。
「ちっ。侑士の奴も抜け駆けしやがって……これじゃあ、俺と侑士のダブルスコンビでサマバレ出せねーじゃんかよ」
さすがに同じ人間を二度も起用されることはないだろうが、それでも向日にとってはダブルスペアなら自分と忍足だと訴えたい。
「岳人も一人で歌うか……あとは日吉くんとのペアで歌うとか? 二人もダブルス組んだことあるから可能性はなくないんじゃないかな?」
「日吉~? あのヒヨッコが大人しく俺とデュエットするわけねーっての」
さすがにそれはない。確固たる自信でそう告げる向日だったが、秋はさらに推していく。
「私は結構ピッタリだと思うなぁ。岳人と日吉くんって何だかペアになっても互いに萎縮することなく思ってることを言い合えるし、それでいて競い合ってるみたいで息も合うと思うよ」
「……そうかぁ? あいつ生意気だし、先輩を先輩とも思ってなさそうだけど」
なぜ日吉を推すのかは分からない。本当にピッタリという理由でそう言っているのかは分からないが、秋が日吉とのペアを推せば推すほど向日はあまりいい気分にはなれなかった。
「素を出せる相手ってことじゃないかな。それだけ変に気を遣わずにすむのかもしれないよ。私も岳人といる時はそうだし、一緒の時間を過ごすのも凄く楽しくて好きだからね」
ついさっきまで日吉のことを話す秋にムカッとしていたが、嬉しそうに自分との時間を過ごすのが好きだと言われると向日の感情は180度変わる。
嬉しい、を通り越して恥ずかしいくらいに。
「秋……お前ってたまに恥ずかしいこと言うよな」
「えっ、そ、そうかな? もしかして気を悪くした? ご、ごめんね?」
「いや、そうじゃねーけど! 別に嫌じゃねーし! ……まぁ、俺も秋と一緒いるのは楽しいけどな」
「良かった。そう思ってもらえて嬉しいよ」
「おー……」
(……私、変なふうに思われなかったかな。それとも意味深に聞こえたかな……ど、どうしよう。おかしな女だって思われたら)
(秋の奴、ストレートすぎねぇ? あんなにさらっと誰にでも言うのかよ。それはそれでムカつくけど……あー、くそくそっ! なんか意識してる俺かっこ悪くね!?)
互いに内心焦りを見せながらそれを悟らせないようにするが、何とも言えない無言の空気が漂い始めたため、秋が話題を変えようと口を開いた。
「あ、あのね、ハッピーサマーバレンタインっていい日だよね。男女関係なく好きな相手に好きって言えるし、夏ならではのバレンタインを楽しめるって言うか……」
「え、あー。なるほどな。普通のバレンタインだと女子からが、って感じだし。逆チョコって文化もあるけど、さすがに男としてはまだまだ抵抗あるもんなー」
(逆チョコに抵抗があるってことはもしかして抵抗がないサマバレの日ならあげることが出来るってこと? 岳人好きな人いるのかな……)
(秋、俺にわざわざこんな話するってことは協力を求めてたりすんのか? っつーか、男として見られてねぇってことか!?)
お互い内に秘めていることを口にしたらどれだけ楽か、そしてどれだけ安心するのか、二人は知らないまま勘違いをするのだった。
「くそくそっ! なんで今年のサマバレは宍戸と長太郎なんだよ! 黄金ペアに対抗するなら俺と侑士だろっ!?」
今年の夏のバレンタインソングを担当する者が発表されてすぐのことだった。
今年はダブルスデュエットということで大石、菊丸ペアと宍戸、鳳ペアが担当する。それを知った向日は信じらんねぇと口にしながら地団駄を踏んでいた。
「忍足は去年歌ったからね」
秋の言う通り、忍足はすでに去年シングルを出したばかり。
「ちっ。侑士の奴も抜け駆けしやがって……これじゃあ、俺と侑士のダブルスコンビでサマバレ出せねーじゃんかよ」
さすがに同じ人間を二度も起用されることはないだろうが、それでも向日にとってはダブルスペアなら自分と忍足だと訴えたい。
「岳人も一人で歌うか……あとは日吉くんとのペアで歌うとか? 二人もダブルス組んだことあるから可能性はなくないんじゃないかな?」
「日吉~? あのヒヨッコが大人しく俺とデュエットするわけねーっての」
さすがにそれはない。確固たる自信でそう告げる向日だったが、秋はさらに推していく。
「私は結構ピッタリだと思うなぁ。岳人と日吉くんって何だかペアになっても互いに萎縮することなく思ってることを言い合えるし、それでいて競い合ってるみたいで息も合うと思うよ」
「……そうかぁ? あいつ生意気だし、先輩を先輩とも思ってなさそうだけど」
なぜ日吉を推すのかは分からない。本当にピッタリという理由でそう言っているのかは分からないが、秋が日吉とのペアを推せば推すほど向日はあまりいい気分にはなれなかった。
「素を出せる相手ってことじゃないかな。それだけ変に気を遣わずにすむのかもしれないよ。私も岳人といる時はそうだし、一緒の時間を過ごすのも凄く楽しくて好きだからね」
ついさっきまで日吉のことを話す秋にムカッとしていたが、嬉しそうに自分との時間を過ごすのが好きだと言われると向日の感情は180度変わる。
嬉しい、を通り越して恥ずかしいくらいに。
「秋……お前ってたまに恥ずかしいこと言うよな」
「えっ、そ、そうかな? もしかして気を悪くした? ご、ごめんね?」
「いや、そうじゃねーけど! 別に嫌じゃねーし! ……まぁ、俺も秋と一緒いるのは楽しいけどな」
「良かった。そう思ってもらえて嬉しいよ」
「おー……」
(……私、変なふうに思われなかったかな。それとも意味深に聞こえたかな……ど、どうしよう。おかしな女だって思われたら)
(秋の奴、ストレートすぎねぇ? あんなにさらっと誰にでも言うのかよ。それはそれでムカつくけど……あー、くそくそっ! なんか意識してる俺かっこ悪くね!?)
互いに内心焦りを見せながらそれを悟らせないようにするが、何とも言えない無言の空気が漂い始めたため、秋が話題を変えようと口を開いた。
「あ、あのね、ハッピーサマーバレンタインっていい日だよね。男女関係なく好きな相手に好きって言えるし、夏ならではのバレンタインを楽しめるって言うか……」
「え、あー。なるほどな。普通のバレンタインだと女子からが、って感じだし。逆チョコって文化もあるけど、さすがに男としてはまだまだ抵抗あるもんなー」
(逆チョコに抵抗があるってことはもしかして抵抗がないサマバレの日ならあげることが出来るってこと? 岳人好きな人いるのかな……)
(秋、俺にわざわざこんな話するってことは協力を求めてたりすんのか? っつーか、男として見られてねぇってことか!?)
お互い内に秘めていることを口にしたらどれだけ楽か、そしてどれだけ安心するのか、二人は知らないまま勘違いをするのだった。