自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
小話
主人公名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
越前リョーマ×西成遥(『今日の青春学園』設定より)
親父達と初詣に行った帰りだった。ゆっくり寝たかったから行く気なんてないのに親父に無理やり叩き起された挙句に連れ出されて、人混みに押し潰されそうになりながらお参りしたのはいいけど、気づけば親父達とはぐれていた。
面倒だから先に家に帰ることに決めた俺は一人で歩いていたらさらに面倒な人と鉢合わせてしまう。
「やぁやぁ、越前ではないか! あけおめ、ことよろ!」
「……」
西成先輩だ。年明け早々に騒々しい人と顔を合わせてしまった。
「ちょっとテンション低くない? せっかくのお正月だよ? もっとこう、パーッと楽しまなきゃさ!」
「……なんで先輩はそんな元気なんスか」
「むしろ君はなんでそんな不機嫌そうな顔なんだい?」
「不機嫌じゃないッス。元々こういう顔なだけなんで」
「それじゃあ、あたしに会えて嬉しいかい?」
「質問の意図が分かんないんスけど」
「あたしと会って不機嫌じゃないってことは機嫌がいいってことっしょ?」
本当に面倒くさいなこの先輩。わざとらしく溜め息を吐いて感情のない声で「はいはい。機嫌いいですよ」と投げやりに返事をする。
「棒読みっ!」
「ところで西成先輩は一人寂しく何してんスか?」
「一人寂しくは余計だなぁ……。あたしはさっきまで麻美と秋と一緒に初詣に行って来たの。でも麻美が家の用事をしなきゃって言ってすぐ帰っちゃったから秋とも解散して時間を持て余してるとこなんだよね~」
「ふーん」
「自分から聞いておきながらそんな興味なさげな返事する……?」
「思いのほかつまらない答えだったんで」
「越前、君はあたしに面白みを求めないでくれたまえ。っていうか、そういう越前だって一人寂しく何してるのさ!」
「初詣の帰り。親父達と来たけどはぐれたから先に帰るとこ」
「あらま。合流しなくていいの?」
「ガキじゃあるまいし、そんなことする必要ないでしょ」
「相変わらずなクールボーイだ……」
いや、普通でしょ。そう答えようとしたら急に強い冬の風に吹かれてしまった。さすがに身体が震える。どうやら西成先輩も同じなようで身を縮こませて寒さに耐えていた。
「うぅ~っ! これは寒いっ! 風邪引いちゃう!」
「じゃ、さっさと帰りましょ」
馬鹿は風邪を引かないって言うけど、いくらこの人でも寒い場所にいれば風邪くらい引くだろう。
それで寝込んだりしたらいつものうるさい取材もなくなるわけだけど、からかえない分それはそれでつまらないし、張り合いがないのでこの人にも早く帰ってもらおう。
そう思って帰ろうとしたら腕を掴まれた。
「……何?」
「どっかお店に入って温まろうよ~~!」
「なんでそこまでして……早く帰ればすむ話じゃないスか」
「そうなんだけど、そうなんだけど遊び足りないんだよっ!」
「……」
なんて面倒な先輩だ。思わず顔に出てしまうくらい面倒である。
「そんな顔しないでっ!」
「正月だから店なんて閉まってますって」
「いやいや、チェーン店とかは開いてるよ! ハンバーガーとか牛丼屋とか!」
「正月早々ジャンクフード食うんスか……まぁ、奢りならいいけど」
「ほんと!? お年玉がたんまりあるからこの西成先輩様が奢ってあげよう!」
「はぁ……ゴチになりまーす」
先輩の鼻が垂れ始めているし、いつまでも外でやいやい言ってても仕方がないので諦めて暖を取るために近くのバーガーショップに向かった。
奢ってくれるって言ったから俺は遠慮なくバーガーとポテトを沢山ご馳走してもらうことにした。付き合ってあげてるし、これくらいでも安いくらいだけどね。
「……容赦ないのだな、君は」
「成長期なもんで」
二人席のテーブルに座って早速ご馳走になる俺に西成先輩は恨めしそうな目で見つめていた。
「だったら牛乳を飲みなよ」
「言われなくても毎日飲んでますよ……」
牛乳の話題を出されて少しムッとする。そんなに焦らなくても身長は絶対伸びるって信じてるから別に問題ないし。
「それはそれは楽しみだなー。あたしが卒業したらその成長も見れなくなるとは残念だよ」
その言葉を聞いて食べていた手を止める。そういえばこの人、3年だったっけと思い出したから。
あまりにも先輩らしく見えない先輩だから違和感でしかないけど、春になったら西成先輩はもう学校にいないのか。
「……」
ってことは新聞部としてのテニス部に来ることもなくなるんだ。……普通に進級してもこの人は変わらずテニス部に取材をしに来ると思ってたから正直不思議な感じだった。
「先輩って卒業出来るんですか?」
「義務教育だからよほどのことがない限り卒業出来ますけども!?」
なんて失礼な! と、プンプンする先輩と違い、俺の心は急速に沈んでいく。
残念? 悲しい? 寂しい? よく分からない。分からないけど、気分がいいものでないのは確かだ。
「……留年すればいいのに」
「さっきから酷くないっ!?」
溜め息混じりで呟く本音の本当の意味を知らない西成先輩がムキーッと猿のように声を上げる。人の気も知らないで呑気な人だよ。
そんな先輩と過ごせる時間の少なさに気づいた俺はひっそりと心の中で焦りが生まれた。認めたくはない感情の整理をする時間さえも惜しいくらいに。
あぁ、もう。これじゃあ俺が馬鹿みたいじゃん。
親父達と初詣に行った帰りだった。ゆっくり寝たかったから行く気なんてないのに親父に無理やり叩き起された挙句に連れ出されて、人混みに押し潰されそうになりながらお参りしたのはいいけど、気づけば親父達とはぐれていた。
面倒だから先に家に帰ることに決めた俺は一人で歩いていたらさらに面倒な人と鉢合わせてしまう。
「やぁやぁ、越前ではないか! あけおめ、ことよろ!」
「……」
西成先輩だ。年明け早々に騒々しい人と顔を合わせてしまった。
「ちょっとテンション低くない? せっかくのお正月だよ? もっとこう、パーッと楽しまなきゃさ!」
「……なんで先輩はそんな元気なんスか」
「むしろ君はなんでそんな不機嫌そうな顔なんだい?」
「不機嫌じゃないッス。元々こういう顔なだけなんで」
「それじゃあ、あたしに会えて嬉しいかい?」
「質問の意図が分かんないんスけど」
「あたしと会って不機嫌じゃないってことは機嫌がいいってことっしょ?」
本当に面倒くさいなこの先輩。わざとらしく溜め息を吐いて感情のない声で「はいはい。機嫌いいですよ」と投げやりに返事をする。
「棒読みっ!」
「ところで西成先輩は一人寂しく何してんスか?」
「一人寂しくは余計だなぁ……。あたしはさっきまで麻美と秋と一緒に初詣に行って来たの。でも麻美が家の用事をしなきゃって言ってすぐ帰っちゃったから秋とも解散して時間を持て余してるとこなんだよね~」
「ふーん」
「自分から聞いておきながらそんな興味なさげな返事する……?」
「思いのほかつまらない答えだったんで」
「越前、君はあたしに面白みを求めないでくれたまえ。っていうか、そういう越前だって一人寂しく何してるのさ!」
「初詣の帰り。親父達と来たけどはぐれたから先に帰るとこ」
「あらま。合流しなくていいの?」
「ガキじゃあるまいし、そんなことする必要ないでしょ」
「相変わらずなクールボーイだ……」
いや、普通でしょ。そう答えようとしたら急に強い冬の風に吹かれてしまった。さすがに身体が震える。どうやら西成先輩も同じなようで身を縮こませて寒さに耐えていた。
「うぅ~っ! これは寒いっ! 風邪引いちゃう!」
「じゃ、さっさと帰りましょ」
馬鹿は風邪を引かないって言うけど、いくらこの人でも寒い場所にいれば風邪くらい引くだろう。
それで寝込んだりしたらいつものうるさい取材もなくなるわけだけど、からかえない分それはそれでつまらないし、張り合いがないのでこの人にも早く帰ってもらおう。
そう思って帰ろうとしたら腕を掴まれた。
「……何?」
「どっかお店に入って温まろうよ~~!」
「なんでそこまでして……早く帰ればすむ話じゃないスか」
「そうなんだけど、そうなんだけど遊び足りないんだよっ!」
「……」
なんて面倒な先輩だ。思わず顔に出てしまうくらい面倒である。
「そんな顔しないでっ!」
「正月だから店なんて閉まってますって」
「いやいや、チェーン店とかは開いてるよ! ハンバーガーとか牛丼屋とか!」
「正月早々ジャンクフード食うんスか……まぁ、奢りならいいけど」
「ほんと!? お年玉がたんまりあるからこの西成先輩様が奢ってあげよう!」
「はぁ……ゴチになりまーす」
先輩の鼻が垂れ始めているし、いつまでも外でやいやい言ってても仕方がないので諦めて暖を取るために近くのバーガーショップに向かった。
奢ってくれるって言ったから俺は遠慮なくバーガーとポテトを沢山ご馳走してもらうことにした。付き合ってあげてるし、これくらいでも安いくらいだけどね。
「……容赦ないのだな、君は」
「成長期なもんで」
二人席のテーブルに座って早速ご馳走になる俺に西成先輩は恨めしそうな目で見つめていた。
「だったら牛乳を飲みなよ」
「言われなくても毎日飲んでますよ……」
牛乳の話題を出されて少しムッとする。そんなに焦らなくても身長は絶対伸びるって信じてるから別に問題ないし。
「それはそれは楽しみだなー。あたしが卒業したらその成長も見れなくなるとは残念だよ」
その言葉を聞いて食べていた手を止める。そういえばこの人、3年だったっけと思い出したから。
あまりにも先輩らしく見えない先輩だから違和感でしかないけど、春になったら西成先輩はもう学校にいないのか。
「……」
ってことは新聞部としてのテニス部に来ることもなくなるんだ。……普通に進級してもこの人は変わらずテニス部に取材をしに来ると思ってたから正直不思議な感じだった。
「先輩って卒業出来るんですか?」
「義務教育だからよほどのことがない限り卒業出来ますけども!?」
なんて失礼な! と、プンプンする先輩と違い、俺の心は急速に沈んでいく。
残念? 悲しい? 寂しい? よく分からない。分からないけど、気分がいいものでないのは確かだ。
「……留年すればいいのに」
「さっきから酷くないっ!?」
溜め息混じりで呟く本音の本当の意味を知らない西成先輩がムキーッと猿のように声を上げる。人の気も知らないで呑気な人だよ。
そんな先輩と過ごせる時間の少なさに気づいた俺はひっそりと心の中で焦りが生まれた。認めたくはない感情の整理をする時間さえも惜しいくらいに。
あぁ、もう。これじゃあ俺が馬鹿みたいじゃん。