自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.9 そんなお節介が出来る人だったんスね
主人公名前変換
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「連絡来ないなぁ」
夜もすっかり更けた。自分の部屋に飾るサボテンを見つめながら一人でぼそりと呟く。
スマートフォンには待ち望んでいる彼女からの連絡はまだない。
赤宮さんに連絡先を押し付けたまではいいが、やはりというか相手から何も送られてこないのだ。
おそらく彼女のことだから何が何でも連絡を取るつもりはないのだろう。
うーん。これだと日曜日の約束になっても相手から何もメッセージもなければ電話もかかってこないかもしれない。
待ち合わせ場所とか決めたかったんだけど、直接話をするしかないようだね。
気難しくて負けず嫌いで強い執念を持つ赤宮さんは何だか面白くて興味があるから仲良くなってみたいのに、相変わらず彼女との距離は縮まらないし、なかなかに手強い。
ここはちょっと姉さんのアドバイスでも貰おうかな。
さすがにまだ寝てないだろうと思い、姉の部屋をノックする。突然入るとうるさいからね。
返事があったので躊躇うことなくドアを開けると、すでにパックを終えたのか肌が潤った状態の姉、不二由美子が迎え入れてくれた。
どうやら作業中だったらしく、パソコンと向き合っていたようだ。おそらく次に出す本のための原稿を打ち込んでいると思われる。
「姉さん、ちょっとだけ話をしても大丈夫かな? 相談なんだけど」
「あら、珍しいわね。周助が相談だなんて。いいわよ、何でも私に聞いてちょうだい」
原稿の手を止めてしまっていいものかと思ったけど、姉さんは嬉しそうにしていたので僕も気にせず話を聞いてもらうことにした。
「実はね、仲良くしたい女子がいるんだけど、なかなかに気難しくてどちらかというと僕のことを嫌ってるみたいなんだ。どうすれば少しは距離が縮まるかなって考えてるんだけど、もしかしたらしつこいのかなとも思ってね。姉さんからの意見が欲しいんだ」
「へぇ。周助が特定の女の子と仲良くなりたいだなんて、春ねぇ……」
うふふ、と笑いながら先走った勘違いをする姉に訂正を入れておく。
「残念ながらそんな甘酸っぱいものじゃないんだけどね」
「分かってる分かってる。周助も思春期だもの、色々と恥ずかしいわよね」
困ったな、どうやら信じていないようだ。僕の言い方が悪かったのかな。まぁ、いいや。こっちはちゃんと否定したし、これ以上強く言ってもさらに勘違いを生むだけかもしれない。
「私に任せなさい、周助。占ってあげるわ。相手の子の誕生日は分かる?」
「誕生日は知らないかな……って、占いじゃなくて普通にアドバイスが欲しいんだけど」
「遠慮しなくていいのよっ。待ってなさい、とりあえず周助の運勢を占ってあげるから」
うん、話を聞いてくれないや。どうやら姉さんに何かの火をつけてしまったようで急いでタロットカードを切って占いを始めてしまった。
姉さんの占い方法は主にタロットカードだけど、弟の僕から見ても贔屓目なくその占いはよく当たる。だからなのか姉さんの書く占いの本も飛ぶように売れるし、今まさに書いてる原稿だってそれに関するもの。
「……あら。どうやら週末は何かトラブルに巻き込まれるみたいよ、気をつけなさい」
「トラブルかぁ……」
週末……赤宮さんと約束してるのは日曜日だから何かあるとしたら彼女に関することかもしれない。何も起こらないことがないと言い切れるのもあれだけど、当たっても不思議ではない。
「あ、でも朗報よ。恋愛運はとってもいいみたいなの。大事なことははっきりと相手に伝えるのがいいわよ」
「あはは。伝える相手がいたらそうするよ」
「もう、すぐはぐらかすんだから。でも青春よねぇ……若いわぁ。裕太にもそろそろそんな話があってもいいんだけれど」
はぐらかすつもりはないんだけど、裕太に関しては僕も同意である。彼女どころか女友達すら家に連れて来ないから裕太の恋愛事情が全然見えない。
やはり寮暮らしだから家じゃなくそっちで楽しくやってるとか? 家族に隠れてこそこそしてるなんて悲しいなぁ。家に連れて来たらお茶やケーキを差し入れしてあげるのに。今度電話で探りでも入れてみようかな。
「あ、周助。今度こっそりとお相手の子を連れて来なさいよ。二人の相性を占ってあげるから」
「機会があればね。それじゃあ、僕はそろそろ戻るよ。ありがと、姉さん」
ウインクをして的外れなことを言うものだからそろそろ撤収しようとお礼を一応伝えてから姉さんの部屋から出た。
女性としての意見を聞きたかったんだけどなんで占いになったんだろう。
ひとまずトラブルだけは避けて通れない気がするのでそれは忘れないように胸に刻んでおこう。
夜もすっかり更けた。自分の部屋に飾るサボテンを見つめながら一人でぼそりと呟く。
スマートフォンには待ち望んでいる彼女からの連絡はまだない。
赤宮さんに連絡先を押し付けたまではいいが、やはりというか相手から何も送られてこないのだ。
おそらく彼女のことだから何が何でも連絡を取るつもりはないのだろう。
うーん。これだと日曜日の約束になっても相手から何もメッセージもなければ電話もかかってこないかもしれない。
待ち合わせ場所とか決めたかったんだけど、直接話をするしかないようだね。
気難しくて負けず嫌いで強い執念を持つ赤宮さんは何だか面白くて興味があるから仲良くなってみたいのに、相変わらず彼女との距離は縮まらないし、なかなかに手強い。
ここはちょっと姉さんのアドバイスでも貰おうかな。
さすがにまだ寝てないだろうと思い、姉の部屋をノックする。突然入るとうるさいからね。
返事があったので躊躇うことなくドアを開けると、すでにパックを終えたのか肌が潤った状態の姉、不二由美子が迎え入れてくれた。
どうやら作業中だったらしく、パソコンと向き合っていたようだ。おそらく次に出す本のための原稿を打ち込んでいると思われる。
「姉さん、ちょっとだけ話をしても大丈夫かな? 相談なんだけど」
「あら、珍しいわね。周助が相談だなんて。いいわよ、何でも私に聞いてちょうだい」
原稿の手を止めてしまっていいものかと思ったけど、姉さんは嬉しそうにしていたので僕も気にせず話を聞いてもらうことにした。
「実はね、仲良くしたい女子がいるんだけど、なかなかに気難しくてどちらかというと僕のことを嫌ってるみたいなんだ。どうすれば少しは距離が縮まるかなって考えてるんだけど、もしかしたらしつこいのかなとも思ってね。姉さんからの意見が欲しいんだ」
「へぇ。周助が特定の女の子と仲良くなりたいだなんて、春ねぇ……」
うふふ、と笑いながら先走った勘違いをする姉に訂正を入れておく。
「残念ながらそんな甘酸っぱいものじゃないんだけどね」
「分かってる分かってる。周助も思春期だもの、色々と恥ずかしいわよね」
困ったな、どうやら信じていないようだ。僕の言い方が悪かったのかな。まぁ、いいや。こっちはちゃんと否定したし、これ以上強く言ってもさらに勘違いを生むだけかもしれない。
「私に任せなさい、周助。占ってあげるわ。相手の子の誕生日は分かる?」
「誕生日は知らないかな……って、占いじゃなくて普通にアドバイスが欲しいんだけど」
「遠慮しなくていいのよっ。待ってなさい、とりあえず周助の運勢を占ってあげるから」
うん、話を聞いてくれないや。どうやら姉さんに何かの火をつけてしまったようで急いでタロットカードを切って占いを始めてしまった。
姉さんの占い方法は主にタロットカードだけど、弟の僕から見ても贔屓目なくその占いはよく当たる。だからなのか姉さんの書く占いの本も飛ぶように売れるし、今まさに書いてる原稿だってそれに関するもの。
「……あら。どうやら週末は何かトラブルに巻き込まれるみたいよ、気をつけなさい」
「トラブルかぁ……」
週末……赤宮さんと約束してるのは日曜日だから何かあるとしたら彼女に関することかもしれない。何も起こらないことがないと言い切れるのもあれだけど、当たっても不思議ではない。
「あ、でも朗報よ。恋愛運はとってもいいみたいなの。大事なことははっきりと相手に伝えるのがいいわよ」
「あはは。伝える相手がいたらそうするよ」
「もう、すぐはぐらかすんだから。でも青春よねぇ……若いわぁ。裕太にもそろそろそんな話があってもいいんだけれど」
はぐらかすつもりはないんだけど、裕太に関しては僕も同意である。彼女どころか女友達すら家に連れて来ないから裕太の恋愛事情が全然見えない。
やはり寮暮らしだから家じゃなくそっちで楽しくやってるとか? 家族に隠れてこそこそしてるなんて悲しいなぁ。家に連れて来たらお茶やケーキを差し入れしてあげるのに。今度電話で探りでも入れてみようかな。
「あ、周助。今度こっそりとお相手の子を連れて来なさいよ。二人の相性を占ってあげるから」
「機会があればね。それじゃあ、僕はそろそろ戻るよ。ありがと、姉さん」
ウインクをして的外れなことを言うものだからそろそろ撤収しようとお礼を一応伝えてから姉さんの部屋から出た。
女性としての意見を聞きたかったんだけどなんで占いになったんだろう。
ひとまずトラブルだけは避けて通れない気がするのでそれは忘れないように胸に刻んでおこう。