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vol.9 そんなお節介が出来る人だったんスね
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「まさかこんな所まで寝てるとは……」
すでに春の花は散ってしまった桜の木の下に見覚えのある顔の生徒が寄り掛かるように昼寝をしていた。
図書室でも思ったのだけどこの子よく寝るよね。あたしも人のことは言えないけど。
青学テニス部期待の新入部員であり、1年生にしてレギュラーの座を勝ち取った越前リョーマ。先輩であろうとクールな態度は変わらない神経の太さはもはや拍手を送りたくなるほど。
それにしてもいくら暖かくなったとはいえ、木の影に入ってるから陽射しは当たらないし、ちょっと肌寒いかもしれない。だから外で寝ると風邪をひくのではないだろうか?
ふふん。仕方あるまいな。ここは先輩であるあたしが起こしてあげようではないか。なんて優しいんだろ!
それにしても寝顔はあどけないよね。せっかくだからこっそりデジカメで写真撮っちゃお。
ふふふ、と笑いながら取材用のデジカメでカシャリと一枚だけ生意気ルーキーの寝顔写真を撮った。役目を終えたデジカメをポケットに入れると越前の肩を揺さぶる。
「おーい。越前やーい。こんなとこで寝ちゃうと風邪ひくぞー」
「……んん」
「ずっと寝てると授業に遅刻しちゃうぞー。せっかく優しい西成遥先輩が起こしてあげてるんだから早く目覚めるのだ少年よっ。さぁ、早く! 今こそ復活するのだ!」
「……うるさっ……」
ぼそりと呟いて重たげな瞼が上下に動く。てか、今うるさって言ったよね!? ちょっと酷くないかしら!
「あたしの優しさを無に返すような第一声を発するとは……」
「ふぁ~あ……で、何?」
「何、って優しい先輩が風邪をひくかもしれないと思い、寝てる君を起こしてあげたんだよ」
「そんなお節介が出来る人だったんスね」
「それ若干ディスってる? ディスってるよね!?」
「別に」
「うっそだ~! こんなに優しい先輩を馬鹿にしてるでしょー!」
「押し付けがましいッスよ」
「追い撃ちかけてくる!」
「それより先輩こそこんな所で何してんの? ここ、そんなに人が来なくて寝やすいんであまり来ないでほしいんスけど」
「色々と酷いね、君!?」
そもそもなぜあたしは後輩にここまで言われなければならないのか。あたしの方が年上だぞ! 先輩なんだぞ!
「あたしは部長の命令で桜の木を撮りに来たのだよ」
「……桜、もうないッスよ」
「そんなことは分かってるんだよ。あたしが撮りに来たのは願いの叶う桜の木なのさ」
そう。新聞部部長の命令により青学名物の願いが叶う桜の木を撮りに来たのだ。なんでもとある桜の木の下で告白すると恋が叶うのだとか。
特に桜の舞い散る卒業シーズンが多いそうだ。もちろん他の季節でも何組かのカップルが生まれたらしいけど、やはり桜の季節が一番人気があるというか映えるのだろう。
だがしかし、だがしかしよ! どれがその桜の木か分かりゃしないのだ!
そりゃないぜ部長! と抗議をしたが「場所を明かすと効果がなくなるから無理」と言われてしまった。何それ! 部長告白する予定あるの!? それなら君が写真撮りに行けばいいんでないのっ? なんでどの桜の木か分からないあたしに押し付けるの! 横暴だ! 横暴!! と騒いだけど、ぺいっと新聞部の部室から追い出されるという酷い扱いを受けてしまった。
仕方なく、全部の桜の木を写真に収めるしかなかったのだ。……ハッ。もしかしてあたしが可愛いから部長が照れてるのでは?
「願いが叶うって……胡散臭い」
「おやおや、新入生の越前くんは眉唾物だと思ってるようだね。この噂は昔から伝わる青学の伝説のようなもので成功したカップルが何組もいるのだよ。どの桜の木かは分からないけどね!」
「……意味ないじゃん」
「知る人ぞ知るっていうか、場所を教えるとパワーがなくなるんだって。あたしもどの桜の木か知らないからとにかく全部の木を撮ってるところ。多分校内新聞で場所のヒントでも教えてくれるんじゃないかな」
「どうでもいい」
「会話を広げる努力をしてくれたまえ……」
本当に扱いの難しい1年生である。おかしいな……新入生ってもっとワクワクを背負った新鮮な感じなのに肝が据わりすぎている。
うむむ、と目の前の少年の態度にこれでいいものかと悩んでいると授業の予鈴が鳴り始めた。
「もうそんな時間!?」
「やべっ」
越前が立ち上がるとすぐに走り出した。このままではあたしも遅刻すると思ってこちらも駆け出す。
「もー! 越前のせいだからねー!」
「ベラベラ喋る先輩のせいッスよ!」
ああ言えばこう言うし! しかも先輩を差し置いて越前ってば先に走り去って行った。めちゃくちゃ速いなあの子! さすがテニス部だよ!
すでに春の花は散ってしまった桜の木の下に見覚えのある顔の生徒が寄り掛かるように昼寝をしていた。
図書室でも思ったのだけどこの子よく寝るよね。あたしも人のことは言えないけど。
青学テニス部期待の新入部員であり、1年生にしてレギュラーの座を勝ち取った越前リョーマ。先輩であろうとクールな態度は変わらない神経の太さはもはや拍手を送りたくなるほど。
それにしてもいくら暖かくなったとはいえ、木の影に入ってるから陽射しは当たらないし、ちょっと肌寒いかもしれない。だから外で寝ると風邪をひくのではないだろうか?
ふふん。仕方あるまいな。ここは先輩であるあたしが起こしてあげようではないか。なんて優しいんだろ!
それにしても寝顔はあどけないよね。せっかくだからこっそりデジカメで写真撮っちゃお。
ふふふ、と笑いながら取材用のデジカメでカシャリと一枚だけ生意気ルーキーの寝顔写真を撮った。役目を終えたデジカメをポケットに入れると越前の肩を揺さぶる。
「おーい。越前やーい。こんなとこで寝ちゃうと風邪ひくぞー」
「……んん」
「ずっと寝てると授業に遅刻しちゃうぞー。せっかく優しい西成遥先輩が起こしてあげてるんだから早く目覚めるのだ少年よっ。さぁ、早く! 今こそ復活するのだ!」
「……うるさっ……」
ぼそりと呟いて重たげな瞼が上下に動く。てか、今うるさって言ったよね!? ちょっと酷くないかしら!
「あたしの優しさを無に返すような第一声を発するとは……」
「ふぁ~あ……で、何?」
「何、って優しい先輩が風邪をひくかもしれないと思い、寝てる君を起こしてあげたんだよ」
「そんなお節介が出来る人だったんスね」
「それ若干ディスってる? ディスってるよね!?」
「別に」
「うっそだ~! こんなに優しい先輩を馬鹿にしてるでしょー!」
「押し付けがましいッスよ」
「追い撃ちかけてくる!」
「それより先輩こそこんな所で何してんの? ここ、そんなに人が来なくて寝やすいんであまり来ないでほしいんスけど」
「色々と酷いね、君!?」
そもそもなぜあたしは後輩にここまで言われなければならないのか。あたしの方が年上だぞ! 先輩なんだぞ!
「あたしは部長の命令で桜の木を撮りに来たのだよ」
「……桜、もうないッスよ」
「そんなことは分かってるんだよ。あたしが撮りに来たのは願いの叶う桜の木なのさ」
そう。新聞部部長の命令により青学名物の願いが叶う桜の木を撮りに来たのだ。なんでもとある桜の木の下で告白すると恋が叶うのだとか。
特に桜の舞い散る卒業シーズンが多いそうだ。もちろん他の季節でも何組かのカップルが生まれたらしいけど、やはり桜の季節が一番人気があるというか映えるのだろう。
だがしかし、だがしかしよ! どれがその桜の木か分かりゃしないのだ!
そりゃないぜ部長! と抗議をしたが「場所を明かすと効果がなくなるから無理」と言われてしまった。何それ! 部長告白する予定あるの!? それなら君が写真撮りに行けばいいんでないのっ? なんでどの桜の木か分からないあたしに押し付けるの! 横暴だ! 横暴!! と騒いだけど、ぺいっと新聞部の部室から追い出されるという酷い扱いを受けてしまった。
仕方なく、全部の桜の木を写真に収めるしかなかったのだ。……ハッ。もしかしてあたしが可愛いから部長が照れてるのでは?
「願いが叶うって……胡散臭い」
「おやおや、新入生の越前くんは眉唾物だと思ってるようだね。この噂は昔から伝わる青学の伝説のようなもので成功したカップルが何組もいるのだよ。どの桜の木かは分からないけどね!」
「……意味ないじゃん」
「知る人ぞ知るっていうか、場所を教えるとパワーがなくなるんだって。あたしもどの桜の木か知らないからとにかく全部の木を撮ってるところ。多分校内新聞で場所のヒントでも教えてくれるんじゃないかな」
「どうでもいい」
「会話を広げる努力をしてくれたまえ……」
本当に扱いの難しい1年生である。おかしいな……新入生ってもっとワクワクを背負った新鮮な感じなのに肝が据わりすぎている。
うむむ、と目の前の少年の態度にこれでいいものかと悩んでいると授業の予鈴が鳴り始めた。
「もうそんな時間!?」
「やべっ」
越前が立ち上がるとすぐに走り出した。このままではあたしも遅刻すると思ってこちらも駆け出す。
「もー! 越前のせいだからねー!」
「ベラベラ喋る先輩のせいッスよ!」
ああ言えばこう言うし! しかも先輩を差し置いて越前ってば先に走り去って行った。めちゃくちゃ速いなあの子! さすがテニス部だよ!