自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.8 気を遣わなくて結構なんで……
主人公名前変換
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今日も一日みっちりと桃城を巻き込んだミクスド練習に時間を費やしたものの、麻美としてはシングルスで試合がしたくて仕方なかった。そもそも今日は不二と再び試合が出来るつもりでいたから尚のこと。
そのため、黄金ペアの練習試合では力任せにボールを打ちまくるも結局桃城との息はバラバラだったため、敗北から逃れることは出来なかった。
そして苛立つ気持ちを抑えることの出来ない麻美は殺気混じったオーラを漂わせながら女子テニス部の部室で制服に着替える準備を始める。少ししてから秋も遅れてやって来て麻美の隣でジャージを脱いだ。
「遅かったな、何してたんだ?」
「乾君に聞きたいことがあって話をしてたの」
「そう」
乾と何を話したのかは特に気にすることがなかったのか、それ以上話を聞くことはなかった。
一番に着替え終えた麻美は秋の準備が終わるまでロッカーに背を預け凭れていると部室の扉が勢いよく開け放たれる。
「麻美ー! 秋ー! 一緒に帰ろうー!」
「堂々と勝手に入んじゃねぇ!!」
女子テニス部員かと思いきや全く関係のない遥が入室すると麻美は己のテニスバッグを思いきり侵入者へと投げつけた。
咄嗟のことだったので避けることも出来ない彼女は「げふぅっ!」と、蛙が潰れたような声を出し、テニスバッグの下敷きとなってしまう。そんな一瞬の出来事に秋は瞬きを繰り返し、胸のリボンを付けていた手を止める。
「おっ……鬼ぃ……」
「麻美……結構過激だね……」
「こいつがまともに生きていたら私もこんなことしないし。っつーか、部外者は入って来んな」
「まぁまぁ。そこまで怒らなくても……。遥もいきなり入るんじゃなくてノックくらいしようね」
「はーい」
へらへら笑いながらどっこいせ、とテニスバッグを押し退けて制服のスカートをパンパン払いながら立ち上がる遥は怪我一つないようで肉体的に打たれ強いことが分かる。
それだけではなく、麻美からぞんざいにされる扱いにもへこたれない姿は精神的にも弱くはなさそうであった。
「……そもそも、あんたは今日取材の日じゃないんだろ。なんで遅くまでいるわけ?」
「もっちろんテニス部観戦ですよ~」
「取材の日じゃないのに遥ってば熱心だね」
「あはは~それ程でもないのだよ!」
(胡散臭ぇ……)
遥との付き合いは二年の頃からではあるが、それでも大体の彼女の性格は把握している。正直なところ、何の理由もなしにただ部活外でテニス部観戦なんてやるわけがないと睨んでいるからだった。
秋は真面目だねと褒めているが麻美は納得しない。しかし、いちいち聞くのも億劫だったのか、わざとらしい溜め息をついて転がったテニスバッグを肩に掛けると部室のドアを開けた。
「帰るぞ」
「あ、うん」
「待って待って!」
先に外へ出る麻美に続き、秋と遥も外へ出た。
夕日が三人の真正面に浮かんでおり、彼女達の後ろには長く伸びた影法師が三人と同じ動きをする。
「あ、そうだ! あのねー、近くに美味しいクレープ屋さんがあるんだよっ。食べようよー」
「あんたの奢りなら食べてやってもいいけど」
「えー!?」
「でも、買い食いはあまり褒められたものじゃないよ?」
「……だそうだ。帰るぞ」
「えぇーっ?」
「ごめんね。夕飯前だし、また違う日に誘って欲しいな」
苦笑いしながら謝る秋に遥は頬を膨らましながら、ぶーぶーと言葉の通り不平を漏らす。
その日、個性の違う特色の強い三人が並んで帰ることになった。
そのため、黄金ペアの練習試合では力任せにボールを打ちまくるも結局桃城との息はバラバラだったため、敗北から逃れることは出来なかった。
そして苛立つ気持ちを抑えることの出来ない麻美は殺気混じったオーラを漂わせながら女子テニス部の部室で制服に着替える準備を始める。少ししてから秋も遅れてやって来て麻美の隣でジャージを脱いだ。
「遅かったな、何してたんだ?」
「乾君に聞きたいことがあって話をしてたの」
「そう」
乾と何を話したのかは特に気にすることがなかったのか、それ以上話を聞くことはなかった。
一番に着替え終えた麻美は秋の準備が終わるまでロッカーに背を預け凭れていると部室の扉が勢いよく開け放たれる。
「麻美ー! 秋ー! 一緒に帰ろうー!」
「堂々と勝手に入んじゃねぇ!!」
女子テニス部員かと思いきや全く関係のない遥が入室すると麻美は己のテニスバッグを思いきり侵入者へと投げつけた。
咄嗟のことだったので避けることも出来ない彼女は「げふぅっ!」と、蛙が潰れたような声を出し、テニスバッグの下敷きとなってしまう。そんな一瞬の出来事に秋は瞬きを繰り返し、胸のリボンを付けていた手を止める。
「おっ……鬼ぃ……」
「麻美……結構過激だね……」
「こいつがまともに生きていたら私もこんなことしないし。っつーか、部外者は入って来んな」
「まぁまぁ。そこまで怒らなくても……。遥もいきなり入るんじゃなくてノックくらいしようね」
「はーい」
へらへら笑いながらどっこいせ、とテニスバッグを押し退けて制服のスカートをパンパン払いながら立ち上がる遥は怪我一つないようで肉体的に打たれ強いことが分かる。
それだけではなく、麻美からぞんざいにされる扱いにもへこたれない姿は精神的にも弱くはなさそうであった。
「……そもそも、あんたは今日取材の日じゃないんだろ。なんで遅くまでいるわけ?」
「もっちろんテニス部観戦ですよ~」
「取材の日じゃないのに遥ってば熱心だね」
「あはは~それ程でもないのだよ!」
(胡散臭ぇ……)
遥との付き合いは二年の頃からではあるが、それでも大体の彼女の性格は把握している。正直なところ、何の理由もなしにただ部活外でテニス部観戦なんてやるわけがないと睨んでいるからだった。
秋は真面目だねと褒めているが麻美は納得しない。しかし、いちいち聞くのも億劫だったのか、わざとらしい溜め息をついて転がったテニスバッグを肩に掛けると部室のドアを開けた。
「帰るぞ」
「あ、うん」
「待って待って!」
先に外へ出る麻美に続き、秋と遥も外へ出た。
夕日が三人の真正面に浮かんでおり、彼女達の後ろには長く伸びた影法師が三人と同じ動きをする。
「あ、そうだ! あのねー、近くに美味しいクレープ屋さんがあるんだよっ。食べようよー」
「あんたの奢りなら食べてやってもいいけど」
「えー!?」
「でも、買い食いはあまり褒められたものじゃないよ?」
「……だそうだ。帰るぞ」
「えぇーっ?」
「ごめんね。夕飯前だし、また違う日に誘って欲しいな」
苦笑いしながら謝る秋に遥は頬を膨らましながら、ぶーぶーと言葉の通り不平を漏らす。
その日、個性の違う特色の強い三人が並んで帰ることになった。