自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.8 気を遣わなくて結構なんで……
主人公名前変換
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もうすぐ部活が始まるって時に俺はあの新聞部の先輩を見つけた。普段なら無視しようかなって思っていたけど今日は何か違う。
何故なら西成先輩がフェンスの向こう側にいたから。つまり、男子テニス部の敷地に入っていないってこと。どうやらフェンスに指を絡ませて食い入るように見ているようだ。
どうしてそんな一般人が見る場所にいるのか分かんなくて、もしかして何かやらかしたのかと思い、先輩に近付く。
「……先輩、何してるんスか」
「やぁ、越前! 見ての通り観戦してるのだよっ」
「取材なのに中に入らないんだ?」
「今日は取材日じゃないんだよねー。あたしがテニス部に取材出来るのは週二なのだよ」
「ふーん」
そう言えば新聞部の腕章も付いていないし、言われてみればこの人は毎日いるってわけじゃないなと思い出した。
「あ、もしかしてあたしがいなくて寂しいとか?」
「じゃあね」
「冷たい! クール過ぎるよ1年生!」
何かもう相変わらずだったからそのまま離れる素振りを見せるとフェンスをガシャガシャ揺らし始めた。まるで動物園の檻の中に入れられた動物みたいだった。
「だったら変なことばっか言わないでくんない?」
「変なことって酷いなぁ。これでも少しは真面目に言ったつもりだけど」
「不真面目の間違いじゃないの」
「そんなことよりも越前って帰国子女なんだってね」
「だから何?」
「帰国子女ってことはさ、越前って女の子だったの?」
「……はぁっ」
先輩の有り得ない発言に怒るというよりも呆れてしまい、溜め息が出てしまう。本当にこの人、頭弱いんだな。
「帰国子女って言葉、男女関係ないんだけど」
「子女なのに?」
「国語辞典でも見たら?」
「じゃあ、越前は男の子だよねっ」
「当たり前じゃん。馬鹿にしてる?」
「帰国子女って女の子のことだと思ってただけだよ」
おかしい人だ。てか、男とか女とか聞く前に見れば分かるじゃん。
「……先輩、もう少し勉強頑張ったら? そんなんじゃ後輩に馬鹿にされるよ」
「既に馬鹿にされているような……」
そういう自覚はあるんだ。と、口にしようとした所では部長がコートに来たのが見えたため、そろそろ集合の声がかかるだろうと予想する。
「じゃ、俺行くんで。迷惑掛けないでくださいよ」
「何故あたしは1年生にここまで言われなきゃならないのだ……」
むむっと顔を顰める先輩を横目に俺は背を向け、歩き出しながら手をひらひら振った。
何故なら西成先輩がフェンスの向こう側にいたから。つまり、男子テニス部の敷地に入っていないってこと。どうやらフェンスに指を絡ませて食い入るように見ているようだ。
どうしてそんな一般人が見る場所にいるのか分かんなくて、もしかして何かやらかしたのかと思い、先輩に近付く。
「……先輩、何してるんスか」
「やぁ、越前! 見ての通り観戦してるのだよっ」
「取材なのに中に入らないんだ?」
「今日は取材日じゃないんだよねー。あたしがテニス部に取材出来るのは週二なのだよ」
「ふーん」
そう言えば新聞部の腕章も付いていないし、言われてみればこの人は毎日いるってわけじゃないなと思い出した。
「あ、もしかしてあたしがいなくて寂しいとか?」
「じゃあね」
「冷たい! クール過ぎるよ1年生!」
何かもう相変わらずだったからそのまま離れる素振りを見せるとフェンスをガシャガシャ揺らし始めた。まるで動物園の檻の中に入れられた動物みたいだった。
「だったら変なことばっか言わないでくんない?」
「変なことって酷いなぁ。これでも少しは真面目に言ったつもりだけど」
「不真面目の間違いじゃないの」
「そんなことよりも越前って帰国子女なんだってね」
「だから何?」
「帰国子女ってことはさ、越前って女の子だったの?」
「……はぁっ」
先輩の有り得ない発言に怒るというよりも呆れてしまい、溜め息が出てしまう。本当にこの人、頭弱いんだな。
「帰国子女って言葉、男女関係ないんだけど」
「子女なのに?」
「国語辞典でも見たら?」
「じゃあ、越前は男の子だよねっ」
「当たり前じゃん。馬鹿にしてる?」
「帰国子女って女の子のことだと思ってただけだよ」
おかしい人だ。てか、男とか女とか聞く前に見れば分かるじゃん。
「……先輩、もう少し勉強頑張ったら? そんなんじゃ後輩に馬鹿にされるよ」
「既に馬鹿にされているような……」
そういう自覚はあるんだ。と、口にしようとした所では部長がコートに来たのが見えたため、そろそろ集合の声がかかるだろうと予想する。
「じゃ、俺行くんで。迷惑掛けないでくださいよ」
「何故あたしは1年生にここまで言われなきゃならないのだ……」
むむっと顔を顰める先輩を横目に俺は背を向け、歩き出しながら手をひらひら振った。