自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.8 気を遣わなくて結構なんで……
主人公名前変換
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「やぁ。早いね、赤宮さん。同じクラスだから一緒に行っても良かったのに」
今朝、赤宮さんに言われた通りに屋上へと足を運ぶと、既にフェンスに背を預けて頭の後ろへ手を組んだ状態で待つ彼女がそこにいた。
傍らには弁当が入っているであろう黒地に白の兎が刺繍された巾着が置いてある。
わざわざ先に行くこともないだろうにと赤宮さんに伝えると彼女はキツく僕を睨みつけた。
「誰があんたと一緒に行かなきゃならないんだ。さっさと済ませろ」
うーん。相変わらず素っ気ない。ここまで嫌われるとやっぱり放っておく方がいいのかな。
とりあえず彼女の隣に座り、自分の弁当箱を開く。今日のお昼はホットサンド。鼻を掠めるタバスコの匂いに食欲がそそられる。
赤宮さんも弁当の蓋を開けると、横からその中身が見えた。俵型に海苔を巻いたおにぎりに唐揚げ、ネギの入った玉子焼き、人参やごぼうなどの根菜の煮物などが姿を見せる。
「赤宮さんのお弁当美味しそうだね」
「普通の弁当だ。っつーか、なんであんたのサンドイッチはそんなに赤いんだよ」
「唐辛子とかタバスコをかけてるからかな。辛いの好きなんだ」
「好きっていうレベルじゃないだろ」
「食べてみる?」
「あんたのなんかいるか!」
僕の手にしたホットサンドに目もくれず、赤宮さんは自分の弁当を食べ始めた。残念に思いながら僕も一口食べてみると、ハムと玉子、そして辛味というスパイスがとてもマッチしていて美味しい。何度も食べているとはいえ、やはりたまらないな。
あと、口が悪いとはいえ彼女と言葉を交わせるのは結構嬉しかったりする。いつもな一言二言で終わってしまうし、会話という会話が出来なかったからなぁ……。これならもう少し話が出来るのかも。
「赤宮さんっていつテニスを始めたの?」
「それを聞いてどうするわけ?」
当り障りのない質問のつもりだったんだけど、やはり赤宮さんのガードは堅い。
「どうするってわけじゃないんだけど、気になっただけだよ。女テニではNo.1だしね。因みに僕は小さい頃からテニスに触れていたよ」
「……。本格的に始めたのは中学入ってから」
話しても問題ないと判断したのか、彼女は少し間を置いてから質問に答えてくれた。本格的に始めたのが思っていたよりも遅かったことに若干驚く。
「へぇ、赤宮さんはもっと前から始めてたと思ってたけど部活に入ってからだったんだね」
「悪い?」
「そんなこと思ってないよ」
「別に中学に入ってから初めてやったわけじゃないから。お遊び程度ならラケットくらい小学校の時から触ってたんだしな」
ムッとした表情で少しムキになる赤宮さんが少し可愛いなって思ったけど、それを言っちゃうと怒られそうなのであえて言わないでおく。
「それより、この後の部活でちゃんと試合してくれるんだろうな?」
「部活中に勝手に試合なんてしたら手塚に叱られるよ」
「はあ? あんた騙したってのか?」
「騙してないよ。今度の休みに思う存分相手になるつもりだからそれでどうかな?」
「……つまり、わざわざ休みの日にあんたに会えと言いたいのか」
「でも、手合わせ出来るのはその日くらいしかないよ」
「……」
僕もあえて休みの日に試合しようとは最初に言わなかった。断られる可能性も高かったし。でも、ここまで付き合った彼女ならここは頷かないわけにはいかない。
「……分かった。日曜日な」
渋々折れてくれた赤宮さんに僕は笑みを浮かべ、ポケットに入れていた折り畳んでいたメモ用紙を一枚彼女に差し出した。
「はい」
「何これ」
「僕の連絡先」
「いらん」
「念のためだよ」
何が起こるか分からないしね、と言うと赤宮さんは荒々しくメモ用紙を奪い、舌打ちまでした。
連絡先を教えてこんなにも嫌悪感丸出しに受け取る人っていうのもなかなかいないなぁ。
今朝、赤宮さんに言われた通りに屋上へと足を運ぶと、既にフェンスに背を預けて頭の後ろへ手を組んだ状態で待つ彼女がそこにいた。
傍らには弁当が入っているであろう黒地に白の兎が刺繍された巾着が置いてある。
わざわざ先に行くこともないだろうにと赤宮さんに伝えると彼女はキツく僕を睨みつけた。
「誰があんたと一緒に行かなきゃならないんだ。さっさと済ませろ」
うーん。相変わらず素っ気ない。ここまで嫌われるとやっぱり放っておく方がいいのかな。
とりあえず彼女の隣に座り、自分の弁当箱を開く。今日のお昼はホットサンド。鼻を掠めるタバスコの匂いに食欲がそそられる。
赤宮さんも弁当の蓋を開けると、横からその中身が見えた。俵型に海苔を巻いたおにぎりに唐揚げ、ネギの入った玉子焼き、人参やごぼうなどの根菜の煮物などが姿を見せる。
「赤宮さんのお弁当美味しそうだね」
「普通の弁当だ。っつーか、なんであんたのサンドイッチはそんなに赤いんだよ」
「唐辛子とかタバスコをかけてるからかな。辛いの好きなんだ」
「好きっていうレベルじゃないだろ」
「食べてみる?」
「あんたのなんかいるか!」
僕の手にしたホットサンドに目もくれず、赤宮さんは自分の弁当を食べ始めた。残念に思いながら僕も一口食べてみると、ハムと玉子、そして辛味というスパイスがとてもマッチしていて美味しい。何度も食べているとはいえ、やはりたまらないな。
あと、口が悪いとはいえ彼女と言葉を交わせるのは結構嬉しかったりする。いつもな一言二言で終わってしまうし、会話という会話が出来なかったからなぁ……。これならもう少し話が出来るのかも。
「赤宮さんっていつテニスを始めたの?」
「それを聞いてどうするわけ?」
当り障りのない質問のつもりだったんだけど、やはり赤宮さんのガードは堅い。
「どうするってわけじゃないんだけど、気になっただけだよ。女テニではNo.1だしね。因みに僕は小さい頃からテニスに触れていたよ」
「……。本格的に始めたのは中学入ってから」
話しても問題ないと判断したのか、彼女は少し間を置いてから質問に答えてくれた。本格的に始めたのが思っていたよりも遅かったことに若干驚く。
「へぇ、赤宮さんはもっと前から始めてたと思ってたけど部活に入ってからだったんだね」
「悪い?」
「そんなこと思ってないよ」
「別に中学に入ってから初めてやったわけじゃないから。お遊び程度ならラケットくらい小学校の時から触ってたんだしな」
ムッとした表情で少しムキになる赤宮さんが少し可愛いなって思ったけど、それを言っちゃうと怒られそうなのであえて言わないでおく。
「それより、この後の部活でちゃんと試合してくれるんだろうな?」
「部活中に勝手に試合なんてしたら手塚に叱られるよ」
「はあ? あんた騙したってのか?」
「騙してないよ。今度の休みに思う存分相手になるつもりだからそれでどうかな?」
「……つまり、わざわざ休みの日にあんたに会えと言いたいのか」
「でも、手合わせ出来るのはその日くらいしかないよ」
「……」
僕もあえて休みの日に試合しようとは最初に言わなかった。断られる可能性も高かったし。でも、ここまで付き合った彼女ならここは頷かないわけにはいかない。
「……分かった。日曜日な」
渋々折れてくれた赤宮さんに僕は笑みを浮かべ、ポケットに入れていた折り畳んでいたメモ用紙を一枚彼女に差し出した。
「はい」
「何これ」
「僕の連絡先」
「いらん」
「念のためだよ」
何が起こるか分からないしね、と言うと赤宮さんは荒々しくメモ用紙を奪い、舌打ちまでした。
連絡先を教えてこんなにも嫌悪感丸出しに受け取る人っていうのもなかなかいないなぁ。