自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.8 気を遣わなくて結構なんで……
主人公名前変換
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「でねでねっ! 麻美があたしのこと原人って言ってー……」
昼ご飯を遥と一緒に食べている時のことだった。
本当は麻美も誘ったんだけど用事があると言って断られてしまったため二人だけとなったが、泉のように溢れる遥の面白い話に耳を傾けてうんうんと頷いていると教室の入口から声が聞こえた。
「九条はいるか?」
その声を聞いて私は遥に向けていた目を教室の出入り口へと移す。そこには手塚君が立っていて、私は少し慌てながら立ち上がった。
「あ、ごめんね。ちょっと待っててね」
「うん。いってらー」
箸を口に咥えながら手をひらひらと振る遥に行儀悪いよと諭しながら手塚君の元へ向かう。
「手塚君、どうしたの?」
「話があるんだが、大丈夫か?」
これはまた場所を移して話をしたいということでいいのかな。でも、今は遥とご飯中だから席を外したくないので申し訳なさそうに手塚君に謝罪することにした。
「ごめんなさい。今、遥と昼食中で……」
「俺が話をつける」
「え?」
そう言うと彼は教室に入り、遥の座る席まで近付く。遥も手塚君の存在に気付くと頭に疑問符を浮かべていた。
「あれ? 手塚?」
「九条を借りるぞ」
「えー? 今、あたしとご飯なうだよー」
「10分もかからない」
「やだよーだ」
「……」
手塚君が無言の圧力で遥を鋭く睨むも遥はぷいっと顔を背けている。私はどうしたらいいのか分からずおろおろしていると手塚君が溜め息を吐き出した。
「ならば次から教科書を忘れても二度と見せてやらんからな」
「10分だけだからねっ!」
ムキーッと威嚇するが、切り替えの早さがまた何とも言えない。忘れ物しなければいいことなのにこれからも忘れ物する前提な彼女に少し将来が心配になってしまった。
だけど話が纏まったようなので手塚君に行くぞと言われ、私は遥に一言侘びを入れて彼の後について行く。
今回はそんなに時間がないからなのか生徒会室ではなく、普段あまり生徒がいない階段の踊り場で話をすることになった。
「……唐突だが、日曜日は予定あるか?」
「日曜日……? 特にはないけど。……あ、部活するの?」
「いや……水族館に行かないか?」
水族館……? 思わず口にして首を傾げる。てっきり日曜日の予定を聞かれたから普段はオフの日である日曜日も部活するのかなという話だと思ったのだけれど。
「この間、行ってみたいと言っていただろう? 大石も誰かを誘って行くと言っていたからお前さえ良ければ……だが」
「え……でも、私じゃなくても……」
私が行きたいと言ったからわざわざ手塚君は誘ってくれてるのだろうか。そんな気を遣わなくても手塚君達で楽しんで来ていいのに。
「俺はお前を誘いたいと思った。嫌なら諦める」
「嫌じゃないけど……本当にいいのかな? 邪魔じゃない?」
「邪魔なんかじゃない。だから誘ってるんだ」
「ありがとう、手塚君。それじゃあ、お言葉に甘えようかな……?」
お世辞かもしれないけど手塚君が言ってくれた言葉は素直に嬉しかった。
尊敬する彼から遊びにも誘ってくれたことも喜ばしいことで、逆に私でいいのかなっていう申し訳なさも抱いてしまうが、一日くらいいいかなと自分に言い聞かせて恐る恐る手塚君の顔色を窺った。
「……ありがとう」
「っ……」
その時の手塚君の表情はあまり見ることのない柔らかい微笑みで、あまりにも恰好いいから顔が熱くなり思わず下に俯いてしまった。
「こ、こちらこそありがとう」
手塚君が人気あるのも改めて理解した。
昼ご飯を遥と一緒に食べている時のことだった。
本当は麻美も誘ったんだけど用事があると言って断られてしまったため二人だけとなったが、泉のように溢れる遥の面白い話に耳を傾けてうんうんと頷いていると教室の入口から声が聞こえた。
「九条はいるか?」
その声を聞いて私は遥に向けていた目を教室の出入り口へと移す。そこには手塚君が立っていて、私は少し慌てながら立ち上がった。
「あ、ごめんね。ちょっと待っててね」
「うん。いってらー」
箸を口に咥えながら手をひらひらと振る遥に行儀悪いよと諭しながら手塚君の元へ向かう。
「手塚君、どうしたの?」
「話があるんだが、大丈夫か?」
これはまた場所を移して話をしたいということでいいのかな。でも、今は遥とご飯中だから席を外したくないので申し訳なさそうに手塚君に謝罪することにした。
「ごめんなさい。今、遥と昼食中で……」
「俺が話をつける」
「え?」
そう言うと彼は教室に入り、遥の座る席まで近付く。遥も手塚君の存在に気付くと頭に疑問符を浮かべていた。
「あれ? 手塚?」
「九条を借りるぞ」
「えー? 今、あたしとご飯なうだよー」
「10分もかからない」
「やだよーだ」
「……」
手塚君が無言の圧力で遥を鋭く睨むも遥はぷいっと顔を背けている。私はどうしたらいいのか分からずおろおろしていると手塚君が溜め息を吐き出した。
「ならば次から教科書を忘れても二度と見せてやらんからな」
「10分だけだからねっ!」
ムキーッと威嚇するが、切り替えの早さがまた何とも言えない。忘れ物しなければいいことなのにこれからも忘れ物する前提な彼女に少し将来が心配になってしまった。
だけど話が纏まったようなので手塚君に行くぞと言われ、私は遥に一言侘びを入れて彼の後について行く。
今回はそんなに時間がないからなのか生徒会室ではなく、普段あまり生徒がいない階段の踊り場で話をすることになった。
「……唐突だが、日曜日は予定あるか?」
「日曜日……? 特にはないけど。……あ、部活するの?」
「いや……水族館に行かないか?」
水族館……? 思わず口にして首を傾げる。てっきり日曜日の予定を聞かれたから普段はオフの日である日曜日も部活するのかなという話だと思ったのだけれど。
「この間、行ってみたいと言っていただろう? 大石も誰かを誘って行くと言っていたからお前さえ良ければ……だが」
「え……でも、私じゃなくても……」
私が行きたいと言ったからわざわざ手塚君は誘ってくれてるのだろうか。そんな気を遣わなくても手塚君達で楽しんで来ていいのに。
「俺はお前を誘いたいと思った。嫌なら諦める」
「嫌じゃないけど……本当にいいのかな? 邪魔じゃない?」
「邪魔なんかじゃない。だから誘ってるんだ」
「ありがとう、手塚君。それじゃあ、お言葉に甘えようかな……?」
お世辞かもしれないけど手塚君が言ってくれた言葉は素直に嬉しかった。
尊敬する彼から遊びにも誘ってくれたことも喜ばしいことで、逆に私でいいのかなっていう申し訳なさも抱いてしまうが、一日くらいいいかなと自分に言い聞かせて恐る恐る手塚君の顔色を窺った。
「……ありがとう」
「っ……」
その時の手塚君の表情はあまり見ることのない柔らかい微笑みで、あまりにも恰好いいから顔が熱くなり思わず下に俯いてしまった。
「こ、こちらこそありがとう」
手塚君が人気あるのも改めて理解した。