自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.8 気を遣わなくて結構なんで……
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「おはよう、海堂君」
「……おはようございます」
朝練が始まる少し前、ジャージに着替えた秋が1年生と共にネット張りをしていると、レギュラージャージに身を包む海堂が傍を通りかかり彼女は彼に声をかけた。
少したじろいだ様子の海堂だったが、彼は丁寧にぺこりと頭を下げてそのまま通り過ぎようとする。
そのタイミングでネットを張り終えた秋が海堂のバンダナを見て「あっ」と声を漏らした。
「海堂君。今日のバンダナはいつもと違うね。新しい物買ったの?」
いつも使っているバンダナの色や模様が違うことに気付いた秋が海堂に近付き尋ねると、彼は一度バンダナに手をやり、あぁ、と呟いた。
「誕生日プレゼントで弟から……」
「弟さんからの誕生日プレゼントだったんだね。海堂君に似て優しそうだなぁ」
にこにこ笑いながら朝一に秋から褒められた海堂は少々照れながらも言葉に詰まる。そんなことを気付くことなく秋は話を続けた。
「そういえば、誕生日はいつだったの?」
「……昨日」
「あ、そうなんだ! おめでとう、海堂君!」
両手をパチンと合わせ、そのまま拍手をする。そこまで大きい音ではないが秋のおめでとうという言葉を聞いた他の部員が海堂に注目し始める。
そして菊丸を始めとする上級生が彼におめでとうと声をかけ、大石に至っては誕生日を知っていたらしくプレゼントまで用意していたようで海堂に手渡した。
思いも寄らない展開に海堂は戸惑い流されるまま、暫く部員達に拍手で祝われることになった。
だが、部活前ということもあり、すぐに部員達は散り散りになって部活準備を始める。開放された海堂は気を張っていた肩も下がりフシュウウウゥゥと長い溜め息を吐く。
しかし秋はまだ海堂の傍にいて、それに気付いた彼は嬉しげに笑う秋に目を向けた。
「みんなに祝ってもらえて幸せ者だね。私も今度海堂君にプレゼント用意するから少し待っててね」
「え……いや、別にいいッス。気を遣わなくて結構なんで……」
「ううん。気を遣ってなんかいないよ。私、海堂君の誕生日を祝いたいだけだから」
ね? と言われてしまい海堂にとっては正直困ってしまう。別にプレゼントが欲しいわけでもないし、誕生日を祝って欲しいわけでもなかったため返答に困るだけであった。
もちろん、そんなこと考えているとは思ってもいない秋は「今日も頑張ろうね」と残し、隣のコート整備に向かい始める。
「あ、先輩っ」
「ん?」
「その……ありがとう、ございました……」
小さい声ながらもお礼の言葉を述べる海堂の目線は逸されるものの、秋は彼の気持ちを汲み取り、柔らかい笑みを向ける。
「どういたしまして」
「……おはようございます」
朝練が始まる少し前、ジャージに着替えた秋が1年生と共にネット張りをしていると、レギュラージャージに身を包む海堂が傍を通りかかり彼女は彼に声をかけた。
少したじろいだ様子の海堂だったが、彼は丁寧にぺこりと頭を下げてそのまま通り過ぎようとする。
そのタイミングでネットを張り終えた秋が海堂のバンダナを見て「あっ」と声を漏らした。
「海堂君。今日のバンダナはいつもと違うね。新しい物買ったの?」
いつも使っているバンダナの色や模様が違うことに気付いた秋が海堂に近付き尋ねると、彼は一度バンダナに手をやり、あぁ、と呟いた。
「誕生日プレゼントで弟から……」
「弟さんからの誕生日プレゼントだったんだね。海堂君に似て優しそうだなぁ」
にこにこ笑いながら朝一に秋から褒められた海堂は少々照れながらも言葉に詰まる。そんなことを気付くことなく秋は話を続けた。
「そういえば、誕生日はいつだったの?」
「……昨日」
「あ、そうなんだ! おめでとう、海堂君!」
両手をパチンと合わせ、そのまま拍手をする。そこまで大きい音ではないが秋のおめでとうという言葉を聞いた他の部員が海堂に注目し始める。
そして菊丸を始めとする上級生が彼におめでとうと声をかけ、大石に至っては誕生日を知っていたらしくプレゼントまで用意していたようで海堂に手渡した。
思いも寄らない展開に海堂は戸惑い流されるまま、暫く部員達に拍手で祝われることになった。
だが、部活前ということもあり、すぐに部員達は散り散りになって部活準備を始める。開放された海堂は気を張っていた肩も下がりフシュウウウゥゥと長い溜め息を吐く。
しかし秋はまだ海堂の傍にいて、それに気付いた彼は嬉しげに笑う秋に目を向けた。
「みんなに祝ってもらえて幸せ者だね。私も今度海堂君にプレゼント用意するから少し待っててね」
「え……いや、別にいいッス。気を遣わなくて結構なんで……」
「ううん。気を遣ってなんかいないよ。私、海堂君の誕生日を祝いたいだけだから」
ね? と言われてしまい海堂にとっては正直困ってしまう。別にプレゼントが欲しいわけでもないし、誕生日を祝って欲しいわけでもなかったため返答に困るだけであった。
もちろん、そんなこと考えているとは思ってもいない秋は「今日も頑張ろうね」と残し、隣のコート整備に向かい始める。
「あ、先輩っ」
「ん?」
「その……ありがとう、ございました……」
小さい声ながらもお礼の言葉を述べる海堂の目線は逸されるものの、秋は彼の気持ちを汲み取り、柔らかい笑みを向ける。
「どういたしまして」