自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.7 ミクスド初戦に俺と組むってマジなんスか?
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「……むぅ、大石がいない……」
せっかく取材に来たのにと呟く遥はデジカメを片手にキョロキョロと男子テニスコート敷地内を探索していた。
取材日なのに彼女の意中の人物である大石がいなくて唇を尖らせていると、知り合い以上友達未満の男が眼鏡を光らせながらやって来る。
「大石を探してるようだな」
「ぬっ? 乾! べ、べべ別に誰を探そうとあたしの勝手だい!」
つーんと顔を背ける遥に乾は中指で眼鏡の位置を整える。そして口を開いた。
「大石と手塚は今抜けてていないんだよ。もうすぐ地区大会が始まるから色々とオーダーを練っているかも知れないな」
「何っ!? じゃ、じゃあ、誰に取材すれば……」
「俺が提供してやろう。こいつのことを記事にしたらどうだ?」
にやりと三日月のように口端を上にあげると乾の顔が逆光になった。
眼鏡が恐ろしいほど光っている。そんな彼の手には一杯のコップがあり、その透明ガラスコップの中には深い緑色の液体が入っていた。
ゆらゆらと乾の動かすコップの中の液体がゆっくりと揺らめく。どろりとした粘り気を感じるそれに遥は直感的に危ない物だと感じた。
「な、なんだっ! その毒のような物体は!」
「毒のようなとは失礼な。れっきとした飲み物だ。その名も乾汁」
フフ、と不敵な笑みを見せる乾に遥は飲み物じゃないと言いたげにぶんぶんと首を横に振る。
「青汁より酷い色してるし! 青汁よりドロドロしてるじゃないか!」
「青汁と比較するな。こいつは別物なんだからな。それにこれが青学を強くする秘密なんだよ」
「そ、その飲み物モドキが?」
「当たり前だ。疲労回復効果が抜群に高いんだ。部員は皆、咽び泣くほど喜んで飲んでいるぞ」
「そんな凄い物なのかっ!」
「物は試しだ。一杯飲んでみるといい」
企みのある笑みで遥の前に差し出す乾汁という名の液体。遥は疑いながら眉間に皺を寄せる。
「でも不味いんでしょ?」
「良薬は口に苦し、というだろう? たった一杯だけじゃないか。もしかしたら甘味を感じるかもしれないだろう」
「うぅ……」
「騙されたと思って」
なおも遥の前にドリンクを差し出す乾に諦めて観念したのか、彼女はそのコップを受け取り、一枚だけデジカメで写真を撮った。
そして恐る恐る口をコップへと近づけそのまま一気に飲み干した……と思いきや半分のところで飲む動作を止める。
「ぐぬわあぁぁぁぁ!!」
思わず出る叫び声。それに驚いた部員達は少なくない。
「な、ななななんだこれ! 口の中へばりつく! 味が残る! 酷く不味い! 騙された!!」
「おいおい、一度に言うな。それに騙されたと思って飲んだのは君だろう?」
「鬼か! 悪魔なのか君は! ペッペッペッ! こんな不味い物のどこが咽び泣くほど喜んで飲む奴がいるんだい! あたしに恨みでもあるのか!」
「恨みなんてないさ。データ収集の一貫かな」
「ぐぐぐ……! ちくしょーめ! あたしはおもちゃじゃないやい! 覚えてやがれ!」
残った乾汁を乾に押し付けると遥はそのまま彼から逃げ出すように駆け出した。
そして復讐しようと誓い、乾汁のことをボロクソに書いた記事を後に新聞部に提出すると部長によって跳ね返されたのは言うまでもない。
せっかく取材に来たのにと呟く遥はデジカメを片手にキョロキョロと男子テニスコート敷地内を探索していた。
取材日なのに彼女の意中の人物である大石がいなくて唇を尖らせていると、知り合い以上友達未満の男が眼鏡を光らせながらやって来る。
「大石を探してるようだな」
「ぬっ? 乾! べ、べべ別に誰を探そうとあたしの勝手だい!」
つーんと顔を背ける遥に乾は中指で眼鏡の位置を整える。そして口を開いた。
「大石と手塚は今抜けてていないんだよ。もうすぐ地区大会が始まるから色々とオーダーを練っているかも知れないな」
「何っ!? じゃ、じゃあ、誰に取材すれば……」
「俺が提供してやろう。こいつのことを記事にしたらどうだ?」
にやりと三日月のように口端を上にあげると乾の顔が逆光になった。
眼鏡が恐ろしいほど光っている。そんな彼の手には一杯のコップがあり、その透明ガラスコップの中には深い緑色の液体が入っていた。
ゆらゆらと乾の動かすコップの中の液体がゆっくりと揺らめく。どろりとした粘り気を感じるそれに遥は直感的に危ない物だと感じた。
「な、なんだっ! その毒のような物体は!」
「毒のようなとは失礼な。れっきとした飲み物だ。その名も乾汁」
フフ、と不敵な笑みを見せる乾に遥は飲み物じゃないと言いたげにぶんぶんと首を横に振る。
「青汁より酷い色してるし! 青汁よりドロドロしてるじゃないか!」
「青汁と比較するな。こいつは別物なんだからな。それにこれが青学を強くする秘密なんだよ」
「そ、その飲み物モドキが?」
「当たり前だ。疲労回復効果が抜群に高いんだ。部員は皆、咽び泣くほど喜んで飲んでいるぞ」
「そんな凄い物なのかっ!」
「物は試しだ。一杯飲んでみるといい」
企みのある笑みで遥の前に差し出す乾汁という名の液体。遥は疑いながら眉間に皺を寄せる。
「でも不味いんでしょ?」
「良薬は口に苦し、というだろう? たった一杯だけじゃないか。もしかしたら甘味を感じるかもしれないだろう」
「うぅ……」
「騙されたと思って」
なおも遥の前にドリンクを差し出す乾に諦めて観念したのか、彼女はそのコップを受け取り、一枚だけデジカメで写真を撮った。
そして恐る恐る口をコップへと近づけそのまま一気に飲み干した……と思いきや半分のところで飲む動作を止める。
「ぐぬわあぁぁぁぁ!!」
思わず出る叫び声。それに驚いた部員達は少なくない。
「な、ななななんだこれ! 口の中へばりつく! 味が残る! 酷く不味い! 騙された!!」
「おいおい、一度に言うな。それに騙されたと思って飲んだのは君だろう?」
「鬼か! 悪魔なのか君は! ペッペッペッ! こんな不味い物のどこが咽び泣くほど喜んで飲む奴がいるんだい! あたしに恨みでもあるのか!」
「恨みなんてないさ。データ収集の一貫かな」
「ぐぐぐ……! ちくしょーめ! あたしはおもちゃじゃないやい! 覚えてやがれ!」
残った乾汁を乾に押し付けると遥はそのまま彼から逃げ出すように駆け出した。
そして復讐しようと誓い、乾汁のことをボロクソに書いた記事を後に新聞部に提出すると部長によって跳ね返されたのは言うまでもない。