自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.6 上の上で上々だい! データなんて外れろやい!
主人公名前変換
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昼休みの時間に生徒会室には生徒会メンバーが揃っていた。
来月は体育祭があるのでそのための集まりである。種目決めや体育祭のしおり、各クラスの応援旗製作の呼びかけなど仕事は山積みである。
だが、大体の仕事は体育祭実行委員会が行うので生徒会はその手伝いのようなもの。
今回はその説明のみの集まりで次回からは体育祭実行委員と共同で会議を始める。
「応援旗製作は毎年締切日の遅れるクラスがあるので、早々に製作開始してもらうように呼びかけること。以上だ」
お疲れ様でした。部屋の中でその言葉が響く。昼休みの残りがあと僅かなため、次の時間が移動教室の者は足早に出て行った。
そうでなくとも貴重な昼休み休憩だ。各々過ごしたい者もいればやりたいことがある者もいる。生徒会に長居する者はいないため、生徒会室はあっという間に俺と九条のみを残す。
いまだに席に着いているため議事録を残してるのかと思いきや彼女は書記としての仕事は終えたようでノートは閉じられていた。
それなのになぜ動かないのか。表情を見れば何かを考えているようにも見受けられる。
「九条。仕事は終わったのではないのか?」
「あ、うん。そうなんだけど、まだここにいるから手塚君は先に行ってていいよ。鍵は私が閉めるから」
……どういうことだろうか。何か悩みでもあるというのか? もしかして、マネージャーについてだろうか。
多少強引ながらも彼女をマネージャーに誘ったのは俺だ。今思えば自分のことばかりで彼女の気持ちについては全く考えていなかったのが分かる。
本当は断りたかったのかも知れない。心優しい九条のことだ。断ることが出来なかったというのも考えられる。
だが、だからといって彼女を手放したくない。せっかく生徒会以外でも彼女と接することが出来たんだ。我儘だが、何としてでも九条を繋ぎ止めたい。
「……何か悩み事ならば相談に乗るぞ」
「え?」
きょとんとした目が俺を見つめる。しばらくしてから彼女は「あ!」と声を上げた。
「違うの。悩み事じゃなくて考え事で……」
「何を考えてたんだ?」
「応援旗のデザインだよ」
どうやらマネージャーについてではないようで心の底から安堵の溜め息をついた。
「応援旗のデザインはクラスみんなで行うものだろう。九条一人で考えることではない」
「そうなんだけど、決まらなかった時用に……かな。あとはいくつか案があればみんなも考えやすいと思うから」
どうして彼女はこうも真面目で他人を思いやれる力が強いのだろうか。そこがまた何ともいじらしく感じてしまう。
「そうか」
「だからもうちょっとここにいるよ」
「ならば俺もお前に倣ってデザインを考えてみることにしよう」
「え? でも、手塚君……せっかくの昼休みの時間がなくなっちゃうよ」
「構わない。どうせすることがないんだ。時間を有効に使いたい」
「それならいいんだけど……」
そんなのはただの口実に過ぎない。本当の理由は一緒の時間を共にしたい、なのだが、そんなことは言えるはずもなく適当な理由を述べた。
「九条はこうやって何かアイデアを出す時は静かな空間にいることが多いのか?」
「そうだね。図書館とか、あとは美術館とか水族館とか違う世界に引き込んでくれるような場所かな」
図書館、美術館、水族館、どれも彼女が好みそうな場所だなと理解出来るし、その気持ちもよく分かる。
「美術館はずっと前に観た人気若手作家の絵画を集めた作品を観に行ったんだけど、繊細な色使いや考えもしない構図とか色々あって凄かったのを覚えてるよ」
「絵画は魅了される絵も多いからな。オススメのものがあればまた教えてくれ」
「うん。そういえば手塚君は水族館には行ったりする?」
「最近は行ってないが嫌いではないな」
「そうなんだ。それならいつか行って見た方がいいよ。最近新しく魚が追加されたり、ペンギンショーやイルカショーも新しくなったみたいだから」
「九条は行ったのか?」
「ううん。でも、近いうちには行きたいかな」
「そうか」
ちょうどよく会話に一区切りがついたところで学校中にチャイムが鳴り響いた。
「……ごめんね、手塚君。喋ってばかりでアイデアに集中出来なかったよね?」
「いや、そんなことはない。お前と話すことで得られるものも多かった。むしろ九条の方が集中出来なかったのではないか?」
「私もそんなことないよ。それにこうしてゆっくり手塚君と話す機会もないから楽しかったしね」
にっこり笑いかける九条。それだけで目が離せなくなる。
彼女がいるだけで俺の心が安らぐということを彼女は知らないだろう。……知れば、九条は一体どんな反応をしてくれるのだろうか。
来月は体育祭があるのでそのための集まりである。種目決めや体育祭のしおり、各クラスの応援旗製作の呼びかけなど仕事は山積みである。
だが、大体の仕事は体育祭実行委員会が行うので生徒会はその手伝いのようなもの。
今回はその説明のみの集まりで次回からは体育祭実行委員と共同で会議を始める。
「応援旗製作は毎年締切日の遅れるクラスがあるので、早々に製作開始してもらうように呼びかけること。以上だ」
お疲れ様でした。部屋の中でその言葉が響く。昼休みの残りがあと僅かなため、次の時間が移動教室の者は足早に出て行った。
そうでなくとも貴重な昼休み休憩だ。各々過ごしたい者もいればやりたいことがある者もいる。生徒会に長居する者はいないため、生徒会室はあっという間に俺と九条のみを残す。
いまだに席に着いているため議事録を残してるのかと思いきや彼女は書記としての仕事は終えたようでノートは閉じられていた。
それなのになぜ動かないのか。表情を見れば何かを考えているようにも見受けられる。
「九条。仕事は終わったのではないのか?」
「あ、うん。そうなんだけど、まだここにいるから手塚君は先に行ってていいよ。鍵は私が閉めるから」
……どういうことだろうか。何か悩みでもあるというのか? もしかして、マネージャーについてだろうか。
多少強引ながらも彼女をマネージャーに誘ったのは俺だ。今思えば自分のことばかりで彼女の気持ちについては全く考えていなかったのが分かる。
本当は断りたかったのかも知れない。心優しい九条のことだ。断ることが出来なかったというのも考えられる。
だが、だからといって彼女を手放したくない。せっかく生徒会以外でも彼女と接することが出来たんだ。我儘だが、何としてでも九条を繋ぎ止めたい。
「……何か悩み事ならば相談に乗るぞ」
「え?」
きょとんとした目が俺を見つめる。しばらくしてから彼女は「あ!」と声を上げた。
「違うの。悩み事じゃなくて考え事で……」
「何を考えてたんだ?」
「応援旗のデザインだよ」
どうやらマネージャーについてではないようで心の底から安堵の溜め息をついた。
「応援旗のデザインはクラスみんなで行うものだろう。九条一人で考えることではない」
「そうなんだけど、決まらなかった時用に……かな。あとはいくつか案があればみんなも考えやすいと思うから」
どうして彼女はこうも真面目で他人を思いやれる力が強いのだろうか。そこがまた何ともいじらしく感じてしまう。
「そうか」
「だからもうちょっとここにいるよ」
「ならば俺もお前に倣ってデザインを考えてみることにしよう」
「え? でも、手塚君……せっかくの昼休みの時間がなくなっちゃうよ」
「構わない。どうせすることがないんだ。時間を有効に使いたい」
「それならいいんだけど……」
そんなのはただの口実に過ぎない。本当の理由は一緒の時間を共にしたい、なのだが、そんなことは言えるはずもなく適当な理由を述べた。
「九条はこうやって何かアイデアを出す時は静かな空間にいることが多いのか?」
「そうだね。図書館とか、あとは美術館とか水族館とか違う世界に引き込んでくれるような場所かな」
図書館、美術館、水族館、どれも彼女が好みそうな場所だなと理解出来るし、その気持ちもよく分かる。
「美術館はずっと前に観た人気若手作家の絵画を集めた作品を観に行ったんだけど、繊細な色使いや考えもしない構図とか色々あって凄かったのを覚えてるよ」
「絵画は魅了される絵も多いからな。オススメのものがあればまた教えてくれ」
「うん。そういえば手塚君は水族館には行ったりする?」
「最近は行ってないが嫌いではないな」
「そうなんだ。それならいつか行って見た方がいいよ。最近新しく魚が追加されたり、ペンギンショーやイルカショーも新しくなったみたいだから」
「九条は行ったのか?」
「ううん。でも、近いうちには行きたいかな」
「そうか」
ちょうどよく会話に一区切りがついたところで学校中にチャイムが鳴り響いた。
「……ごめんね、手塚君。喋ってばかりでアイデアに集中出来なかったよね?」
「いや、そんなことはない。お前と話すことで得られるものも多かった。むしろ九条の方が集中出来なかったのではないか?」
「私もそんなことないよ。それにこうしてゆっくり手塚君と話す機会もないから楽しかったしね」
にっこり笑いかける九条。それだけで目が離せなくなる。
彼女がいるだけで俺の心が安らぐということを彼女は知らないだろう。……知れば、九条は一体どんな反応をしてくれるのだろうか。