自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.6 上の上で上々だい! データなんて外れろやい!
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先生に最後のテストの結果を記入してもらい「お疲れ」という言葉をもらった。
全テストも受け終わったし、今からテニス部員達のスポーツテスト結果を見て回りデータに残すとしようか。
そう思って最初に見つけたのはテニス部員ではなかったが、データを取りたいと思う相手でもあった。
西成遥。
1年の頃同じクラスであったという繋がりだ。友人と呼ぶには深くなく、ただの元クラスメイトと呼ぶには浅くない。そんな関係だろうか。
声をかけようかと思ったが、どうやら彼女は熱心に何かを見ているようだ。
スポーツテスト結果の紙をぎゅっと両手で握って顔の下半分を隠し、見つめる彼女の視線の先には大石の姿があった。思わず「あぁ、なるほど」と呟く。
顔を赤くしながら大石を見ては時折用紙で顔を全て覆う。そして再び顔を覗かせると、一歩ずつ前に進むが、すぐにまた下がってしまう。三歩進んで二歩下がる、といったところだ。
俺の類い稀なる観察力によれば、恐らくあれは大石に話しかけようと思ったが恥ずかしくてなかなか行けない、ということか。
そして大石へと目を向けると西成が後ろに下がった本当の理由が分かった。大石が手塚に話しかけたからだ。何せ西成が手塚を苦手だというのはとっくに知っている。
再び彼女へと視線を戻すと手塚に取られたと思ったのだろうか、悔しそうに地団駄を踏んでいた。あんなにすぐ表情をころころと変えるとは本当に見ていて飽きない奴だ。
西成が大石へと好意を寄せているというのは今までの行動で予想していたが、目の前で繰り広げられる光景を見て確信した。
きっかけはきっと新聞部の取材を申し込もうと大石に交渉した時だろう。
俺も西成に手塚を説得するように頼まれたが成功する確率は45%だと弾き出したため、断りを入れた。
一応確率を上げてやろうと試行錯誤したが……まぁ、無駄に終わったわけだがな。
とりあえず一通り様子も見たところだし話しかけてみるとしよう。
「やぁ、西成」
「うおっ! 乾っ!?」
「なんだ、その驚きようは」
「べ、別に驚いてないやいっ」
「そうか? てっきり俺は意中の相手を見続けているところに俺が声をかけたから驚いたのだと思ったのだがな」
「ななな! そんなわけなかろう! 何を言ってるんだね君は! あ、あたしがそんなことしてるわけないじゃないかっ」
本当に分かりやすい奴だ。笑いそうで困る。それにしてもこれならば他の連中が気付くのも時間の問題だろうな。
「そんなことよりも西成、テスト結果を見せてくれないか?」
「えー? データ取るの?」
「データを取るまでもない。俺の予想が当たっているかの確認だ。中の下といったところかな」
「上の上で上々だい! データなんて外れろやい!」
バシッと投げつけられる用紙。しわくちゃになっているそれを見ると思わず「ほぅ」と声が漏れた。
「シャトルランや50m走が去年より思いの外上がっているな」
「素直にいい結果が出たと認めたまえ! まぁ、去年は麻美を追いかけ回ったりしたからその成果かもね」
ふふんと鼻を鳴らすような態度を取る西成を軽く流しながら彼女のテスト結果を頭に叩き入れる。そしてテスト結果用紙を西成に返した。
「とりあえずお礼は言っておこう、ありがとう」
「とりあえずは余計だいっ!」
荒々しく奪うように用紙を受け取る彼女にお節介ながらも俺は西成に助言を与えることにした。
「あとひとつ言っておくが、見ているだけでは恋は成就しないぞ。行動しないと意味をなさないからな」
「う、ううううるさいやい! 余計なお世話だよ!」
顔を赤くしながら怒鳴りつけられるも俺は何事もなかったかのようにその場を立ち去った。
全テストも受け終わったし、今からテニス部員達のスポーツテスト結果を見て回りデータに残すとしようか。
そう思って最初に見つけたのはテニス部員ではなかったが、データを取りたいと思う相手でもあった。
西成遥。
1年の頃同じクラスであったという繋がりだ。友人と呼ぶには深くなく、ただの元クラスメイトと呼ぶには浅くない。そんな関係だろうか。
声をかけようかと思ったが、どうやら彼女は熱心に何かを見ているようだ。
スポーツテスト結果の紙をぎゅっと両手で握って顔の下半分を隠し、見つめる彼女の視線の先には大石の姿があった。思わず「あぁ、なるほど」と呟く。
顔を赤くしながら大石を見ては時折用紙で顔を全て覆う。そして再び顔を覗かせると、一歩ずつ前に進むが、すぐにまた下がってしまう。三歩進んで二歩下がる、といったところだ。
俺の類い稀なる観察力によれば、恐らくあれは大石に話しかけようと思ったが恥ずかしくてなかなか行けない、ということか。
そして大石へと目を向けると西成が後ろに下がった本当の理由が分かった。大石が手塚に話しかけたからだ。何せ西成が手塚を苦手だというのはとっくに知っている。
再び彼女へと視線を戻すと手塚に取られたと思ったのだろうか、悔しそうに地団駄を踏んでいた。あんなにすぐ表情をころころと変えるとは本当に見ていて飽きない奴だ。
西成が大石へと好意を寄せているというのは今までの行動で予想していたが、目の前で繰り広げられる光景を見て確信した。
きっかけはきっと新聞部の取材を申し込もうと大石に交渉した時だろう。
俺も西成に手塚を説得するように頼まれたが成功する確率は45%だと弾き出したため、断りを入れた。
一応確率を上げてやろうと試行錯誤したが……まぁ、無駄に終わったわけだがな。
とりあえず一通り様子も見たところだし話しかけてみるとしよう。
「やぁ、西成」
「うおっ! 乾っ!?」
「なんだ、その驚きようは」
「べ、別に驚いてないやいっ」
「そうか? てっきり俺は意中の相手を見続けているところに俺が声をかけたから驚いたのだと思ったのだがな」
「ななな! そんなわけなかろう! 何を言ってるんだね君は! あ、あたしがそんなことしてるわけないじゃないかっ」
本当に分かりやすい奴だ。笑いそうで困る。それにしてもこれならば他の連中が気付くのも時間の問題だろうな。
「そんなことよりも西成、テスト結果を見せてくれないか?」
「えー? データ取るの?」
「データを取るまでもない。俺の予想が当たっているかの確認だ。中の下といったところかな」
「上の上で上々だい! データなんて外れろやい!」
バシッと投げつけられる用紙。しわくちゃになっているそれを見ると思わず「ほぅ」と声が漏れた。
「シャトルランや50m走が去年より思いの外上がっているな」
「素直にいい結果が出たと認めたまえ! まぁ、去年は麻美を追いかけ回ったりしたからその成果かもね」
ふふんと鼻を鳴らすような態度を取る西成を軽く流しながら彼女のテスト結果を頭に叩き入れる。そしてテスト結果用紙を西成に返した。
「とりあえずお礼は言っておこう、ありがとう」
「とりあえずは余計だいっ!」
荒々しく奪うように用紙を受け取る彼女にお節介ながらも俺は西成に助言を与えることにした。
「あとひとつ言っておくが、見ているだけでは恋は成就しないぞ。行動しないと意味をなさないからな」
「う、ううううるさいやい! 余計なお世話だよ!」
顔を赤くしながら怒鳴りつけられるも俺は何事もなかったかのようにその場を立ち去った。