自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.5 実力があったからレギュラーになれたんだもの
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「よし」
朝一番に部室の鍵を開けて一番乗りで着替え始めた。洗濯されたばかりのレギュラー専用のジャージに袖を通し、前を閉めて着替えを完了させる。そこまでが大石秀一郎のいつもの朝の時間であった。
コンコン。
そこへ部室をノックする音が聞こえた。静かな部室にはよく響いたので気のせいではないとすぐに判断し、扉に目を向ける。
扉のすぐ横に窓があるが微かに人影が見える程度で誰だかを判別するには難しく、部員であればわざわざノックをすることはないので大石は不思議に思い、扉に近付くとドアノブを回してゆっくりと開けた。
「……はい?」
「今日から男子テニス部で練習をすることになった赤宮麻美だ」
目の前に立つ少女の姿は既に青学テニス部女子ウェアに着替えてテニスバッグを担いでる。少女の名を聞くと大石は「あぁっ」と声を上げた。
「君が赤宮さんだね、ミクスド大会青学代表の一人として男子テニス部での練習に参加するって話は聞いてるよ。あ、俺は副部長の大石秀一郎。何か分からないことがあれば何でも聞いてくれ」
「あぁ」
「それにしても早いなぁ。まだ俺以外のメンバーは来てないんだ。悪いけど練習が始まるにはもう少し時間がかかるんだけど……」
「自主練するから頃合いを見てからまた来る」
「そうかい? じゃあまたあとで」
「ん」
こくりと頷くと麻美はテニスバッグを担いだまま部室に背を向け、男子テニス部のコートとは別の場所で自主練習をするのかテニス部の敷地から出て行った。大石は黙ったまま彼女の後ろ姿を見つめる。
(……随分とクールな子だな)
どこか手塚に似てるなとも思った。無表情にも見えたが、もしかして男子テニス部で練習するので慣れない環境ということもあり緊張しているのかもしれないと考える。
(もし、仮にそうだとしたら俺がしっかりと彼女達の緊張を解してやらないと。ただでさえ手塚は表情が硬いから怖がらせてしまったり萎縮させたりするかもしれない。あぁ、あと桃と海堂の喧嘩にも気をつけなければ。女子達が巻き込まれて怪我でもしたら一大事だし、女子テニス部の皆さんにも申し訳なくなるし……)
最初は軽い気持ちで考えていたが、あれやこれやと起こるかもしれないことを心配し始めた大石は一気に肩が重くなり胃痛も感じた。
「いやいや、いかんぞ秀一郎。悪いことばかり考えるのは良くない……」
「大石~! おっはよ~ん!」
「うわぁ!?」
マイナスなことを考えるのはやめようとした矢先、菊丸が部室の扉を勢いよく開けて挨拶をしたため、大石は驚きの声を上げた。
「え、英二かっ? お、おはよう」
「そんな驚くこと~? ふっつーに登校しただけなのに。なーんか考え事でもした?」
「そうだな……ちょっと深く考えすぎてたみたいで……」
「一体何考えてたのさ」
「いやぁ……さっき赤宮さんが挨拶に来たんだけど、うちって結構騒がしそうだから萎縮したりしないか心配になっちゃって」
「……いや、それは大丈夫だって。少なくとも麻美に関しては問題なし。むしろこっちの方が萎縮しちゃうもんね」
「英二、赤宮さんと親しいのかい?」
大石が純粋にそう問いかけたので菊丸は返事に悩む。
親しいと言えば親しいのか。いや、同じクラスのよしみというべき? そもそも麻美にとってはそういう目で見ていない気もするしなぁ、とあれこれ考えながら彼は答えた。
「まぁ……それなりに?」
なんで疑問形なんだ? と思いながらも仲が悪いわけじゃないなら何かあれば英二に頼ろうと大石は考えた。もちろん菊丸は相方がそんなことを思っているとも知らずに。
朝一番に部室の鍵を開けて一番乗りで着替え始めた。洗濯されたばかりのレギュラー専用のジャージに袖を通し、前を閉めて着替えを完了させる。そこまでが大石秀一郎のいつもの朝の時間であった。
コンコン。
そこへ部室をノックする音が聞こえた。静かな部室にはよく響いたので気のせいではないとすぐに判断し、扉に目を向ける。
扉のすぐ横に窓があるが微かに人影が見える程度で誰だかを判別するには難しく、部員であればわざわざノックをすることはないので大石は不思議に思い、扉に近付くとドアノブを回してゆっくりと開けた。
「……はい?」
「今日から男子テニス部で練習をすることになった赤宮麻美だ」
目の前に立つ少女の姿は既に青学テニス部女子ウェアに着替えてテニスバッグを担いでる。少女の名を聞くと大石は「あぁっ」と声を上げた。
「君が赤宮さんだね、ミクスド大会青学代表の一人として男子テニス部での練習に参加するって話は聞いてるよ。あ、俺は副部長の大石秀一郎。何か分からないことがあれば何でも聞いてくれ」
「あぁ」
「それにしても早いなぁ。まだ俺以外のメンバーは来てないんだ。悪いけど練習が始まるにはもう少し時間がかかるんだけど……」
「自主練するから頃合いを見てからまた来る」
「そうかい? じゃあまたあとで」
「ん」
こくりと頷くと麻美はテニスバッグを担いだまま部室に背を向け、男子テニス部のコートとは別の場所で自主練習をするのかテニス部の敷地から出て行った。大石は黙ったまま彼女の後ろ姿を見つめる。
(……随分とクールな子だな)
どこか手塚に似てるなとも思った。無表情にも見えたが、もしかして男子テニス部で練習するので慣れない環境ということもあり緊張しているのかもしれないと考える。
(もし、仮にそうだとしたら俺がしっかりと彼女達の緊張を解してやらないと。ただでさえ手塚は表情が硬いから怖がらせてしまったり萎縮させたりするかもしれない。あぁ、あと桃と海堂の喧嘩にも気をつけなければ。女子達が巻き込まれて怪我でもしたら一大事だし、女子テニス部の皆さんにも申し訳なくなるし……)
最初は軽い気持ちで考えていたが、あれやこれやと起こるかもしれないことを心配し始めた大石は一気に肩が重くなり胃痛も感じた。
「いやいや、いかんぞ秀一郎。悪いことばかり考えるのは良くない……」
「大石~! おっはよ~ん!」
「うわぁ!?」
マイナスなことを考えるのはやめようとした矢先、菊丸が部室の扉を勢いよく開けて挨拶をしたため、大石は驚きの声を上げた。
「え、英二かっ? お、おはよう」
「そんな驚くこと~? ふっつーに登校しただけなのに。なーんか考え事でもした?」
「そうだな……ちょっと深く考えすぎてたみたいで……」
「一体何考えてたのさ」
「いやぁ……さっき赤宮さんが挨拶に来たんだけど、うちって結構騒がしそうだから萎縮したりしないか心配になっちゃって」
「……いや、それは大丈夫だって。少なくとも麻美に関しては問題なし。むしろこっちの方が萎縮しちゃうもんね」
「英二、赤宮さんと親しいのかい?」
大石が純粋にそう問いかけたので菊丸は返事に悩む。
親しいと言えば親しいのか。いや、同じクラスのよしみというべき? そもそも麻美にとってはそういう目で見ていない気もするしなぁ、とあれこれ考えながら彼は答えた。
「まぁ……それなりに?」
なんで疑問形なんだ? と思いながらも仲が悪いわけじゃないなら何かあれば英二に頼ろうと大石は考えた。もちろん菊丸は相方がそんなことを思っているとも知らずに。