自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.4 私だってシングルスプレイヤーだ
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「998……999……1000!」
既に下校時間を過ぎ、女子テニス部コートには麻美がたった一人でとラケットを振っていた。
そして目標の1000回を越えると麻美は大きく息を吐き捨てその場に座り込む。
「……はぁっ」
荒い息を整えながらリストバンドで額の汗を拭い、沈みかける夕日に目を向ける。
「まーだやってんの? 下校時間はとっくに過ぎてんぞー」
たった一人の空間だと思っていた麻美の視界に同級生が映った。
夕日をバックにして現れた菊丸はテニスバッグを背負いながら手を腰に当てる。
「……そっちこそ……何してんだよ」
「俺はその~……宿題のプリントを忘れてたから取りに行ってて……って、俺のことはどうでもいいんだってば! 早く帰んないと先生に見つかって怒られっぞ」
「言われなくとも分かってる」
素振りを1000回終わらせたので麻美も帰るつもりでいた。
だが、疲れきった身体はなかなか動けず、まだ息も落ち着いてはいないのですぐには帰れない。
菊丸はこのまま彼女を置いて行くのに気が引けたのか、麻美が帰るまで何か話をしようと顎に手を当てて考えると、コミュニケーション力の高い彼はすぐに話題を思いついた。
「そういや聞いたぞ~。麻美、ミクスドの大会に出るんだって?」
「不本意だがな。その代わり男テニで練習が出来る」
「ペアは誰がいいとか考えてんの?」
「いや。だが、手塚がいいだろうな。強いらしいし」
「麻美、ダブルスを甘くみちゃ駄目だかんね。いくら強い相手と組んだからってダブルスも強くなるとは限らないよん」
チッチッチッ、と人差し指を振りながら舌を打つ菊丸に麻美の眉間に皺が寄った。
「ダブルスってのは相手と意志が通じ合わなきゃ駄目なんだよね。それに手塚はシングルスプレイヤーだしさ」
「私だってシングルスプレイヤーだ」
「でも引き受けたじゃん」
「仕方なくだ」
「そんじゃあ俺がペア組んであげよっか? 何てったって黄金ペアと呼ばれる菊丸様だからねん」
ふふん、と自慢気に自分の胸をドンと叩く菊丸を見て麻美は溜め息を吐き出した。
「上手くいく気がしないし、私はあんたのフォロー役はまっぴらごめんだ」
少し休んだおかげで息も落ち着いたのか、麻美はラケットをバッグにしまいこむとそれを肩に背負い、ゆっくりと立ち上がる。
そして「じゃあな」とだけ告げるとそのまま菊丸の横を通り過ぎ帰って行った。
「にゃんだよ、付き合いの悪ぃ奴ー」
残された菊丸は不服そうに唇を尖らせたのであった。
既に下校時間を過ぎ、女子テニス部コートには麻美がたった一人でとラケットを振っていた。
そして目標の1000回を越えると麻美は大きく息を吐き捨てその場に座り込む。
「……はぁっ」
荒い息を整えながらリストバンドで額の汗を拭い、沈みかける夕日に目を向ける。
「まーだやってんの? 下校時間はとっくに過ぎてんぞー」
たった一人の空間だと思っていた麻美の視界に同級生が映った。
夕日をバックにして現れた菊丸はテニスバッグを背負いながら手を腰に当てる。
「……そっちこそ……何してんだよ」
「俺はその~……宿題のプリントを忘れてたから取りに行ってて……って、俺のことはどうでもいいんだってば! 早く帰んないと先生に見つかって怒られっぞ」
「言われなくとも分かってる」
素振りを1000回終わらせたので麻美も帰るつもりでいた。
だが、疲れきった身体はなかなか動けず、まだ息も落ち着いてはいないのですぐには帰れない。
菊丸はこのまま彼女を置いて行くのに気が引けたのか、麻美が帰るまで何か話をしようと顎に手を当てて考えると、コミュニケーション力の高い彼はすぐに話題を思いついた。
「そういや聞いたぞ~。麻美、ミクスドの大会に出るんだって?」
「不本意だがな。その代わり男テニで練習が出来る」
「ペアは誰がいいとか考えてんの?」
「いや。だが、手塚がいいだろうな。強いらしいし」
「麻美、ダブルスを甘くみちゃ駄目だかんね。いくら強い相手と組んだからってダブルスも強くなるとは限らないよん」
チッチッチッ、と人差し指を振りながら舌を打つ菊丸に麻美の眉間に皺が寄った。
「ダブルスってのは相手と意志が通じ合わなきゃ駄目なんだよね。それに手塚はシングルスプレイヤーだしさ」
「私だってシングルスプレイヤーだ」
「でも引き受けたじゃん」
「仕方なくだ」
「そんじゃあ俺がペア組んであげよっか? 何てったって黄金ペアと呼ばれる菊丸様だからねん」
ふふん、と自慢気に自分の胸をドンと叩く菊丸を見て麻美は溜め息を吐き出した。
「上手くいく気がしないし、私はあんたのフォロー役はまっぴらごめんだ」
少し休んだおかげで息も落ち着いたのか、麻美はラケットをバッグにしまいこむとそれを肩に背負い、ゆっくりと立ち上がる。
そして「じゃあな」とだけ告げるとそのまま菊丸の横を通り過ぎ帰って行った。
「にゃんだよ、付き合いの悪ぃ奴ー」
残された菊丸は不服そうに唇を尖らせたのであった。