自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.4 私だってシングルスプレイヤーだ
主人公名前変換
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「よしっ」
吹奏楽部の朝練終了後の恒例となったゴミ捨てを終えた私は手をパンパンと叩きながら一息吐く。
土曜日、日曜日の朝練も同じことを繰り返してたなとぼんやり思い出しながら今日で仮入部六日目だということに気付いた。
「今回も駄目なのかな……」
吹奏楽部も今まで体験した部活と同じように強く惹かれるものが感じられないままだった。
フルートを吹くのが楽しくないわけじゃない。だけど、やっぱり私の求めてるものと違うなって感じる。
麻美は1年生の時からテニス部に入部して続いているというのに私にはやりたいことすら見つからない。
このままじゃ駄目なのに、早く見つけなきゃいけないのに、一体何をすればいいんだろう。
「……はぁ」
「溜め息なんてついてどうしたの?」
ふいに声をかけられた私は慌てて後ろを振り向くと、そこには不二君の姿があった。
確か今は麻美と一緒の3年6組でいつも優しく微笑みかけるので王子様みたいだって女子に人気のある人物。とは言ってもこうして話すのは初めてだった。
「あ、いえ、ちょっと悩み事があって……」
「そうなんだ。早く解決するといいね」
「うん……。そういえば不二君はどうしてここに?」
ここはゴミ捨て場しかないためあまり人が通るような場所でもない。それなのにどうして彼はいるのだろう。
海堂君みたいに仔猫を探してるのかなと思っていたが、よく見てみると不二君は小さなゴミ袋を手にしていた。
「部室にゴミが溜まっててね、捨てに来たんだ。九条さんもだよね?」
「うん。……って、あれ? 私の名前知ってるの?」
確か話すのは初めてのはず。有名人である不二君のことは一方的に知っていたけど不二君が私のことを知っていることに驚いた。すると彼は「もちろん」と当たり前のように答える。
「生徒会メンバーの書記を務めてるよね? 僕だって知ってるよ」
生徒会といえば生徒会長の手塚君が一番有名なのに、あまり目立たない書記である私のことも知っているなんて不二君は凄いな。
おそらく生徒会メンバーを全員知っている人は少ないはずだ。それだけ手塚君が目立つ存在ということなんだけどね。同じ生徒会の一人としては誇らしいことである。
「それに手塚のお気に入りの子みたいだからね」
「え? お気に入りって?」
「そのままの意味だよ。それじゃあね、九条さん」
ゴミ袋をゴミ捨て場に置くと不二君は始終微笑んだまま意味深な言葉を残して私の前から去って行く。一人残った私は彼の言葉の真意を考える。
「……お気に入り?」
あんなふうに言うってことは手塚君が私のことを不二君に何か言ったのかもしれない。
もしかして書記として認めてくれてるのだろうか? 思い上がった考え方かも知れないけどそれなら嬉しいし、手塚君の役に立ててるならもっと頑張りたいな。
少し機嫌が良くなった私は一人で小さく笑った。もっと真面目な彼のために出来ることや手伝えることを探そうと誓って。
吹奏楽部の朝練終了後の恒例となったゴミ捨てを終えた私は手をパンパンと叩きながら一息吐く。
土曜日、日曜日の朝練も同じことを繰り返してたなとぼんやり思い出しながら今日で仮入部六日目だということに気付いた。
「今回も駄目なのかな……」
吹奏楽部も今まで体験した部活と同じように強く惹かれるものが感じられないままだった。
フルートを吹くのが楽しくないわけじゃない。だけど、やっぱり私の求めてるものと違うなって感じる。
麻美は1年生の時からテニス部に入部して続いているというのに私にはやりたいことすら見つからない。
このままじゃ駄目なのに、早く見つけなきゃいけないのに、一体何をすればいいんだろう。
「……はぁ」
「溜め息なんてついてどうしたの?」
ふいに声をかけられた私は慌てて後ろを振り向くと、そこには不二君の姿があった。
確か今は麻美と一緒の3年6組でいつも優しく微笑みかけるので王子様みたいだって女子に人気のある人物。とは言ってもこうして話すのは初めてだった。
「あ、いえ、ちょっと悩み事があって……」
「そうなんだ。早く解決するといいね」
「うん……。そういえば不二君はどうしてここに?」
ここはゴミ捨て場しかないためあまり人が通るような場所でもない。それなのにどうして彼はいるのだろう。
海堂君みたいに仔猫を探してるのかなと思っていたが、よく見てみると不二君は小さなゴミ袋を手にしていた。
「部室にゴミが溜まっててね、捨てに来たんだ。九条さんもだよね?」
「うん。……って、あれ? 私の名前知ってるの?」
確か話すのは初めてのはず。有名人である不二君のことは一方的に知っていたけど不二君が私のことを知っていることに驚いた。すると彼は「もちろん」と当たり前のように答える。
「生徒会メンバーの書記を務めてるよね? 僕だって知ってるよ」
生徒会といえば生徒会長の手塚君が一番有名なのに、あまり目立たない書記である私のことも知っているなんて不二君は凄いな。
おそらく生徒会メンバーを全員知っている人は少ないはずだ。それだけ手塚君が目立つ存在ということなんだけどね。同じ生徒会の一人としては誇らしいことである。
「それに手塚のお気に入りの子みたいだからね」
「え? お気に入りって?」
「そのままの意味だよ。それじゃあね、九条さん」
ゴミ袋をゴミ捨て場に置くと不二君は始終微笑んだまま意味深な言葉を残して私の前から去って行く。一人残った私は彼の言葉の真意を考える。
「……お気に入り?」
あんなふうに言うってことは手塚君が私のことを不二君に何か言ったのかもしれない。
もしかして書記として認めてくれてるのだろうか? 思い上がった考え方かも知れないけどそれなら嬉しいし、手塚君の役に立ててるならもっと頑張りたいな。
少し機嫌が良くなった私は一人で小さく笑った。もっと真面目な彼のために出来ることや手伝えることを探そうと誓って。