自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.3 困ってる人がいたら助けるものだろ?
主人公名前変換
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(……眠い)
昨日は何時まで練習メニューをこなしたか分からないが、眠った時間は少ないということくらいに麻美は理解していた。
だから1限目の授業が始まるギリギリまで寝たがそれだけでは物足りない。さすがに授業中に寝るなんて学業を励む学生としては許されない行為であるから居眠りなんてしなかった。
そして昼休み。麻美は欠伸を噛み締めながら購買部へと向かう。昼飯を調達するためだ。
基本的に弁当派でも購買派でもある彼女はその日に弁当が用意されてなければ購買で昼ご飯の調達をする。
麻美自身としてはどっちでも構わないし、特にこだわりもないので問題はなかった。
本当はこの時間を使って寝ていたかったが、正直な身体は睡眠欲と食欲を要求してるのでとりあえず今は昼飯を済ませ、一分一秒でも早く仮眠を取ることだ。
そのため、購買部に辿り着くため自然と早足になる。
「……いつも戦場だな、ここは」
これでも早めに購買部へと辿り着いた彼女の前には沢山の生徒が群がっていた。
昼の購買部は謂わば昼飯の争奪戦。ほぼ男子で埋め尽くされるため、昼休み始まってすぐは女子が購買で買うことは少ない。
予めコンビニなどで調達するのか、ほとぼりが冷めた頃に買いに行くかのほとんどだ。だが、麻美にとっては大したことはない。争奪“戦”と聞いたら闘争心に火がつき、腕が鳴るからだ。
「行くか」
手をボキボキ鳴らして戦いの準備を始めると麻美は人混みの中を掻き分けた。
ただ進むだけでは意味がない。男子達も彼女の目的は購買の食料だ。そう簡単に前進出来れば苦労はしない。
だから麻美は時折しゃがみながら進んだり、上手く隙間を見つけてはそこに割って入ったりと少しずつ前進していく。
そしてようやく品物が陳列されている場所まで辿り着いた彼女は玉子サンド、メロンパンを手にしたあと人気商品のひとつである焼きそばパンにも目を向けた。
(……残りひとつ。いける!)
よし! と思い手を伸ばし掴むが、ほぼ同時に別の誰かもその焼きそばパンを掴んでいた。
(一体誰だよっ)
暫くしたらまた焼きそばパンは補充されるであろうがこっちは急いでるんだ。そのためこの焼きそばパンを諦めることは出来ないので、同じ獲物を狙った相手に睨み付けようと隣の野郎をキッと睨んだ。
「あ……れ? 赤宮、先輩?」
その人物は昨日テニス部にいた桃城武だった。
「あ? あんた確か昨日の……」
って、こんな所で話し込んでる場合じゃない。麻美にとってこうして胃る時間すら勿体ないし、後ろからも別の生徒達がぐいぐいと押してくる。
早くここから抜け出したい麻美だったが、それは桃城も一緒の気持ちであった。
「あー……とりあえず半分こで手を打ちませんか?」
「それでいい」
食えないよりかはマシだ。そう思い、とにかく戦場を抜け出すために麻美は口早に決断する。
そして二人は屋上で昼食を共にすることにした。
「いやー、びっくりッスよ。んぐんぐ……。あんな中に赤宮先輩がいたなんて」
半分に千切った焼きそばパンを大きな口で頬張りながら話す桃城だが、麻美はまだ相手の名前すら知らなかった。
「……」
「それにしてもやっぱ焼きそばパンはウメェな、ウメェよ」
あまりにも豪快に、そして美味しそうに食べる姿を見て麻美は誰かと重なる気がした。
「……名前」
「ふぁい?」
今度はカレーパンを食べ始める桃城に食うの早すぎるだろと心の中で呟く。
もしこの場に秋がいたら、もう少しよく噛んで食べてと小言を口にするかもしれない。
「あんたの名前、知らないんだけど」
「あ、あー……そういや、言ってませんでしたね。俺、2年の桃城ッス。桃城武」
「そうか、桃城か」
「ウィッス」
桃城の名前を覚えた麻美は買ったばかりのパンをようやく口にした。
暫くは昼食を取ることに集中するが、桃城が一方的に話しかけてくるので彼の話を適当に聞き流しながら空腹を満たしていく。
そして後に彼女気付いた。桃城の曇りのない笑顔や先ほどの食いっぷりなどはどこか遥に似ていた。
だからか、と彼女の中で納得する。遥に似ているから知り合って間もない下級生の男子と共に昼飯を食うことが出来たのだと。
何となく理由が分かった頃には全てのパンを食べ終え、大きな欠伸をした麻美に睡魔が襲いかかる。
「桃城。私は今から寝るからチャイムが鳴る2分前に起こせ」
「えっ? ね、寝るっ!?」
「あぁ、だから起こすな」
そう告げると麻美は寝転がり目を閉じる。そしてあっという間に彼女は寝付いたのだった。
暖かい太陽の光とまだ少し冷たい空気がちょうど良く感じる。
そんな麻美の様子に桃城は「この人、マジで寝た……」と呟く。
昨日は何時まで練習メニューをこなしたか分からないが、眠った時間は少ないということくらいに麻美は理解していた。
だから1限目の授業が始まるギリギリまで寝たがそれだけでは物足りない。さすがに授業中に寝るなんて学業を励む学生としては許されない行為であるから居眠りなんてしなかった。
そして昼休み。麻美は欠伸を噛み締めながら購買部へと向かう。昼飯を調達するためだ。
基本的に弁当派でも購買派でもある彼女はその日に弁当が用意されてなければ購買で昼ご飯の調達をする。
麻美自身としてはどっちでも構わないし、特にこだわりもないので問題はなかった。
本当はこの時間を使って寝ていたかったが、正直な身体は睡眠欲と食欲を要求してるのでとりあえず今は昼飯を済ませ、一分一秒でも早く仮眠を取ることだ。
そのため、購買部に辿り着くため自然と早足になる。
「……いつも戦場だな、ここは」
これでも早めに購買部へと辿り着いた彼女の前には沢山の生徒が群がっていた。
昼の購買部は謂わば昼飯の争奪戦。ほぼ男子で埋め尽くされるため、昼休み始まってすぐは女子が購買で買うことは少ない。
予めコンビニなどで調達するのか、ほとぼりが冷めた頃に買いに行くかのほとんどだ。だが、麻美にとっては大したことはない。争奪“戦”と聞いたら闘争心に火がつき、腕が鳴るからだ。
「行くか」
手をボキボキ鳴らして戦いの準備を始めると麻美は人混みの中を掻き分けた。
ただ進むだけでは意味がない。男子達も彼女の目的は購買の食料だ。そう簡単に前進出来れば苦労はしない。
だから麻美は時折しゃがみながら進んだり、上手く隙間を見つけてはそこに割って入ったりと少しずつ前進していく。
そしてようやく品物が陳列されている場所まで辿り着いた彼女は玉子サンド、メロンパンを手にしたあと人気商品のひとつである焼きそばパンにも目を向けた。
(……残りひとつ。いける!)
よし! と思い手を伸ばし掴むが、ほぼ同時に別の誰かもその焼きそばパンを掴んでいた。
(一体誰だよっ)
暫くしたらまた焼きそばパンは補充されるであろうがこっちは急いでるんだ。そのためこの焼きそばパンを諦めることは出来ないので、同じ獲物を狙った相手に睨み付けようと隣の野郎をキッと睨んだ。
「あ……れ? 赤宮、先輩?」
その人物は昨日テニス部にいた桃城武だった。
「あ? あんた確か昨日の……」
って、こんな所で話し込んでる場合じゃない。麻美にとってこうして胃る時間すら勿体ないし、後ろからも別の生徒達がぐいぐいと押してくる。
早くここから抜け出したい麻美だったが、それは桃城も一緒の気持ちであった。
「あー……とりあえず半分こで手を打ちませんか?」
「それでいい」
食えないよりかはマシだ。そう思い、とにかく戦場を抜け出すために麻美は口早に決断する。
そして二人は屋上で昼食を共にすることにした。
「いやー、びっくりッスよ。んぐんぐ……。あんな中に赤宮先輩がいたなんて」
半分に千切った焼きそばパンを大きな口で頬張りながら話す桃城だが、麻美はまだ相手の名前すら知らなかった。
「……」
「それにしてもやっぱ焼きそばパンはウメェな、ウメェよ」
あまりにも豪快に、そして美味しそうに食べる姿を見て麻美は誰かと重なる気がした。
「……名前」
「ふぁい?」
今度はカレーパンを食べ始める桃城に食うの早すぎるだろと心の中で呟く。
もしこの場に秋がいたら、もう少しよく噛んで食べてと小言を口にするかもしれない。
「あんたの名前、知らないんだけど」
「あ、あー……そういや、言ってませんでしたね。俺、2年の桃城ッス。桃城武」
「そうか、桃城か」
「ウィッス」
桃城の名前を覚えた麻美は買ったばかりのパンをようやく口にした。
暫くは昼食を取ることに集中するが、桃城が一方的に話しかけてくるので彼の話を適当に聞き流しながら空腹を満たしていく。
そして後に彼女気付いた。桃城の曇りのない笑顔や先ほどの食いっぷりなどはどこか遥に似ていた。
だからか、と彼女の中で納得する。遥に似ているから知り合って間もない下級生の男子と共に昼飯を食うことが出来たのだと。
何となく理由が分かった頃には全てのパンを食べ終え、大きな欠伸をした麻美に睡魔が襲いかかる。
「桃城。私は今から寝るからチャイムが鳴る2分前に起こせ」
「えっ? ね、寝るっ!?」
「あぁ、だから起こすな」
そう告げると麻美は寝転がり目を閉じる。そしてあっという間に彼女は寝付いたのだった。
暖かい太陽の光とまだ少し冷たい空気がちょうど良く感じる。
そんな麻美の様子に桃城は「この人、マジで寝た……」と呟く。