自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.3 困ってる人がいたら助けるものだろ?
主人公名前変換
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「うぐぐ……。なんだよなんだよー。部長だからって偉そうにさー」
ぶつぶつと文句言う遥は昼休みの時間を使って図書室の本棚を見つめた。
彼女は先ほど新聞部部長から“男子テニス部取材担当”に無理矢理任命されてしまい、まずはテニスのルールをしっかりと覚えろと命令されて図書室へと足を運んで来たのである。
勉強、と思うと気が滅入ってしまうがこのまま遊び呆けてしまうとまた新聞部所属の危機に関わるので彼女は嫌々渋々といった表情で本棚からテニスに関する書物を探した。
「……はぁ。それにしても色々とあるなぁ」
ざっと見ただけでも十数冊。一冊あればいいと思っていた遥にとってはどの本を見たらいいのか分からない。
しかもどの本もギリギリ彼女には届かない場所に置いてあるため遥は腕を組み、悩んだ。
「椅子を取って来るのは面倒だし、頑張って取ってみよっか」
そうしようと決めた遥は踵を浮かせ爪先立ちをして本へと手を伸ばす。
何とか背表紙の下部分には届くもののそれを引きずり出すのは至難の技であった。
みっちり本が収納されているため僅かな隙間もない。頑張って本と本の間に指を入れようとしてもなかなか入ってはくれず「うーっ」と唸る。
すると彼女が取ろうとした本を後ろから自分とは違う他の者の手によってすんなりと引き抜かれた。
自分が届かなかった本を易々と取ったのは誰なのかと遥は後ろを振り向くとそこには眼鏡をキラリと光らせる長身の男が立っていた。
「欲しかった本はこれかい?」
「乾っ」
本を取ってくれたのが知り合いだったことに少し驚きを見せつつも差し出された本を彼女は受け取った。
「ありがとー。助かっちゃったよ」
「あぁ。それにしても珍しいこともあるものだ。西成が図書室にいるなんて。しかもそれはテニスの本じゃないか。頭でも打ってしまったか?」
笑みを微かに含めながら明らかに失礼な発言をする乾に遥は目に見えて不機嫌そうに頬を膨らませる。
「相変わらず失礼なこと言うなぁ。あたしだってやむを得ずに調べ物くらいするんだよ」
「そうか。それならばまた新しくデータを更新しておかないとな」
「別にいいですよーっだ」
つーん、と乾から顔を背けると遥は本を抱えたまま受付へと向かった。そんな彼女に続き乾も受付へと向かう。
「なんで付いて来るのさ」
「俺も借りるからだよ」
そう言う乾の手には二冊の分厚い本が抱えられていた。
むぅ、としながらも遥は受付に座る図書委員に本を差し出す。
「この本を借りたいでっす」
「……あ。あんたは昨日の……」
どうやら相手は遥のこと知っているようだ。
彼女も目の前の下級生と思われる少年に見覚えがあるらしく記憶を掘り起こすと、後ろの乾が先に声をかけた。
「おや? 越前じゃないか。そういえば図書委員だったね、今日は担当日かい?」
「乾先輩……チィーッス。まぁ、そんなとこッス」
「……ああっ! 君は昨日テニス部の練習に遅れて来た少年!」
「遅れたんじゃなくって委員だったって言ってるじゃん。不法侵入先輩」
「あああああたしそんな名前じゃないもん! ちゃんと西成遥って名前が「図書室では静かにお願いしますよ、先輩」
「うぐぐっ」
生意気なルーキーに翻弄される遥を見て乾は口元に手を当て、笑い堪えるのに必死であった。
ぶつぶつと文句言う遥は昼休みの時間を使って図書室の本棚を見つめた。
彼女は先ほど新聞部部長から“男子テニス部取材担当”に無理矢理任命されてしまい、まずはテニスのルールをしっかりと覚えろと命令されて図書室へと足を運んで来たのである。
勉強、と思うと気が滅入ってしまうがこのまま遊び呆けてしまうとまた新聞部所属の危機に関わるので彼女は嫌々渋々といった表情で本棚からテニスに関する書物を探した。
「……はぁ。それにしても色々とあるなぁ」
ざっと見ただけでも十数冊。一冊あればいいと思っていた遥にとってはどの本を見たらいいのか分からない。
しかもどの本もギリギリ彼女には届かない場所に置いてあるため遥は腕を組み、悩んだ。
「椅子を取って来るのは面倒だし、頑張って取ってみよっか」
そうしようと決めた遥は踵を浮かせ爪先立ちをして本へと手を伸ばす。
何とか背表紙の下部分には届くもののそれを引きずり出すのは至難の技であった。
みっちり本が収納されているため僅かな隙間もない。頑張って本と本の間に指を入れようとしてもなかなか入ってはくれず「うーっ」と唸る。
すると彼女が取ろうとした本を後ろから自分とは違う他の者の手によってすんなりと引き抜かれた。
自分が届かなかった本を易々と取ったのは誰なのかと遥は後ろを振り向くとそこには眼鏡をキラリと光らせる長身の男が立っていた。
「欲しかった本はこれかい?」
「乾っ」
本を取ってくれたのが知り合いだったことに少し驚きを見せつつも差し出された本を彼女は受け取った。
「ありがとー。助かっちゃったよ」
「あぁ。それにしても珍しいこともあるものだ。西成が図書室にいるなんて。しかもそれはテニスの本じゃないか。頭でも打ってしまったか?」
笑みを微かに含めながら明らかに失礼な発言をする乾に遥は目に見えて不機嫌そうに頬を膨らませる。
「相変わらず失礼なこと言うなぁ。あたしだってやむを得ずに調べ物くらいするんだよ」
「そうか。それならばまた新しくデータを更新しておかないとな」
「別にいいですよーっだ」
つーん、と乾から顔を背けると遥は本を抱えたまま受付へと向かった。そんな彼女に続き乾も受付へと向かう。
「なんで付いて来るのさ」
「俺も借りるからだよ」
そう言う乾の手には二冊の分厚い本が抱えられていた。
むぅ、としながらも遥は受付に座る図書委員に本を差し出す。
「この本を借りたいでっす」
「……あ。あんたは昨日の……」
どうやら相手は遥のこと知っているようだ。
彼女も目の前の下級生と思われる少年に見覚えがあるらしく記憶を掘り起こすと、後ろの乾が先に声をかけた。
「おや? 越前じゃないか。そういえば図書委員だったね、今日は担当日かい?」
「乾先輩……チィーッス。まぁ、そんなとこッス」
「……ああっ! 君は昨日テニス部の練習に遅れて来た少年!」
「遅れたんじゃなくって委員だったって言ってるじゃん。不法侵入先輩」
「あああああたしそんな名前じゃないもん! ちゃんと西成遥って名前が「図書室では静かにお願いしますよ、先輩」
「うぐぐっ」
生意気なルーキーに翻弄される遥を見て乾は口元に手を当て、笑い堪えるのに必死であった。