自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.2 ……お前は人の世話は好きか?
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先程生徒会会議が行われた生徒会室では秋が議事録を纏めており、他の役員達は各々部活や下校するために帰って行ったあとであった。
そして彼女を除いて最後に残っていた生徒会長も部活へと向かうために会議に使われた資料を鞄に入れて準備をしている様子。
「九条」
自分の名を呼ばれ、彼女はルーズリーフタイプのノートから手塚へと視線を上げた。
「前回の会議の議事録はあるだろうか? あれば借りたいのだが」
「うん、あるよ」
そう答えると秋は数ページ前を捲り、留めていた金具を外して前回行われた会議の議事録を2ページ程のその部分だけを彼に渡した。
「ありがとう。明日には返すからな」
「いつでもいいから気にしないで」
「あぁ。……それにしてもお前の字はバランスが良くて読みやすく綺麗だな」
「そうかな? ありがとう。手塚君に褒めてもらえて嬉しいよ」
自分の目標とする人物に褒められ秋は笑みがあふれる。
字を褒められることはそんなに多くはなく、だからこそ嬉しさが増した。
「そういえば九条は何の部活に入ってるんだ?」
「吹奏楽だよ。今のところは、なんだけど」
「どういうことだ?」
「私ね、やりたいことが思いつかなくて部活が決まらないの。今まで色々やってみたんだけど、何だかしっくりこなくて……」
「そうか」
そう一言だけ呟くと会話は終わってしまった。
生徒会室から出ようとしない手塚は何かを考えているようにも見えたが、そんな彼を見て秋は部活もまともに決められない自分に呆れてるかも知れないと考え込み、表情の変わることのない手塚に少し不安を抱いた。
「……お前は人の世話は好きか?」
「え? あ、うん。好きな方だよ」
突然何の脈絡もない質問に秋は少し戸惑った。質問の意図が全く掴めず、彼女の心境は穏やかなものではない。
「……えっと、手塚君。今の質問はどういう意味なの?」
「お前さえ良ければテニス部のマネージャーになってもらいたい」
「えっ?」
またもや突然過ぎる話に秋は瞬きを繰り返す。
「テニス部って、確か手塚君が所属してる……」
「あぁ、一応マネージャーはいなくても成り立つと言えば成り立つんだが、庶務をこなしてる奴がマネージャーが欲しいと言っていたからな」
「でも、私じゃなくてもマネージャーをやりたい人なら他にもいるんじゃないかな?」
「お前なら任せられると思ったからだ」
その言葉に秋は目を丸くさせる。そもそもこうして手塚と言葉を交わすのも非常に珍しいことだ。
それなのに彼から信頼を寄せられている事実に秋は驚くしかなかった。
「どうだろうか。もし、合わなかったらすぐに言ってくれても構わない」
「あ……えっ、と……私、吹奏楽に仮入部したばかりだから最低でも一週間は頑張ってみたいの。もしかしたら続けたいって気持ちに変わるかも知れないし。だから吹奏楽が駄目だったら……考えてもいいかな?」
最初の部活選びの頃から秋は最低でも一週間は続けようと決めていた。
吹奏楽部に仮入部して二日目である秋はまだ諦めてもいないので次の部活のことを考えたくはなかった。
「分かった。ならばまた改めて返事を聞かせてくれ」
「うん、ありがとう手塚君」
「礼を言うのならこちらの方だ。では、部活に行ってくる」
「行ってらっしゃい」
手塚が生徒会室から出て静かに扉を閉めた。自分以外の誰もいなくなった空間で一人になった秋は暫くしてから緊張の糸が切れたかのようにはぁっと息を吐く。
「びっくりしちゃったな……」
二人で話すことも稀な上にまさかのテニス部のマネージャーとして誘われるとは思ってもみなかった秋は先程の手塚との会話を思い出していた。
そして字を褒められたことに小さく微笑み、彼女はノートを閉じて自分も部活へと急ごうと鞄に入れた。
そして彼女を除いて最後に残っていた生徒会長も部活へと向かうために会議に使われた資料を鞄に入れて準備をしている様子。
「九条」
自分の名を呼ばれ、彼女はルーズリーフタイプのノートから手塚へと視線を上げた。
「前回の会議の議事録はあるだろうか? あれば借りたいのだが」
「うん、あるよ」
そう答えると秋は数ページ前を捲り、留めていた金具を外して前回行われた会議の議事録を2ページ程のその部分だけを彼に渡した。
「ありがとう。明日には返すからな」
「いつでもいいから気にしないで」
「あぁ。……それにしてもお前の字はバランスが良くて読みやすく綺麗だな」
「そうかな? ありがとう。手塚君に褒めてもらえて嬉しいよ」
自分の目標とする人物に褒められ秋は笑みがあふれる。
字を褒められることはそんなに多くはなく、だからこそ嬉しさが増した。
「そういえば九条は何の部活に入ってるんだ?」
「吹奏楽だよ。今のところは、なんだけど」
「どういうことだ?」
「私ね、やりたいことが思いつかなくて部活が決まらないの。今まで色々やってみたんだけど、何だかしっくりこなくて……」
「そうか」
そう一言だけ呟くと会話は終わってしまった。
生徒会室から出ようとしない手塚は何かを考えているようにも見えたが、そんな彼を見て秋は部活もまともに決められない自分に呆れてるかも知れないと考え込み、表情の変わることのない手塚に少し不安を抱いた。
「……お前は人の世話は好きか?」
「え? あ、うん。好きな方だよ」
突然何の脈絡もない質問に秋は少し戸惑った。質問の意図が全く掴めず、彼女の心境は穏やかなものではない。
「……えっと、手塚君。今の質問はどういう意味なの?」
「お前さえ良ければテニス部のマネージャーになってもらいたい」
「えっ?」
またもや突然過ぎる話に秋は瞬きを繰り返す。
「テニス部って、確か手塚君が所属してる……」
「あぁ、一応マネージャーはいなくても成り立つと言えば成り立つんだが、庶務をこなしてる奴がマネージャーが欲しいと言っていたからな」
「でも、私じゃなくてもマネージャーをやりたい人なら他にもいるんじゃないかな?」
「お前なら任せられると思ったからだ」
その言葉に秋は目を丸くさせる。そもそもこうして手塚と言葉を交わすのも非常に珍しいことだ。
それなのに彼から信頼を寄せられている事実に秋は驚くしかなかった。
「どうだろうか。もし、合わなかったらすぐに言ってくれても構わない」
「あ……えっ、と……私、吹奏楽に仮入部したばかりだから最低でも一週間は頑張ってみたいの。もしかしたら続けたいって気持ちに変わるかも知れないし。だから吹奏楽が駄目だったら……考えてもいいかな?」
最初の部活選びの頃から秋は最低でも一週間は続けようと決めていた。
吹奏楽部に仮入部して二日目である秋はまだ諦めてもいないので次の部活のことを考えたくはなかった。
「分かった。ならばまた改めて返事を聞かせてくれ」
「うん、ありがとう手塚君」
「礼を言うのならこちらの方だ。では、部活に行ってくる」
「行ってらっしゃい」
手塚が生徒会室から出て静かに扉を閉めた。自分以外の誰もいなくなった空間で一人になった秋は暫くしてから緊張の糸が切れたかのようにはぁっと息を吐く。
「びっくりしちゃったな……」
二人で話すことも稀な上にまさかのテニス部のマネージャーとして誘われるとは思ってもみなかった秋は先程の手塚との会話を思い出していた。
そして字を褒められたことに小さく微笑み、彼女はノートを閉じて自分も部活へと急ごうと鞄に入れた。