自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.2 ……お前は人の世話は好きか?
主人公名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「桃。ちょっと頼みがあるんだが」
コート脇にて部活を始める前の柔軟体操の途中、眼鏡を光らせた乾先輩が俺の名を呼んだ。
「なんすかー? 乾汁の試飲は勘弁ッスよ?」
「それは残念だな」
冗談で言った言葉だったが、まさか本気だとは思わず俺は「え」と言葉に詰まり、後退りをする。すると乾先輩は「冗談だ」と口端を少し上げて笑った。
……まったく、あれだけを飲むのは本当に勘弁してほしい。
「桃は今朝のいざこざは知っているだろう」
「今朝の? ……あぁ、女子がここに乗り込んで来たことッスか? まぁ、一部始終見てたんで知ってるッスけど」
確か3年の女テニの人らしく。話を聞けば不二先輩に負けたのが悔しいとか何とかで男テニと同じ練習メニューをこなすって言いに来てた。
男子に混ざって部活する気満々のその人に乾先輩が毎日練習メニューを提供するって言って話が纏まったんだけど、とんでもねぇ人だったな。
超美人なのに態度というか、度胸というか、男子以上だったから驚いちまった。
「多分、あと4分後に彼女はここに来るだろう。そこでお前から彼女にこれを渡しておいてもらいたい」
そう言うと乾先輩は俺に一冊のノートを渡してきた。見た感じ新品であったからまさかと思って俺は先輩に尋ねてみる。
「先輩……これって例のあの人に渡す練習メニューなんスか?」
「さすが桃城。よく分かっているじゃないか」
「いや、大体察しはつくでしょうよ。ていうかなんで俺なんスか!? 乾先輩が直接渡したらいいでしょう!」
「そうしてやりたいのは山々だが、俺は今から調理室へと行かなければならなくってね」
「え……何のために……」
調理室という言葉を聞いて嫌な予感がした。
「もちろん新しい乾汁を作りに行くんだよ。本当は休み時間に行きたかったんだけど、それを書くのに時間を費やしてしまったからね」
「え、や……別に乾汁なんて作りに行かなくったっていいじゃないスか! むしろいらないですって! もうすぐ来るなら先輩が対応してくださいよ!」
「栄養満点な物なのに何を言ってるんだ。それに俺が対応したら部活までに乾汁が作れないじゃないか。ほら、もうあと2分だぞ。因みにノートには一週間分の練習メニューが組み込んであるから追加や変更メニューがあればその都度伝えるからと言っておいてくれ。それじゃあな」
「えっ、ちょっ! 乾先輩っ!!」
俺が呼び止めようと声を出すが、乾先輩は嫌な笑みを浮かべた状態で俺の前から去って行く。
途中、隅に置かれた自分のテニスバッグから乾汁の材料が入ってると思われる透明のビニール袋を持ち出した。
青々とした野菜などが入っていて絶対不味いものが出来るんだろうなと他人事のように思ってしまう。
「……なんて勝手な人なんだ」
「オイ」
「うおぉっ!?」
ぼそっと呟くと、何とも言えない絶妙なタイミングで後ろから話しかけられた。
まさか乾先輩かと思って大きな声を上げて後ろを振り向けば、そこにはあの人が……えっと赤宮先輩だっけ? その人が立っていた。
「人を見て化け物が出たような驚き方をするな」
「えっと、その……すんません」
そりゃあぼそっと呟いたあとに後ろから声をかけられりゃ驚くに決まってんじゃんか。
「それより眼鏡の奴は何処だ?」
「乾先輩のことッスよね?」
「知らんが手塚じゃないレギュラーの眼鏡だ。そいつと話がある」
「乾先輩はさっき汁を……あ、いや、用があるっつって今いないんスよ……。そんで先輩が来たらこれを渡せって」
先程渡されたノートを赤宮先輩に差し出すと訝しげな顔でノートをパラパラと捲る。そんな先輩にさっき乾先輩が言ってた補足も伝えた。
「一週間分の練習メニューが書かれてるらしいんスけど、変更や追加があればちゃんと伝えるとも言ってましたよ」
「ふーん。分かった」
パタンとノートを閉じると先輩は肩に掛けてあったテニスバックの中にしまい込んだ。
「じゃあな」
「……ウィッス」
赤宮先輩は目的を果たすとさっさとテニスコートから出て行った。……本当、手塚部長に負けず劣らずの貫禄があるっつーか……。一歳上には見えねぇよな、見えねぇよ。
コート脇にて部活を始める前の柔軟体操の途中、眼鏡を光らせた乾先輩が俺の名を呼んだ。
「なんすかー? 乾汁の試飲は勘弁ッスよ?」
「それは残念だな」
冗談で言った言葉だったが、まさか本気だとは思わず俺は「え」と言葉に詰まり、後退りをする。すると乾先輩は「冗談だ」と口端を少し上げて笑った。
……まったく、あれだけを飲むのは本当に勘弁してほしい。
「桃は今朝のいざこざは知っているだろう」
「今朝の? ……あぁ、女子がここに乗り込んで来たことッスか? まぁ、一部始終見てたんで知ってるッスけど」
確か3年の女テニの人らしく。話を聞けば不二先輩に負けたのが悔しいとか何とかで男テニと同じ練習メニューをこなすって言いに来てた。
男子に混ざって部活する気満々のその人に乾先輩が毎日練習メニューを提供するって言って話が纏まったんだけど、とんでもねぇ人だったな。
超美人なのに態度というか、度胸というか、男子以上だったから驚いちまった。
「多分、あと4分後に彼女はここに来るだろう。そこでお前から彼女にこれを渡しておいてもらいたい」
そう言うと乾先輩は俺に一冊のノートを渡してきた。見た感じ新品であったからまさかと思って俺は先輩に尋ねてみる。
「先輩……これって例のあの人に渡す練習メニューなんスか?」
「さすが桃城。よく分かっているじゃないか」
「いや、大体察しはつくでしょうよ。ていうかなんで俺なんスか!? 乾先輩が直接渡したらいいでしょう!」
「そうしてやりたいのは山々だが、俺は今から調理室へと行かなければならなくってね」
「え……何のために……」
調理室という言葉を聞いて嫌な予感がした。
「もちろん新しい乾汁を作りに行くんだよ。本当は休み時間に行きたかったんだけど、それを書くのに時間を費やしてしまったからね」
「え、や……別に乾汁なんて作りに行かなくったっていいじゃないスか! むしろいらないですって! もうすぐ来るなら先輩が対応してくださいよ!」
「栄養満点な物なのに何を言ってるんだ。それに俺が対応したら部活までに乾汁が作れないじゃないか。ほら、もうあと2分だぞ。因みにノートには一週間分の練習メニューが組み込んであるから追加や変更メニューがあればその都度伝えるからと言っておいてくれ。それじゃあな」
「えっ、ちょっ! 乾先輩っ!!」
俺が呼び止めようと声を出すが、乾先輩は嫌な笑みを浮かべた状態で俺の前から去って行く。
途中、隅に置かれた自分のテニスバッグから乾汁の材料が入ってると思われる透明のビニール袋を持ち出した。
青々とした野菜などが入っていて絶対不味いものが出来るんだろうなと他人事のように思ってしまう。
「……なんて勝手な人なんだ」
「オイ」
「うおぉっ!?」
ぼそっと呟くと、何とも言えない絶妙なタイミングで後ろから話しかけられた。
まさか乾先輩かと思って大きな声を上げて後ろを振り向けば、そこにはあの人が……えっと赤宮先輩だっけ? その人が立っていた。
「人を見て化け物が出たような驚き方をするな」
「えっと、その……すんません」
そりゃあぼそっと呟いたあとに後ろから声をかけられりゃ驚くに決まってんじゃんか。
「それより眼鏡の奴は何処だ?」
「乾先輩のことッスよね?」
「知らんが手塚じゃないレギュラーの眼鏡だ。そいつと話がある」
「乾先輩はさっき汁を……あ、いや、用があるっつって今いないんスよ……。そんで先輩が来たらこれを渡せって」
先程渡されたノートを赤宮先輩に差し出すと訝しげな顔でノートをパラパラと捲る。そんな先輩にさっき乾先輩が言ってた補足も伝えた。
「一週間分の練習メニューが書かれてるらしいんスけど、変更や追加があればちゃんと伝えるとも言ってましたよ」
「ふーん。分かった」
パタンとノートを閉じると先輩は肩に掛けてあったテニスバックの中にしまい込んだ。
「じゃあな」
「……ウィッス」
赤宮先輩は目的を果たすとさっさとテニスコートから出て行った。……本当、手塚部長に負けず劣らずの貫禄があるっつーか……。一歳上には見えねぇよな、見えねぇよ。