自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.20 また怪我をするようなことがあったらと思うと心配だよ
主人公名前変換
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『馬鹿が、テメーは誘い出されたんだよ!』
その言葉を聞いて、しまったと思ったものの、全てもう遅かった。白髪野郎の打球を頭に食らってしまった私は脳が揺れるような感覚と共にその場に倒れてしまう。
「赤宮さんっ!」
焦ったような不二の声が近くに響く。遠くからは奴と同じように私の名を呼ぶ悲鳴交じりの声が聞こえた。
くそっ、あの野郎。よくもやりやがったな。頭も痛ぇし。だが試合が出来ないわけではない。これくらいで地面に伏せ続けるわけにはいかない。
ゆらりとラケットを持ち、自分の足で立ち上がる。試合を続ける意思は見せておかねば。
「赤宮さんっ、動かない方がいい!」
「平気だ。問題ない」
「頭に当たったんだよっ。まさか続けるとか言わないよね?」
涼しい顔ばかりの不二がどこか取り乱していて、あまり見ない姿ってのもあって、どこか現実味がない気もする。
「続けるに決まってんだろ。このままあの野郎の好きにさせてたまるか」
「何言ってんだい馬鹿もんが! ふらついていてまともな試合が出来るもんか!」
そこへ竜崎先生が駆け寄ってきた。どうやら試合は中断されているみたいだ。よく見りゃ審判までいる。面倒臭いな……。
「頭をちょっとぶつけただけ。酷くない」
「何度も言わせんじゃないよ! 脳震盪の可能性があると考えんか!」
「赤宮さん、例え君がこのまま試合を続けようとしてもすでに脳震盪の疑いがある。すぐに医者に診てもらわなきゃいけないよ」
「意識もある。立てている。問題ないだろ」
「はぁ……この分からず屋め。審判、とにかくこの試合は棄権するよ」
は? と思ったのもつかの間、審判の奴も「そのほうがいいですね」と頷いた。いや、待てよ。そう口にしようとしたが、上手く頭が動かない。頭痛がする。
こっちの反論をする暇もなく、審判のコールが響く。棄権負けした瞬間だった。
「ざまぁねぇな。しかしくそつまんねー試合だぜ」
白髪野郎の言葉が耳に入ると同時にカッと頭に血が上る。
「テメェ……!」
「赤宮さんっ!」
亜久津の野郎に殴りかかろうとしたが不二に両肩を掴まれ止められた。こんな奴さっさと退かせばいいと思ったが、少し足元がふらつく。
「お願いだから今だけは堪えてほしい。君に何かあったら嫌なんだ」
小さく告げる不二の切実な声。それを突っぱねる気力はすでになくなってしまった。これも頭をぶつけたせいなのか。
「……亜久津。今日のことは絶対に忘れないよ」
すると不二が冷めたような視線を亜久津に向けた。少しだけ寒気がした気がする。
「報復するならいつでも来いよ」
白髪は挑発させる言動のまま。けれど不二はそれ以上何も言葉を発することなく「行こう、赤宮さん」と私の肩を抱いて退場を促された。
すでに棄権となった現実は覆ることはない。納得は出来ないし、棄権負けなんて情けない敗北の仕方は私自身が許せなかったが、嫌だと声を上げるには頭が痛すぎる。
「はあっ!? 棄権負け!? 何それ! ヒロインは私なのに!? リベンジ戦だってのにこんな中途半端な終わりってありなわけ!? ううんっ、そんなの誉ちゃんが認めないんですけどーーーー!?」
……最後の最後であのうざったい女の声が頭に響いた。それがさらに私を腹立たせるが、いちいち相手してやる義理もない。
ただただあの亜久津を負かせなかった悔しさばかりが胸を占める。歯を噛み締めながら私は無理やり乗せられた顧問の車により病院へと向かった。
その言葉を聞いて、しまったと思ったものの、全てもう遅かった。白髪野郎の打球を頭に食らってしまった私は脳が揺れるような感覚と共にその場に倒れてしまう。
「赤宮さんっ!」
焦ったような不二の声が近くに響く。遠くからは奴と同じように私の名を呼ぶ悲鳴交じりの声が聞こえた。
くそっ、あの野郎。よくもやりやがったな。頭も痛ぇし。だが試合が出来ないわけではない。これくらいで地面に伏せ続けるわけにはいかない。
ゆらりとラケットを持ち、自分の足で立ち上がる。試合を続ける意思は見せておかねば。
「赤宮さんっ、動かない方がいい!」
「平気だ。問題ない」
「頭に当たったんだよっ。まさか続けるとか言わないよね?」
涼しい顔ばかりの不二がどこか取り乱していて、あまり見ない姿ってのもあって、どこか現実味がない気もする。
「続けるに決まってんだろ。このままあの野郎の好きにさせてたまるか」
「何言ってんだい馬鹿もんが! ふらついていてまともな試合が出来るもんか!」
そこへ竜崎先生が駆け寄ってきた。どうやら試合は中断されているみたいだ。よく見りゃ審判までいる。面倒臭いな……。
「頭をちょっとぶつけただけ。酷くない」
「何度も言わせんじゃないよ! 脳震盪の可能性があると考えんか!」
「赤宮さん、例え君がこのまま試合を続けようとしてもすでに脳震盪の疑いがある。すぐに医者に診てもらわなきゃいけないよ」
「意識もある。立てている。問題ないだろ」
「はぁ……この分からず屋め。審判、とにかくこの試合は棄権するよ」
は? と思ったのもつかの間、審判の奴も「そのほうがいいですね」と頷いた。いや、待てよ。そう口にしようとしたが、上手く頭が動かない。頭痛がする。
こっちの反論をする暇もなく、審判のコールが響く。棄権負けした瞬間だった。
「ざまぁねぇな。しかしくそつまんねー試合だぜ」
白髪野郎の言葉が耳に入ると同時にカッと頭に血が上る。
「テメェ……!」
「赤宮さんっ!」
亜久津の野郎に殴りかかろうとしたが不二に両肩を掴まれ止められた。こんな奴さっさと退かせばいいと思ったが、少し足元がふらつく。
「お願いだから今だけは堪えてほしい。君に何かあったら嫌なんだ」
小さく告げる不二の切実な声。それを突っぱねる気力はすでになくなってしまった。これも頭をぶつけたせいなのか。
「……亜久津。今日のことは絶対に忘れないよ」
すると不二が冷めたような視線を亜久津に向けた。少しだけ寒気がした気がする。
「報復するならいつでも来いよ」
白髪は挑発させる言動のまま。けれど不二はそれ以上何も言葉を発することなく「行こう、赤宮さん」と私の肩を抱いて退場を促された。
すでに棄権となった現実は覆ることはない。納得は出来ないし、棄権負けなんて情けない敗北の仕方は私自身が許せなかったが、嫌だと声を上げるには頭が痛すぎる。
「はあっ!? 棄権負け!? 何それ! ヒロインは私なのに!? リベンジ戦だってのにこんな中途半端な終わりってありなわけ!? ううんっ、そんなの誉ちゃんが認めないんですけどーーーー!?」
……最後の最後であのうざったい女の声が頭に響いた。それがさらに私を腹立たせるが、いちいち相手してやる義理もない。
ただただあの亜久津を負かせなかった悔しさばかりが胸を占める。歯を噛み締めながら私は無理やり乗せられた顧問の車により病院へと向かった。