自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.20 また怪我をするようなことがあったらと思うと心配だよ
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ネットを挟んで対戦相手を見た時、眉間に強い皺を寄せた。いや、そうなるだろ。だってこっちは亜久津をぶっ潰すつもりで出てきたのに、相手の女のほうには注目しなかった。しかし顔を合わせてから嫌でも記憶が蘇る。
「おい、なんであんたがいるんだよ。ルドルフだろうが」
「もちろん転校したんです~!」
「はあ? なんでだよ」
「決まってるじゃないですか~! リ・ベ・ン・ジってやつよ!」
「……意味分かんねぇ」
「ありゃりゃ~? 赤宮さんってば横文字に弱い感じぃ? リベンジっていうのは借りを返すって意味でー」
「んなことは分かってんだよ!」
分かっててわざとらしくむしゃくしゃする物言いする下梨に早速カチンとくる。それだけじゃなく、奴の隣にいる本来の目的の白髪が口を開く。
「っち。うるせー女共だぜ」
「あぁ?」
「赤宮さん、駄目だよ。二人の挑発に乗っちゃ」
「わーってるっての!」
不二に止められるのがまた腹立たしいが、このままではまた下梨の……いや、あの二人の思うつぼだろう。仕方なく舌打ちだけをして自分の立ち位置へと移動すると、試合開始のコールが鳴った。
「まさかまた彼女と当たるなんて思ってもみなかったね。赤宮さん、亜久津だけじゃなく下梨さんにも注意しよう」
「言われなくとも分かってる。あいつを調子に乗らせちゃ面倒なことくらい私が一番理解してんだよ」
サーブ権はこっちが先。山吹のレシーバーは亜久津だ。絶対にあの白髪に石をぶつけられた借りを返してやる。
トスをして力は半分くらい抑えて打ち込んでから走り出す。打ち返してくれないと意味ないからな。
「んだよこのサーブはよぉ!」
文句を言いながらこちらに向けてリターンした亜久津の打球。越前との試合で見ていたとはいえ、実際に目の前で見るとなかなかにスピードがあり、私がネット前に着くよりも先にボールが返ってきた。
「だったら逃げんなよっ、白髪野郎が!!」
今度は全力のボレーで打ち返す。奴の顔面目掛けて。
「っ!」
ドッ! と、あの野郎の頬にボールが当たった。こっちが女だからって油断してたんだろうな。あのサーブが私の全力だと思うなよ。
亜久津は少しふらついたが、怯む様子はない。赤くなる頬で奴は私を突き刺すように睨みつけた。
「テメェ……いい度胸じゃねーか」
「油断したくせに何言ってやがんだ。まぁ、そのおかげでようやく腹立たしいその顔に当てることが出来たけどな」
油断してくれてサンキュ。したり顔で告げると、奴が青筋を立てているのがよく分かった。
「ぶっ、潰す! 後悔させてやるよ」
「ちょっとちょっと亜久津さーん!? その人は誉ちゃんの獲物なんですけどー!? 私が圧勝しなきゃいけない相手なんでこっちに任せてくれませんかね!?」
「あぁ? 知るか。外野は黙ってな」
「はあああああ!? さっきは1年坊やに負けたくせに何偉っそうなこと言ってるわけっ? そんなんでよくミクスドまで出られたわね!? 笑っちゃうわー!」
「俺の意思じゃねーよ! あの狸爺がこれにも出ねぇとあの小僧と試合させねぇっつーから仕方なく出てやってんだ!」
……やっぱりあいつらは協調性がねぇな。あの調子じゃ個々が自由に動き回りそうだから連携プレーは出来ないだろう。まぁ、こっちも他人事じゃないけど。
「赤宮さん、油断はしないでね。ダブルスとしてはまだまだだけど、彼らは感覚でテニスをするタイプでもあるから」
「言われなくても分かってるっつーの。いちいちうるさい奴だな」
不二の奴は口うるさい。桃城ならすんなりと受け入れるが、やはりこいつの言葉は反発したくなる。そもそも私が一番降したい奴はこの男なのになんでダブルスすることになってんだ……今さらながらどうかしてるな。
だが、理解しているとはいえ不二の言う通り、ダブルスの動きとしてはめちゃくちゃではあるが、二人の身体能力がそれをカバーしている。こっちも不二がフォローしてるとはいえ、戦況は一進一退を繰り返していた。
ゲームカウントは3-3 。なかなか引き離せない。亜久津はこっちに仕返ししようとその一瞬を狙っているようだし、下梨の奴はどう亜久津から出し抜いて私に一矢報いてやるかを考えているようだし、どっちにしろ奴らの狙いは私である。
体力を削るにしても上手く立ち回る不二がゲームメイクをしてくれるが、こっちとしては美味しいとこを持ってかれる気分だ。
そろそろ何か仕掛けるべきか? そう考えたが、先に動いたのは亜久津だ。
「よぉ、もやし野郎。女から横取りするばっかすんじゃねーよ。お望みなら打たせてやるぜ! 男なら逃げんなよ!」
あれだけ私を狙っていたのに急に標的を不二に変えやがった。攻撃的で鋭いパンチボレーが不二の顔面へと向かうが、あの天才様はすぐにそれを避けてボールを見送る。白髪の打った球は勢いが良すぎてアウトになった。
「……とんだ軟弱者だなぁ、テメェはよぉ!」
「悪いんだけど、僕はその程度の挑発には乗らないよ。アウトになると分かったボールをわざわざ打ち返すほどの遊び心は持ち合わせていないんだ」
「上等だ。その涼しい顔をボロボロにさせてやるぜ」
は? と思ったのもつかの間、本当にあの白髪野郎は不二に狙い定めて球を奴に集める。……おい、こっちと勝負してたんじゃないのかよ。あの野郎。
「あーくーつーさーん!? まああああた勝手なことしやがらないでくださいませんかねーー!? 誉ちゃんの活躍の場がないじゃないの! 何のために私がここにいるか分かってんの!? ヒロインたるこの誉ちゃんが活躍しない回なんて読者もがっかりもんだわ! あとで『誉ちゃんの活躍をもっとください!』って抗議の電話手紙DMなどなど送られてきちゃったらどうすんのよ!? もちろん超嬉しいんですけどねーーーー!! てか、読者の声がどれだけ大事か分かってんの!?」
……相変わらずキャンキャンうるせぇなあのアマ。
「おい、なんであんたがいるんだよ。ルドルフだろうが」
「もちろん転校したんです~!」
「はあ? なんでだよ」
「決まってるじゃないですか~! リ・ベ・ン・ジってやつよ!」
「……意味分かんねぇ」
「ありゃりゃ~? 赤宮さんってば横文字に弱い感じぃ? リベンジっていうのは借りを返すって意味でー」
「んなことは分かってんだよ!」
分かっててわざとらしくむしゃくしゃする物言いする下梨に早速カチンとくる。それだけじゃなく、奴の隣にいる本来の目的の白髪が口を開く。
「っち。うるせー女共だぜ」
「あぁ?」
「赤宮さん、駄目だよ。二人の挑発に乗っちゃ」
「わーってるっての!」
不二に止められるのがまた腹立たしいが、このままではまた下梨の……いや、あの二人の思うつぼだろう。仕方なく舌打ちだけをして自分の立ち位置へと移動すると、試合開始のコールが鳴った。
「まさかまた彼女と当たるなんて思ってもみなかったね。赤宮さん、亜久津だけじゃなく下梨さんにも注意しよう」
「言われなくとも分かってる。あいつを調子に乗らせちゃ面倒なことくらい私が一番理解してんだよ」
サーブ権はこっちが先。山吹のレシーバーは亜久津だ。絶対にあの白髪に石をぶつけられた借りを返してやる。
トスをして力は半分くらい抑えて打ち込んでから走り出す。打ち返してくれないと意味ないからな。
「んだよこのサーブはよぉ!」
文句を言いながらこちらに向けてリターンした亜久津の打球。越前との試合で見ていたとはいえ、実際に目の前で見るとなかなかにスピードがあり、私がネット前に着くよりも先にボールが返ってきた。
「だったら逃げんなよっ、白髪野郎が!!」
今度は全力のボレーで打ち返す。奴の顔面目掛けて。
「っ!」
ドッ! と、あの野郎の頬にボールが当たった。こっちが女だからって油断してたんだろうな。あのサーブが私の全力だと思うなよ。
亜久津は少しふらついたが、怯む様子はない。赤くなる頬で奴は私を突き刺すように睨みつけた。
「テメェ……いい度胸じゃねーか」
「油断したくせに何言ってやがんだ。まぁ、そのおかげでようやく腹立たしいその顔に当てることが出来たけどな」
油断してくれてサンキュ。したり顔で告げると、奴が青筋を立てているのがよく分かった。
「ぶっ、潰す! 後悔させてやるよ」
「ちょっとちょっと亜久津さーん!? その人は誉ちゃんの獲物なんですけどー!? 私が圧勝しなきゃいけない相手なんでこっちに任せてくれませんかね!?」
「あぁ? 知るか。外野は黙ってな」
「はあああああ!? さっきは1年坊やに負けたくせに何偉っそうなこと言ってるわけっ? そんなんでよくミクスドまで出られたわね!? 笑っちゃうわー!」
「俺の意思じゃねーよ! あの狸爺がこれにも出ねぇとあの小僧と試合させねぇっつーから仕方なく出てやってんだ!」
……やっぱりあいつらは協調性がねぇな。あの調子じゃ個々が自由に動き回りそうだから連携プレーは出来ないだろう。まぁ、こっちも他人事じゃないけど。
「赤宮さん、油断はしないでね。ダブルスとしてはまだまだだけど、彼らは感覚でテニスをするタイプでもあるから」
「言われなくても分かってるっつーの。いちいちうるさい奴だな」
不二の奴は口うるさい。桃城ならすんなりと受け入れるが、やはりこいつの言葉は反発したくなる。そもそも私が一番降したい奴はこの男なのになんでダブルスすることになってんだ……今さらながらどうかしてるな。
だが、理解しているとはいえ不二の言う通り、ダブルスの動きとしてはめちゃくちゃではあるが、二人の身体能力がそれをカバーしている。こっちも不二がフォローしてるとはいえ、戦況は一進一退を繰り返していた。
ゲームカウントは
体力を削るにしても上手く立ち回る不二がゲームメイクをしてくれるが、こっちとしては美味しいとこを持ってかれる気分だ。
そろそろ何か仕掛けるべきか? そう考えたが、先に動いたのは亜久津だ。
「よぉ、もやし野郎。女から横取りするばっかすんじゃねーよ。お望みなら打たせてやるぜ! 男なら逃げんなよ!」
あれだけ私を狙っていたのに急に標的を不二に変えやがった。攻撃的で鋭いパンチボレーが不二の顔面へと向かうが、あの天才様はすぐにそれを避けてボールを見送る。白髪の打った球は勢いが良すぎてアウトになった。
「……とんだ軟弱者だなぁ、テメェはよぉ!」
「悪いんだけど、僕はその程度の挑発には乗らないよ。アウトになると分かったボールをわざわざ打ち返すほどの遊び心は持ち合わせていないんだ」
「上等だ。その涼しい顔をボロボロにさせてやるぜ」
は? と思ったのもつかの間、本当にあの白髪野郎は不二に狙い定めて球を奴に集める。……おい、こっちと勝負してたんじゃないのかよ。あの野郎。
「あーくーつーさーん!? まああああた勝手なことしやがらないでくださいませんかねーー!? 誉ちゃんの活躍の場がないじゃないの! 何のために私がここにいるか分かってんの!? ヒロインたるこの誉ちゃんが活躍しない回なんて読者もがっかりもんだわ! あとで『誉ちゃんの活躍をもっとください!』って抗議の電話手紙DMなどなど送られてきちゃったらどうすんのよ!? もちろん超嬉しいんですけどねーーーー!! てか、読者の声がどれだけ大事か分かってんの!?」
……相変わらずキャンキャンうるせぇなあのアマ。