自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.20 また怪我をするようなことがあったらと思うと心配だよ
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「いや~まさか麻美が不二と組んでまで出場するとは思わなかったな~」
不二と共にコートへ向かう麻美を見送りながらあたしはデジカメの準備をする。あんなに目の敵にしていた不二とダブルスだなんて天変地異の前触れなのかしら? そうじゃなかったとしたら麻美がほんのちょっぴり丸くなったとか? まぁ、悪いことではないからいっか。
「俺としては不二と組んでまで出る確率は79%だったけどね」
「!」
あたしの隣にぬっと現れた乾に思わずびくりとする。でかいくせに静かに近寄るのはビビるのでやめてくれない!?
「いつもながら言いたいことがよく顔に出る奴だな」
「だったらもっとあたしに気遣って現れてくれないかな!?」
「気遣う? なんで?」
「むきーっ!」
「新種の猿の物真似か?」
こ、こここここの男は!! 馬鹿にするのが趣味なのかというくらいの酷い人間よ!
憎しみを込めて乾を睨みつけるが、奴は怯む様子もなく淡々と話を続けた。
「赤宮は桃城とのダブルスしか成果がない……というよりもそれ以外と組んでの実績がないというほうが正しいか。だからほとんどの奴は相方の桃が怪我で出られないのなら赤宮の出場もないと考えていたのだろう」
「そいや、乾は不二と組む予想がちょい高めだったけど、よく分かったね?」
「まぁ、不二が赤宮に声をかけるだろうとは思ったからね。あとは赤宮の自尊心が勝つか、不二への反発心が勝つか、だったけど」
「結果的に麻美は試合に出るほうを取ったわけだ」
さすがテニスで暴れたい盛りの子である。まぁ、暴力以外に発散出来るものがあるならいいんだけどね!
「でもギリギリだったから直前まで違うペアを組み入れる場合のことも手塚と考えていたんだよ。そして同時に赤宮が出場する場合の順番もね。彼女、亜久津に借りを返したくて仕方なかったようだから絶対に彼と当たるように言ってくるだろうなって予想したよ」
「それも当たったと?」
「当然。むしろこちらの確率の方が高いからね。おそらく山吹はミクスド連続2勝してうちを降すつもりだろう。だから強力な選手である亜久津をミクスド2に入れてフィニッシュすると読んだわけだが……」
「が?」
突然乾の言葉に覇気がなくなる。いつも自信があって淡々としていたあやつが珍しい。
「予想外のことが起きた」
「え? でも亜久津と当たったんだから予想は外れてないっしょ?」
「あぁ、亜久津に関しては問題ない。俺が予想外と言ったのはそのペアのことだ」
ペア? と首を傾げながら対戦相手の亜久津とその相棒となる女子へと目を向ける。あ、と思わず気がついた。いくら私でも覚えているのだ。
あの女子は前のルドルフ戦で麻美と対戦した子だ。すんごい自己愛が強く、麻美に怯まずに神経を逆撫でするような言葉をつらつらと述べた下梨誉っていう女の子。あまりにも衝撃的で印象的な子だから忘れるに忘れられない。
……え? なんでルドルフにいた子が山吹に?
「あの子って確かルドルフにいた下梨誉ちゃん、だよね?」
「あぁ、お前でもさすがに覚えていたか」
「一言多いんだよ君はっ」
なんでこの四角眼鏡はあたしのことをこんなにも馬鹿にするのか! 大石を見習え!
「敗退したルドルフの下梨がどういうわけか山吹にいる。転校したのは間違いないのだろうけど、こうも簡単に転入生が大会に出場させるとはね……。確かに実力はあるが、周りが納得するかどうか。しかし亜久津と組ませるのならそれも不思議ではないのだろう。彼の人となりを知る者なら同性どころか異性でさえ避けたいところだ。それに下梨ならば亜久津相手だろうと怖気付かないと言い切れる」
ぼそぼそと分析する乾に「ふーん」と思いつつ右から左へと受け流す。つまり誉ちゃんにとってはリベンジ戦になるのだ。再度試合することになるのだから彼女もそれなりに作戦とか対策はあるのかもしれない。簡単には負けないだろう。
それに亜久津もいるし、流血沙汰にならないか心配である。テニスにしろ乱闘騒ぎにしろ、だ。
「ね、乾。麻美と不二の勝率はどのくらい?」
「正直なところ、亜久津がいるだけでも強敵だ。不二がいるとはいえ苦戦は強いられるだろう。それだけじゃなくトリッキーなプレイスタイルと煽りが武器とも言える下梨もいる。一度勝利した相手がいるとはいえ、実力は間違いない」
「あー! もうっ、つまりは?」
「勝利する確率35%といったところかな」
「ひっくい!」
これは駄目じゃないの!? 勝てる気がしないのだが!? すでに1敗してるし、ここで敗退は悲しいのでもう少し頑張ってもらいたいのだが……。
「念のために言っておくが仮にここで負けたとしてもベスト4には入れるから関東大会行きは確実だからな」
「あ、そなの? じゃあ、負けても大丈夫?」
「大丈夫という言い方はしたくはないが、セーフとは言えるだろう」
それなら敗北してもチャンスはある! もちろん勝てばいいのだけど、今回はダブルスが強い学校っていうのもあるからね。時には無理をせずに引くのも大事かもだし!
……まぁ、麻美が引くなんて有り得ないことなんだけども。
不二と共にコートへ向かう麻美を見送りながらあたしはデジカメの準備をする。あんなに目の敵にしていた不二とダブルスだなんて天変地異の前触れなのかしら? そうじゃなかったとしたら麻美がほんのちょっぴり丸くなったとか? まぁ、悪いことではないからいっか。
「俺としては不二と組んでまで出る確率は79%だったけどね」
「!」
あたしの隣にぬっと現れた乾に思わずびくりとする。でかいくせに静かに近寄るのはビビるのでやめてくれない!?
「いつもながら言いたいことがよく顔に出る奴だな」
「だったらもっとあたしに気遣って現れてくれないかな!?」
「気遣う? なんで?」
「むきーっ!」
「新種の猿の物真似か?」
こ、こここここの男は!! 馬鹿にするのが趣味なのかというくらいの酷い人間よ!
憎しみを込めて乾を睨みつけるが、奴は怯む様子もなく淡々と話を続けた。
「赤宮は桃城とのダブルスしか成果がない……というよりもそれ以外と組んでの実績がないというほうが正しいか。だからほとんどの奴は相方の桃が怪我で出られないのなら赤宮の出場もないと考えていたのだろう」
「そいや、乾は不二と組む予想がちょい高めだったけど、よく分かったね?」
「まぁ、不二が赤宮に声をかけるだろうとは思ったからね。あとは赤宮の自尊心が勝つか、不二への反発心が勝つか、だったけど」
「結果的に麻美は試合に出るほうを取ったわけだ」
さすがテニスで暴れたい盛りの子である。まぁ、暴力以外に発散出来るものがあるならいいんだけどね!
「でもギリギリだったから直前まで違うペアを組み入れる場合のことも手塚と考えていたんだよ。そして同時に赤宮が出場する場合の順番もね。彼女、亜久津に借りを返したくて仕方なかったようだから絶対に彼と当たるように言ってくるだろうなって予想したよ」
「それも当たったと?」
「当然。むしろこちらの確率の方が高いからね。おそらく山吹はミクスド連続2勝してうちを降すつもりだろう。だから強力な選手である亜久津をミクスド2に入れてフィニッシュすると読んだわけだが……」
「が?」
突然乾の言葉に覇気がなくなる。いつも自信があって淡々としていたあやつが珍しい。
「予想外のことが起きた」
「え? でも亜久津と当たったんだから予想は外れてないっしょ?」
「あぁ、亜久津に関しては問題ない。俺が予想外と言ったのはそのペアのことだ」
ペア? と首を傾げながら対戦相手の亜久津とその相棒となる女子へと目を向ける。あ、と思わず気がついた。いくら私でも覚えているのだ。
あの女子は前のルドルフ戦で麻美と対戦した子だ。すんごい自己愛が強く、麻美に怯まずに神経を逆撫でするような言葉をつらつらと述べた下梨誉っていう女の子。あまりにも衝撃的で印象的な子だから忘れるに忘れられない。
……え? なんでルドルフにいた子が山吹に?
「あの子って確かルドルフにいた下梨誉ちゃん、だよね?」
「あぁ、お前でもさすがに覚えていたか」
「一言多いんだよ君はっ」
なんでこの四角眼鏡はあたしのことをこんなにも馬鹿にするのか! 大石を見習え!
「敗退したルドルフの下梨がどういうわけか山吹にいる。転校したのは間違いないのだろうけど、こうも簡単に転入生が大会に出場させるとはね……。確かに実力はあるが、周りが納得するかどうか。しかし亜久津と組ませるのならそれも不思議ではないのだろう。彼の人となりを知る者なら同性どころか異性でさえ避けたいところだ。それに下梨ならば亜久津相手だろうと怖気付かないと言い切れる」
ぼそぼそと分析する乾に「ふーん」と思いつつ右から左へと受け流す。つまり誉ちゃんにとってはリベンジ戦になるのだ。再度試合することになるのだから彼女もそれなりに作戦とか対策はあるのかもしれない。簡単には負けないだろう。
それに亜久津もいるし、流血沙汰にならないか心配である。テニスにしろ乱闘騒ぎにしろ、だ。
「ね、乾。麻美と不二の勝率はどのくらい?」
「正直なところ、亜久津がいるだけでも強敵だ。不二がいるとはいえ苦戦は強いられるだろう。それだけじゃなくトリッキーなプレイスタイルと煽りが武器とも言える下梨もいる。一度勝利した相手がいるとはいえ、実力は間違いない」
「あー! もうっ、つまりは?」
「勝利する確率35%といったところかな」
「ひっくい!」
これは駄目じゃないの!? 勝てる気がしないのだが!? すでに1敗してるし、ここで敗退は悲しいのでもう少し頑張ってもらいたいのだが……。
「念のために言っておくが仮にここで負けたとしてもベスト4には入れるから関東大会行きは確実だからな」
「あ、そなの? じゃあ、負けても大丈夫?」
「大丈夫という言い方はしたくはないが、セーフとは言えるだろう」
それなら敗北してもチャンスはある! もちろん勝てばいいのだけど、今回はダブルスが強い学校っていうのもあるからね。時には無理をせずに引くのも大事かもだし!
……まぁ、麻美が引くなんて有り得ないことなんだけども。