自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.19 ミクスドまですぐだろ。それまで治まるのか?
主人公名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
他校生が青学で事件を起こした翌日。私は不安でいっぱいだった。ボールの代わりに石を使用してサーブを打ってきたという話を聞いたからまた同じことが起きないか心配になる。
麻美だけじゃなく越前君も荒井君も加藤君も被害者で、特に越前君の怪我の方が多かった。大会中にこんなことになるなんて。
それに麻美に至っては仕返しをする気満々で、新たな事件を起こさないか気がかりだった。
はぁ、と溜め息をついて朝練に顔を出す。テニスコートの隅でボールの入ったかごを運ぶと、その近くで話し声が聞こえてきた。
「昨日の亜久津って奴マジどうかしてたッスね」
桃君の声だった。会話の中に出てきた亜久津という名前を聞いて例の素行の悪い人だとすぐに気づく。
「越前達を石で痛めつけただけじゃなく、タカさんにドリンクをぶっかけるなんてありえねーな、ありえねーよ」
「ほんとほんと。てか、タカさんとあいつが知り合いだなんてびっくりしちったよ。あとで詳しい話聞かせてもらわないとね」
え……? 河村君が? 思わぬ人物の名前が出てきて手が止まる。
「桃君、菊丸君、今の話本当なの? 河村君が昨日の襲撃犯と知り合いでドリンクもかけられたって……」
話を盗み聞きしたようで申し訳ないのだけど、友達である河村君に何があったかはちゃんと知りたかった。
「そーなんスよ! 昨日タカさんが亜久津とレストランで会ってるとこを偶然にも目撃しちゃって!」
「そーそー! 最初は女の人を泣かせたから何事かと思ったけどさー!」
女の人を泣かせた……? それは誰が、って問いかけようとしたら話が聞こえたのか、河村君が慌てた様子で駆け寄ってきた。
「ちょっ! 桃に英二まで九条さんに変なこと言わないでよっ!」
河村君の登場により話をしていた桃君と菊丸君は「やべっ」と言葉をこぼし逃げていった。二人を追いかけることはなく、河村君は「まったく……」と溜め息をつく。
「河村君っ! あの、亜久津って人にドリンクをかけられたって聞いたけど大丈夫なの? どこか怪我とかしてないっ?」
麻美達だって怪我をした。河村君にも何か被害があったのかもしれない。心配して彼の全身を目視するが見える範囲には何もなかった。もしかして服で隠れるような場所に怪我があるのではという考えがよぎる。
「だ、大丈夫だよ九条さんっ! 本当に飲み物をかけられただけだから……」
困ったように笑いながら大丈夫だと口にする河村君。心配させないための嘘じゃないと信じたい。
「それならいいんだけど……ううん、全然良くない。河村君が酷いことをされたことには変わりないんだもの」
「九条さんが想像してるよりも酷くはないよ。頭からかけられただけだから」
顔面に勢いよくかけられたわけじゃないんだ。でも、だからって許していいとは言えない。
「それでもドリンクをかけられること自体がおかしいよ。河村君はそんなことされるような人じゃないってことは私知ってるのに……何だか悔しいよ」
「九条さん……」
どうして友人達が酷い目に遭わなければいけないのか。何も出来ずに話を聞いて知ることしか出来なかった自分が無力でただただ悔しい。
「優しいね、九条さん。ありがとう。でも俺のことで胸を痛めないでよ。君にそんな顔をさせたくないんだ」
私を気遣ってるのだから本当に優しいのは彼だというのに。でも、と言いたいけど河村君が困りそうなのでそれは私としても本意じゃないため、ひとまず頷いた。
「それに俺は本当に何ともないからさ。亜久津も昔のよしみってことで俺を見逃したくらいだ」
「飲み物をかけられたのに……?」
「あいつにしても優しいくらいじゃないかな」
「……河村君、その亜久津君とは知り合いなんだよね? 申し訳ないんだけどあまりピンとこないよ」
片や不良と呼んでもおかしくない素行の悪い人、片や良識のある優しい人。そんな二人が知り合いというのがいまいち繋がらない。
「昔、空手道場で一緒だったんだ。でも中学に入ってからは来なくなってそれっきりで……。そしたら越前達が山吹の亜久津って奴に襲われたって聞いて、居ても立ってもいられなくて呼び出したんだ。もう手を出さないようにって」
「……河村君、そこまでしてたんだね」
「はは、でも結局反省どころか止めることも出来なくて不甲斐ないばかりだよ……」
「そんなことないよ。河村君はみんなを守ろうとしてくれたんだよ? むしろ勇気ある行動だと思う。人のためにそこまで動けるんだもの」
彼は十分すぎるほどのことをしている。優しくて勇気もあって人としてとても素晴らしいことだ。
「でも無理や無茶はしないでね。河村君に何かあったら悲しいから……」
「わ、分かったよ。九条さんに心配かけないようにするから」
そう答える河村君に少し安心する。これ以上友達を傷ついてほしくない。
麻美だけじゃなく越前君も荒井君も加藤君も被害者で、特に越前君の怪我の方が多かった。大会中にこんなことになるなんて。
それに麻美に至っては仕返しをする気満々で、新たな事件を起こさないか気がかりだった。
はぁ、と溜め息をついて朝練に顔を出す。テニスコートの隅でボールの入ったかごを運ぶと、その近くで話し声が聞こえてきた。
「昨日の亜久津って奴マジどうかしてたッスね」
桃君の声だった。会話の中に出てきた亜久津という名前を聞いて例の素行の悪い人だとすぐに気づく。
「越前達を石で痛めつけただけじゃなく、タカさんにドリンクをぶっかけるなんてありえねーな、ありえねーよ」
「ほんとほんと。てか、タカさんとあいつが知り合いだなんてびっくりしちったよ。あとで詳しい話聞かせてもらわないとね」
え……? 河村君が? 思わぬ人物の名前が出てきて手が止まる。
「桃君、菊丸君、今の話本当なの? 河村君が昨日の襲撃犯と知り合いでドリンクもかけられたって……」
話を盗み聞きしたようで申し訳ないのだけど、友達である河村君に何があったかはちゃんと知りたかった。
「そーなんスよ! 昨日タカさんが亜久津とレストランで会ってるとこを偶然にも目撃しちゃって!」
「そーそー! 最初は女の人を泣かせたから何事かと思ったけどさー!」
女の人を泣かせた……? それは誰が、って問いかけようとしたら話が聞こえたのか、河村君が慌てた様子で駆け寄ってきた。
「ちょっ! 桃に英二まで九条さんに変なこと言わないでよっ!」
河村君の登場により話をしていた桃君と菊丸君は「やべっ」と言葉をこぼし逃げていった。二人を追いかけることはなく、河村君は「まったく……」と溜め息をつく。
「河村君っ! あの、亜久津って人にドリンクをかけられたって聞いたけど大丈夫なの? どこか怪我とかしてないっ?」
麻美達だって怪我をした。河村君にも何か被害があったのかもしれない。心配して彼の全身を目視するが見える範囲には何もなかった。もしかして服で隠れるような場所に怪我があるのではという考えがよぎる。
「だ、大丈夫だよ九条さんっ! 本当に飲み物をかけられただけだから……」
困ったように笑いながら大丈夫だと口にする河村君。心配させないための嘘じゃないと信じたい。
「それならいいんだけど……ううん、全然良くない。河村君が酷いことをされたことには変わりないんだもの」
「九条さんが想像してるよりも酷くはないよ。頭からかけられただけだから」
顔面に勢いよくかけられたわけじゃないんだ。でも、だからって許していいとは言えない。
「それでもドリンクをかけられること自体がおかしいよ。河村君はそんなことされるような人じゃないってことは私知ってるのに……何だか悔しいよ」
「九条さん……」
どうして友人達が酷い目に遭わなければいけないのか。何も出来ずに話を聞いて知ることしか出来なかった自分が無力でただただ悔しい。
「優しいね、九条さん。ありがとう。でも俺のことで胸を痛めないでよ。君にそんな顔をさせたくないんだ」
私を気遣ってるのだから本当に優しいのは彼だというのに。でも、と言いたいけど河村君が困りそうなのでそれは私としても本意じゃないため、ひとまず頷いた。
「それに俺は本当に何ともないからさ。亜久津も昔のよしみってことで俺を見逃したくらいだ」
「飲み物をかけられたのに……?」
「あいつにしても優しいくらいじゃないかな」
「……河村君、その亜久津君とは知り合いなんだよね? 申し訳ないんだけどあまりピンとこないよ」
片や不良と呼んでもおかしくない素行の悪い人、片や良識のある優しい人。そんな二人が知り合いというのがいまいち繋がらない。
「昔、空手道場で一緒だったんだ。でも中学に入ってからは来なくなってそれっきりで……。そしたら越前達が山吹の亜久津って奴に襲われたって聞いて、居ても立ってもいられなくて呼び出したんだ。もう手を出さないようにって」
「……河村君、そこまでしてたんだね」
「はは、でも結局反省どころか止めることも出来なくて不甲斐ないばかりだよ……」
「そんなことないよ。河村君はみんなを守ろうとしてくれたんだよ? むしろ勇気ある行動だと思う。人のためにそこまで動けるんだもの」
彼は十分すぎるほどのことをしている。優しくて勇気もあって人としてとても素晴らしいことだ。
「でも無理や無茶はしないでね。河村君に何かあったら悲しいから……」
「わ、分かったよ。九条さんに心配かけないようにするから」
そう答える河村君に少し安心する。これ以上友達を傷ついてほしくない。