自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.2 ……お前は人の世話は好きか?
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本日の吹奏楽は朝練があり、昨日から仮入部の身である私はその練習に参加した帰りだった。
色々な楽器の中から私はフルートを選んだのだけど昨日はあまり上手く吹けなくて、今日はもっと吹けるようになれたらいいなと思って参加した朝練では綺麗な音色が出せた。
驚いた、嬉しかった、でも違う。私の求めているのとは違う気がした。
だけどまだ仮入部二日目、一週間後には夢中になっているのかもしれないからもう少し頑張ってみなきゃと自身を鼓舞する。
本当はそのまま自分の教室に向かおうとしたんだけど、吹奏楽の練習で使っていた音楽室のクズ入れのゴミが溜まっていたので私はゴミ袋をしっかり締めてそれを持ち、中庭にあるゴミ捨て場にゴミを捨てに行くことにした。
「これで良し、っと」
まだひとつもなかったゴミ捨て場に私が持ってきたゴミを捨てる。
そして教室に行こうとすると、何か小さな鳴き声が聞こえた気がしてピタッと足を止めた。
なんの声だろうと思いながら辺りを見渡すと、近くの茂みからガサガサと音がして思わず私の肩が跳ねる。
「みゃー」
茂みから姿を現したのは小さな白い猫だったため胸を撫で下ろした。
仔猫が校内に迷い込んだのだろうか、そう思いゆっくりしゃがみ込んで仔猫を見てみる。
するとこの間、生徒会でちょっとした話題が出たことを思い出した。
それは最近校内に猫が出没しているらしく見つけたら連絡するようにと話が出ていた。
新聞部の力も借りて猫の目撃情報提供のお知らせを書いてもらい、校内新聞を発行してもらったばかりなので記憶にも新しい。
きっとこの仔猫で間違いないから、先生達に知らせなければ。
「よいしょ」
「あ……」
仔猫を抱えて職員室に向かおうとしたところ、カサッと足音が聞こえた。
もちろん私のものではなく後ろから聞こえたのでそのままの状態で振り返る。
そこにはバンダナを巻いた男子生徒が500mlの紙パックである牛乳を手にしていた。
見たことのあるジャージ姿、あれは男子テニス部のレギュラーが袖を通すことが許されるレギュラージャージ。テニスバッグも肩にかけてあるのできっとそうだと思う。
「……」
でも、何だか様子が変だった。相手は私の横を通り過ぎることもせずにただ黙ったまま私を……いや、仔猫を見つめていた。
「……あ、もしかしてその牛乳をこの子に?」
「ばっ……! 違ぇ!」
否定されてしまったけど、わざわざ牛乳を後ろに隠しているところを見ると私の言ったことは間違いないのかもしれない。
「そいつ……どうすんだ?」
ぼそっと囁かれる低い声に私は笑顔で答えた。
「職員室に連れて行って、先生達に預かってもらうの」
「……そのあと、保健所に連れてったりしねぇか?」
あぁ、きっとこの人は仔猫が心配で心配で仕方ないんだ。
きっと彼は何度かこの仔猫を見かけたことがあったんじゃないかな。
そして校内新聞を見て、保健所に連れて行かれると思ったのかもしれない。
ギロッと強く睨まれるが、彼の真意を少し見えてしまったため不思議と恐いと感じることはなかった。
「大丈夫だよ。今度、新聞部に里親募集の告知をしてもらおうかなって思ったから」
「……ならいい」
彼は安心したようにゆっくりフシュウゥゥと息を吐いた。この人凄くいい人なんだろうね。
「それじゃあ、この子を連れて行くね」
「あ、あぁ」
仔猫を抱えたまま職員室へと足を進めようとしたが、彼は何か言いたそうな態度を見せる。
残念ながら私には彼が何を言いたいのか、何をしたいのか、その気持ちを酌み取ることは出来なかった。だけど、彼はまだ仔猫とは離れたくないのかもしれない。
「あの、もし時間があったら一緒に職員室までついて行ってもらってもいいかな?」
「……なんで俺が」
「この子が逃げないために見張りをしてほしいと思って。私も逃がさないように注意するから」
どうかな? そう訊ねると彼はまたフシュウゥゥと息を吐く。
「……着替え終わってからでも良いなら構わねぇ」
「いいよ、待ってるね」
「逃がすんじゃねぇぞ」
「うん。任せて」
そう言うと彼は来た道を戻ろうと私に背を向けて歩く。段々と足早になる彼を見てちょっと不器用な人なのかなと何となく彼の性格が分かった気がした。
その不器用さがまるで麻美みたいに思えて私は小さく笑う。
そしてずっと腕の中にいた仔猫はいつの間にか目を閉じて気持ち良さそうに眠りに落ちていた。
色々な楽器の中から私はフルートを選んだのだけど昨日はあまり上手く吹けなくて、今日はもっと吹けるようになれたらいいなと思って参加した朝練では綺麗な音色が出せた。
驚いた、嬉しかった、でも違う。私の求めているのとは違う気がした。
だけどまだ仮入部二日目、一週間後には夢中になっているのかもしれないからもう少し頑張ってみなきゃと自身を鼓舞する。
本当はそのまま自分の教室に向かおうとしたんだけど、吹奏楽の練習で使っていた音楽室のクズ入れのゴミが溜まっていたので私はゴミ袋をしっかり締めてそれを持ち、中庭にあるゴミ捨て場にゴミを捨てに行くことにした。
「これで良し、っと」
まだひとつもなかったゴミ捨て場に私が持ってきたゴミを捨てる。
そして教室に行こうとすると、何か小さな鳴き声が聞こえた気がしてピタッと足を止めた。
なんの声だろうと思いながら辺りを見渡すと、近くの茂みからガサガサと音がして思わず私の肩が跳ねる。
「みゃー」
茂みから姿を現したのは小さな白い猫だったため胸を撫で下ろした。
仔猫が校内に迷い込んだのだろうか、そう思いゆっくりしゃがみ込んで仔猫を見てみる。
するとこの間、生徒会でちょっとした話題が出たことを思い出した。
それは最近校内に猫が出没しているらしく見つけたら連絡するようにと話が出ていた。
新聞部の力も借りて猫の目撃情報提供のお知らせを書いてもらい、校内新聞を発行してもらったばかりなので記憶にも新しい。
きっとこの仔猫で間違いないから、先生達に知らせなければ。
「よいしょ」
「あ……」
仔猫を抱えて職員室に向かおうとしたところ、カサッと足音が聞こえた。
もちろん私のものではなく後ろから聞こえたのでそのままの状態で振り返る。
そこにはバンダナを巻いた男子生徒が500mlの紙パックである牛乳を手にしていた。
見たことのあるジャージ姿、あれは男子テニス部のレギュラーが袖を通すことが許されるレギュラージャージ。テニスバッグも肩にかけてあるのできっとそうだと思う。
「……」
でも、何だか様子が変だった。相手は私の横を通り過ぎることもせずにただ黙ったまま私を……いや、仔猫を見つめていた。
「……あ、もしかしてその牛乳をこの子に?」
「ばっ……! 違ぇ!」
否定されてしまったけど、わざわざ牛乳を後ろに隠しているところを見ると私の言ったことは間違いないのかもしれない。
「そいつ……どうすんだ?」
ぼそっと囁かれる低い声に私は笑顔で答えた。
「職員室に連れて行って、先生達に預かってもらうの」
「……そのあと、保健所に連れてったりしねぇか?」
あぁ、きっとこの人は仔猫が心配で心配で仕方ないんだ。
きっと彼は何度かこの仔猫を見かけたことがあったんじゃないかな。
そして校内新聞を見て、保健所に連れて行かれると思ったのかもしれない。
ギロッと強く睨まれるが、彼の真意を少し見えてしまったため不思議と恐いと感じることはなかった。
「大丈夫だよ。今度、新聞部に里親募集の告知をしてもらおうかなって思ったから」
「……ならいい」
彼は安心したようにゆっくりフシュウゥゥと息を吐いた。この人凄くいい人なんだろうね。
「それじゃあ、この子を連れて行くね」
「あ、あぁ」
仔猫を抱えたまま職員室へと足を進めようとしたが、彼は何か言いたそうな態度を見せる。
残念ながら私には彼が何を言いたいのか、何をしたいのか、その気持ちを酌み取ることは出来なかった。だけど、彼はまだ仔猫とは離れたくないのかもしれない。
「あの、もし時間があったら一緒に職員室までついて行ってもらってもいいかな?」
「……なんで俺が」
「この子が逃げないために見張りをしてほしいと思って。私も逃がさないように注意するから」
どうかな? そう訊ねると彼はまたフシュウゥゥと息を吐く。
「……着替え終わってからでも良いなら構わねぇ」
「いいよ、待ってるね」
「逃がすんじゃねぇぞ」
「うん。任せて」
そう言うと彼は来た道を戻ろうと私に背を向けて歩く。段々と足早になる彼を見てちょっと不器用な人なのかなと何となく彼の性格が分かった気がした。
その不器用さがまるで麻美みたいに思えて私は小さく笑う。
そしてずっと腕の中にいた仔猫はいつの間にか目を閉じて気持ち良さそうに眠りに落ちていた。