自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.16 僕のことを少しは意識してるって自惚れてもいいんだね?
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Dブロック準々決勝。青学の対戦相手は聖ルドルフ学院。盗み聞きした乾の話によると地方から優秀な生徒を集めて補強してるとか何とか。つまり強いのを集めた学校ということかしら? 強そー! あたしの取材も頑張らねば!
しかし、時間の関係上ダブルス2と1は同時に行われることになったので身体がひとつしかないあたしにとってはてんてこ舞いである。なんで身体はひとつしかないの! しかもダブルス1には大石がいるんだからじっくり見させておくれよ!
でもしっかり隣のダブルス1の試合も観戦及び写真撮影したりと取材をしなければまたあたしの新聞部クビに近づいてしまうので泣く泣く動き回るしかないのだ。
「面白いほどの反復横跳びだな」
大石と英二の試合を写真に撮り、海堂と桃城の試合を写真に撮る。その途中で呑気に笑う乾に捕まったのだ。
観戦するだけの立場の人間は楽でいいものだね! ちょうど両方の試合が見れる場所にいればいいんだから! あたしなんてちゃんといい写真を撮らなきゃならんのだから中途半端な場所で中途半端な写真を撮るわけにはいかないんだよ!
「べーっだ!」
あかんべーっと乾に下瞼を下げてあたしは走る。ダブルスはどちらとも押され気味なのでただでさえハラハラしているというのに。
どうやらルドルフは徹底的に青学の情報を頭に叩き入れて試合に臨んでいるらしい。あの黄金ペアでさえもなかなか出し抜けないようだ。
大石のムーンボレーが決まってテンションが上がったけど、そのあとは英二が体力切れになったから大石が一人で試合を頑張ったり、絶体絶命の瞬間、英二が復活したり、オーストラリアなんちゃらっていうフォーメーションを見せたりで色々あったけど、結局タイブレークとかいう延長試合? で英二が本当に本当の体力切れになってしまい、黄金ペアは負けてしまった。
「まるで当事者のような沈み方だな」
ずーんと、落ち込んだあたしがダブルス2の試合へと集中しようと移動していたら、また近くにいた乾に絡まれた。
「大石、負けてしまった……」
「仕方ないだろう、結果はもう変えられないのだから沈んでもいいことはないぞ。それに英二も頑張ったのだから英二にも労ってやれ」
「はいはいはーい」
ぷくーっと頬を膨らませ返事をし、ダブルス2の試合に目を向けた時だった。桃城達がダブルス1の試合結果を知って落ち込むどころか気合を入れたその時、タイムが入ったのだ。
ルドルフ側のベンチコーチとして座っているマネージャーが箒を持ってコートラインの清掃を始めた。どうやら試合に水を差すような行為らしく、あえてそのような行動に出たらしい。むむむ、ちょっとせこいぞ。
なんて思っていたら掃き終えたマネージャーがフェンスで隔たれたこちらの方へと向かってきて、乾の前で足を止めた。
「残念ですね乾君……。試合中選手に指導 できるのはコートの上のベンチコーチのみなんて……」
「ベンチコーチは登録された選手……または監督の先生1名に限られてるからね」
「んーー……せめてレギュラー落ちしてなければコート内で僕と競えたのに……ふふっ」
なるほど。あたしにも分かるぞ。これは挑発だな! 乗っちゃいけないぞ乾!
「何を? アドバイス? ……別にないけど」
乾らしい返しだー! 普段からそうだものな、君は! 挑発に乗せられるより、挑発をする側だものな!
どうやらそんな乾の返答が気に食わないのか、マネージャーの表情は険しいものになった。そんな彼がふと乾の隣に立つあたしに目を向ける。
「なるほど。選手より、異性交遊に夢中というわけですか」
「え」
何その含みのある言い方は。隣に立っているだけで勘違いしないでもらえないかな!? そう口にしようとしたら乾に肩を掴まれてぐいっと奴の方へ寄せられた。
「選手より、ではないけど否定はしないでおこうかな。羨ましいかい?」
「はい?」
なんだ乾、その言い方は。そう思いながら乾の顔を見上げると、ニタリと笑みを浮かべていたので奴なりの挑発返しなのだと察した。その効果もあってマネージャーの顔がまた歪む。
すると審判からマネージャーに向けて戻るように指示を出したので彼はベンチに戻ろうとした。
「んふっ。負け惜しみを言っていられるのも……今のうちですよ!」
去り際に捨て台詞を残して。そんなマネージャーを見送ると私の肩を掴んでいた乾の手が離れる。
「……乾や、あたしを利用するの酷くない?」
「この間勉強を見てやっただろう」
「大石を召喚したけどね!?」
なんて勝手な奴なんだ! ぷりぷりと怒ったら近くにいた不二が小さく噴き出すように笑われた。ちょっと不二も酷くないっ!?
そんな中、ダブルス2の試合が再開された。
しかし、時間の関係上ダブルス2と1は同時に行われることになったので身体がひとつしかないあたしにとってはてんてこ舞いである。なんで身体はひとつしかないの! しかもダブルス1には大石がいるんだからじっくり見させておくれよ!
でもしっかり隣のダブルス1の試合も観戦及び写真撮影したりと取材をしなければまたあたしの新聞部クビに近づいてしまうので泣く泣く動き回るしかないのだ。
「面白いほどの反復横跳びだな」
大石と英二の試合を写真に撮り、海堂と桃城の試合を写真に撮る。その途中で呑気に笑う乾に捕まったのだ。
観戦するだけの立場の人間は楽でいいものだね! ちょうど両方の試合が見れる場所にいればいいんだから! あたしなんてちゃんといい写真を撮らなきゃならんのだから中途半端な場所で中途半端な写真を撮るわけにはいかないんだよ!
「べーっだ!」
あかんべーっと乾に下瞼を下げてあたしは走る。ダブルスはどちらとも押され気味なのでただでさえハラハラしているというのに。
どうやらルドルフは徹底的に青学の情報を頭に叩き入れて試合に臨んでいるらしい。あの黄金ペアでさえもなかなか出し抜けないようだ。
大石のムーンボレーが決まってテンションが上がったけど、そのあとは英二が体力切れになったから大石が一人で試合を頑張ったり、絶体絶命の瞬間、英二が復活したり、オーストラリアなんちゃらっていうフォーメーションを見せたりで色々あったけど、結局タイブレークとかいう延長試合? で英二が本当に本当の体力切れになってしまい、黄金ペアは負けてしまった。
「まるで当事者のような沈み方だな」
ずーんと、落ち込んだあたしがダブルス2の試合へと集中しようと移動していたら、また近くにいた乾に絡まれた。
「大石、負けてしまった……」
「仕方ないだろう、結果はもう変えられないのだから沈んでもいいことはないぞ。それに英二も頑張ったのだから英二にも労ってやれ」
「はいはいはーい」
ぷくーっと頬を膨らませ返事をし、ダブルス2の試合に目を向けた時だった。桃城達がダブルス1の試合結果を知って落ち込むどころか気合を入れたその時、タイムが入ったのだ。
ルドルフ側のベンチコーチとして座っているマネージャーが箒を持ってコートラインの清掃を始めた。どうやら試合に水を差すような行為らしく、あえてそのような行動に出たらしい。むむむ、ちょっとせこいぞ。
なんて思っていたら掃き終えたマネージャーがフェンスで隔たれたこちらの方へと向かってきて、乾の前で足を止めた。
「残念ですね乾君……。試合中選手に
「ベンチコーチは登録された選手……または監督の先生1名に限られてるからね」
「んーー……せめてレギュラー落ちしてなければコート内で僕と競えたのに……ふふっ」
なるほど。あたしにも分かるぞ。これは挑発だな! 乗っちゃいけないぞ乾!
「何を? アドバイス? ……別にないけど」
乾らしい返しだー! 普段からそうだものな、君は! 挑発に乗せられるより、挑発をする側だものな!
どうやらそんな乾の返答が気に食わないのか、マネージャーの表情は険しいものになった。そんな彼がふと乾の隣に立つあたしに目を向ける。
「なるほど。選手より、異性交遊に夢中というわけですか」
「え」
何その含みのある言い方は。隣に立っているだけで勘違いしないでもらえないかな!? そう口にしようとしたら乾に肩を掴まれてぐいっと奴の方へ寄せられた。
「選手より、ではないけど否定はしないでおこうかな。羨ましいかい?」
「はい?」
なんだ乾、その言い方は。そう思いながら乾の顔を見上げると、ニタリと笑みを浮かべていたので奴なりの挑発返しなのだと察した。その効果もあってマネージャーの顔がまた歪む。
すると審判からマネージャーに向けて戻るように指示を出したので彼はベンチに戻ろうとした。
「んふっ。負け惜しみを言っていられるのも……今のうちですよ!」
去り際に捨て台詞を残して。そんなマネージャーを見送ると私の肩を掴んでいた乾の手が離れる。
「……乾や、あたしを利用するの酷くない?」
「この間勉強を見てやっただろう」
「大石を召喚したけどね!?」
なんて勝手な奴なんだ! ぷりぷりと怒ったら近くにいた不二が小さく噴き出すように笑われた。ちょっと不二も酷くないっ!?
そんな中、ダブルス2の試合が再開された。