自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.16 僕のことを少しは意識してるって自惚れてもいいんだね?
主人公名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
都大会女子の部。好調に試合も勝ち進めていき、シングルスの私の試合も勝利を収める……が、試合中ずっと品定めするような視線が突き刺さっていたことに気づいていた。
以前舐めるように覗いていた千石っつったか。あいつとはまた違うねちっこい視線。
その視線を探してみると、他校の制服を着た男が髪を指先でくるくると弄りながらクスリと笑みを浮かべていた。オレンジ頭とはまた違う悪寒を感じる。
そいつと目が合ってしまったから、無視するわけにもいかないし、ただただ気持ち悪いというのもあり、コートを出てその男の元へ向かう。
「おい、あんた何ジロジロ見てんだ」
「おやおや、これは失礼いたしました。あなたの試合に釘付けになってしまいました」
「よく言うな、品定めしていたくせに。言いたいことがあるならはっきり言え」
「……想像以上に言葉遣いがよろしくないようですが、この際それは良しとしましょう。単刀直入に言います。赤宮麻美さん、あなたを我が聖ルドルフ学院にお招きしたいのです」
「は?」
お招き、だと? 何なわけ? 招待して何するつもりだ? 茶会でもするのか? てか、片仮名の入った学校なんてミッション系か?
「んふっ、スカウトですよ」
「スカウトだと?」
「えぇ、あなたのテニスの実力はとても素晴らしい。そこまで腕をお持ちなのに唯一残念なのが青学で燻っているということです。そこではあなたの力が発揮出来ない。ですが我が聖ルドルフ学院ではあなたの実力を100%いや、120%引き出せることを約束いたしましょう」
「そもそも聖ルドルフなんて聞いたことないんだけど」
「知名度については仕方ないかもしれません。我が校の創立歴はまだまだ浅いので。ですが勉学から運動、そして部活動にまでしっかりと力を入れております。それだけでなく全国各地の優秀な人材を集めていまして、そのおかげで毎年良い成績を収めているんですよ」
「つまり引き抜きってことか」
「まぁ、そうともいいますね」
「っつーか、そこは教師でなく生徒がスカウトするのかよ」
こんな若造に鑑識眼があるとは思えないが、私を引き抜こうとするのは悪くない。そこだけは見る目がある。
「自由に動きやすい身分ではありますからね。ですがこれでも僕のスケジュールは結構カツカツなんですよ? 本当ならば団体戦男子の部の方でデータ収集に勤しみたかったのですが、今年からミクスド大会も開催されますし、ミクスドに出場する女子選手もチェックしなければなりませんからね」
データ収集……どこぞの四角眼鏡を思い出す単語だな。というか、そもそもこいつは何なんだ?
「てか、あんた何者?」
「あぁ、僕としたことが申し遅れました。聖ルドルフ学院中3年、観月はじめと申します。んふっ、テニス部の部員とマネージャーを兼任しています」
マネージャー、ねぇ。部員とマネージャーを両立するよりどっちかひとつにした方が良くない? あと、んふって笑うな。
「いかがでしょうか? 突然の勧誘なのは重々承知していますが、あなたにとっても悪い話ではないはず。今もっとも勢いづいている我が校を少しでも興味を持っていただければ幸いです。こちらうちのパンフレットですのでよろしければどうぞ」
そう言って観月と名乗る男は手にしていたパンフレットを挟んだクリアファイルを私に差し出す。
聖ルドルフ学院と書かれたパンフレットの表紙に載る写真には校舎や教会が写っていた。やはりミッションスクールか。
「悪いが興味ない。そもそも私には倒したい奴がいる。ここじゃないと無理」
「不二周助君、ですよね?」
弧を描く口元と発言にぴくりと反応する。こいつ、他校のくせになんでそこまで知ってやがる。
「急ぎではありますがそれなりにあなたのことは調べさせていただきました。打倒不二周助、よろしいじゃありませんか。うちにもいるんですよ同じように彼を倒そうと燃えているのが。弟の不二裕太君と言うんですけどね」
……あ。知ってる。前に不二の奴と行ったテニスクラブにいた刈り上げた奴か。生意気に文句ばっか言っていたな。……あぁ、思い出した。そういや、聖ルドルフっつってたな。忘れてた。
「キャラ被りならさらにごめんだな。私は忙しいし、あんたもそろそろミクスドの準備すべきじゃないの? 出場するなら、だけど」
「本当に口が達者ですね、あなたは。僕としては赤宮さんと裕太君による打倒不二周助ペアを組ませたかったのですが残念です。ひとまずここは引きましょう。んふふ、考えが変われば是非とも僕を呼んでください」
断ったのに悔しがる様子もなく、むしろこうなることは分かっていましたよ、と言わんばかりの態度で観月は去っていった。
っつーか、最後まで女みたいな笑い方するな、あいつ。
以前舐めるように覗いていた千石っつったか。あいつとはまた違うねちっこい視線。
その視線を探してみると、他校の制服を着た男が髪を指先でくるくると弄りながらクスリと笑みを浮かべていた。オレンジ頭とはまた違う悪寒を感じる。
そいつと目が合ってしまったから、無視するわけにもいかないし、ただただ気持ち悪いというのもあり、コートを出てその男の元へ向かう。
「おい、あんた何ジロジロ見てんだ」
「おやおや、これは失礼いたしました。あなたの試合に釘付けになってしまいました」
「よく言うな、品定めしていたくせに。言いたいことがあるならはっきり言え」
「……想像以上に言葉遣いがよろしくないようですが、この際それは良しとしましょう。単刀直入に言います。赤宮麻美さん、あなたを我が聖ルドルフ学院にお招きしたいのです」
「は?」
お招き、だと? 何なわけ? 招待して何するつもりだ? 茶会でもするのか? てか、片仮名の入った学校なんてミッション系か?
「んふっ、スカウトですよ」
「スカウトだと?」
「えぇ、あなたのテニスの実力はとても素晴らしい。そこまで腕をお持ちなのに唯一残念なのが青学で燻っているということです。そこではあなたの力が発揮出来ない。ですが我が聖ルドルフ学院ではあなたの実力を100%いや、120%引き出せることを約束いたしましょう」
「そもそも聖ルドルフなんて聞いたことないんだけど」
「知名度については仕方ないかもしれません。我が校の創立歴はまだまだ浅いので。ですが勉学から運動、そして部活動にまでしっかりと力を入れております。それだけでなく全国各地の優秀な人材を集めていまして、そのおかげで毎年良い成績を収めているんですよ」
「つまり引き抜きってことか」
「まぁ、そうともいいますね」
「っつーか、そこは教師でなく生徒がスカウトするのかよ」
こんな若造に鑑識眼があるとは思えないが、私を引き抜こうとするのは悪くない。そこだけは見る目がある。
「自由に動きやすい身分ではありますからね。ですがこれでも僕のスケジュールは結構カツカツなんですよ? 本当ならば団体戦男子の部の方でデータ収集に勤しみたかったのですが、今年からミクスド大会も開催されますし、ミクスドに出場する女子選手もチェックしなければなりませんからね」
データ収集……どこぞの四角眼鏡を思い出す単語だな。というか、そもそもこいつは何なんだ?
「てか、あんた何者?」
「あぁ、僕としたことが申し遅れました。聖ルドルフ学院中3年、観月はじめと申します。んふっ、テニス部の部員とマネージャーを兼任しています」
マネージャー、ねぇ。部員とマネージャーを両立するよりどっちかひとつにした方が良くない? あと、んふって笑うな。
「いかがでしょうか? 突然の勧誘なのは重々承知していますが、あなたにとっても悪い話ではないはず。今もっとも勢いづいている我が校を少しでも興味を持っていただければ幸いです。こちらうちのパンフレットですのでよろしければどうぞ」
そう言って観月と名乗る男は手にしていたパンフレットを挟んだクリアファイルを私に差し出す。
聖ルドルフ学院と書かれたパンフレットの表紙に載る写真には校舎や教会が写っていた。やはりミッションスクールか。
「悪いが興味ない。そもそも私には倒したい奴がいる。ここじゃないと無理」
「不二周助君、ですよね?」
弧を描く口元と発言にぴくりと反応する。こいつ、他校のくせになんでそこまで知ってやがる。
「急ぎではありますがそれなりにあなたのことは調べさせていただきました。打倒不二周助、よろしいじゃありませんか。うちにもいるんですよ同じように彼を倒そうと燃えているのが。弟の不二裕太君と言うんですけどね」
……あ。知ってる。前に不二の奴と行ったテニスクラブにいた刈り上げた奴か。生意気に文句ばっか言っていたな。……あぁ、思い出した。そういや、聖ルドルフっつってたな。忘れてた。
「キャラ被りならさらにごめんだな。私は忙しいし、あんたもそろそろミクスドの準備すべきじゃないの? 出場するなら、だけど」
「本当に口が達者ですね、あなたは。僕としては赤宮さんと裕太君による打倒不二周助ペアを組ませたかったのですが残念です。ひとまずここは引きましょう。んふふ、考えが変われば是非とも僕を呼んでください」
断ったのに悔しがる様子もなく、むしろこうなることは分かっていましたよ、と言わんばかりの態度で観月は去っていった。
っつーか、最後まで女みたいな笑い方するな、あいつ。