自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.15 あたしが拾い食いするとでも!?
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神尾君と一緒にストリートテニスコートへ向かえば、地区大会の決勝で兄と戦った桃城君と赤宮さんが試合をしていた。
私達と試合した時とは雰囲気が違っていて、あの頃よりうんといいテニスをしているように思える。出来ればあの試合を私達の時に見せてほしかったなとは思うものの、機会があればまた対戦出来るかもしれないし、その時の楽しみにするのも悪くはない。
二人に声をかけたら桃城君から手合わせをお願いされた。ちょっと言い方にムッとしたけどね。
「ねぇ、僕が彼女と組んで試合してもいいかな?」
そうしたら何故か間に割り込むように青学の天才不二さんが私のペアを申し出た。突然のことで目が丸くなったと思う。
「……え?」
「え、は!? いや、杏ちゃんは俺と━━」
「分かった。受けて立つ」
赤宮さんがラケットを不二さんに突きつけて勝手に了承しちゃった。私は返事してないんだけど、赤宮さんがあまりにも真剣に彼を睨んでいたから水を差すのも悪いかなと考えて私も頷く。
「分かったわ。よろしくお願いします、不二さん」
「なっ!? 杏ちゃん!?」
「……ドンマイ、神尾」
こうして私と不二さん対赤宮さんと桃城君の試合が開始される。とはいえ、こっちは初めて組む相手なので正直なところ上手くいくかどうかは分からない。
うちの学校との試合では不二さんはダブルスとして出場していたし、慣れてないわけではないと思う。
サーブは私から。実際に試合をしてみれば不二さんと組むのはそんなに難しいものではなかった。まぁ、上手く誘導して誘導されているというか、無駄のない動きね。
……というのも最初だけなんだけど。途中から不二さんが赤宮さんを集中的に狙い始めた。
「……こいつ、舐めやがって!」
赤宮さんもそれを受けて立つようにわざと不二さんに返球する。ポーチで互いに打ち合い始める二人だけど、どちらも隙があったはずなのに頑なに相手へと返し続けた。前衛だけのダブルス。ボレー対ボレーの対決。
二人のラリーが10球を越えた辺りで赤宮さんのボレーが決まった。
「……うん。前より反応とコントロールが上がってるね」
「馬鹿にしてんの?」
「おかしいなぁ。素直に褒めてるのに」
「よく言う」
赤宮さんがムスッとした顔で桃城くんと立ち位置を交代する。その途中で何か話をしていたみたいだけど私からは聞こえなかった。
「ごめんね、橘さん。僕の好きにさせてもらっちゃって」
「あ、えぇ。大丈夫です」
おそらく不二さんは赤宮さんと遊ぶつもりなのかもしれない。……私の出番はあるのかしら。
次もサーブを打ったあと、赤宮さんと不二さんの打ち合いになった。いくらなんでもこれではダブルスどころではないし、1対1のシングルスじゃないの。これだと桃城君もさすがに呆れてしまうのでは……。
(……あれ?)
桃城君の方を見てみれば何かを狙うような目をしていた。呆れた様子は一切ない。……ふーん? 面白そうね。
様子を見守っているとラリーはまた10球を越えた。赤宮さんか不二さん、今度はどちらが決めるのかな。そう思いながら不二さんがボールを打ち返す……が、赤宮さんはその打球を避けた。
まさか打ち返すのを諦めたのかしら。じゃあ、今度は私達のポイントね……と、思っていた。赤宮さんが避けた先に桃城君がいるのに気づくまでは。
「桃城君っ!?」
「もらったぁ!」
バウンドした球を桃城君が打ち返す。不二さんの横を抜いたところでようやくハッとした私は慌てて追いかけるけど、間に合わず点を取られてしまう。
てっきり不二さんと赤宮さんの勝負になるのかと思って気を緩んでしまった。
「……赤宮さん、てっきり僕と勝負してるのかと思ってたんだけど……逃げたんだ?」
挑発するような不二さんの言葉。赤宮さんは乗るのだろうかと彼女に目を向けると、赤宮さんは馬鹿にするような笑みを浮かべていた。
「天才のくせに分からないわけ? あんたと私の勝負じゃない。あんたらと私らの勝負だ。つまり、ダブルスなんだよ。勘違いすんな」
「そーっすよ。不二先輩っ。俺を除け者にするなんていけねーな、いけねーよ」
赤宮さんに続いて桃城君もへへっと笑みを見せた。決勝戦からそんなに日が経っていないのに、明らかに二人のコンビネーションは上がっているように思える。
そんな彼女達の様子に不二さんはどこか嬉しそうに「へぇ」と微笑んでいた。
その後、試合は1ゲーム勝負だったため、あっという間に終わってしまった。
結局、こちらの負け。相手の意思疎通の方が上だったため、仕方ないと言えば仕方ないけど、あの二人の成長を垣間見えたことは結構良かったんじゃないかしら。
私達と試合した時とは雰囲気が違っていて、あの頃よりうんといいテニスをしているように思える。出来ればあの試合を私達の時に見せてほしかったなとは思うものの、機会があればまた対戦出来るかもしれないし、その時の楽しみにするのも悪くはない。
二人に声をかけたら桃城君から手合わせをお願いされた。ちょっと言い方にムッとしたけどね。
「ねぇ、僕が彼女と組んで試合してもいいかな?」
そうしたら何故か間に割り込むように青学の天才不二さんが私のペアを申し出た。突然のことで目が丸くなったと思う。
「……え?」
「え、は!? いや、杏ちゃんは俺と━━」
「分かった。受けて立つ」
赤宮さんがラケットを不二さんに突きつけて勝手に了承しちゃった。私は返事してないんだけど、赤宮さんがあまりにも真剣に彼を睨んでいたから水を差すのも悪いかなと考えて私も頷く。
「分かったわ。よろしくお願いします、不二さん」
「なっ!? 杏ちゃん!?」
「……ドンマイ、神尾」
こうして私と不二さん対赤宮さんと桃城君の試合が開始される。とはいえ、こっちは初めて組む相手なので正直なところ上手くいくかどうかは分からない。
うちの学校との試合では不二さんはダブルスとして出場していたし、慣れてないわけではないと思う。
サーブは私から。実際に試合をしてみれば不二さんと組むのはそんなに難しいものではなかった。まぁ、上手く誘導して誘導されているというか、無駄のない動きね。
……というのも最初だけなんだけど。途中から不二さんが赤宮さんを集中的に狙い始めた。
「……こいつ、舐めやがって!」
赤宮さんもそれを受けて立つようにわざと不二さんに返球する。ポーチで互いに打ち合い始める二人だけど、どちらも隙があったはずなのに頑なに相手へと返し続けた。前衛だけのダブルス。ボレー対ボレーの対決。
二人のラリーが10球を越えた辺りで赤宮さんのボレーが決まった。
「……うん。前より反応とコントロールが上がってるね」
「馬鹿にしてんの?」
「おかしいなぁ。素直に褒めてるのに」
「よく言う」
赤宮さんがムスッとした顔で桃城くんと立ち位置を交代する。その途中で何か話をしていたみたいだけど私からは聞こえなかった。
「ごめんね、橘さん。僕の好きにさせてもらっちゃって」
「あ、えぇ。大丈夫です」
おそらく不二さんは赤宮さんと遊ぶつもりなのかもしれない。……私の出番はあるのかしら。
次もサーブを打ったあと、赤宮さんと不二さんの打ち合いになった。いくらなんでもこれではダブルスどころではないし、1対1のシングルスじゃないの。これだと桃城君もさすがに呆れてしまうのでは……。
(……あれ?)
桃城君の方を見てみれば何かを狙うような目をしていた。呆れた様子は一切ない。……ふーん? 面白そうね。
様子を見守っているとラリーはまた10球を越えた。赤宮さんか不二さん、今度はどちらが決めるのかな。そう思いながら不二さんがボールを打ち返す……が、赤宮さんはその打球を避けた。
まさか打ち返すのを諦めたのかしら。じゃあ、今度は私達のポイントね……と、思っていた。赤宮さんが避けた先に桃城君がいるのに気づくまでは。
「桃城君っ!?」
「もらったぁ!」
バウンドした球を桃城君が打ち返す。不二さんの横を抜いたところでようやくハッとした私は慌てて追いかけるけど、間に合わず点を取られてしまう。
てっきり不二さんと赤宮さんの勝負になるのかと思って気を緩んでしまった。
「……赤宮さん、てっきり僕と勝負してるのかと思ってたんだけど……逃げたんだ?」
挑発するような不二さんの言葉。赤宮さんは乗るのだろうかと彼女に目を向けると、赤宮さんは馬鹿にするような笑みを浮かべていた。
「天才のくせに分からないわけ? あんたと私の勝負じゃない。あんたらと私らの勝負だ。つまり、ダブルスなんだよ。勘違いすんな」
「そーっすよ。不二先輩っ。俺を除け者にするなんていけねーな、いけねーよ」
赤宮さんに続いて桃城君もへへっと笑みを見せた。決勝戦からそんなに日が経っていないのに、明らかに二人のコンビネーションは上がっているように思える。
そんな彼女達の様子に不二さんはどこか嬉しそうに「へぇ」と微笑んでいた。
その後、試合は1ゲーム勝負だったため、あっという間に終わってしまった。
結局、こちらの負け。相手の意思疎通の方が上だったため、仕方ないと言えば仕方ないけど、あの二人の成長を垣間見えたことは結構良かったんじゃないかしら。