自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.2 ……お前は人の世話は好きか?
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「不二、昨日用があるから部活に遅れると言っていたが、お前の言う用とは女子と試合をすることなのか?」
今日も青春学園内では朝練を始めようとする部活が多く、生徒が朝早くから登校している。
それはもちろんテニス部も同じであり、部室には既に着替え終えた手塚、大石、不二の三人がいた。他のメンバーが集まるまであと10分程であろう。
そんな中、手塚は少し眉間の皺を寄せて不二に昨日のことについて尋ねた。
昨日の昼休みの時間、不二は手塚に直接「今日の部活は少しだけ遅れるから」と言っていたが理由は聞かされていなかった。
何せ相手は天才不二周助。優しく微笑む姿に女子が惹かれることもあり、彼に告白する女子は何人もいる。
だから手塚はその時は女子からの呼び出しでもあったのだろうと考えていたので聞くのも野暮だと思った。
だが、実際には彼が女子とテニスで試合をしていたという話を先程登校途中の生徒の話を耳にして初めて知ったのであった。
そのため手塚は不二にそのことを問いただすと、不二は嘘偽りなくにこりと笑いながら答える。
「うん、そうだよ」
「あまり褒められたことではないな。部活の時間を削ってまで試合をする意味はあるのか」
「もちろん」
相手は悪びれる様子はないため、手塚の不機嫌さが増していく。そのことに気づいた大石はハラハラした様子で二人を見守っていた。
「理由を聞かせてもらおうか」
「自尊心の高い彼女には圧倒的な差で惨敗すら必要があったんだ。彼女のためにも……どうしてもね」
そう。絶対に必要な試合だった。確かに部活に遅れてまですることではないとも言えるが早いに越したことはない。
女子テニス部の部長は自由奔放な彼女に手を焼いていたし、麻美は女テニの中で一番テニスが強いため、強く言えない部長を不憫にも感じた。
だからお灸を据える意味を込めて、プライドが高く負けず嫌いな赤宮麻美から不二は白星を奪ったのだ。
そこまで深くは語らないが、事情があることを察知した手塚は小さく溜め息をこぼした。
「……分かった、もういい。だが、次からは部活時間外にしろ」
「うん。そうするよ」
何とかこの件は無事に解決出来たようで大石は安心して胸を撫で下ろす。そして話を終えたばかりの手塚に声をかけた。
「あのさ、手塚。話が変わるようで悪いんだけど、お前のクラスに西成さんいるだろ?」
「……あぁ、いるが」
「彼女がどうしてもテニス部の取材をしたいそうなんだ。新聞部所属の危機らしくて」
「あいつ、お前の所にまで行ってたのか」
大石は昨日遥に頼まれたことを叶えてやろうと手塚と交渉する。
不二も「そういえば……」と顎に指を添えて昨日のことを思い出した。
「その子……昨日、僕や英二にも頼んで来てたよ」
「……」
緩んだと思った部長の眉間の皺がまた深くなる。大石は心の中でやっぱりこうなるかぁと思いながら話を続けた。困ってる人を助けてやりたいがために。
「なぁ、手塚。取材は俺が受けるからお前の時間は取らせない。だからいいだろう?」
「お前はそれでいいのか?」
「あぁ」
手塚、本日二回目の溜め息を吐く。
きっと大石は真剣だ。優しいからこそ遥もそこを狙ったのかもしれない。それに彼がここまで言うならそうそう引き下がらないだろう。
だから手塚は諦めてこう答えた。
「……好きにしろ」
今日も青春学園内では朝練を始めようとする部活が多く、生徒が朝早くから登校している。
それはもちろんテニス部も同じであり、部室には既に着替え終えた手塚、大石、不二の三人がいた。他のメンバーが集まるまであと10分程であろう。
そんな中、手塚は少し眉間の皺を寄せて不二に昨日のことについて尋ねた。
昨日の昼休みの時間、不二は手塚に直接「今日の部活は少しだけ遅れるから」と言っていたが理由は聞かされていなかった。
何せ相手は天才不二周助。優しく微笑む姿に女子が惹かれることもあり、彼に告白する女子は何人もいる。
だから手塚はその時は女子からの呼び出しでもあったのだろうと考えていたので聞くのも野暮だと思った。
だが、実際には彼が女子とテニスで試合をしていたという話を先程登校途中の生徒の話を耳にして初めて知ったのであった。
そのため手塚は不二にそのことを問いただすと、不二は嘘偽りなくにこりと笑いながら答える。
「うん、そうだよ」
「あまり褒められたことではないな。部活の時間を削ってまで試合をする意味はあるのか」
「もちろん」
相手は悪びれる様子はないため、手塚の不機嫌さが増していく。そのことに気づいた大石はハラハラした様子で二人を見守っていた。
「理由を聞かせてもらおうか」
「自尊心の高い彼女には圧倒的な差で惨敗すら必要があったんだ。彼女のためにも……どうしてもね」
そう。絶対に必要な試合だった。確かに部活に遅れてまですることではないとも言えるが早いに越したことはない。
女子テニス部の部長は自由奔放な彼女に手を焼いていたし、麻美は女テニの中で一番テニスが強いため、強く言えない部長を不憫にも感じた。
だからお灸を据える意味を込めて、プライドが高く負けず嫌いな赤宮麻美から不二は白星を奪ったのだ。
そこまで深くは語らないが、事情があることを察知した手塚は小さく溜め息をこぼした。
「……分かった、もういい。だが、次からは部活時間外にしろ」
「うん。そうするよ」
何とかこの件は無事に解決出来たようで大石は安心して胸を撫で下ろす。そして話を終えたばかりの手塚に声をかけた。
「あのさ、手塚。話が変わるようで悪いんだけど、お前のクラスに西成さんいるだろ?」
「……あぁ、いるが」
「彼女がどうしてもテニス部の取材をしたいそうなんだ。新聞部所属の危機らしくて」
「あいつ、お前の所にまで行ってたのか」
大石は昨日遥に頼まれたことを叶えてやろうと手塚と交渉する。
不二も「そういえば……」と顎に指を添えて昨日のことを思い出した。
「その子……昨日、僕や英二にも頼んで来てたよ」
「……」
緩んだと思った部長の眉間の皺がまた深くなる。大石は心の中でやっぱりこうなるかぁと思いながら話を続けた。困ってる人を助けてやりたいがために。
「なぁ、手塚。取材は俺が受けるからお前の時間は取らせない。だからいいだろう?」
「お前はそれでいいのか?」
「あぁ」
手塚、本日二回目の溜め息を吐く。
きっと大石は真剣だ。優しいからこそ遥もそこを狙ったのかもしれない。それに彼がここまで言うならそうそう引き下がらないだろう。
だから手塚は諦めてこう答えた。
「……好きにしろ」