自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.15 あたしが拾い食いするとでも!?
主人公名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「やっばいやっばい! 見つかっちったなぁ」
今日は取材日じゃないからただの男テニ見学をしてたんだけど、部活も終わったからそろそろ帰ろうとしたら何やら手塚と秋が隅っこで話をしてる模様。
何だか手塚の顔も凄く険しいからあたしの友人である秋を虐めないか心配なのでこそこそと隠れながら様子を窺うのだが、これがまた全っ然聞こえないんだよね! 参ったよ!
これ以上近づくとバレてしまう恐れがあるし、どうしようと考えながらも念の為証拠として写真を押さえておこうと思い、スマホを二人に向けた。
もし、見間違いだとか言われても「これを見てもそんなことが言えるのかー!」と見せつけることも出来るからね。へへんっ、あたしってばあったまいー!
こうしてカシャッと音を鳴らしたのだけどこれがいけなかった。思ったよりも音が大きかったので手塚に見つかったあたしはそのまま逃げることに徹した。
「よーし、ここまで来ればもう大丈━━」
「ぶ、じゃないだろ」
「うおっ!」
追ってこないから少しスピードを落とす。念の為にと後ろを向いて走っていたせいか、前方に人がいることに気づかなかったあたしはすぐさま前を向いたその瞬間、ガシッと両肩を掴まれてしまい、急停止させられた。
びっくりしてしまいながらも相手を確認すると、あたしを止めたのが乾だと分かった。
「まったく、お前という奴は。走るなら前を向いて走らないとぶつかるだろう」
思わず心の中で「うげー」と思ってしまう。どうせまたグチグチと口うるさくなるやつだ!
「どうせまた赤宮か手塚を怒らせて逃げていたところだな。お前を追ってこないのなら手塚が妥当か。お前を追いかけようとは思わない奴だし、赤宮なら何がなんでも追い続けるだろうからね」
「ぐっ! よく分かってることで!」
お得意のデータってやつか! そう叫べば「その程度データでなくとも簡単に分かるだろ」とか言っちゃうんだから腹立たしいー!
いや、でも、ここは我慢だ。あたし、乾にお願いがあったんだった。思い出した……。
「次は気をつけるように」
「……うぃ」
「……珍しいな。西成が素直に返事をするなんて。拾い食いでもしたのか?」
「あたしが拾い食いするとでも!?」
「お前ならやりかねない」
さすがにそれはないぞ! むきー! と怒るものの、ハッと気づいたあたしはコホンと咳き込む。
「ま、まぁ、今日のところは許してあげよう」
「そうか」
「そ、それで実は素晴らしい頭脳をお持ちの乾にお願いがあって~……」
えへえへ。と、ちょっと下手に出て話を切り出す。すると乾はわざとらしい溜め息をついた。
「大石の情報を売るつもりはないぞ」
「な、なんだとぉ!?」
ハッ! いかんいかん。今はそうじゃないんだ。いや、大石の情報は欲しいけども!
「じゃ、じゃなくて! 今度英語の小テストがあるからせめてその範囲を予測して欲しくて……」
「何かと思えば……。その結果によってお前がしこたま叱られることになるのだろうな」
「場合によっては一週間部活停止と居残り授業が待ってます」
「はっはは」
「笑うなぁ!!」
「普通はそうはならないだろ。お前はどれだけ普段から不真面目に授業を受けているんだ?」
ぐぐぐ。ぐうの音も出ない。そもそも隣の席にいる手塚が英語教師にそう助言したらしいからこうなったのだよ! くそぉ! 手塚めぇ!!
「大体、範囲を簡単に予想出来ると思ってるのか?」
「え? 出来ないの? 乾ともあろう者が?」
「まぁ、今までの復習と思えば出来なくもないが」
「出来るんかいっ」
「そもそも小テストくらい普段からしっかりと授業を受けていたらそう難しいものでもないだろう」
「難しいから頼んでんじゃんか!」
「だったら大石に頼めばいいだろう?」
……はい? つい聞き返してしまった。なぜそこで大石の名が出るのか。そんなあたしのきょとん顔を見た乾は口元を歪めた。
「なんだ、知らないのか? 英語は大石の得意科目だ」
「そんなの頼めるわけないじゃん! あたしが馬鹿だって思われるでしょ!?」
「今更何を。大丈夫だ。誰がどう見てもお前は残念な頭だ」
フォローですらない! 少しは否定くらいしなよ!
「やだやだやだーー!! そう思われたくないーー!!」
「騒ぐな騒ぐな。まったく、子供の駄々っ子じゃあるまいし。……ならばこうしよう。範囲の予測はしないが、勉強を見てやる。それでどうだ?」
「ぐっ、勉強しなきゃいけないのか……」
「当たり前だろう」
そりゃそうだけど、範囲を教えてくれたらそれを頑張って頭を叩き入れるのに。……けれど、部活停止になる危機から逃れるためにはそうするしかないのかと嫌々ながらあたしは頷くのだった。
今日は取材日じゃないからただの男テニ見学をしてたんだけど、部活も終わったからそろそろ帰ろうとしたら何やら手塚と秋が隅っこで話をしてる模様。
何だか手塚の顔も凄く険しいからあたしの友人である秋を虐めないか心配なのでこそこそと隠れながら様子を窺うのだが、これがまた全っ然聞こえないんだよね! 参ったよ!
これ以上近づくとバレてしまう恐れがあるし、どうしようと考えながらも念の為証拠として写真を押さえておこうと思い、スマホを二人に向けた。
もし、見間違いだとか言われても「これを見てもそんなことが言えるのかー!」と見せつけることも出来るからね。へへんっ、あたしってばあったまいー!
こうしてカシャッと音を鳴らしたのだけどこれがいけなかった。思ったよりも音が大きかったので手塚に見つかったあたしはそのまま逃げることに徹した。
「よーし、ここまで来ればもう大丈━━」
「ぶ、じゃないだろ」
「うおっ!」
追ってこないから少しスピードを落とす。念の為にと後ろを向いて走っていたせいか、前方に人がいることに気づかなかったあたしはすぐさま前を向いたその瞬間、ガシッと両肩を掴まれてしまい、急停止させられた。
びっくりしてしまいながらも相手を確認すると、あたしを止めたのが乾だと分かった。
「まったく、お前という奴は。走るなら前を向いて走らないとぶつかるだろう」
思わず心の中で「うげー」と思ってしまう。どうせまたグチグチと口うるさくなるやつだ!
「どうせまた赤宮か手塚を怒らせて逃げていたところだな。お前を追ってこないのなら手塚が妥当か。お前を追いかけようとは思わない奴だし、赤宮なら何がなんでも追い続けるだろうからね」
「ぐっ! よく分かってることで!」
お得意のデータってやつか! そう叫べば「その程度データでなくとも簡単に分かるだろ」とか言っちゃうんだから腹立たしいー!
いや、でも、ここは我慢だ。あたし、乾にお願いがあったんだった。思い出した……。
「次は気をつけるように」
「……うぃ」
「……珍しいな。西成が素直に返事をするなんて。拾い食いでもしたのか?」
「あたしが拾い食いするとでも!?」
「お前ならやりかねない」
さすがにそれはないぞ! むきー! と怒るものの、ハッと気づいたあたしはコホンと咳き込む。
「ま、まぁ、今日のところは許してあげよう」
「そうか」
「そ、それで実は素晴らしい頭脳をお持ちの乾にお願いがあって~……」
えへえへ。と、ちょっと下手に出て話を切り出す。すると乾はわざとらしい溜め息をついた。
「大石の情報を売るつもりはないぞ」
「な、なんだとぉ!?」
ハッ! いかんいかん。今はそうじゃないんだ。いや、大石の情報は欲しいけども!
「じゃ、じゃなくて! 今度英語の小テストがあるからせめてその範囲を予測して欲しくて……」
「何かと思えば……。その結果によってお前がしこたま叱られることになるのだろうな」
「場合によっては一週間部活停止と居残り授業が待ってます」
「はっはは」
「笑うなぁ!!」
「普通はそうはならないだろ。お前はどれだけ普段から不真面目に授業を受けているんだ?」
ぐぐぐ。ぐうの音も出ない。そもそも隣の席にいる手塚が英語教師にそう助言したらしいからこうなったのだよ! くそぉ! 手塚めぇ!!
「大体、範囲を簡単に予想出来ると思ってるのか?」
「え? 出来ないの? 乾ともあろう者が?」
「まぁ、今までの復習と思えば出来なくもないが」
「出来るんかいっ」
「そもそも小テストくらい普段からしっかりと授業を受けていたらそう難しいものでもないだろう」
「難しいから頼んでんじゃんか!」
「だったら大石に頼めばいいだろう?」
……はい? つい聞き返してしまった。なぜそこで大石の名が出るのか。そんなあたしのきょとん顔を見た乾は口元を歪めた。
「なんだ、知らないのか? 英語は大石の得意科目だ」
「そんなの頼めるわけないじゃん! あたしが馬鹿だって思われるでしょ!?」
「今更何を。大丈夫だ。誰がどう見てもお前は残念な頭だ」
フォローですらない! 少しは否定くらいしなよ!
「やだやだやだーー!! そう思われたくないーー!!」
「騒ぐな騒ぐな。まったく、子供の駄々っ子じゃあるまいし。……ならばこうしよう。範囲の予測はしないが、勉強を見てやる。それでどうだ?」
「ぐっ、勉強しなきゃいけないのか……」
「当たり前だろう」
そりゃそうだけど、範囲を教えてくれたらそれを頑張って頭を叩き入れるのに。……けれど、部活停止になる危機から逃れるためにはそうするしかないのかと嫌々ながらあたしは頷くのだった。