自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.15 あたしが拾い食いするとでも!?
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「九条、時間はあるだろうか? 話がある」
部活終わりに九条に声をかける。彼女は慌てる素振りを見せながらも「だ、大丈夫だよ」と、少し緊張した面持ちで返事をしてくれた。
ひとまず拒絶されていないようで安心するものの、やはり九条の様子が前とは違うことがどうしても気にかかる。
すでに部員のほとんどがいなくなった部のコートの端にて九条に用件を告げる。
「話……と言うよりかは、九条への謝罪なんだ」
「え?」
「お前に向けて冷たい態度をとってしまった。もちろんお前に何も落ち度はなく、俺の不甲斐なさゆえのことだ。本当にすまない」
九条に頭を下げる。これで許してくれるかは分からないし、少し簡略過ぎただろうかとも考えてしまう。しかし、あまりにつらつらと述べるのは言い訳がましいのもまた事実。
「て、手塚君っ! 顔を上げて!」
許す、許さないよりも先に彼女は俺の頭を上げることを望むので申し訳なさを抱えたまま言われた通りにする。
顔を上げた先にいた九条は困った表情をして、躊躇いながらも口を開いた。
「……私が手塚君に何か不愉快なことをしたんじゃないの?」
「今言ったように九条には何一つ問題ない。不愉快にさせたのは俺の方だ。だから謝罪をしたいのだが……こんな勝手なことをした俺に許しは得られるだろうか?」
子供じみた浅はかな言動をお前に向けてしまったことは何度謝罪しても許されないのかもしれない。もしかしたら傷つけたかもしれないのに調子のいいことを口にしていると思われるだろうか。
それでも俺は九条の許しを得られるまで何回でも何十回でも頭を下げるつもりだ。
「許すも何も私が手塚君に嫌な思いをさせてないならそれで良かったよ」
ホッと安堵するような柔らかい笑みを向けられる。醜い嫉妬をした俺が受けていいようなものではないほど眩しかった。
胸が熱く高鳴る。彼女は俺を怒る資格があるのにその優しさはもはや甘すぎるくらいだ。
「それだと俺の気が済まない」
「本当に気にしなくていいんだよ。虫の居所が悪い時は誰にだってあるし、今の私達の年齢なら思春期とか反抗期にあたるからね」
「……」
……反抗期。反抗期で片付けられてしまうのか。どう返したらいいのか分からず、言葉に詰まる。
「……理由は聞かないのか? 俺が何故お前にあのような態度をしたのか」
「え? 手塚君の機嫌が悪かったんだよね?」
「違う」
「そう、なの? でも、どんな理由だろうと手塚君がそこまで話す必要はないよ。もう充分に謝罪をしてくれたんだから。ね?」
無理に言わなくてもいいと言いたいのだろう。確かに口にするのは躊躇われるし、俺としてもあの程度で嫉妬したと思われたくはないが……少しでもこちらの気持ちを知ってもらいたいという思いもある。
今なら、言えるかもしれない。そう思い、九条の目をしっかりと見つめる。
「九条。こんなことを言うと子供だと思われるかもしれないが、俺は嫉妬していた」
「え……?」
「それは俺が九条に━━」
カシャッ。
胸の奥に抱えていた想いを吐露しようとした瞬間、シャッターを切る音が聞こえた。
もちろん、言葉の続きを口にすることなんて出来るはずもなく、音がした方へ勢いよく視線を向ければ、そこにはフェンスを挟んだ向こう側からしゃがみ込みながら携帯端末を構える西成の姿があった。
目が合うと奴は「やべっ」と言葉を漏らす。
「……西成!!」
「ひぇっ! 見つかったー!」
怒鳴りつけると西成はすぐに走って逃げた。あんな写真を撮ってどうするつもりなのか。また次会った時にでも問い詰めなければならないな。
しかし、そのせいで口にしようとした想いをまた胸の奥へと引っ込んでしまい、タイミングを逃してしまった。
「遥、いたんだね……」
「まったく……。すまない、九条。勝手に写真を撮ったあいつにはデータを消すように強く言っておく」
「私は別に気にしてないから大丈夫だよ。それに遥のことだから面白半分で撮ったと思うしね」
「……九条は甘すぎる」
「そうかな?」
くすくすと笑う九条を見て、久しぶりに笑った表情だと俺もつられて頬が緩んだ気がした。
……色々と有耶無耶になってしまったが、今はその時ではないということなんだと自分に言い聞かせ、九条と途中まで共に帰ることにした。
(そういえば手塚君の言っていた嫉妬って私が遥と仲がいいからそれに妬いたってことかな……。手塚君、やっぱり遥のことを……?)
部活終わりに九条に声をかける。彼女は慌てる素振りを見せながらも「だ、大丈夫だよ」と、少し緊張した面持ちで返事をしてくれた。
ひとまず拒絶されていないようで安心するものの、やはり九条の様子が前とは違うことがどうしても気にかかる。
すでに部員のほとんどがいなくなった部のコートの端にて九条に用件を告げる。
「話……と言うよりかは、九条への謝罪なんだ」
「え?」
「お前に向けて冷たい態度をとってしまった。もちろんお前に何も落ち度はなく、俺の不甲斐なさゆえのことだ。本当にすまない」
九条に頭を下げる。これで許してくれるかは分からないし、少し簡略過ぎただろうかとも考えてしまう。しかし、あまりにつらつらと述べるのは言い訳がましいのもまた事実。
「て、手塚君っ! 顔を上げて!」
許す、許さないよりも先に彼女は俺の頭を上げることを望むので申し訳なさを抱えたまま言われた通りにする。
顔を上げた先にいた九条は困った表情をして、躊躇いながらも口を開いた。
「……私が手塚君に何か不愉快なことをしたんじゃないの?」
「今言ったように九条には何一つ問題ない。不愉快にさせたのは俺の方だ。だから謝罪をしたいのだが……こんな勝手なことをした俺に許しは得られるだろうか?」
子供じみた浅はかな言動をお前に向けてしまったことは何度謝罪しても許されないのかもしれない。もしかしたら傷つけたかもしれないのに調子のいいことを口にしていると思われるだろうか。
それでも俺は九条の許しを得られるまで何回でも何十回でも頭を下げるつもりだ。
「許すも何も私が手塚君に嫌な思いをさせてないならそれで良かったよ」
ホッと安堵するような柔らかい笑みを向けられる。醜い嫉妬をした俺が受けていいようなものではないほど眩しかった。
胸が熱く高鳴る。彼女は俺を怒る資格があるのにその優しさはもはや甘すぎるくらいだ。
「それだと俺の気が済まない」
「本当に気にしなくていいんだよ。虫の居所が悪い時は誰にだってあるし、今の私達の年齢なら思春期とか反抗期にあたるからね」
「……」
……反抗期。反抗期で片付けられてしまうのか。どう返したらいいのか分からず、言葉に詰まる。
「……理由は聞かないのか? 俺が何故お前にあのような態度をしたのか」
「え? 手塚君の機嫌が悪かったんだよね?」
「違う」
「そう、なの? でも、どんな理由だろうと手塚君がそこまで話す必要はないよ。もう充分に謝罪をしてくれたんだから。ね?」
無理に言わなくてもいいと言いたいのだろう。確かに口にするのは躊躇われるし、俺としてもあの程度で嫉妬したと思われたくはないが……少しでもこちらの気持ちを知ってもらいたいという思いもある。
今なら、言えるかもしれない。そう思い、九条の目をしっかりと見つめる。
「九条。こんなことを言うと子供だと思われるかもしれないが、俺は嫉妬していた」
「え……?」
「それは俺が九条に━━」
カシャッ。
胸の奥に抱えていた想いを吐露しようとした瞬間、シャッターを切る音が聞こえた。
もちろん、言葉の続きを口にすることなんて出来るはずもなく、音がした方へ勢いよく視線を向ければ、そこにはフェンスを挟んだ向こう側からしゃがみ込みながら携帯端末を構える西成の姿があった。
目が合うと奴は「やべっ」と言葉を漏らす。
「……西成!!」
「ひぇっ! 見つかったー!」
怒鳴りつけると西成はすぐに走って逃げた。あんな写真を撮ってどうするつもりなのか。また次会った時にでも問い詰めなければならないな。
しかし、そのせいで口にしようとした想いをまた胸の奥へと引っ込んでしまい、タイミングを逃してしまった。
「遥、いたんだね……」
「まったく……。すまない、九条。勝手に写真を撮ったあいつにはデータを消すように強く言っておく」
「私は別に気にしてないから大丈夫だよ。それに遥のことだから面白半分で撮ったと思うしね」
「……九条は甘すぎる」
「そうかな?」
くすくすと笑う九条を見て、久しぶりに笑った表情だと俺もつられて頬が緩んだ気がした。
……色々と有耶無耶になってしまったが、今はその時ではないということなんだと自分に言い聞かせ、九条と途中まで共に帰ることにした。
(そういえば手塚君の言っていた嫉妬って私が遥と仲がいいからそれに妬いたってことかな……。手塚君、やっぱり遥のことを……?)