自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.13 さっさと帰って練習するぞ
主人公名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
(なんでこんなことになってんだよ……)
腕を組みながら麻美は思った。その視線の先はダブルス専用のストリートテニスコート。
麻美は買い出しに行った桃城を早く部活に戻そうと探しに出たが、寄り道している可能性も考えて近くのテニスコートがある場所を覗いていた。
そして見つけたのだ。案の定寄り道をしている桃城がなぜか地区大会で戦った不動峰の神尾とペアを組んで見知らぬ二人と試合をしていたのである。
こんな所で道草食ってんじゃねぇと怒鳴りつけてやろうかと思った麻美だったが、ミクスド大会で対戦した橘杏の話を聞いて遊びで試合をするわけではないと知った。
そして試合が終わるまで待つことになったわけである。
(っつーか、相手の方はなんだよ。馬鹿にしてんのか?)
見れば相手側のコートはなぜか一人が座り込み、もう一人が全てのボールを打ち返している。実質2対1の試合だが、ボールを拾う大男はどんな球も返していた。
けれどそれは桃城達にとってはチャンスボール。それを見逃さない桃城は高く飛んで彼の十八番であるダンクスマッシュを放つ。ずっと座っている王様のような相手を挑発するかのように。
「……」
麻美はその様子を見てあることに気づいた。明らかに自分と組んでいた時より伸び伸びとプレイしていることに。
ミクスド大会で共に組んだ時のことを思い出しても桃城がダンクスマッシュのような決め技を気持ち良く打てただろうか、と。
麻美は記憶を掘り起こしたが、あまり記憶になかった。せいぜい片手で数えるくらいだったんじゃないかというくらいに必殺技を決めている印象がなかったのだ。
そもそもチャンスボールはほとんど麻美が決めていた。桃城が決め球を打てなかったわけじゃなく麻美が奪ったという方が正しいだろう。
考えれば考えるほど最初にミクスド練習をした時のような動きばかりだったと麻美は僅かばかりの罪悪感を抱く。今更ではあるが。
(あいつらの言う通りちゃんと話し合って練習しないといけないな……)
はぁ、と溜め息を吐き捨てた頃には桃城達の試合は終わってしまっていた。終わったと言うより相手側が終わらせたのだが。大男のパワーショットを桃城が意地で返したことによって相手側が負けを認めて帰って行った。
生意気な奴だな、と見送りながら麻美はようやく桃城に話しかける。
「おい、桃城」
「えっ!? な、なんで赤宮先輩がここにっ!? いつから!?」
「さっきだよ。あんたが買い出しに行ってるっつーから寄り道してないか探しに来たんだよ。さっさと帰って練習するぞ」
これ以上私を待たせるなと言わんばかりの態度で桃城に部活へ戻る催促をする。しかし彼は言いにくそうに目を泳がせながら頭を搔いた。
「あの~……ミクスドのペアのことなんすけど、俺……辞退します」
「……は?」
突然のペア解消に麻美は言葉を失った。
「いや~やっぱ俺じゃ荷が重いっつーか、ダブルス向いてないんすよ!」
「なんだよ、桃城。お前さっきダブルス得意って言ってただろ?」
「馬鹿っ! 今はそうじゃねぇっての!」
神尾が不思議そうに尋ねるが桃城は慌てて口元に人差し指を当てる。けれど麻美は驚きのあまりその会話すら耳に入らなかった。
腕を組みながら麻美は思った。その視線の先はダブルス専用のストリートテニスコート。
麻美は買い出しに行った桃城を早く部活に戻そうと探しに出たが、寄り道している可能性も考えて近くのテニスコートがある場所を覗いていた。
そして見つけたのだ。案の定寄り道をしている桃城がなぜか地区大会で戦った不動峰の神尾とペアを組んで見知らぬ二人と試合をしていたのである。
こんな所で道草食ってんじゃねぇと怒鳴りつけてやろうかと思った麻美だったが、ミクスド大会で対戦した橘杏の話を聞いて遊びで試合をするわけではないと知った。
そして試合が終わるまで待つことになったわけである。
(っつーか、相手の方はなんだよ。馬鹿にしてんのか?)
見れば相手側のコートはなぜか一人が座り込み、もう一人が全てのボールを打ち返している。実質2対1の試合だが、ボールを拾う大男はどんな球も返していた。
けれどそれは桃城達にとってはチャンスボール。それを見逃さない桃城は高く飛んで彼の十八番であるダンクスマッシュを放つ。ずっと座っている王様のような相手を挑発するかのように。
「……」
麻美はその様子を見てあることに気づいた。明らかに自分と組んでいた時より伸び伸びとプレイしていることに。
ミクスド大会で共に組んだ時のことを思い出しても桃城がダンクスマッシュのような決め技を気持ち良く打てただろうか、と。
麻美は記憶を掘り起こしたが、あまり記憶になかった。せいぜい片手で数えるくらいだったんじゃないかというくらいに必殺技を決めている印象がなかったのだ。
そもそもチャンスボールはほとんど麻美が決めていた。桃城が決め球を打てなかったわけじゃなく麻美が奪ったという方が正しいだろう。
考えれば考えるほど最初にミクスド練習をした時のような動きばかりだったと麻美は僅かばかりの罪悪感を抱く。今更ではあるが。
(あいつらの言う通りちゃんと話し合って練習しないといけないな……)
はぁ、と溜め息を吐き捨てた頃には桃城達の試合は終わってしまっていた。終わったと言うより相手側が終わらせたのだが。大男のパワーショットを桃城が意地で返したことによって相手側が負けを認めて帰って行った。
生意気な奴だな、と見送りながら麻美はようやく桃城に話しかける。
「おい、桃城」
「えっ!? な、なんで赤宮先輩がここにっ!? いつから!?」
「さっきだよ。あんたが買い出しに行ってるっつーから寄り道してないか探しに来たんだよ。さっさと帰って練習するぞ」
これ以上私を待たせるなと言わんばかりの態度で桃城に部活へ戻る催促をする。しかし彼は言いにくそうに目を泳がせながら頭を搔いた。
「あの~……ミクスドのペアのことなんすけど、俺……辞退します」
「……は?」
突然のペア解消に麻美は言葉を失った。
「いや~やっぱ俺じゃ荷が重いっつーか、ダブルス向いてないんすよ!」
「なんだよ、桃城。お前さっきダブルス得意って言ってただろ?」
「馬鹿っ! 今はそうじゃねぇっての!」
神尾が不思議そうに尋ねるが桃城は慌てて口元に人差し指を当てる。けれど麻美は驚きのあまりその会話すら耳に入らなかった。